中国では今日からメーデーに合わせた連休が始まり、東北部の吉林省長春に旅行に行きました。ここはかつて満州国の首都・新京が設置された場所で、今も当時の建築物がたくさん残っています。

満州国は「国」と名乗っているものの、実際には日本の傀儡国家です。日本が中国東北部を占領した際、国際連盟や諸外国からの批判をかわすために建国されました。当時ありったけの最先端技術を投入して街作りが進められた一方、日本の敗戦により満州国はわずか13年で消滅します。その後、日本に引き揚げようとした人たちがソ連軍の攻撃で虐殺され、親とはぐれて日本に帰れなかった「中国残留孤児」を生み出した悲劇の地でもあります。

日本と中国の歴史を語る上で、中国東北部――旧満州の歴史を抜きにはできません。そんなこともあって私は中国にいる間、必ず一度は行きたいと思っていました。この連休中の航空券を調べたところ、よその観光地に向かう便は軒並みビックリする価格に値上がりしていた一方、長春便はそうでもなかったので、これ幸いと「満州国の記憶を訪ねる旅」を企画したのです。

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