北京の夜は早い。飲食店が午後9時、10時には閉まってしまうところが多いのだ。日本の飲食店はずいぶん遅くまで開いている。居酒屋なんて日付が変わって翌日に閉店するところのほうが多いのではないか。牛丼チェーンも24時間営業が多いし、夜遅くなっても食べ物にあまり困った記憶がない。

例によって最近は仕事が忙しく帰宅時間が遅いので、もっぱらセブンイレブンばかりにお世話になっている。今日は温かいものが食べたいと思い、レジ横にあったおでんを購入した。中国のセブンイレブンでおでんは“好炖”と言うらしい。漢字には「よく煮込む」という意味があり、発音も[hǎodùn](ハオドゥン)でちょっぴりおでんに似ている。

食材は日本のおでん定番のものから“豆皮串”などちょっぴり中国っぽいものまでいろいろあった。

私はだいこん、ゆで卵、ウインナー、肉だんご、エビつみれなど、日本風のものを選んだ。店員のおっちゃんに言えば、日本のコンビニと同じように容器に入れてくれる。最後につゆを入れて容器にふたをすると、こぼれないようにラップでぐるぐる巻きにしてくれた。

ほのかに中国っぽい香りがするけれど、おでんはおでんだ。つゆもあっさりしていて、中国の“麻辣烫”とは違う。最近の北京は夜が冷え込むようになってきたので、温かいおでんは何だかほっとする。昨日はコーヒーの記事を書いたばかりだし、セブンイレブンにお世話になりっぱなしだ。