The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2022年10月 (1ページ目 (3ページ中))

天高く馬肥ゆる秋

北京は昨日までかなり靄がかかった天気だったが、今日は気持ちいい空が広がった。

仕事で大望路のあたりに行ったら、国貿の高層ビル群が青空に映えてきれいだった。

中央にそびえ立つのは「中国尊」(チャイナ・ズン)という、北京で最も高いビルだ。その高さは528メートル、北京は上海などと違って高層ビルがいくつも建っているわけではないので異様に目立つ。展望台があるなら是非行ってみたいなあ。

会社へ戻るのに長安街を走る「1路」のバスに乗ると「バスおばさん」がいた。

切符販売や車内アナウンスのほか、高齢者が乗車してくると若者に「席をあけろ~!」と叫んでくれるなど車内秩序(?)を正す業務も担っていて、私は親しみを込めて「バスおばさん」*1と呼んでいる。11年前に留学していた頃はどのバス路線にもいたが、最近は現金を使う人が減ったからか、ほとんど見なくなっていた。メインストリートを走る「1路」のバスには残っていたのかあ。相変わらず早口のまくし立てるようなアナウンスで、何だか嬉しくなってしまった。

References
*1中国語では何と言うのだろう?普通に“售票员”(切符販売員)?けれどこれじゃちょっと寂しいから、やはり私としては“售票员阿姨”(切符販売員のおばさん)と呼びたいところだ。

北京のヘアサロン

日本で最後に髪を切ってから1か月半ほどが経ち、そろそろ切らねばと思い立って美容室に行った。

ただでさえ引っ越し先で初めての美容室を見つけるのは難しいのに、ましてや海外だ。思い出すと学生時代の北京留学も、しばらく行きつけの美容室を決められずに髪伸ばし放題だった。

私の髪の毛は太くて、しかも量が多い。いわゆる剛毛ってやつ。加えて上向きに生えているので、伸びてくると「ぼわっ」とした感じになるのだ。それが嫌で、ハードジェルといった整髪料で「ぼわっ」とならないように抑えつけている。すると「短くすればいいじゃないの」と言われるのだが、これまた髪の毛が元気良いので、角刈りと言うのか、スポーツ刈りと言うのか、とにかくあんな感じになってしまう。人民服を着れば、北朝鮮のニュースに出てきそうな男性の出来上がりだ。スタイリストさんの技術次第で結構な差が出るため、引っ越し後に行きつけの美容室を見つけるまで本当によく悩むのだ。

とは言え、そろそろ切らないと仕事にも支障が出る。

日本人がいるというサロンに電話をして予約しようとすると「今日は予約が全て埋まっていて、中国人スタイリストのみになります」と言う。うーむ、出鼻をくじかれた。けれど次の週末まで待ってはいられない。日本人スタイリストの店にいるなら日本人の髪も切り慣れているだろうと思い、中国人スタイリストの方にお願いすることにした。

いざ店舗に行くと、店員は思った以上に中国人が多い。というより日本人スタイリストが1人いるだけで、おそらく他は中国人だったんじゃないかな。それもみんな日本語が話せないようだ。リーダーみたいな女性が1人いて、日本語の通訳を担っていた。

いざ椅子に座ると、女性が中国人スタイリストの耳元で何かぼそぼそと話している。おそらく「この方は中国語が話せるから要望は直接聞いて」といったことを話していたのだろう。スタイリストさんが正面を向いて、中国語で「どうしますか」と聞いてきた。

人によっては有名人の写真を見せて「こんなふうに切ってください」と言う人もいるのだろうが、私の髪の質じゃ逆立ちしても実現できないのは百も承知なので、そういうことはしない。「大体1か月分くらい切ってほしい、私は比較的髪の伸びる速度は速いほう、刈り上げてもいいけど刈り上げすぎないで、髪の量が多いので多めにすいてほしい」みたいなことを伝えると、スタイリストさんは承知しましたと頷いてくれた。

途中で「もっとすいてほしい」という意味で「長さはこのくらいでいいので、量をもっと少なくして下さい」と伝えたら“更薄一点?”(もっと薄くしますか?)と聞いてきてくれた。中国語で髪をすいて量を少なくすることを「薄くする」と言うようだ。なるほど~。けど「髪の毛を薄くしてください」って、ちょっぴり嫌な響きだ(笑)。

