The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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世界はひとつになれない

大晦日のNHKの紅白歌合戦に出場する星野源さんが歌う曲目を変更すると発表しました。

当初、星野源さんは「地獄でなぜ悪い」を披露する予定でした。この曲は星野源さん自身も出演した同名の映画の主題歌。この映画の監督に関して過去に週刊誌などで性加害疑惑の報道があったことから、今月23日に曲目が発表されて以降、「地獄でなぜ悪い」を歌うことに批判的な声がインターネットなどで上がっていたのです。

この「地獄でなぜ悪い」は私も好きな曲の1つ。かつて星野源さんがくも膜下出血で倒れ、生死をさまよった際の闘病生活を歌った曲です。コミカルなタッチのアニメーションで構成されたPVが印象的で、この中にも(おそらく)病床に伏す星野源さん自身であろう人物が登場します。

この曲が映画の主題歌であることは知っていました。ただ私はあくまで「星野源の歌」として聴いていたので、件の映画監督と結びつけて批判されるとは思いもしませんでした。だって私は映画を見たこともなければ、恥ずかしい話、監督の名前だって知らなかったんだもの。曲自体が映画の内容、あるいは監督をイメージしているならまだしも……何だか私には曲が「巻き添え」をくらっているように感じてしまいました。

最終的に星野源さん側は曲目を変更することにしましたが、それに当たって公式サイトで次のように説明しています。

楽曲「地獄でなぜ悪い」は星野源の曲です。

星野は2012年にくも膜下出血で倒れ、その闘病期に病院でこの楽曲の作詞をしました。詞の内容は、星野の個人的な経験・想いをもとに執筆されたものです。後述する映画のストーリーを音楽として表現したものではありません。星野源の中から生まれた、星野源の歌です。

一方で、すでにSNS等で指摘されているように、のちに性加害疑惑を報道された人物が監督した映画の主題歌であること、映画タイトルにある「地獄」というワードにヒントを得たこと、映画タイトルと同名の楽曲であることもまた事実です。この曲を紅白歌合戦の舞台で歌唱することが、二次加害にあたる可能性があるという一部の指摘について、私たちはその可能性を完全に否定することはできません。

今回の歌唱楽曲は「アーティストの闘病経験を経て生まれた楽曲で、いま苦しい時代を生きる方々を勇気づけてほしい」という、紅白制作チームからの熱意あるオファーを受けて選定された経緯があります。しかし、そのオファーの意図から離れ、真逆の影響を与えうるのであれば、それはオファーを受けた私たちの想いに反してしまいます。そのため、今回同曲を歌唱することを取りやめることにいたしました。私たちは、あらゆる性加害行為を容認しません。

https://www.hoshinogen.com/news/detail/?id=73

星野源さん側が「楽曲『地獄でなぜ悪い』は星野源の曲です」と言い切ってくれ、何だか少し安心しました。その上で「紅白歌合戦の舞台で歌唱することが、二次加害にあたる可能性がある」という指摘について「完全に否定することはできません」ともしています。ここまで考えた上で紅白歌合戦の曲目変更を決心したんですね。私はその意向を支持します。

ただ今回、この曲を歌うことが「性加害の肯定」という認識とイコールと受け止められたことがとても残念です。自らの制御が及ばぬことが理由で命を懸けて作った作品が簡単に抹消されてしまうやるせなさ。件の監督のために星野源さんがどこまで責任を負わないといけないのか、いわゆる「キャンセルカルチャー」について真剣に考えないといけないと感じます。

星野源さんの公式サイトは次の文章で締めくくっています。

この曲が多くのファンの皆様に愛していただいている楽曲であることを、私たちはよく理解しています。また、星野自身もとても大切にしている楽曲であることはこれからも変わりません。

紅白制作チームと協議の結果、今回は曲目を変更し、「ばらばら」を弾き語りします。

ご期待いただけますと幸いです。

改めて「地獄でなぜ悪い」に代わって歌われる「ばらばら」。星野源さんが大ブレイクする前に歌われた曲です。私は個人的に初期の星野源さんに好きな曲が多いので、私的には大歓迎~。しかしこの曲を選んだ星野源さんの隠れたメッセージ、私は何となく分かるような気がします。それは歌詞を読むと分かってきます。

