The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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中国南部出張2日目

昨日から出張で福建省アモイに来ています。アモイは海に面していて、私の宿泊したホテルの客室からも(昨夜は暗くて分かりませんでしたが)よく見えて絶景でした。

アモイはかつて租界が設置されていたこともあって、その異国情緒あふれる町並みが特徴です。市内にある「コロンス島」は島全体が世界遺産になっています。私は仕事の関係で残念ながら市内を見る機会はありませんでしたが、こうしてホテルの窓から海を眺めているだけでジブリ映画「魔女の宅急便」の挿入曲「海の見える街」が脳内で再生されました。

ちなみに福建省アモイは台湾(中華民国)に最も近い場所と言えます。私が宿泊したホテルは上のGoogleマップでいうと西側(左側)にある「アモイ島」(“厦门岛”)。その東側(右側)に四国みたいな形をした島がありますが、これは「金門島」といって台湾が実効支配する島です。アモイとの距離は最短で6キロメートルしか離れていません。

実は私、数年前に「金門島」に行ったことがあります。

金門島から見たアモイ(2018年11月撮影)

この写真、金門島からアモイ側を撮影したものです。厳密には金門島の隣にある「小金門島」という島ですけど。奥に見えるビルが建っている場所がアモイですけど、こう見ると本当に近いです。昔は「私は金門島に住み、親戚がアモイに住んでいる」なんて人がたくさんいたとのこと。それが国共内戦によって突然「あちらは中国(中華人民共和国)で、こちらは台湾(中華民国)」と線引きされ、自由な往来ができなりました。それどころか島は対立の最前線となり、かつては大陸側から激しい砲撃を受けるなど極度の緊張状態にありました。

金門島の海岸、人民解放軍の上陸を阻むための杭(2018年11月撮影)

今でも私がよく覚えているのが金門島で育った高齢の男性が教えてくれた話です。子どもの頃、母親から「昼食ができたからお隣さんを呼んできなさい。一緒に食べましょう」と言われ、お隣さんの家に行ったら家族みんなが喉を掻き切られて死んでいたというのです。男性曰く、それは大陸側(アモイ)から泳いで渡ってきた人民解放軍の仕業なんだそうで、金門島の人たちは「水鬼」と呼んで恐れたそうです。もっとも台湾側にも金門島からアモイに渡っていく部隊がいたとのこと。戦争下、結局どちらも同じようなことをしていたんですね。

金門島の海岸に行くと上の写真のような杭が大量に刺さっていることに気付きます。これは中国の人民解放軍の上陸を阻むためのもので、台湾防衛の最前線だった島にはこうした戦争の痕跡がたくさん残っています。

こちらは今回撮影したアモイ側から金門島を望んだ写真です。ちなみに写真中央に赤と白の灯台が見えますが、これは金門島ではありません。その奥に見えるのがそうです。まさか今回、アモイ側から金門島を眺める機会があるとは思いませんでした。

かつては目と鼻の先にありながら往来のできなかったアモイと金門島ですが、2001年から人や貨物など限定的な往来が再開しています。船でたった30分余り、中国から最もすぐに行ける台湾として人気を集めています。

一方で、アモイの海岸沿いには巨大なスローガンも。

一国两制统一中国”(『一国二制度』が中国を統一する)

金門島の方向に向けて設置されています。中国(中華人民共和国)からすれば、台湾は未だに「解放できていない場所」。こういうのを見ると、アモイと金門島は行き来できるようになったものの、その関係性自体は国共内戦のときから変わっていないということをひしひしと感じさせられます。

上海行4日目

上海旅行の最終日、徐家匯にあるメトロシティ(“美罗城”)に行きました。ここにも日系の店がたくさん入っていて、十数年前の留学時代にも来たのを覚えています。

地下にヤマザキパンのカフェが入っていて、こちらでモーニングをいただきました。上海滞在中は何店舗か見かけましたね。食パン、菓子パンのほかにケーキ、プリン、大福なんかも売っていました。私はソーセージを挟んだホットドッグみたいなパンをいただきましたがおいしかったです。

1階には「少年ジャンプ・ショップ」が。こちら海外1号店なんだそうです。確かに中国は日本の漫画・アニメ作品が大好きって人が多いですからねえ。そんな広くない店舗でしたが、商品を手に取って熱心に品定めをする人たちが何人か。

