家族で河南省に2泊3日の旅行に行きました。

中国人の同僚に河南省へ行くと話すと、大体「何しに行くの」と返されます。河南省ってそれほど名所が思い浮かばない場所なのかしらん(^^;)。いやいや、いにしえの都だった洛陽とか、少林寺だってあるじゃないの。とは言え、いずれも今回の目的地ではありません。

河南省に行くことになったきっかけは妻のおじいさんのアルバムです。おじいさんは先の大戦中、中国で過ごした時期があるようで、当時の写真がアルバムに残っていました。1枚1枚に丁寧な文字で説明が書いてあり、ここに「新郷」という地名が書いてあるのを見つけたのです。

「北支新郷陸軍病院運動會」の文字

写真の下に「北支新郷陸軍病院運動會」と書いてあります。北支は支那の北部で、つまり中国北部。続けて書いてある「新郷」という地名を妻が調べたところ、河南省にあることが分かったのです。

ただ妻のおじいさんはすでに亡くなっていて、それ以上は何も分かりません。私も中国の検索サイトを使って新郷について調べたものの、日本と縁のありそうなものは見つけられませんでした。分かっているのは「おじいさんは河南省の新郷という場所にいたことがある」、それだけです。

妻はずっと河南省が気になっていたようでした。なので私から「だったら新郷に行ってみよう。手がかりが無くたって、おじいさんがいた場所の空気を吸うだけいいじゃないの」と提案したのです。だって日本にいたら新郷だけのためにわざわざ中国に行こうとしないでしょう。中国で生活する今だからできる「おじいさんの軌跡をたどる旅」です。

北京からは高速鉄道を利用しました。新郷まで直通で行くこともできましたが、初日は河南省の省都・鄭州で途中下車。2時間20分ほどの乗車時間でした。

ホテルの窓から見た景色。少しお値段高めの部屋を選んだので、広々として快適でした。

ちなみに娘が生まれてホテルの選び方はずいぶん変わりました。単身だった頃は「どうせ寝るだけ」という考えのもと、狭くても安ければ構わないという考えでした。しかし子どもが生まれると小さなホテルは限界。日本、特に都心の狭いビジネスホテルだと家族3人分の荷物とベビーカーを置いたら自分たちが動けるスペースさえもなくなります。娘が歩き回るようになった今は尚更です。今回宿泊したホテルはとても広かったので、娘も気に入ったのか「キャッキャッ」と走り回っていました。

午後からは鄭州海洋館という水族館に行きました。

なぜ河南省まで行って初日から水族館なのかと思われるかもしれません。でも鄭州海洋館、結構立派なんです。それに1歳の子連れだと、変にマイナーな歴史的建造物に行くより、水族館のほうがよっぽど楽しめます。特に暑い夏なら尚更です。

午後4時から入館できるイブニングチケットがお得だったので、こちらを購入しました。

鄭州海洋館はビルの中に作られた水族館で、1階から8階までフロアごとにさまざまなテーマが設定されていました。通常の水族館に比べるとフロア面積は若干狭く感じましたが、シロイルカみたいな大型の水棲動物も。巨大な水槽が複数回を突き抜けるように設置されていました。

少なくとも北京の水族館より大分立派でした。しかし北京の水族館が「しょぼい」のは何故なんでしょうね。私は当初、北京が内陸都市で海から遠いのが理由だと思っていました。日本でも水族館は基本的に海沿いに作られます。内陸の北京に水族館が作られた結果、展示生物の調達コストや維持コストが高くなり、規模や多様性で沿海都市の水族館に劣るのかなあと。けれどよくよく考えれば鄭州こそ内陸都市だし、北京よりもはるかに海から離れています。

北京の観光資源は故宮博物院や万里の長城、それに頤和園といった歴史文化遺産が圧倒的に強いので、都市戦略として大型水族館への投資は優先度が低かったのかもしれません。