The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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私の宝

ふと、こんなステッカーを貼っている車を見かけました。

车内有宝宝”、日本の漢字で書くと「車内有宝宝」です。つまり「車の中に『宝宝』があります」という意味なのは、中国語を学んだことのない日本人でも分かるんじゃないでしょうか。では「宝宝」とはどういう意味でしょう。

これ、赤ちゃんという意味です。何だか言い得て妙ですね、両親にとっても社会にとっても赤ちゃんは宝です。それに発音すると「バオバオ」になって、何だか赤ちゃんの声みたいだし、英語の「ベイビー」にも似ているように思います。両親だけでなく、例えば小児科に行ったら医師や看護師も「あなたの『宝宝』ですが」なんて使います。うちの娘が生まれたばかりの頃、私は日本語に引きずられて“我的女儿”(私の娘)とか“我的孩子”(私の子ども)なんて表現ばかり使っていましたが、最近は私も“我的宝宝”と言うようになりました。

月に代わっておしおきよ

ふと会社近くに止まっていた電動バイク。

カタカナで「セーラームーン」と書いてありました。そうそう、中国でもセーラームーンは人気があって……と思いきや、よく見ると“美少女壮士”。あれれ、ここは“美少女战士”(美少女戦士)じゃないの?まあ、中国ではこういう「っぽいもの」を見かけることは珍しくありません。

ちなみにセーラームーンの有名なセリフ「月に代わっておしおきよ」は中国版では“代表月亮消灭你们”と言います。直訳すると「月を代表してあなたたちを消滅させるわ」と言ったところでしょうか。台湾版はまた違って“我要代替月亮懲罰你”。訳すと「月に代わってあなたを懲らしめるわよ」で、こちらのほうが日本語のニュアンスに近いかもしれませんね。

卷得厉害

私は去年から北京に駐在させてもらっていますが、駐在員って忙しいです。業種によるのかもしれませんが、少なくとも私は日本で働いていた頃に比べて数倍忙しくなりました。1日12時間勤務は当たり前、忙しい時期はもっと長くなります。

あと、まあこれは私自身の性格によるところも大きいのですが、せっかく早く帰れそうな日でも上司や先輩が職場にいると帰りにくいんですよね。典型的な日本人だなあと我ながら嫌になります。その点、中国人の同僚たちは退勤時間になるとそそくさと帰って行きます。多分、遅くまでしゃかりきに働いている日本人を見て「変な人たち」って思っているだろうなあ。

今日も午後9時くらいに中国人の同僚とWeChat*1でやり取りをしたら「え、まだ職場にいるの?」と驚かれました。そうか、みんな退勤時間きっちりに帰るから、そもそも日本人が何時まで働いているか知らないのね(^^;)。私だけじゃなくて日本人はみんなまだ働いているよと返事をすると、次のような中国語が返ってきました。

卷得厉害

日本語に直訳すると「めちゃくちゃ“”しているね」という意味。“”ってどういう意味?

調べると近年インターネット上などでよく使われている新語で、“内卷”(内向きに巻く)という言葉を略したもののようです。じゃあ内向きに巻くってどういう意味?となるわけですが「みんなが頑張っているから自分も励まないと追いつけない」という考えのもと、頑張れば頑張るほど競争が激しくなることを指し、それを「内向きに巻く(巻かれる)」と表現しているようです。そこから派生して“很卷”(とても“”だ)で「競争が激しい」、“太卷了”(あまりにも“”だ)で「競争があまりに激しい、激しい競争の中で頑張りすぎる」という使い方ができたみたい。

中国の若者は受験戦争や就職活動、出世競争など絶えず競争にさらされています。だから、こういう言葉が生まれるんでしょうね……って、それを私たちに使われているんじゃ、日本人も変わらないじゃないのよ。

References
*1中国版LINEと呼ばれている中国の通信アプリです。

漢字の道路標識

先日道路標識について書きましたが、あれ以来、外を歩く際にキョロキョロして道路標識を意識するようになりました。

世界各国の交通ルール
中国語は漢字を使うので、日本人にとって中国の街中は分かりやすいかもしれません。銀行には“银行”と書いてあり、地下鉄には“地铁”と書いてあるので、何となく「何の施設か」くらいは分かるかと思います。これが欧米人だとチンプンカンプンです。ただ中国で使われている漢字は「簡体字」と言って、伝統的な漢字を「簡略化」したものです。日本の漢字に比べると字によってはあまりに簡略化されすぎて、何と書いているか分からないかもしれません。例えば、次の写真。逆三角形の道路標識には何と書いてあるか読めますか?書いてあるのは“...

さて、今日気になった道路標識はこちらです。

下側の道路標識は日本にも同じものがあるので何となく分かります、「駐停車禁止」ですよね。上側の標識は何でしょう。なんか、車が爆発しているけど(笑)。爆竹禁止?そんな標識ないか。調べてみたところ、これは「危険物積載車両通行止め」なのだそうです。

ちなみに日本の「危険物積載車両通行止め」の道路標識はこちら。日本人(や、中国人など)には分かりやすいかもしれませんが、漢字を理解しない外国人にはちょっと分かりづらい……というより、全く分からないでしょうね。

そう言えば止まれの標識も「止」という漢字しか書かれておらず、これが外国人に分かりづらいということで最近は“STOP”という英語表記も併記されるようになっているよし。この「危険物積載車両通行止め」も……と思いましたが、外国人が危険物を積載した車両を運転することはそうそうないでしょうか。とは言え、分かりやすさで言えば先ほどの中国の標識のほうが上かもしれません。

大きい時と小さい時

日本語で1時間、2時間と言うところを中国語では“一个小时”、“两个小时”と言います。つまり日本語の「~時間」という単位は中国語だと“小时”(小時)なわけです。

ふと通りかかったカフェの入り口に、こんな紙が貼ってありました。“小时工”(小時工)=1時間単位で働く労働者、つまり時給いくらで働いてくれるアルバイトを募集している案内です。

ちなみに私は中国語を学び始めた頃、なぜ「小さい時」と書くのか不思議でした。じゃあ逆に「大きい時」(“大时”)があるのかしら、とも。結論から言うと、あるんですね。昔の中国や日本では「十二時辰」という時間単位が使われていました。よく「丑三つ時」なんて言うやつです。これは1日を12に分けているので、1つの単位がおよそ2時間になります。

明末期から清初期にかけてヨーロッパから1つの単位を60分で1時間とする単位が流入し、ここで中国に新しい“”(時)ができたわけです。そこでもともとあった時間単位を“大时”(大きい時)、新しい時間単位を“小时”(小さい時)と呼び分けるようになったそうです。

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