The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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同じ名前の違う場所

帰宅していると自宅の最寄り駅の改札前で草細工を作っている男性を見かけました。もしかして売っているのかな。草を使ってバッタのような形をした虫を作っていました。

この風景を見て何だか懐かしくなりました。と言うのも、私が留学していた15年前は北京の至る所でこんな人たちを見かけたからです。例えばカフェでコーヒーを飲んでいると突然肩をトントンとされ、おじいさんやおばあさんが工芸品を売りつけてくるのです。ライトがぴかぴか光るコマのおもちゃなんかを見せてきてね。今は全然いなくなりましたけど。

あとは物乞いも見かけなくなりました。例えば地下鉄に乗っていると、中年の痩せ細った男性が這ってくるのです。どうやら脚に障害があるようで、小銭の入った缶をジャラジャラいわせながら金を求めてきます。ほかにも老夫婦がカラオケで歌っているパターンや、小さい子どもを連れた母親というパターンもありました。子どもがね、座席に座る乗客の前にひざまずいてペコペコ頭を下げて「お金を恵んでください」と言ってくるんです。これが何とも言えない気持ちになるので、私はいつも親子の物乞いが来たら目をつぶって寝たふりをしていました。

いろいろ思うことはあったものの、北京は人間くさい街だったと思います。あんなにいた物売りや物乞いの人たちはどこに行ったのでしょう。私は今「北京」という同じ名前の、別の場所に住んでいると思って暮らしています。

青島のノンアルコールビール

私はお酒が好きです。中でもビールが好きで、結構飲んじゃいます。

最近は休肝日も作ったほうがいいと考え、お酒を飲むのは遅番の前日や週末のみにして、平日は飲まないようにしています。それでも……飲んじゃうときがあるんですよね(^^;)。何かこう、お酒を飲まないと1日が終わらない感じがするんです。

1日を終える
今日は大きめの仕事をひとつ終えました。結構前から準備していたもので、今日も多くの人を巻き込んで何とか終えられたので感慨もひとしお……というより、ホッとしました。ありがたいことに方々からお褒めの言葉もいただいたので、今日は水曜日だけどサッサと帰ってビール飲んじゃお*1と思ったのですが、あらら、夜勤なのでした。仕事を終えると午後10時過ぎ、少し遅めの時間ですが、うーん、やっぱ飲んじゃう。そういえば最近ツイッター、もといXでこんなポストを見かけました。けら...

だから休肝日と決めているのに「1本だけ」と飲んでしまうことがあります。弱い意志です。でも、ひとくち飲んだら満足してしまいます。で、もういいやってなっちゃう。

私がお酒を飲むのは酔いたいからです。けれど私は(おそらく)人よりお酒に強いこともあり、ビール1本程度では酔いませんし、酔えません。多分2本でも同じかな。だから「1本だけ」って飲み始めても、ひとくち飲んだら1本では酔えないのが分かるんです。なのでのどごしを味わったら、もう満足しちゃうんですね。すると……平日にビールが飲みたくなるのは「酔いたい」からではなく「のどごしを味わいたい」からかしらん?

そう思い、ノンアルコールビールを試してみることにしました。調べてみると中国でも日本ほど豊富ではないものの、ノンアルコールビールが販売されているようです。

買ってみたのは青島ビールのノンアルコールビールです。それもお味はホワイトビール、日本では見かけないので、珍しさから購入してみました。

飲んでみたら……おお、これはホワイトビールです。調べてみると原料やレシピは通常のホワイトビールと全く同じ。完成した後に真空蒸留でアルコール分を取り除き、0.05%以下にまで抑えたんだそうです。だから完全なアルコールゼロではないんですね。日本のノンアルコールビールはビールのフレーバーを混ぜて作られた「ビールっぽい味の飲料」が多いですが、こうした「脱アルコール製法」で作られたものは一度本物のビールとして作られているので、よりビールに近い感じがします。

でもビール好きの私からすればやはり「似て非なるもの」。なんだろう、どこか物足りないのです。ビールだと思って飲むからいけないのかなあ。甘い炭酸水というか、別の一種の飲み物だと思えばいいのかもしれません。私はのどごしだけではない何かをビールに求めているのかもしれません。

