The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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リポビタンD

ここ最近、長時間勤務が続いています。今朝はどうも疲労が抜けきっていなかったので、気合いを入れようと出勤前にコンビニに寄って栄養ドリンクを購入しました。

購入したのは日本でもおなじみの「リポビタンD」です。普段、私はドリンク剤や栄養剤、サプリメントのたぐいをまったく飲まない人間なのですが、さすがに疲れがひどい時は頼っちゃいます。“无事不登三宝殿*1ならぬ、“无事不喝力保健*2です。

中国語でリポビタンDは“力保健”と書きます。その健康そうな漢字はさることながら、発音も「リーパオジェン」。日本語の「リポD」(リポ・デー)に似ています。中国でも普及していて、北京のセブンイレブンに行くと大概どの店舗にも売っています。

栄養ドリンクと言えばチオビタドリンクやユンケルなどいろいろありますが、私は小さい頃からリポビタンD一択です。家族が飲んでいたからというのもありますが、やはり「ファイト!一発!」のCMが幼心に印象的だったのかもしれません。ただ最近読んだ日経新聞の記事によると、最近の若い人はリポビタンDをはじめ栄養ドリンクを飲まなくなっているそうです。

その理由がレッドブルをはじめとする「エナジードリンク」の台頭です。レッドブルはターゲット層を20歳前後に定め、販促活動を大々的に展開しているとのこと。一方の栄養ドリンクは中高年に絞ったため衰退の一途をたどっているそうです。

「リゲイン」。24時間戦えますかのCMで知られる栄養ドリンクが24年春、店頭から消えた。発売から36年、主力商品からの撤退を強いられた。栄養ドリンクは「リポビタンD」など日本企業が生んだ。英ユーロモニターによれば24年の国内市場は1700億円と10年で1割減った。低迷が続く。

対照的なのがオーストリアの「レッドブル」などのエナジードリンクだ。世界市場は約11兆円と2倍になった。レッドブルは創業者が日本の製品に着想を得て起業した。日本がつくった産業を事実上、海外企業に奪われた。

日経新聞(2025年2月17日配信)

若者にとってエナジードリンクが「アガる」飲み物だとすれば、いまや栄養ドリンクは「おじさん向け」。確かに栄養ドリンクが生まれた当時にもてはやされた「モーレツ社員」も今風に言えばただの「社畜」です。リポビタンDの「ファイト!一発!」の暑苦しい男たちのCMも今の若者のセンスと大きく乖離しているのかもしれません。

私自身はエナジードリンクに疲労回復の効果があるのか懐疑的です。日本では、栄養ドリンクは「医薬品」もしくは薬に準ずる「医薬部外品(指定医薬部外品)」に分類されています。けれどエナジードリンクは「清涼飲料水」。そもそもエナジードリンクは量が多すぎます。あんなに甘ったるい液を最後まで飲めません。栄養ドリンクくらいの量がちょうどいい。

……なんて言っている私も考えが古いんだろうなあ。そういうことを言っているから日本がつくりあげた産業がどんどん海外企業に奪われていくのかもしれません。何とも言えない思いを中国の北京でリポビタンDを飲みながら抱きました。

References
*1日本語にすると「用事がなければ、仏殿には登らない」。普段はお参りなんかしません、何かがあるからお参りしたのですよ、という意味。中国では「あなたを訪ねたのは要件があるからですよ」と切り出すときに使われる言葉。
*2前述の表現をもじって「用事がなければ、リポDは飲まない」。

ギラギラする政治の街

中国では今日から「全人代」と呼ばれる政治イベントが始まりました。正式名称は「全国人民代表大会」。中国各地から人民の「代表」たちが北京にやってきて、国の大事なことを決める場です。毎年3月5日に始まるのが恒例になっています。

いつもは暗い通りがギラギラとライトアップされていました。これも全人代が始まったからかな。日本では国会が始まったって街中がギラギラすることはありませんよね。つくづく政治が優先する国だということを感じます。

まだ少し早い啓蟄

昼食を取ろうと外に出ると、職場近くの広場にたくさんの人がいました。何をしているのかと見てみたら、何もしていないのです。何もせずにただひたすら広場をグルグル回っています。

何をしているのでしょう。今日は日差しが暖かい日だったのでウォーキング?をしているのかな。でも、何となく分かります。ここ最近の北京は寒さの峠を越え、日差しの温かみを感じることが増えてきました。私も昼食後には少し散歩をしたくなります。

そうして見てみると、屋外で活動をする人も増えてきたように思います。なんだか「啓蟄」*1という言葉を思い出してしまいました(^^;)。

References
*1二十四節気のひとつで、冬ごもりしていた虫が春の暖かさを感じて外に出てくる頃のこと。ちなみに2025年の啓蟄は3月5日なので、もう少し先です。