こちらのメトロシティには「ロフト」も入っています。2020年7月にオープン*1した、こちらも海外1号店のロフトなんだそうです。上海は日本人も多いし、海外出店に当たっての試金石みたいなところがあるのかもしれませんね。

店舗の面積は日本のロフトと同じくらいでしょうか。半分くらいは日本製品が占めていて、店内をウロウロしていると日本にいるような気分になります。

ロフトと言えば私は学生時代から文房具を買うのにお世話になった印象が強いんですけど、こちら上海のロフトにも文房具がたくさん並んでいました。日本の文房具って、何と言うか、きれいですよね(笑)。見ているだけで楽しくなります。

今がどうかは分かりませんが、私が留学していた頃は品質があまり良くありませんでした。留学先の大学キャンパス内にあった店舗*2で買ったボールペン、それはそれはインクの出が悪くって。買ったノートの紙質もザラザラで、ああ、日本でたくさん買って持ってくれば良かったと思ったものでした。留学当時に中国にロフトがあったら便利だっただろうなあ。まあ、そうだったとしても上海にできて北京ではなかったでしょうけど。

メトロシティには「どんぐり共和国」もありました。スタジオジブリ公認のキャラクターグッズを専門に販売する店舗ですね。ここが中国1号店だそうで、海外出店という意味では香港、韓国、台湾に続くものなんだそうです。2016年のオープンということで、すでに7年近く経つもののこうして営業を続けているということは中国でのジブリ人気を反映しているのかもしれません。

ネコバスの行き先が上海になっています。ちなみに「トトロ」は中国語で「龍猫」、「ネコバス」は「猫巴士」と言います(『巴士』というのは中国語で『バス』という意味です)。

ここ最近は「天空の城ラピュタ」や「紅の豚」といった往年のジブリ作品が中国で再上映される動きが相次いでいます。こちらの「どんぐり共和国」もお客さんで賑わっていましたし、今後店舗数が増えていくかもしれませんね。

References
*1中国ではコロナ禍真っ只中だったかと思いますが、そんな大変な時期にオープンしたんですね。
*2「合作社」という店舗で、日本の協同組合みたいなものです。さしずめ日本の大学の生協といったところでしょうか。

上海行3日目

上海旅行3日目の今日は上海ディズニーランドに行きました。

私は(自他共に認める)ディズニーランド好きです。上海に来ていながらディズニーランドに行かないという選択肢はありえん!と先週のうちにパークチケットも購入しておきました。ちなみに購入したのは“一日票赠100元餐饮抵扣券”という、1デーパスポートに100元の食事優待券が付いたチケットです。額は1人599元、日本円で1万2500円くらいですね。ちなみに食事優待券の無い通常の1デーパスポート(“一日票”)でも同じ額の599元でした。これはどういうカラクリかしらん。

ちなみに東京ディズニーランドは高い時期でも1万900円らしいので、上海は高めですね。まあ、100元(約2000円)の食事優待券があることを考えれば、実質同じくらいでしょうか。

上海ディズニーランドは広いですね。妻が「広すぎて歩くのが疲れる」と漏らしていましたが、調べてみると確かに世界最大のディズニーランド・パークなんだそうです。ちなみに写真の城は「エンチャンテッド・ストーリーブック・キャッスル」(“奇幻童话城堡”)と言い、カリフォルニアの「眠れる森の美女の城」や東京ディズニーランドの「シンデレラ城」みたいな特定のディズニー・プリンセスに関連せず、全てのディズニープリンセスが集まる魔法の城という設定なんだそうです。

上海ディズニーランドは東京ディズニーランドなどと比べ、オリジナルの新しいディズニーランドだと感じます。東京ディズニーランドは当初からアメリカにあるディズニーパークの完全再現を目指していましたから。逆に言うと、上海ディズニーランドには既存のディズニーランド「らしさ」がないんです。

これは私の想像ですけど、中国の方々に受け入れられるように工夫した結果なんじゃないかと思います。例えば上海オリジナルのテーマランド「トレジャー・コーブ」。18世紀のカリブ海の海岸をモチーフにしているそうですが、エリア内の難破船にはデデーンと漢字で“宝藏湾”と書かれています。そりゃあ「トレジャー・コーブ」だから「宝物の湾(入り江)」だけど……私なんかは「なんで18世紀のカリブ海に漢字があんねん!」と思っちゃうわけです。

对不起,我错了!”(ごめんなさい、私が間違っていました!)