世界はひとつじゃない
ああ そのまま ばらばらのまま
世界はひとつになれない
そのまま どこかにいこう

星野源『ばらばら』

追記)

朝日新聞が今回の騒動を伝えた記事にジャーナリストの江川紹子さんがコメントを寄せていましたが、まさに私が抱えていた「もやもや」を言語化してくれていました。一部、ご紹介します。

反論というほどではないのですが、どうしても疑問が浮かんでしまいます。「罪のない作品」に責任を科すことの是非、その責任はいつまで負い続けなければならないのか、という問いです。

星野さんが「地獄でなぜ悪い」を作ったいきさつや、それに込めた思いを伝えたうえで作品を披露する、という方法もあるでしょう。そういう道をとることもなく、「新たな加害を生む可能性ある作品」という評価を下し、これを排除し、芸能界での性加害やハラスメント問題の責任を負わせることが果たして適切なのでしょうか。そして、その責任はいつまで続くのでしょうか。

「罪のない作品」を排除し、罪のない人の表現活動を狭めることによってではなく、被害の現実を伝えたり法的な対応をしたり、あるいはさまざまな教育・啓発活動を展開する中で行われるべきではないか、という気がしています。

 

ELOとTM NETWORK

最近、エレクトリック・ライト・オーケストラの「トワイライト」という曲にハマッています。1981年リリースの曲で、シンセサイザーとリズミカルなドラムが“80’s”感満載です。

曲名の「トワイライト」というのは日没前や夜明け前の薄明かりのこと。この曲の場合は夜明け前のほうで、全体を通して「もうすぐ夜が明ける、起きなければいけないけど、もう少しこのままでいたい」みたいなことを歌っています。今から40年以上前の曲なのに、むしろ未来を感じさせる曲調。この「レトロフューチャー」な感じがたまらないんですよね。

で、何度も「トワイライト」を聞いていると……ふと別の、とある曲に似ていることに気付きました。TM NETWORKの「パノラマジック(アストロノーツの悲劇)」です。

この動画の2分50秒くらいから聞けます。TM NETWORKとしては初期の作品で、私もカラオケではよく歌いました(笑)。副題に付いている「アストロノーツ」というのは宇宙飛行士のことで、歌詞を読むに、とある宇宙飛行士が(おそらく)恋人が乗っていた宇宙船が壊れ、地球に帰れなくなった状況を歌っているようです。

残りひとつのエアロビクスを
心をこめ君にプレゼント
静かに Milky Way 漂う小舟のように
さよなら Nice Sleeping 切なき想いに身を任せて

エアロビクスというのは宇宙船に備蓄されている酸素のことでしょうか。シンセサイザーを使った曲調と宇宙を歌ったSFチックな歌詞がマッチしていて、私の好きな歌の1つです。で、聞き比べるとと分かるんですけど、雰囲気が「トワイライト」と似ているんです。

調べてみると、初期のTM NETWORKはかなりエレクトリック・ライト・オーケストラに影響を受けているよし。インターネットで検索すると多くのファンの方が考察を書かれていました。私が「トワイライト」に出会ったのは最近ですが、知らず知らずのうちにTM NETWORKのルーツをたどっていたわけですね。知っていて聴くのと、ふと「アレ?何か似てる」と思って気付くのでは味わい深さが全く違いますね。エレクトリック・ライト・オーケストラは他にもTM NETWORKに影響を与えた曲があるようで、いろいろ聞いてみたいと思います。

永遠のヒットソング

私が中国語を学び始めたのは今から約20年前の2002年です。中学生だった当時、2か月分の小遣いを貯めて学習本と簡単な辞書を買ったのが始まりです。

当時、中国語を学ぶ上で毎週欠かさず視聴していたのがNHK中国語会話です。講師役は当時お茶の水女子大学で教鞭を執っていた相原茂先生、生徒役は北川えりさん、アシスタント役は京劇俳優であり画家としても活動していた盧思さんでした。今のNHK中国語会話と比べたら(そもそも今は『中国語!ナビ』という番組名なんですか)多少地味な構成だったかもしれませんが、相原先生の授業を盛り上げる様々なアイデアが面白くて、中国語にのめり込む大きなきっかけになりました。

