私は3人兄弟です。私が長男で、下に2人弟がいます。
弟について紹介する場合、日本語では「真ん中の弟」「一番下の弟」なんて呼んでいます。これ、中国語で説明するときに何と言えばいいか分からなかったんです。日本語の表現を直訳すると“中间的弟弟”(真ん中の弟)、“最小的弟弟”(一番下の弟)になるでしょうが、うーん、こんな表現は聞いたことがない。現に中国人に使ったら「そんな表現はしない」と言われました。じゃあ何て言うの?
それが困っちゃいました。聞く人によって答えが全然違うのです。
ある中国人の同僚は“二弟”、“三弟”と言います。なるほど、次男だから“二弟”、三男だから“三弟”ですね。けど、よくよく考えれば不思議な表現です。だって私から見れば次男が「1番目の弟」なわけです。“二弟”だと「2番目の弟」に聞こえちゃいます。じゃあ私が“一弟”になっちゃうの?なんて聞いたら、同僚は「んなこたーない」と笑っていましたけど。
そして別の同僚は“大弟”、“二弟”と言います。次男が“大弟”(大きい弟)、三男が“二弟”(2番目の弟)ですね。なるほど、これなら理解しやすいです。けど、この言い方だと最初の同僚が教えてくれた呼び方と齟齬が出ます。だってある人は“二弟”で「次男」を指し、ある人は「三男」を指すわけですから。
さらに別の同僚は“二弟”、“小弟”と言います。これは“二弟”(次男)、“小弟”(小さい弟=末っ子)という意味ですね。“小弟”については“老弟”と呼ぶこともあるそう。すると……ここまでで分かったことは、中国語で“二弟”というと「次男」と「三男」、両方の可能性があるということです。
ちなみに例外としては“大弟”(大きい弟)、“小弟”(小さい弟)という表現がありました。なるほど、これなら迷うことはありません。弟が2人の三兄弟ならこのように説明できそうです。
で、結局一番確かな表現は“老二”、“老三”という表現だという結論に至りました。これはそれぞれ「次男」、「三男」という意味です。ちなみに「長男」は“老大”と言います。親が自分の子どもを説明するときに使う表現ですが、自分の兄弟を説明するときにも使えるんですね。確かに日本語でも兄弟の説明をするときに「次男、三男」と言います。
中国語は親族を指す表現がとても豊かです。日本語では「いとこ」と呼ばれる間柄だけでも、父親と母親どちらの兄弟姉妹か、男か女か、年上か年下か、これらによって呼び方が全員違います。私なんかは未だにスッと出てこないのですが、そこはさすが中国人、サッと呼称が出てきます。だのにみんな弟の呼び方で頭抱えちゃうとは(^^;)。
だって、同僚たちはみんな一人っ子なんですよね。だから何と呼べばいいのか分からないんだと思います。先ほど紹介した表現は「確か親がそう呼んでいた」と記憶しているもので、実体験ではないようです。こういうところにも一人っ子政策の影響が出ています。今後、豊富な親族の呼び方も徐々に忘れられていくのかもしれません。
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