あまり短くはしなかったが、要望通り多めにすいてくれたので頭が結構軽くなった。とりあえずは成功といったところか。これで230元(約4700円)、まあこんなもんだろう。

髪を切り終わってからショッピングモール「ジョイシティ」(“朝阳大悦城”)にあるイオンに行ったら、食品売り場がすっからかんだ。まだ時間は18時前だったので閉店時間には早い。そして“出清”と書いたチラシが至る所に掲げられている。セールと書いてはいるものの、“出清”は在庫処分といった意味だ。どういうことなのだろう。

冷蔵庫もこの通りだ。商品の入れ替え?いや、それにしては規模が大きすぎる。不思議に思い、公式サイトを見てみた。

果たして閉店の案内があった。明日が最終営業日らしい。

ここのイオンは11年前に私が留学していた頃にもお世話になった店。今回の北京赴任で再訪し「まだやっているんだ」と嬉しく思ったのも束の間だ。けれど再訪できただけ良かったのかなあ。

おそらくここのイオンも中国のネット通販の潮流に苦しんだのだろう。こうして日本の誇るスーパーがまた1つ少なくなった。北京にイオンはもう2店舗あるものの、留学時代にもお世話になった店が無くなるのはやはり寂しいなあ。

さしずめ北京の新大久保

人に自慢できるほどではないが、そこらの男性に比べると料理をするほうだ。とは言え自分が食べたいものを作るだけなので味付けは自己流。それも晩酌のお供になる小皿料理が多いので、果たして「料理」と言えるかどうかも分からないけれど。

特に好きな調味料が韓国の「ダシダ」。何にでも使える万能調味料で、日本で言う「だしの素」といったところだろうか。和食には和食だし、中華には中華だし、洋食にはコンソメやブイヨン、韓国料理にはダシダなのだ。ちなみにダシダという名前は日本語の「出汁」から来ているのかと思ったのだが、“입맛을 다시다”(インマスル・ダシダ)=「舌鼓を打つ」から来ているらしい。

日本では一般のスーパーにも置かれているが、北京に来てから日系スーパーをいくつか回ったもののダシダを見つけられなかった。韓国食材スーパーに行けば必ずあるだろうと思い、行ってみた。

やって来たのは「望京」。北京のコリアタウンと言われている街だ。

およそ5万人の韓国人が住んでいる地区で、韓国料理の店を始め、韓国のアパレルショップ、テコンドーの道場、囲碁の練習場など、いろいろあるそうだ。

品揃えが良いと聞いて来たのが“来故乡超市”(ホームタウン・スーパーマーケット)。

ハングル文字で“내고향 마트”(ネーコヒャン・マートゥ)と書いてある。“내고향”(ネーコヒャン)=私の故郷、“마트”(マートゥ)=マートで、「私のふるさとのマート」になる。

一方、中国語の店名“来故乡”は「故郷に来る」という意味。この漢字を韓国語発音で読んだら、これまた“내고향”(ネーコヒャン)。両方の意味を取っているのかな、いい店名だ。

そんなに広い店舗ではないが、品揃えはすごかった。

東京のコリアタウンと言えば新大久保だが、観光地化されているので、たまに買い物に行くと人の多さにびっくりしてしまう。その点、この店は本当に「生活のため」といった雰囲気だ。お客さんは中国人と韓国人が半々くらいで、みんな日常の食材を買い込んでいるようだった。

オットギのレトルト食品から、チンして食べられるごはん。

カップラーメンの品揃えも豊富だ。どれも辛そう。

袋ラーメンもたくさん並んでいた。私はチャジャンミョンを購入。韓国式ジャージャー麺のことで、日本や中国のものと違ってソースがちょっぴり甘めなのが特徴だ。

今日一番のお目当てのダシダも並んでいた。私がいつも使っているのは牛肉のダシダだが、あさりやいりこだしのダシダも並んでいた。さすがの品揃えだ。

ちなみに中央と右のダシダはどちらも同じ300グラムだが、値段がずいぶん違う。中央は58元(約1200円)で、右は19元(約400円)。よく見てみると、中央のダシダはパッケージに韓国語しか書かれていないのでおそらく直輸入されたものだろう。一方、右は中国語が書かれているので現地生産されているものではないか。

こんなに値段が違うのに、わざわざ直輸入品を買う人がいるのだろうか。それとも中国現地生産されているダシダは味が少し違うのだろうか……いやいや、3倍の値段はやはり高すぎる。ここは現地生産のものを買おう。

追記)現地生産のダシダを買ったが、いつもの味と全く変わらなかった。これでわざわざ直輸入品を買う人はいるのかなあ。よほど韓国産しか信じない人向け?