ここは英語だけのほうが「っぽい」感じがして良いように思うんですけど、中国の方は「英語だけだと何て書いてあるか分からん」「中国の遊園地なんだから中国語があったほうがいい」という考えが強いんだと思います。

逆に言うと漢字の分かる日本人には園内表記がおもしろいです。

  • 「ロアリング・ラピッド」(轟音の急流)=“雷鸣山漂流
  • 「ストーリーハウス・ステージ」(物語小屋の舞台)=“故事舞台
  • 「ソアリン・オーバー・ザ・ホライズン」(地平線の彼方に舞い上がる)=“翱翔・飞越地平线

東京ディズニーランドだとカタカナでそのまま書いてしまうそうですが、中国では(当然ですが)アトラクション名は全て漢字。日本人だと何となく分かりそうな感じがいいですね。

こちらは“皮诺丘乡村厨房”。“皮诺丘”は発音すると「ピーヌォチウ」で、ピノキオという意味です。つまり「ピノキオの農村厨房」。おそらく日本語のガイドマップなんかでは「ピノキオのビレッジ・キッチン」と表記されるでしょうか。

こちらは“M大街购物廊”。「アベニュー・エム・アーケード」、土産店です。上海ディズニーランドは入園してすぐの、東京の「ワールドバザール」に当たる部分に「ミッキーアベニュー」が広がっています。おそらく「アベニュー・エム」というのはそのことかな。

週末だったので混んでいることは混んでいましたが、日本みたいにアトラクション3時間待ちみたいなことはありませんでした。妻が妊娠していたので激しいアトラクションには乗りませんでしたが、それでも1日で10くらい乗れたんじゃないでしょうか。一番長く並んだのは「ソアリン・オーバー・ザ・ホライズン」ですが、それでも75分待ちでした。

昼食をいただいたのはトレジャー・コーブにある「バルボッサ・バウンティ」(“巴波萨烧烤”)。このレストランは東京ディズニーランドにある「ブルーバイユー・レストラン」と同様、アトラクション「カリブの海賊」に隣接しています。屋内なんですが、まるで川沿いで食事をしているような気分を味わえます。

ただ空間は東京の「ブルーバイユー・レストラン」のほうが広いかな?こちらのほうが若干狭く感じました。レストラン側からはボートに乗ったゲストたちが見えるんですけど、今日は「カリブの海賊」がメンテナンスでクローズしていたため見られませんでした。

一応洋食ということになっているんですが、やはりどこか漂う中華風。私は「ウィルのグリル・ストリップ・ステーキとフライ・ヌードル」(“威尔扒牛排配炒面”)をいただきました。付け合わせがチンゲンサイだったり味付けも中国料理風だったり、中国の方の好みに合わせたのかもしれません。

夜は午後8時から花火が始まるとのことでしたが、鑑賞しようとする人たちですごい混雑だったので見ないままパークを後にしました。

私が初めて上海ディズニーランドに行ったときは上から目線ながら「中国の方々はディズニーの世界観を分かるのかしら」と思いました。日本人って小さい頃から周りにアメリカ文化が溢れる中で過ごし、幼少期にディズニー映画を見たっていう人が多い。けれど中国の人たちって日本人ほどディズニーに親しんで育っているのかといったらそういうわけでもないような気がするんですよね。

けれど、いざ行ってみると「ディズニー好き」の中国人が増えたんだなあということを実感しました。一番印象的だったのは映画「アナと雪の女王」をテーマにしたミュージカルショー「フローズン・シング・アロング・セレブレーション」(“冰雪奇缘:欢唱盛会”)で、途中に映画の挿入歌をみんなで歌うシーンがあるんですね。スクリーンに歌詞は表示されるんですけど、みんな大声で歌うんです。ここ最近のディズニー映画は日本とほぼ同じタイミングで劇場公開もされますから、都市部の人たちは日本人と変わらないくらいディズニーに親しむようになっているのかもしれません。

上海行2日目

私は去年結婚して籍を入れたのですが、北京赴任が決まってから(1か月くらいの間に)ドタバタ決めたので、結婚式はおろか、写真撮影もできませんでした。北京に来てからも激務が続いたので考える暇もなかった(というのは言い訳になっちゃう)のですが、妻からはせめて写真は撮りたいというリクエストをもらっていました。