References
*1最近、平日はあまり飲まないようにしているんです。

中国の塩むすび

北京のセブンイレブンに行くと新商品のおにぎりが並んでいました。

その名も“稻香盐饭团”。“稻香”は漢字のとおり「稲の香り」、つまり米が炊けたときの香ばしい香りを指しています。“”は日本の漢字で書くと「塩」。“饭团”(飯団)はおにぎりという意味ですから、“稻香盐饭团”で「香ばしい塩むすび」といったところでしょうか。

日本のコンビニでも塩むすびを売っていますよね。具が入っていないので、米の本来の味が楽しめます。あとはおかずを別に食べるときにも、塩むすびなら味が邪魔をしません。私もわざと具の入っていない塩むすびを買うことがあります。ついに中国にも塩むすびが上陸しましたか。

気になって買ってみました。で、ガッカリ。全然おいしくありません。米はパッサパサ、食べているとポロポロしてきます。食べきるのも苦痛で、残してしまいました。これでは日本のコンビニおにぎりのクオリティーの足下にも及びません。

まあ、一応フォローしておくと、中国のコンビニって食品の配送が冷蔵に限られているんですよね。ごはんって冷蔵しちゃうとパサパサになってしまいます。だから中国のおにぎりは必ず温めないと食べられた味じゃないんですけど、その点、日本のコンビニおにぎりってそのままでも米がふわふわです。中国と違って常温輸送できるからという事情はありますが、いや、それ以上に企業努力が大きいように思います。中国では温かい米でもひどいことはままありますから*1

References
*1最近は改善されたように思いますが、私が15年前に北京に留学していた頃の中国の米はひどかったことを思い出します。まあ、安い学生食代で食べていたからかな。

ウルトラマン展

朝陽大悦城というショッピングモールで期間限定のウルトラマン展が行われているそうで、行ってみました。ウルトラマンは中国語で“奥特曼”と書きます。発音すると「アオタァーマン」みたいな感じ。日本語のウルトラマンより、英語の”Ultraman”の発音に近いかもしれません。

1歳の娘にはまだウルトラマンを見せたことはありません。そもそも女の子ですし――はい、このウルトラマン展は私が見たかったのです(^^;)。と言うのも、私は小さい頃、ウルトラマンが大好きでした。平成生まれだというのにお気に入りはシリーズ第1作目の初代ウルトラマン。思えば私の昭和好きは当時から始まっていたのかもしれませんね。

入場チケットは大人2人で129元(約2670円)、そこそこします。1歳の娘は無料でした。

入場してまず迎えてくれたのは「ウルトラマンタロウ」。娘はこの像を見て震え上がってしまい、私や妻にしがみついて離れなくなってしまいました。この大仏みたいな見た目が怖かったのかしら。あるいは会場で大きな音が流れていたので、びっくりしてしまったのかもしれません。

ちなみに「ウルトラマンタロウ」は中国語で“泰罗·奥特曼”と書くようです。“泰罗”は「タイルォ」という発音なので、タロウを音で表記したんでしょうね。中国語でも“太郎”って書いちゃうのかなと思ったらそうではありませんでした。

おお、このオレンジ色の服は「科学特捜隊」の制服ですね。

こちらは三面怪人ダダです。人間を標本として採取するために地球にやって来ました。物体をすり抜けたり人間に憑依したりと超能力を持っていて、常に心臓の鼓動のような不気味な音を発しています。ダダが登場する回はまるでホラー映画を見ているようで怖かったことを思い出します。

ウルトラマンと戦っている右の怪獣は宇宙恐竜ゼットン。初代ウルトラマンの最終回に出てきて、ウルトラマンを倒した最強の怪獣です。その名前もラテン文字の最後の文字「Z」(ゼット)と、50音表記の最後の文字「ん」を組み合わせて「ゼットン」、つまり最後の怪獣という意味を持たせたんだそうです。

会場には各所にこうしたウルトラマンの人形が並んでいましたが、正直に言って作りは「チャチい」感じでした。というより、展示会そのものが全体的に物足りなかったです。会場の広さに対して展示されているものが少ない。中国だからしようがない……と思いつつ、これで大人2人で129元は高いんじゃないかと思いました。それもあってか日曜日だというのに会場はガラガラ。いるにはいましたけど、みんなこれで満足したのかしら。