ちなみに、この番組で大変印象深く覚えているのがオープニング曲です。

出だしが“好好爱我”(ハオハオアイウオ)=「うーんと愛して」という大胆な歌詞から始まるユーロビート調の曲。当時初めて接する中国語の歌だったので、とても印象的でした。

不求你的富贵,不求你的荣华,只愿你把我珍惜。
あなたの地位なんていらない、あなたの栄華もいらない、ただ私を大切にしてくれたらいいの。

歌っているのは張薔という、80年代から90年代にかけてディスコミュージックで大ヒットした歌手です。なぜそんな時代の歌手の歌が2002年度になって採用されたのかと疑問に思っていましたが、2年前の2000年にアルバム《尽情飞扬》を出してこれがヒットしていたようです。確かにこのアルバムの中には《好好爱我》が収録されていました。

で、私は当時このアルバムが欲しかったんですよねえ。なのに日本だとどこにも売っていない。当時Amazonといった通販サイトはすでにありましたが、中国人歌手のアルバムを扱っていないんです。その後、中野ブロードウェイに中国や台湾のCDを扱っている店があると知って訪ねてみましたが、アルバムについて店主に聞くやいなや「ありません」とつっけんどんに言われたのを今も覚えています。ちなみに、このときが私の中野ブロードウェイ初訪問でした。

先日ふとそんなことを思い出し、中国の通販サイトでは今も張薔のアルバムを売っているのかしら……と検索したら、あるじゃないですか!張薔のアルバム《尽情飞扬》。掲載された商品の写真や値段から見るに中古品のようですが、それでも構いません。思わず衝動買いしてしまいました。

正真正銘の張薔のアルバム《尽情飞扬》です。おお、これこれ。私はこのアルバムが欲しくて東京中を走り回ったのです。今や動画投稿サイトに誰かがアップしてくれているので音楽自体は聴けますが、こうしてアルバムが手に入ると感慨深いものがあります。

ところが……

ケースを開けてみると、中に入っているディスクには“永恒畅销金曲”(永遠のヒットソング集)。えええーー!!!張薔のアルバムでないどころか、1曲も張薔の歌が入っていません。

うわー、やられました。まあ中古ですから、この国ではこういうことも珍しくないのかもしれませんが。とりあえず、日を改めて購入先にクレームを入れたいと思います。とほほ。

マニック・マンデー

きょうは絵に描いたようなどしゃ降りの月曜日でした。

在宅勤務なら「ラッキー?」と思ったのかもしれませんが、実はきょうは外で仕事。けれど、ここ最近篭もってばかりだったので、外に出られるのがまだありがたく感じます。

新宿西口の大ガードです。ここには金券ショップが建ち並んでいますが、新型コロナウイルスの影響で経営も大変なようです。移動を控える動きが出ているため、主力商品の新幹線回数券は全く売れず。そして展覧会のチケットも、催し物がそもそも中止になる事態。きょうなんて増してやこんな天候です。お店の方々、不安そうな顔で通りを眺めていました。

新宿西口の地下にある「新宿メトロ食堂街」です。

この写真を撮ったのがちょうど正午ごろでしたが、この状態。そもそも店が開いていないんですね。何だか都心から離れた、乗換駅でもない寂れた駅のようで、これが新宿駅の地下とは思えませんでした。

僕も新宿駅での仕事が終わったら、在宅勤務に入るべく自宅に戻りました。新型コロナウイルスの影響で仕事がなくなったという方も多いかもしれませんが、実は僕は仕事が増えています。なんだか在宅勤務のほうが忙しくてイヤになっちゃう。

帰りに、この前の日記に書いた(4月8日)近所のそば屋の軒先で売っていたテイクアウトを買ってみました。

買ったのはカツ丼。商品をのぞき込んだとき、ちょうどあなご丼ができあがったところだったんですが、カツ丼がおいしそうだったので、そちらを買いました。値段は600円、お店のお母さんから「雨の中、ありがとうございます」とおっしゃっていただきました。いえいえ、皆さんこそ雨の中、軒先でお疲れさまです。少しでも近所のお店に貢献できたかな。