妻に花嫁衣装を着せられておらず、それぞれの両親にもそういう姿を見せられていないことには私自身申し訳ない思いがありました。そうであれば妻はまもなく妊娠後期に入ってしまいますし、今のうちに写真くらいは撮ってもいいのでは?ということで、結婚写真を撮ることにしました。今回上海に来たのは、まさにこれが目的なんです。

写真館に向かう前にコメダ珈琲でモーニングをいただきました。コメダ珈琲まである上海、本当に羨ましいです。ちなみに店名は中国語で“口美达咖啡”。ちょっと……個人的にはおいしくなさそう(^^;)。まるで歯科医院みたいな名前です。台湾では“客美多咖啡”だそうで、私はこちらのほうが良いと思います。

撮影は昼過ぎまでかかるということで、しっかり腹ごしらえ。日本と同様に飲み物を頼めば無料でトーストが付いてきます。妻は小倉あん、私はたまごペーストを付けました。

今回お世話になったのは上海高島屋(上海には高島屋まであるんですね)の中に入っている写真館です。妻のメイク時間などを見積もって集合時間が朝早く設定されたため、開店前に従業員通用口から入れていただきました。

北京にも結婚写真を撮ってくれる写真館はたくさんあります。ただ……中国の写真館って大胆なんですよねえ。人通りの多い町なかでこっぱずかしいポーズをさせられるとか*1ちょっと私は勘弁してほしくて。あと、さすが上海だけあってこちらの写真館には和装が用意されているんです。別に洋装が嫌だったわけではないですけど、和装を着る機会ってそうそうないじゃないですか。だって紋付袴なんて……七五三以来かしらん?妻も和装を着てみたいと言ってくれたため、こちらの写真館にお世話になることになりました。

いくら上海とはいえ、中国で果たしてどれほどの和装ができるんだろう?というのは最後まで心配していました。もし「なんちゃって和装」だったらどうしようと思ったんですけど、結果的に言うと杞憂でした。着付けをしてくれたのは中国の方でしたが、日本の鈴乃屋きもの学院認定の講師の資格を持っていらっしゃるとのこと。日本にも約20年住んでいたそうで日本語もお上手。最初はてっきり日本の方かと思ったくらいです。

ちなみに撮影前、妻は一度は白無垢を着ると決めたものの、やはり色打掛を着るかで最後の最後まで悩んでいました。すると着付けの先生、「せっかくだから白無垢、着よっか」のひと言。くぅ~~プロが言う「せっかくだから」という言葉は心強いですね。これが日本のチェーンの写真館だったら「白無垢の方が伝統的ですが、最近は色打掛も大変人気です」なんて玉虫色のアドバイスするんでしょ?(失礼だっちゅーの)流行りに左右されず、プロが自分の価値観からアドバイスをくれるのは格好良いです。妻はもちろん、私も背中を押してもらった気分でした。

妻はメイクとヘアセットで3時間くらいかかりました。一方の私は「寛いでいてくださいね~」と放置プレイ状態で、ぼ~っと過ごしたり妻を冷やかしたり。女性は大変ですねえ。

ちなみにヘアセットでも妻は日本髪か洋髪かで悩んでいました。ここでもスタイリスト*2さんから「日本髪にする機会なんて滅多にないですから思い出になりますよ」と背中を押され、日本髪に。毛量が足りないということで、膨らみに人工毛を使うなどして器用にセットされてました。妻は少々「濃い」顔をしているので、できあがった姿はまるで沖縄の人(笑)。髪型を見て若い頃に「ユイユイ」を歌っていた山川まゆみさんを思い出しました。

一方で男性の私はそんなに時間がかかりません。あっという間に着せてもらい、あとは少し眉を描いたり髪の毛をセットしたりしたら終了。しめて20分ほどでした。

まずはスタジオ内で1時間弱くらい撮影。夫婦揃ってと、それぞれ1人だけの写真を撮りました。妻は妊娠中だったこともあり、撮影中に少し具合が悪くなってしまいました。重い衣装を着ながら強いライトを浴び続けたので疲れてしまったんでしょうね。スタッフの皆さん、すぐにイスを用意してくれたり、冷たい飲み物を買ってきてくれたり、本当によくしてくれました。感謝感謝です。

その後、高島屋近くの公園に移動して屋外撮影。着物を着たまま高島屋の売り場を経由し、外までテクテク歩きました。いやあ、まさか紋付袴で中国の街を歩く機会があるとは思いもしませんでした。

