日本語には縦書き文化が残っています。書道作品のほとんどは縦書きで書かれますし、小説や漫画、それに新聞といった大衆が親しむ分野でもよく用いられています。
縦書きは中国からもたらされた文化です。ですが中国では今、縦書きが用いられることは少なくなっています。特に先ほど挙げた小説、漫画、新聞はいずれも横書きに取って代わられました。日本人は今も縦書きを多用するので縦書きと横書きが混在していても違和感を持ちませんが、中国人の中には「読みづらい」と思ってしまう人も多いようです。
こちらの看板。“前方辅路机动车禁止驶入请绕行”(前方の側道は自動車通行禁止です、迂回してください)と書いてあります。縦に細長い看板なので、私なんかは「縦書きにすればいいのに」と思ってしまいますが、3回改行してでも横書きなんですね。
これは中国の有名な茶飲料チェーン店の入口を撮影した写真です。緑の看板、日本人ならきっと「雪茶奈的」と読んでしまうのではないでしょうか。正しくは「奈雪的茶」です。横書きを2行で表現したわけですね。日本だとこういう4文字を表現する際は、縦書きで右から書くんじゃないかなあ。こういうときに中国で縦書き文化が薄れてきていることを実感します。
そのうち中国の若い人たちの間で縦書きさえも左から右に書くような人が出てくるんじゃないか、そんなことを考えてしまいます。
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