とは言え、中国でウルトラマン展が開かれるということ自体には隔世の感を覚えました。

ウルトラマンは中国で1993年に初めて放映され、昔から親しまれてきた大人気コンテンツです。しかしその人気さがゆえに以前の中国ではニセモノや海賊版が横行し、無許可でウルトラマンの映画が製作・放映されたこともありました。その後、中国では知的財産権保護の意識が高まり、今ではこうして正規の形でウルトラマン展が首都・北京でも開かれるようになりました。

今、中国ではキャラクタービジネスが急成長しています。中国でも大人気のウルトラマンはその急先鋒を担うコンテンツになるんじゃないでしょうか。

北京動物園

今日は「北京動物園」に行きました。例によって事前予約*1が必要なので、午後の入園枠を予約。当日だと予約がいっぱいなんじゃないかと心配しましたが、全く問題ありませんでした。

チケットは別料金のパンダ館とセットで大人1人19元(約380円)。へええ、やっす~い。ちなみに日本はどうだろうと上野動物園を調べたら、こちらも大人1人600円。動物園ってそんなに安いんですね。いずれも公立なので地元自治体や地元政府の補助が入っているのかも。ありがたいことです。

中国はどこに行っても人が多いので「動物より人間のほうが多かったらどうしよう」なんて思ったのですが、心配無用でした。と言うのが、北京動物園は敷地がびっくりするほど広いからです。その面積は90ヘクタール、上野動物園の約6倍です。その歴史も約120年なんだとか。でも上野動物園は1882年開園(約140年前)というから、もっと驚きました。

まずは向かったのは「パンダ館」(“大熊猫馆”)。ここだけは別料金のエリアです。通常のチケットに加えて5元(約100円)かかり、私たちは最初からセットになったチケットを買いました。北京動物園にはジャイアントパンダが10頭いて、うち9頭が観覧できるようになっています。

宙を見つめたままジーッと固まったパンダ、まるでぬいぐるみのようです(^^;)。さすが中国でもパンダは大人気で、たくさんの人が窓枠に張り付くようにパンダに見入っていました。

ちなみにパンダを見るのに最適なのは午前中なんだそうです。特に朝食の時間は一番動きが良くて、ムシャムシャ竹を貪り食う様子が見られるんだとか。一方、午後は昼寝してしまうことが多いそうで、確かに私たちが見に行った午後2時頃はじーっとしていました。この固まったパンダもウトウトしていたのかもしれませんね。

今日、日本では和歌山県白浜町のパンダが中国に返還されます。残るパンダは上野動物園の2頭となり、この2頭も来年2月には返還される予定なので、インターネット上では「日本からパンダがいなくなってしまうのでは」なんて話題になっています。

中国政府は世界的に人気の高いパンダを「仲良くなりたい国」に送ることで友好を示すなど、外交カードに使ってきました。日本に初めてパンダが来たのも1972年に日本と中国が国交を正常化させたとき。このとき日本に来たカンカンとランランは北京動物園で「最も容姿と性格が優れている」として選ばれたんだそうです。もっともカンカンとランランは現在の「ブリーディング・ローン形式」ではなく、返還義務のない譲渡でしたが。

来年以降、本当に日本からパンダがいなくなってしまうのか――それは分かりませんが、いずれにせよ中国政府の采配次第です。私の個人的な予想だと、一時的にパンダがいなくなる時期があってもまた来るんじゃないかな。日本人のパンダ好きは中国でもよく知られています。シャンシャンが中国に返還される際、上野動物園でたくさんのファンが涙ながらに見送ったニュースは中国でも報道されました。中国にとって日本は仲良くしておきたい隣国ですから、友好の使者としてパンダが果たしてくれる役割も大きいはずです。

続いて来たのは猿山。広いガラスで囲われ、中にはサルがたくさんいました。赤ちゃんザルが取っ組み合ったり、器用に山をスルスルと登ったり、とてもかわいかったです(^^)。