公園を散策している人たちに見られながらの写真撮影。これでこっぱずかしいポーズをさせられたらたまったもんじゃありませんが、和装だけあってそこは雅やかな姿勢に終始します。

多くの人は一瞥するだけでしたが、中には写真を撮る人も。通りかかった欧米人のグループは「コングラチュレーション」と言ってくれました。晴れ着だと分かるんですね。こうやって町なかで着物を着て撮影できるのは、上海ならではだとつくづく感じました。北京だとまずできなかったと思います。罵られていたか、ひどい場合は連れて行かれたかも。

中国で、「中華民族の精神を損なう」服装を着用した場合、違法とみなす法改正の審議が進み、法律専門家らの間で物議を醸している。

(中略)

香港メディアによると、中国政法大学の趙宏教授は、江蘇省で昨夏、浴衣姿で写真撮影していた中国人女性が警察当局に連行された事案を「連想せざるを得ない」と指摘した。和服の着用など日本文化が標的になりかねず、別の教授も「極端な民族主義を刺激し国家間の対立も加速させる」とSNSに反対意見を投稿した。

読売新聞オンライン(2023年9月13日)

日本に和装を着て撮影できる写真館は数多ありますが、それだけに着付師の腕は玉石混交なんでしょうね。中国はそういう写真館が少ないので、むしろこうして腕の良い着付師の先生に巡り会えたことは私たちにとって幸いでした。

上海にあるこちらの写真館、残念ながら日本本社の意向で12月25日で閉店するそうです。でも写真館の脇にある着付師の先生の着物教室は(おそらく)閉まらないはずですから、例えば着物の着付けだけお世話になって写真は別の写真館で撮ってもらうとかできるのかな?姜先生とおっしゃるのですが、中国で本格的な和装をしたいならぜひ訪ねてほしいと思います。

上海姜依秋きものサロン(鈴乃屋きもの学院認定)

上海市长宁区虹桥路1438号高岛屋百货5楼
TEL:159-2162-7060

せっかく海沿いの上海に来たので夜は海鮮がいただける日本式居酒屋に行きました。

先月に本オープンしたばかりだという海鮮居酒屋「喜舟」。壁に掛かったホワイトボードには旬のメニューがびっしり書かれ、思わず迷ってしまうほど。

いやあ、思い出すだけでよだれが出てくるようなおいしさでした。刺身はひと目で分かる鮮度、とても北京ではいただけません。ハマグリの酒蒸しも優しいお味でした。注文したカンパチが品切れだったんですけど、店長?と思わしき日本人の方が「申し訳ありません」と言って代わりに大根とカンパチの煮物をサービスに持ってきてくれました。他にいた中国人の店員さん方もテキパキ働いていて、見ていて気持ちよかったです。

上海は日本人には住みやすい街ですねえ。北京にはない“洋气*3と“时尚*4な感じ。十数年前に留学していた頃もそうでしたが、北京から上海に来ると「疑似・日本帰国」の気分を味わえます。

References
*1中国にいると公園なんかで衆目を集める中、芸能人顔負けの写真撮影をしている様子をよく見かけるんです。
*2ちなみにスタイリストさんも中国の方でした。日本で働いたことはなく、日本髪のセットは中国で学んだのだとか。
*3垢抜けている感じ。
*4スタイリッシュ、おしゃれなこと。

上海行1日目

日本は勤労感謝の日です。中国は平日ですが、日本が祝日なのにかこつけてお休みをいただき、上海に旅行に行ってきました。

十数年前の留学時代を含めてすでに何度も訪れている上海ですが、いやあ、いざ訪れると商業都市であることをつくづく感じさせられますねえ。北京の「社会主義国家の首都」という雰囲気と全然違う……まあ、そんな北京も好きなんですけど。

特に私たちが宿を取った長寧区は日本人を含む外国人が多く住むエリアで、そこらじゅうに日系スーパーや日本料理店がありました。市民権を得ているがの如く町なかに日本語が見られるのも印象的でした。居心地が良くて、北京から来た私からすれば「もはやここは日本」と感じるほど。

今日は手始めに「日本人街」とも言われる婁山関路(“娄山关路”)にある商業施設「金虹橋商場」に行きました。ここには日系スーパーを始め、ダイソーや日本料理店がたくさん入っています。