ちなみに中国語でダシダは“大喜大”(ダーシーダー)と言うようだ。

そんなに種類は無かったものの惣菜も並んでいた。こちらはキムパ、1つ17元(約350円)。

雑貨やシャンプーやボディーソープといった日用品も売っていた。

この商品には“페브리즈”(ペブリジュ)。日本でもおなじみ「ファブリーズ」だ。

私はダシダを始め、チヂミの素や白菜キムチ、チャミスルなどを購入。

うーむ、さすがの品揃えだ。日本食材でこれほどの規模の店はあるのかなあ。ここまでじゃないけど、やはりイトーヨーカドーが一番かな。韓国食材は日本料理にも代用できそうなものが多いので助かる。とりあえずダシダは300グラムを2つ買っておいたので、しばらくは困らなさそうだ。

夜はコチュジャン、魚醤、ダシダで味付けをしたスープでキムチ鍋を作った。我ながら良い味。フードデリバリーは便利だが、自分の好きな味で食べたいものが食べられるのは自炊の醍醐味。またいろいろ挑戦してみよう。

打ち上げ

朝出勤していると、道行く人がみんな見上げて何かを撮影している。

何だろう?と振り返って見てみると、黄色に色付いた木々だった。

北京は秋が一番良い季節だと言われる。春は黄砂に悩まされ、夏は意外と暑い。かと思いきや冬は氷点下。まだ週末は散らかった家の片付けに費やしているけど、もう少し落ち着いたら郊外にも出かけてみたいなあ。早くしないと、あっという間に極寒の冬がきちゃうよ(笑)。

ここ最近大きな仕事を乗り切ったこともあり、夜は先輩の家で打ち上げ。

上司がお手製の料理をたくさん持ってきてくれた。ゴーヤチャンプルー、カボチャの煮込み、鶏肉とゆで卵の煮込み、きんぴらごぼう、肉じゃが……北京に日本料理店は増えたものの、こういう家庭料理は意外とメニューに無いからありがたい。

とても盛り上がり、用意していた酒が無くなってしまって追加で買いに行くくらいだった。ワイワイしていたら終電が無くなってしまったので、タクシーで帰宅。中国は日本に比べてタクシーが安いのでこういうときに助かる。

真夜中にお金がない

仕事で遅くなり、地下鉄の終電も無くなってしまった。

タクシーで帰宅することにし、乗車前にオフィス近くのセブンイレブンで夕食を買おうとしたところ、口座がほぼ空っぽなことに気付く。現金を使い果たしてしまった~!

会社の給料は基本的に日本の銀行口座に入るため、中国の口座に送金してもらうには手続きをしなければならない。私はまだそれをしていないため、手元にある限られた現金をちびちびと使っていたのだ。中国でスマホ決済を利用するには紐付いた口座に現金が入っていなければならない。残金はたったの7元、日本円で150円にも満たない。これじゃあ何も買えないなあ。

しばし呆然としていたところ……おお、思い出した。財布の中に80元ほど、使うに使えず残っている小銭が入っているじゃないか。従業員に現金支払いできるか聞いてみたところ、問題ないと言う。こうして無事に弁当を購入。

中国銀行のATMコーナーに行き、クレジットカードで現金を入手。海外キャッシングだ。手数料と利息がかかるものの、早めに返済してしまえば利息は小さくて済むため、場合によっては両替よりお得になる場合もある。

とりあえず3000元(約6万円)を引き出し、それをすぐにATMに戻して自分の銀行口座に入金する。スマホのアプリで口座残高を確認したらきちんと反映されていた。ほっと一息。我ながらデジタルなんだかアナログなんだか……(^^;)。