見た目はニホンザルのようですが、長めの尻尾があるのでそうではなさそうです(ニホンザルに尻尾はありませんね)。看板には“猕猴”と書いてありました。これはニホンザルを含む「マカク属」全体を指す中国語の名称のよう。おそらくですが、アカゲザルじゃないかと思います。

ホッキョクグマ館(“北极熊馆”)があったので、こりゃあ涼める!と思って入ってみました。すると全然涼しくない(^^;)。いや、人間はいいんです。けどホッキョクグマは大丈夫なのかしら。のぞいてみると、ホッキョクグマも外気にさらされた「ただの庭」のようなスペースに放されていました。うーん、北京の夏はホッキョクグマにはちょっと厳しいんじゃないかあ。実際、ホッキョクグマはスペースの端のほうでへたれてしまっていました。まるで「たれぱんだ」です(ふるい?)。

特徴的な見た目の鳥。中国語では“双垂鹤鸵”と書いてありました。「鶴」(つる)なのか、「駝」(だ)=ダチョウなのか、よく分かりません。調べてみると日本語では「ヒクイドリ」(火食鳥)と言うのだそうです。不思議な名前ですが、一説には喉の赤い肉垂が「火を食べている」ように見えるから名付けられたんだとか。臆病な一方、気性が荒い鳥として知られていて、インドネシアやオーストラリア北部に生息しているということです。

ちなみに、このあたりで娘はベビーカーの上でウトウトしだして眠ってしまいました。いつもお昼寝している頃の時間ですし、たくさん歩いたので疲れちゃったのかな。本当はこのあとキリンなんかも見せてあげたかったんですけど、しばらく大人だけでの動物鑑賞になりました。

キリンのいるエリア、世界中のサルがいるエリアなどを経て、ペンギンのエリアに来ました。この辺りでお昼寝していた娘が起きました(^^)。

ペンギンは中国語で“企鹅”(企鵝)と言います。“”(鵝)はガチョウという意味ですが、一文字目はなぜ“”だと思いますか。日本人はあまり意識しないと思いますが、“”という漢字には「かかとを上げてつま先で立つ」という意味があり、それが転じて「つまだって待ち望む」という意味があります。つまり“企鹅”(企鵝)という中国語には「まるで何かを待ち望むかのようにつま先で立つガチョウ」という意味があるのです。このペンギンの姿を見ていると何となく分かる気がしますね。

こののべーっとした生き物、オオサンショウウオです。日本では国の天然記念物に指定されています。私の地元・岡山の北部にはオオサンショウウオが生息している地域があり、方言で「ハンザキ」と呼ばれています。今では生息数を減らしているようで、かく言う私も野生のオオサンショウウオを見たことはありません。

ただ北京動物園に展示されているのは、厳密にはオオサンショウウオではありません。こちらは「チュウゴクオオサンショウウオ」と言って、見た目はそっくりですが違う種類なんです。今、日本各地では持ち込まれたチュウゴクオオサンショウウオの一部が逃げ出し、日本固有種のオオサンショウウオと交雑して「中間の見た目」のオオサンショウウオが増えていて問題になっているんだそうです。

中国に生息する「ヨウスコウワニ」。口吻というんでしょうか、鼻先が短くて可愛らしい顔をしています(^^)。その名前の通り、揚子江に生息しているそうです。ユーラシアに唯一生息しているアリゲーター科とのこと。人間を襲った記録はなく、極めておとなしい性格なんだそうです。日本でもカイマンくんなんて話題になりましたが、ヨウスコウワニならペットして飼えそう?

北京動物園、午後からの入園でしたが、しっかり楽しめました。トータルでどのくらいかな?4時間くらい滞在したかもしれません。北京動物園は「動物の展示スペースがある巨大な公園」みたいな感じでした。ベンチも多いし、木がたくさん植わっているので日陰も多くて助かりました。中国の観光地はどこに行っても“人山人海*2ですが、ここまで敷地が広いとゆっくりできますね。また来てもいいなと思いました(^^)。

References
*1今の中国では主要な観光スポットに行こうとしたらほぼ事前予約が必要です。それも中国で広く使われている「WeChat」というアプリを使って予約するやり方が一般的なので、私のように長期滞在している者ならまだしも、中国に詳しくない外国人が観光するには不便なことが多くなりました。
*2人がとても多いことを表す中国語。
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