地下2階には「アピタ」という日系スーパーが入っていました。

いやあ、すごい。日本のスーパーをほぼそのまま上海に持ってきたような品揃えです。ざっくり半分強くらいは日本の商品でしょうか。日本直輸入のものがたくさん並んでいて、そのままの商品に中国語の原材料表示がシールでペタッと貼られています。北京にもイトーヨーカドーはありますが、ここまでの品揃えではありません。

きれいに陳列され、見ているだけでも楽しくなります。日本人好みだなあと思いきや、現地の方も結構いるんですよね。いや、むしろ日本の方はいた?というくらい。

今の中国は肉や野菜を買うといった普段の買い物でさえネットスーパーで済ませるようになり、実店舗で買い物をする楽しさを忘れかけているような気がします。中国経済が停滞して個人消費が落ち込んでいると言いますが、今後はこうした「買い物を楽しむ」体験が逆に注目されるんじゃないかな。ネットショッピングは便利と言われた時代から一周回って戻ってくるような気がします。

あと羨ましかったのは肉製品。中国のスーパーって鶏や豚の頭が付いたままの肉塊がドーンッと陳列され、店員さんに「何グラムくださいな」と注文するやり方が多いんですよね。日本人にとってはこうしてパックに詰めてくれているほうが買いやすいでしょうし、何より衛生的。あと薄切りっていうのも嬉しい。中国には少ないんです、薄切りの肉。

もうひとつ、総菜の充実度もすごかったです。中国にも“熟食”と呼ばれる総菜はありますが、日本のそれとちょっと違うんですよねえ。それにそもそも中国は出前が安いので、今やスーパーに総菜は並びません。

ここアピタは唐揚げ、ハンバーグ、焼き鳥、サラダ、オムライス……などなど、日本料理の総菜がとても充実していました。どうやら遅い時間になると割引シールが貼られるのも同じのよう。日本だと午後8時が過ぎたくらいに半額の総菜を物色しに行くのも楽しみのひとつなんですよねえ。

海鮮コーナーの充実ぶりも見事でした。中国当局による日本産海産物の輸入停止措置で日本の魚は使われていないんでしょうが、刺身の種類や寿司ネタは日本と全く同じでした。値段も日本と同じか、少し高いくらいかもしれません。うらやましいー、だって北京のスーパーで寿司を買おうとしたら日本と全然違うんだもの。

これ、中国の大手ネットスーパー「盒馬鮮生」(“盒马鲜生”)で「寿司」と検索したら出てきた商品です。これじゃあ、ねえ……おいしくなさそう(失礼)。するとアピタの寿司がいかに日本と同レベルか、分かってもらえると思います。

こちらの商業施設には「ダイソー」も入っていました。

上海のダイソーは10元均一。日本円にすると200円余りですが、これで日本の「かゆいところに手が届く」商品が手軽に購入できるならありがたいですね。

私の場合、100円ショップって「あれ買おう」と思うものがあって行くことがほとんどです。プラスチックケースだったりメジャーだったりどれも些細なものなんですけど、意外とスーパーには売っていない。ましてここは中国です。実際、北京に赴任してからも「あれ、どこで買えるんだろう」「ダイソーがあればすぐ買えちゃうのに」って場面がよくありました。

で、ダイソーに来るとついつい予定になかったものまで買っちゃう(^^;)。アイデア商品や便利グッズが揃っているんですよね。ダイソー以外だと、私の中では東急ハンズなんかもまさにそんな立ち位置の店なんですが、そういう買い物の楽しみが北京には少ないんですよねえ。羨ましいです。

一応、定番ということでバンドの夜景も。

北京に比べると上海は本当に賑やかですねえ。午後10時を過ぎても地下鉄の駅が人であふれかえっています。北京ならすでにがらんとしちゃっていると思います(まあ、最近寒くなったという事情もありますが)。

いえ、もちろん北京には北京の賑やかさがあるんです。例えば胡同なんかには人々の生活が溢れているじゃありませんか。ただ商業的な賑やかさになると途端になくなっちゃう。画一化されたマンションが建ち並び、言い方が悪いですけど「でかい田舎」って感じ。物寂しくて、いわゆる“市井气*1がないんですよねえ。これに対して上海はみんな買い物を楽み、買い物をしようとしている思いがひしひしと伝わってくる。一瞬、ここは本当に北京と同じ国なのかって思っちゃいます。

References
*1町中に漂う人々の活気や、商業的な賑わいのこと。
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