関東煮

亡くなった岡山出身の祖母は「おでん」のことを「関東煮」(かんとに)とか、「関東炊」(かんとだき)と呼んでいました。岡山をはじめ西日本では煮ることを「炊く」と言うことがある*1ので、関東炊は関東煮の派生かと思います。調べてみると、岡山だけでなく西日本の各地でおでんのことを関東煮、関東炊と呼ぶようです。

なぜ「おでん」のことを「関東煮」と呼ぶようになったのか。その昔「おでん」はもともと煮たり焼いたりした具材にみそを塗る「みそ田楽」のことを指していたようです。今のような醤油で煮込むおでんになったのは関東近郊で醤油造りが盛んになった江戸末期からなんだそう。みそ田楽に比べて作るのが簡単なおでんは屋台料理として広まり、その後、関西にも伝わります。このときにみそ田楽と区別するために「関東煮」と名付けられたのではないかという説があるということです。

关东煮”(関東煮)という文字がある北京市内のコンビニ(便利店)

中国でもおでんは親しまれています。現地のコンビニに行くと日本と同じスタイルでおでんが売られていて、結構みなさん購入しています。で、中国語でおでんを何と言うかというと……その名も“关东煮”。日本の漢字で書くと「関東煮」です。

一方、日系コンビニのセブンイレブンでは別の表現を使っています。中国語で“好炖”です。漢字の意味は「しっかりコトコト煮る」で、まさにおでんです。そして発音も「ハオドゥン」で少し日本語の「おでん」に似ています。

ちなみに私が中国語を学び始めた頃はおでんのことを“熬点”と学びました。“”は「長時間煮る」。つまり“熬点”で「点心(点=ちょこちょこした食材)を煮たもの」という意味になります。発音も「アオディエン」で「おでん」の響きに似ているので、名訳だなあと思ったことを覚えています。調べてみると、中国ではローソンが“熬点”という表現を使っているようです。

つまり「おでん」の中国語には“关东煮”、“好炖”、そして“熬点”の3種類があるわけです。中国人の同僚に聞くと、最もよく使われるのは“关东煮”とのこと。そんなこともあり、私がおでんを注文するときにはいつも“关东煮”と呼ぶようにしています。そして“关东煮”という言葉を使うたびに、祖母が「関東煮」と呼んでいたことを思い出します。

References
*1例えば「大根を煮る」が「大根を炊く」になります。岡山弁は発音に特徴があるので(音便)「大根を炊いておいて」なら「でーこんてーてーてー」になります。

中国発の大ヒットアニメ映画

ここ最近、中国では国産のアニメ映画の大ヒットぶりが連日報じられています。中国の神話を元にした“哪吒之魔童闹海”という作品です。2019年に公開された1作目に続く2作目で、日本人の間では主人公の名前から取って「ナタ2」と呼ばれています。

私の職場でも「見た」という中国人の同僚が結構いて、見ていない私のほうが「え、見ていないんですか」と意外な反応をされるくらいです。

これまで世界のアニメ映画の興行収入ランキングの1位だったピクサー映画「インサイド・ヘッド2」を超えて更新したとのこと。中国のテレビニュースでは「アジアで史上初めて1位を獲得した非ハリウッド制作映画」と大々的に報じていて、フィギュアやコレクションカードといった関連グッズは品薄状態なんだそうです。まるでお祭り騒ぎです。

けれど、何でしょうね。この「そそらない」感じは。見る気が全く起きません。すげーぞ、中国のアニメ!世界一!といった称賛ばかりが聞こえて来る、この流れが気持ち悪い。ともすれば興行収入の話ばかりで“老王卖瓜,自卖自夸*1が過ぎるのです。登場するキャラクターも明らかにディズニーを意識したデザイン。そのうち「日本アニメを超した」「ハリウッドを超した」と言い出すのかなあと思うと、なおさら見る気が失せます(^^;)。

結局は「中国人の、中国人による、中国人のための」アニメ映画なのです。日本をはじめとする中国以外の国では話題にもなっていません。興行収入の99%が国内の売り上げという事実がそれを如実に表していると思います。だのに「世界1位を更新した」って、比較に意味がないのです。

まあ、作品を見ていない私に作品を批判する権利はないでしょう。周りの中国人たちは「おもしろかった」という人がほとんどで、その感想は素直に受け入れます。けれど私が作品を見ることはないかなあ。はあ、すみません。

References
*1「ウリを売る王さんは、自分で売りながら自分のウリを褒める」、つまり自画自賛するという意味。
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