The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2025年9月

炸醤麺

日本から友人が訪ねてきてくれ、今日が観光の実質1日目です。だと言うのに、北京は滅多にない雨模様。こればっかしは私の雨男ぶりを嘆くしかありません。友人には申し訳ない限りです。

今日は雨天でも影響の少なそうな市内観光をすることにしました。で、向かったのが前門。昼食は前門大街にある炸醤麺(ジャージャー麺)の店、“方砖厂69号炸酱面”に行ってきました。

北京に何店舗かある、ミシュランガイドにも選ばれている店です。店名の“方砖厂69号”というのは“方砖厂胡同”(レンガ工場通り)の69番地に1号店があったということに由来します。何もわざわざ観光地の前門大街の店舗に来なくてもいいわけですが、少し時間が早かったからか並んでいる客が3、4組しかいなかったので入ることにしました。

注文したのは“我们的炸酱面”(日本語にすると「僕たちの炸醤麺」)という少し変わった名前の炸醤麺。具は全部で13種類用意されていて、もやし、きゅうり、セロリ、グリーンピース、にんじん、炒り卵、白菜、ねぎ……などなどがありました。

説明によると、まずは肉味噌の油だけを麺に加え、ほぐすんだそうです。その後に肉味噌を全部入れてグチャグチャに混ぜます。で、最後に具も加えて、さらに混ぜます。見た目はあまりにもあまりになりますが、よくかき混ぜないとおいしくありません。

さすがミシュランガイドに選ばれているだけあって、空前絶後のおいしさでした。肉味噌の味付けもさることながら、麺のコシが良いですねえ。日本の「ジャージャー麺」とは似て非なるこの和えそば、日本でも売れるんじゃないかなあ。

久しぶりの再会

日本から友人が北京に遊びに来てくれました。

彼とは香川県で知り合いました。私は就職したての頃、5年ほど香川県高松市で働いていたのです。当時、彼は同じ業界の別会社に勤めていて、現場でよく顔を合わせました。ある日、同い年だということが分かって、よく飲みに行くようになったのです。彼も酒が強く、明け方まで飲んだこともある「飲み友」です(^^;)。

いろんな人に「ぜひ北京に遊びに来てね」と言いましたが、実際に来てくれる人はほとんど……というか、1人もいませんでした。まあ、ここ最近の中国に関する報道を見ていると気後れしてしまう気持ちは分かります。実際に来てくれたのは私や妻の両親だけでした。彼は唯一「友人枠」で北京に来てくれた最初で最後のお客さんです。

空港で出迎えた後は簋街にある北京のクラフトビールが飲める「京A Taproom」という店に。夕方に羽田空港を発つフライト、それも離陸がずいぶん遅れて北京に着陸したのは午後9時前。そんなもんで、店で飲み始めたのは午後11時頃でした。けれど数年ぶりの再会で話も盛り上がって日付が変わったことに気付きませんでした。

抗日戦争勝利記念日

今日、9月3日は中国で「抗日戦争勝利記念日」*1、つまり日本との戦争に勝利した記念日です。日本で終戦と言えば、昭和天皇が玉音放送でポツダム宣言の受諾と日本の降伏を国民に公表した1945年8月15日。一方中国をはじめ、アメリカやロシアなど多くの国では日本が降伏文書に署名した1945年9月2日に戦争が終結したと認識されているようです。で、中国ではこの翌日にあたる9月3日が記念日として定められています。

日本では毎年この時期になると戦没者追悼行事が行われ、テレビやラジオでは記念特集が組まれます。それは戦争の悲惨さに思いをめぐらせて「繰り返してはならない」と思いを新たにするためという側面が強いと思います。これが中国となると異なります。終戦はすなわち「日本との戦争に勝利した日」ですから、めでたい日になるわけです。街中がお祝いムード一色になります。

日本では戦後80年という節目も、中国にとっては「日本との戦争勝利80年」になります。街なかに国旗が掲げられ、北京中心部では大規模な軍事パレードが行われました。

ただ、戦争を繰り返してはならないと教わってきた日本人の私としてはやはり複雑な思いになります。と言うのも、ここから「戦争は良くない」というメッセージが一切読み取れないのです。軍事パレードで核弾頭を搭載できる最新兵器を披露されて何を思えというのでしょう。

まあ私がこんなことを言っても“愛国心に燃える中国の人たち”は「敗戦国の人間が何を言う」と思うかもしれません。でも日本にとっては曲がりなりにも平和国家として貢献してきた80年という自負があります。中国の人たちにも日本の静かな誇りを理解してほしいと思うわけです。

中国と日本が国交正常化する際、時の首相・周恩来氏は「過去を振り返るのは未来の導きにするためだ」と言ったそうです。戦後80年経った今、この記念日がまさにそういう日になることを切に願います。

References
*1「抗日」は日本の帝国主義の侵略に抵抗したという意味です。

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