萬蔵そば尾張屋

〒164-0011
東京都中野区中央2丁目2-8
TEL:03-3363-9538

きょうの日記のタイトル「マニック・マンデー」は、日本語にすると「落ち着かない月曜日」……ご存じの方も多い、バングルスの代表曲です。

月曜日になるといつも思い出す曲です。

It’s just another manic Monday
I wish it was Sunday
‘Cause that’s my fun day
My I don’t have to run day
It’s just another manic Monday

いつもと同じ忙しい月曜日
日曜日だったら良かったのに
だって休日は楽しいもん
駆けることもない日
ただの慌ただしい月曜日

歌詞と違うと言えば、きょうはいつもの月曜日とはちょっと違う……というところでしょうか。いつもの日常に、早く戻ってほしいものです。

高い城の男

きょうは宿直勤務明けで、午後から時間ができたので英語塾に行きました。

プライベートレッスンという一対一の授業を受けていて、これまでは大体イギリス人の男性の先生を付けてくれていたのですが、ここ最近はアメリカ人の女性の先生が多いです。顔がものすごく小さい美人な先生で、わざわざ気を使って付けてくれているのかしら(^^;)。突然びっくりするようなことを言ってきては”just kidding!”(冗談よ)なんて笑わせてくれる、楽しい方です。

それはそうと、水出しコーヒーに初めて挑戦してみました。

私は本当にコーヒーが好きで、お茶のようながぶがぶ飲んでしまうのですが、これからの時期はやはりホットよりアイス。アイスとなると家では作れないので(ホットを冷やしただけではパンチのない味気ない感じになりませんか)またスーパーで紙パックアイスコーヒーの大量買いかなあと思っていたのですが、そんなに飲むならいっそのこと水出しアイスコーヒーを自分で作ってみよう!と思い立ったのです。

水出しアイスコーヒー用のピッチャーと、アイスコーヒー用の豆を購入。ひたすら水を注いでピッチャーをいっぱいにします。

この作業に結構時間がかかるので、最近ハマっているドラマを見ながら作業をしました。見ているのは”The Man in the High Castle”(高い城の男)というアメリカのドラマ。*1Amazonプライムビデオで見られます。

第二次世界大戦でアメリカが敗れたという設定になっていて、アメリカの西海岸は日本が、東半分はドイツ・ナチスが支配しています。サンフランシスコの町並みは(私たちでいうところの)現実と違って、日本語…つまり漢字やひらがなの看板があふれていて、日本人がたくさんいます。一方、ニューヨークにはナチスの鉤十字が至る所で見られるという具合。そうした世界を舞台に謎のフィルムが出回り、このフィルムを巡る争いが人々を巻き込んでいく…という物語です。

日本のかいらい国家である西海岸の日本太平洋合衆国では、日本の文化が至るところで見られるようになっています。突然、坂本九さんの『上を向いて歩こう』が流れたり、越路吹雪さんの『ラストダンスは私に』が流れたり。

きょう見た第8話で流れた曲が印象的でした。

白人女性が歌っているのですが、歌詞は日本語です。

なぜ朝日は輝くの?なぜ海は波打つの?
知らないのね、世界の終わり。あなたの愛は消えた。
なぜ鳥は歌ってるの?なぜ星は瞬くの?
知らないのね、世界の終わり。あなたの愛は消えた。
朝、起きて思う。なぜ普段のままか?
分からないの、分からないの。生きることの意味が。
なぜ私は泣いてるの?なぜ涙が溢れるの?
知らないのね、世界の終わり。これでさようなら、あなた。
知らないのね、世界の終わり。これでさようなら、あなた。
さようなら……

いい歌だなあとインターネットを検索するのですが、全くヒットしない。おかしいなと思ったら、実はカバーでした。スキータ・デイヴィスの”The End of the World”(この世の果てまで)を日本語にしたものでした。

こういうドラマを見ていると英語学習熱もめらめらと湧き上がりますね。字幕なしで見られるようになりたいなあ。

References
*1原作はアメリカのSF作家フィリップ・K・ディックによる歴史改変SF小説です。第二次世界大戦で枢軸国が勝利し、アメリカが東西に分断されている世界を舞台としていて、1962年に発表され、1963年のヒューゴー賞長編小説部門を受賞したそうです。
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