北京のおめでたい鳥

北京に来てからよく見かける鳥がいる。

こちらではカラスやハトより頻繁に見かける。大きさはスズメより大きくカラスより小さいで、濃い青色の羽がきれいだ。

Googleレンズで調べたところ、カササギらしい。中国語では“喜鹊”と言い、とても縁起の良い鳥とされているそうだ。日本で見たことがなかったので、とても印象的。

北京のイケア

ここ数週間かかえていた大きな仕事を終え、今日はお休みをもらった。

朝はのんびり起床。普段なら罪悪感を感じる二度寝もひと仕事を終えた後だと正当化できて気持ちが良い。特にここ最近は朝が早かったり夜が遅かったりしたので、睡眠不足が一気に解消した。

家が入居した時点から何も変わっていなかったため、いろいろと買いそろえようと午後から北京郊外にあるイケアに行った。

向かったのは大興区西紅門にある“北京荟聚”というショッピングモール。

ずいぶん大きなモールだったが、人は少なめかな。とは言え中心部から結構離れた郊外にあるし、平日であることを考えればこんなものなのかもしれない。帰ってから知ったのだが、ここはイケアのグループ会社が運営しているモールらしい。

ただでさえ巨大なイケアの店舗がショッピングモールの中に入っているのだから、モールの大きさがよく分かる。

中国でイケアは“宜家家居”。発音が[Yíjiā jiājū](イージャージャジュー)で、ちょっぴり「イケア」に似ている(似ていないって?)。これに加え、家族が円満であることを意味する四字熟語“宜室宜家”に由来したところもあるようだ。

店内の様子は日本のイケアとほぼ同じ。ソファーや収納家具、ダイニングセットが展示されたショールームから始まり、続けて小さな家具や日用品などを売るエリアへと続く。

中国でもイケアは手頃な価格とあって人気が高いそうだ。今日は平日だったので客はそこまで多くなかったが、週末はずいぶん賑わうらしい。ちなみに私が入居した家は家具付きなのだが、イケアで購入したと思われるものがいくつかあった。

日本に帰ってきたと思うくらい店内の作りは日本のイケアと同じなのだが、やはり違うのは客だろうか。ショールームに展示された家具の中でみなさんホームドラマばりに一家団欒している。このご夫婦?はソファーに座って、りんごを丸かじりしている。日本だとイケアを訪れるのにりんごをまるまる1個持って来る人はそういないだろう。

ベッドで爆睡している人もいた。うとうとなんてレベルではなく、本当に横になっているからすごい。イケアに来たら眠くなって寝てしまったのか、それともショッピングモールをうろついていたら疲れてしまい「イケアで寝ようか」と思ったのか。

日本人でも、例えばディズニーランドで遊んでいて「疲れたから、あのアトラクションに行って休もう」なんて話すことがあるが、あれと同じような感覚なのだろうか。

キッチン用品をメインにいろいろ揃えようと思ったが、結局そんなに買わなかった。

イケアは北欧発祥だけあって見た目はおしゃれだが、やはり日本の住宅事情には合わない(ここは中国だけど)。キッチン用品もあちらの料理を作る前提だからだろう、日本の家庭料理を作るようにデザインされていないのだ。その点、日本生まれの無印良品やニトリのほうが機能的で使い勝手が良い。やはり、そこに行き着くんだなあ。

頼りになる無印良品

引っ越しの荷物を開封するのにカッターナイフがないことに気づき、ほかにもちょこちょこした文房具を買おうと、仕事終わりに無印良品に寄った。

朝陽門にある「ユータウン」というショッピングモール。中国語では“悠唐”(ヨウタン)。

ちなみに朝陽門と聞いて、立派な門があると想像する人もいるだろう。そういえば横浜中華街にも朝陽門という牌楼が建っている。かつては確かに朝陽門という名の城門があったそうだが、中華人民共和国の建国後に毛沢東が城壁の取り壊しを命じたため破壊されたらしい。今は名前が残るのみ。ちなみに中国の外務省(外交部)はここにある。

