ここ数日、北京もだいぶ寒くなってきました。東京で言えば12月くらいの気温でしょうか、外に出るとみんな厚い上着を着るようになりました。ちなみに北京ではこの時期になると「暖気」が稼働します。「ヌワンチー」と発音し、日本で言う「セントラルヒーティング」に相当します。
この「暖気」、北京中のオフィスや集合住宅、あらゆるところに設置されています。1950年代から公共事業として整備されたもので、暖房でさえも皆平等に……という、何とも社会主義国家らしい発想です。今年は昨日から「暖気」が供給される……ということだったのですが、動いている様子が見られず。今日になって「暖気」から微かに「ピキピキ」という音が聞こえ、ああ、供給が始まったんだなというのが分かりました。
これ、中に入っているのは温水です。北京の冬は最高気温が氷点下なんてことも珍しくありませんが、この「暖気」があるおかげで部屋の中は結構暖かい。いや、むしろ熱いくらいになります。だから真冬なのに夜が「熱くて熱くて」寝られない……なんてことも。
ちなみに「暖気」に使われる温水は石炭ボイラーで作り出していることが多いようです。私が十数年前に留学していた頃は大きな施設や公共機関でも石炭が主流だったので、冬はどこでもこの匂いがしていました*1。今は環境保護の観点から石炭の利用は減ったようですが、それでも外を歩いているとたまーに石炭の燃える独特な匂いを感じることがあり、ああ、北京に冬が来たんだなあと感じさせられます。
*1 | それもあって私が留学していた頃の北京の大気汚染はひどかったです。よく報道でPM2.5なんて言われていた頃でした。 |
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