上海出張を終えて北京に帰任。午後に引き継ぎを済ませてからオフィスを離れたので、上海虹橋空港を午後6時に離陸する便に乗りました。
チェックインカウンターでスーツケースを預けると「中身を確認したいので開封検査にご協力ください」と言われてしまいました。離れたところにある検査場に向かったところ、どうやらモバイルバッテリーがあるかどうかを気にしているようです。ははぁーん、そういうこともあろうかと今回の出張ではモバイルバッテリーを持参していないのだよ。中国では先月から「3C認証のないモバイルバッテリー」は国内線の機内に持ち込めなくなっていますから。
どうやら電源のマルチタップとトラベルWi-Fiルーターをモバイルバッテリーと疑っているようです。3C認証マークを確認しようとするので、それはバッテリーではない、だからそもそも認証マークは付いていないと伝えました。けれど係員はよく分かっていない顔をします。
アレコレいじくりまわされた挙げ句、最終的には「USBの差し込み口があるので機内持ち込みにしてください」とのこと。なんじゃそりゃ!そんなルール聞いたことがありません。北京から上海に来る便では何も言われなかったと伝えたら「いえ、ご協力をお願いします」の一点張り。もう勘弁してよ~身軽になりたいから荷物はわざわざ預けているのに。マルチタップもルーターもそこそこの大きさがあるので、おかげでカバンはパンパンです。
そもそもモバイルバッテリーかどうかも分からないような人に検査をさせてどうするんでしょう。この3C認証マークのルールが始まってから各地で混乱が起きているとは聞いていましたが、これでは起こるべくして起こっているとしか言えません。思わずため息が出てしまいました。
午後8時に北京首都空港に着陸。空港からタクシーに乗ったのですが、ひどく恐ろしい運転でした。時速120キロ近いスピードでカーレースさながらに車と車の間を縫うようにして走ります。シートベルトをしようにも差し込み口が見当たりません。アシストグリップに掴まるしかないのですが、緊張して思わず脚がピーンと張ります。
すると運転手が私に「アンタを乗せるために4、5時間待ったよ」「運賃、少しで良いからはずんでくれ」と言います。こんな運転じゃあタダだって乗りたくないと最初は聞き流していたんですが、運転手は自宅近くまで来ると勝手に途中でメーターを切ってしまいました。そして自宅に着くとニヤニヤしながら「お代金はお気持ち分で」と言うのです。
ああ~めんどくさい。それより私は立て替えたタクシー代を会社に請求するはずだったのに、これじゃあ領収書がないじゃないですか。すると運転手は前の客が残していった領収書を差し出して「これなら100元超だぞ」と言います。思わず「そんなものが使えるはずないでしょ」と口走ってしまいました。だって領収書には乗車した日付や時刻が書いてあるんですから。わが社は海外の会計だって厳しくチェックされるんです!
メーターを切った時点で55元(約1100円)だったので、結局、運転手には5元上乗せして60元(約1200円)を支払いました。運転手はニヤニヤしながら「どーも」と言っていましたけど、何とも言えない気持ちになりました。今や中国では多くの人が配車アプリ「滴滴」を使いますが、これじゃあタクシー離れは当然でしょう。車内は臭いし、シートベルトは壊れているし、なのに運転は荒いし、挙げ句の果てには客から金を巻き上げるとは。そう、これは「巻き上げ」です。
空港からの帰り道を「滴滴」ではなくタクシーに乗った私が馬鹿でした。何と言うのかな、もう「生理的に無理!」という感じ(ひでえ)。これはお金じゃなくて、気持ちの問題です。私は北京でいわゆる普通のタクシーに金輪際乗りません。
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