お目当ての文房具のほか、洗顔後に使う乳液などを購入。

北京の人は文房具を買おうとしたらどこで買うんだろう。日本にいたときは東急ハンズやロフト、それこそ無印良品で買っていたかなあ。街なかにも個人経営の文房具屋さんがあって「文房具を買うならあそこへ行けばいい」のがよく分かっていた。だが、北京にはそういう店が見た当たらない。おそらく中国人に聞いても「ネットで買います」と答えるのだろう(^^;)。

中国の無印良品は日本より1.5~2倍ほど高いが、日本の商品と同じクオリティーのものが手に入るのはありがたい。

人民元でも承ります

近所のセブンイレブンに行くと、レジ裏にこんな文字が。

書いてあったのは“人民币也收”(人民元も承ります)。

どういう意味だろう。何も知らないで見ると「普通は米ドルや日本円しか受け取らないけど、ここは人民元もOKだよ」という意味に取れてしまう。でも、それはおかしい。だって人民元はもともとこの国の通貨なはずだ。

まあ、私の想像では「現金でも支払えますよ」という意味なんじゃないかな。

とにかく中国は現金を「ほとんど」使わない国になっている。日本じゃ考えられないが、スマホ決済しか対応していないという店がそこらじゅうにあるのだ。現金が支払える店でも、おつりのストックがないから「無理です」と断られることもある。

日本ではいくらキャッシュレスが進んでも「最強なのは現金」*1であり、現金主義と言われる日本人にとっては不思議に見えるだろう。中国は現金がことごとく使い物にならず、民間企業が扱うスマホ決済のほうが信用されている*2のだ。

人民币也收”(人民元も承ります)という表記を見て、ついにここまで……と思ってしまった。日本で例えるなら、国内のセブンイレブンに「日本円でも支払えます」という表記があるのと同じなのだから。

References
*1日本では現金が信用されているという事情もあるだろう。紙幣の印刷技術が高いため、偽札を掴まされることはめったにない。一方、中国の人民元には偽札が多い。実際、11年前の留学時代には何度か偽札を掴まされた。そう考えると、スマホ決済のほうが信用できる、という事情は理解できる。
*2もっとも中国政府も民間企業が伝統的な金融機関のビジネスを圧迫しながら巨額の利益をあげて独占状態を築いているのを快くは思っていないだろう。中国政府は「デジタル人民元」という仕組みをスタートさせているが、これも既存のスマホ決済の影響力を徐々に低下させていくことが理由のひとつなんじゃないかと。

実店舗を駆逐するネットショッピング

卓上コルクボードがほしいと思い、初めてネット通販を使った。

利用したのは“淘宝”(タオバオ)というサービス。よく名前は聞いていたが、使ったのは初めてだ。直接「タオバオ」から買うのではなく、出店している店や個人から買うという仕組みらしい。

昨日注文したら、もう今日届いた。思いがけずかわいい入れ物に入っている。

表面には「夢ならばどれほどよかったでしょう、未だにあなたのことを夢にみる」……レ、レモン?その下に書いてある付属品の「紙詰まり」*1も謎だ。ただ、いざ開封すると中にはきちんとしたものが入っていた。コルクボード、画鋲、カード、シール、便箋。送料は無料で、約250円。

中国は、先日ブログに書いたフードデリバリーサービスが最たる例だが、ネットショッピングで何でも配送で手に入る。一方、その勢いに押されてどの分野でも「実店舗」がどんどん少なくなっているようだ。例えば日本でコルクボードが欲しいと思ったら文房具店や雑貨屋(東急ハンズやロフト)、それに100円ショップなど、それなりに思いつく。しかし中国では?……思いつかない。中国人に「○○ってどこで買える?」と聞いたら、みんな一様に「ネットで買える」と答えるのだ。

ネットショッピングなら何でも手に入る。けれど「ショッピングする楽しみ」はないなあ。今回は「卓上に置くコルクボードがほしい」と思い立ったから購入に至ったが、店舗をふら~っと見ていて「あ、これがあったら便利そうだ」みたいなことは起きない。

日本のドン・キホーテに行ったら中国人の方もたくさんいて、買い物を楽しんでいるのにねえ。

References
*1あくまで私の想像だが、厚紙を意味する“卡纸”を自動翻訳機にかけて「紙詰まり」としてしまったのではないか。中国語の“”には「詰まる」という意味があり、確かに複合機なんかで紙が詰まったときに“卡纸”と使うことがある。
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