妻に数日前から毎日のように「週末にはお茶屋さんに行きたい」と言われていました。今朝も朝食を食べながら「今日はお茶屋に行くよね?」と念押しされる始末(^^;)。

確かに中国のお茶は有名です。日本だと中国茶と言われても烏龍茶(ウーロン茶)くらいしか思い浮かばないという方も多いと思いますが、中国の人は実にさまざまなお茶を飲みます。青茶・黒茶・緑茶・紅茶・白茶・黄茶……それから花茶まで。日本でもお茶は飲みますけど、どちらかというと食後に飲むものという位置づけが色濃いですよね。まあ最近は麦茶やほうじ茶なんかを食事と合わせて飲む方も多いようですが。

私は根っからのコーヒー派なので実はお茶に全然詳しくありません。十数年前に北京に留学していた頃も、中国という国にいながらわざわざ上海に新鮮なコーヒー豆を求めて買いに行ったくらいです。中国人学生たちは講義室の机の上に茶葉の入ったボトルを置いて講義を受けていましたが、私はサーモスの魔法瓶にコーヒーを入れて毎日持って行っていました。

妻の熱意におされ、中国茶の店に行ってみることにしました。やって来たのは王府井、言わずと知れた北京有数の繁華街です。天気が良い週末なこともあり、地方から観光に来たと思わしき人たちがたくさんいました。

まずやって来たのは「天福茗茶」。中国のお茶どころ、福建省発祥の中国茶販売の巨大チェーンです。王府井の店舗は観光地ということもあってか、とても広かったです。中に入るとすかさず店員が近寄ってきて「試飲をどうぞ」と、小さな紙コップに入ったお茶を差し出してくれました。

お茶屋さんなんて普段意識していなかったのですが、よくよく見ると街なかの至るところに「天福茗茶」があるのに気付きました。中国大陸の全土で1300店舗以上を有し、北京でも「歩けば天福茗茶」と言われるほどなんだそうです。

男性の店員が付きっきりで茶葉の説明をしてくれました。普段飲めるお茶をとリクエストすると最初は緑茶を出してくれ、もう少し中国らしい味のものはあるかと聞くと今度は「龍井茶」を出してくれました。「龍井茶」は中国東部の浙江省・杭州特産の緑茶なんだそうです。

そんなに高い茶葉を求めて訪れたわけでもないので、良いお茶をたくさん試飲させてくれて若干申し訳ない気持ちになりましたが、素晴らしいサービスでした。まずはベーシックなものから……ということで、100元(約2000円)のジャスミン茶の茶葉を購入しました。

同じ王府井にある別の中国茶販売のチェーン「呉裕泰」に来ました。こちらも中国茶では名の知れた老舗で、創業は1887年と清の時代だそうです。

店の前には「お茶ソフトクリーム」を買い求める列ができていました。味は抹茶、ジャスミン茶の2種類から選べます。先ほど行った「天福茗茶」でもソフトクリームは買えるようですがここまでの列ができていなかったことを思うと、こちらのほうが人気のようです。私たちもいただきました。私は抹茶、妻はジャスミン茶、とても濃厚でおいしかったです。

店内に入ると茶葉を始め、立派な茶具などたくさんの品々が並んでいました。

こういう立派なものを見ていると中国茶を自宅で気軽に飲むのもいいですが、お店で楽しむのもいいなあと思っちゃいますね。以前、台湾に旅行したときには茶館で店員さんが説明をしながら一杯一杯いれてくれました。私みたいな素人にはそのくらいの説明があったほうが分かりやすいのです。北京にもあるかなあ……また探してみたいと思います。