北京最大のチベット仏教の寺院「雍和宮」に行きました。

北京市内では有名な観光名所のひとつです。私の自宅からも歩いて行ける距離なのですが、それ故に「いつでも行ける」と思い、これまで行ったことがありませんでした。年が明けてから「初詣」に行っていなかったので、良い機会だと思い、初訪問しました。

元日はすごい人で賑わうそうです。とは言え、いやいや、今日だって結構な人出です。

参拝者は線香が1束、無料でもらえました。で、火を灯すロウソクが置かれた場所には“请燃三支香”(線香3本に火を付けてください)との文字。これは3本しか火を付けてはいけないのかしら。それともどの建物の前にも香炉が置かれていたので、線香を一気に使わないよう「線香は1か所につき3本が基本ですよ」という意味かな。

皆さん、ひざまずいてお祈りをしています。これを「三跪九叩」(さんき・きゅうこう)と言います。香炉の前にはひざまずくためのクッションが横一列に並んでいて、線香を額に当てて熱心に祈っていました。

中国で人が熱心にお祈りをする様子ってあまり見ないので新鮮でした。何の根拠もないですけど、寺院の数って人口当たりで見ると中国より日本のほうが圧倒的に多い気がします。だって日本で街中を歩いていると、そこら中にお寺がありますよね。けれど北京を歩いていてもお寺には出会わないです。別に日本人が中国人より信心深いとは思わないですが、中国は文化大革命なんて時期もありましたし、日本のほうが仏教文化の保護が進んでいるかもしれませんね。

雍和宮の一番奥にある「万福楼」です。中に入ると巨大な仏像が立っていて圧巻でした。神々しくて何だか撮影がためらわれたので写真は撮っていませんが、高さ18メートルなんだそうです。1本の白檀(びゃくだん)と呼ばれる木から作られていて、木彫りの大仏としては世界最大なんだとか。

扁額には漢字以外の文字も書かれていました。右から満州語、中国語(漢字)、チベット語、モンゴル語ですね。雍和宮のできた清朝は満州族がつくった国で、その満州族はチベット仏教を信仰していました。そうしたいろんな経緯あって4つの言語が並ぶんですね。

日本の寺院とは全く違う様子を醸し出していますが、境内の至るところで線香を焚いていて、あの独特の香りは日本の寺院と同じ。あの香りをかぐと何だか神聖な気持ちになります(^^)。思いがけず2025年の初詣を果たすことができました。