12月10日 渋谷へ

今日、中国へ帰るシャオシャさんが学校で挨拶をした。
「3年間お世話になりました。」
日本に来たばかりの頃は「こんにちは」「ありがとう」の意味も分からなかったのに、3年間でこれだけになれるなんてすごいなと思った。クラスみんなで校歌を歌ってあげた。シャオシャさんがポロポロと涙を流した。それを見ると僕も涙が出そうになった。でも我慢する。みんなの前では泣くものか。

この日は放課後、僕は三者面談の日だった。親が隣に座り、前に先生が座る。さっそく進路についてなど話が始まるのだけれど、僕は中国に帰るシャオシャさんのことでいっぱいだった。彼女にはお世話になった。中国語通訳者になりたいという将来の夢も見つけさせてくれた。そんな彼女が中国に帰ると思うと、寂しい。友達がいないのを理由に涙がボロボロと出てきた。先生が泣いて良いよ、先生も泣いたもの、と言ってティッシュを出してくれた。涙が止まらないで、ちょっと恥ずかしかった。

面談が終わり、中国語学習者同士で仲の良い学校の主事さんの木村さんと一緒にシャオシャさんの話をしながら、生徒玄関へ向かっていると、シャオシャさんがいきなりバッと出てきた。友人のEさんも一緒だった。
「遅イダヨ!ズット待ッテタヨ!」
僕のことをずっと待っていたらしい。嬉しくて僕も叫んでしまった。最後にみんなで渋谷に行こうよ、と誘ってくれた。僕はすぐに分かったと返事をした。


渋谷。交番の前で待ち合わせをする。
相変わらず人が多い。明日が土曜日で休日だから、みんなワクワクしているのかな。


中国の友達へのお土産を選んでいるシャオシャさん。
「你的朋友们知道你回中国吗?(君の中国の友達は君が中国に帰ることを知っているの?)」と聞くと「たぶん知らないと思う」との返事。


デカいカップラーメンを乗せたトラックを目撃。
シャオシャさんも笑っていた。そんなシャオシャさんも明日成田を発つ。

シャオシャさんに是非明日見送りたい。成田までは遠いから行けないけど、赤坂を発つところまで見送りたい、と言ったら「朝早いからいいよ」と言われた。でも僕と友人Eさんで強引に見送りに行くよ、といったら「分かった」と言った。明日の朝6時に赤坂を出発するらしい。電車の中でそんな会話をしていたら、すぐに表参道についた。シャオシャたちは赤坂見附駅なので、まだ乗っておくのだが、僕は千代田線乗り換えなので、降りなくてはいけない。きっと明日行くということをいって分かれた。


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