The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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中国2年目

最近の北京はめっきり涼しくなりました。昼間になると30度近くになりますが、さすがに超すことはありません。

日陰を歩いていると涼しくて気持ちが良いです。朝晩も涼しくなって、日が暮れると「何だか肌寒いかも」と思ってしまうほどです。

何だか懐かしい感じだなあ……と思ったら、私、ちょうど去年の今頃に中国に入国したんですね。今頃というか昨日ですから、今日から私の中国駐在は2年目。去年は中国がまだ「ゼロコロナ」政策の下にあり、入国後は10日間の隔離措置がとられていました。だから北京の街なかに出たのはもうちょっと先ですけど。

もう1年なのか、まだ1年なのか、正直自分でも分からないです。多分、来年も同じことを言っているんだと思います。自分の取り柄はマイペースなところだと思っているので(異論は認めます)今やるべきことをコツコツやっていきたいと思います、はい。

勤労に感謝する日

朝から通常通り働いていたところ、ふと日本のニュースを見ると「ゆるい」。ラインナップがまるで週末のようなニュースばかりだ。はて?とカレンダーを見てみると、果たして日本は祝日だった。オフィスの自席で「あー、日本は祝日なのかー」とひとりごちると、隣に座る先輩が「そうだよ、勤労感謝の日だよ。祝日も働いている自分たちに感謝しないと」と粋なひと言をくれた。

だったらば、ということで少し早めに仕事を切り上げ、夜は上司のご自宅にお招きいただきいただいた。会社の位置する朝陽区は新型コロナウイルスの感染が北京で最も多く確認されていて、飲食店も店内飲食が禁止されている。そのため、家に集まって飲みましょうという算段だ。

上司のご自宅までオフィスから徒歩で20分あまりかけて向かった。

ありがたいことに、日本料理店の出前を取って下さっていた。その名も「ワールドカップ応援セット」。たこ焼きや唐揚げが入っていて、これを食べながらワールドカップを観戦して下さいというメニューらしい。商魂たくましいなあ。そもそも中国でのワールドカップの盛り上がり様はすごい。だって中国代表は出場していないんだよ。みんな本当にサッカーが好きなんだなあ。

料理のほかビールやワインも用意していただき、至れり尽くせりだった。一応、中国中央テレビのスポーツチャンネルで日本対ドイツの試合も見つつ、料理や酒に舌鼓を打った。話に盛り上がりつつ、サッカーで日本がゴールを決めたときだけ「おおお!」なんて叫んで、都合の良いところだけワールドカップ気分も楽しんだ。

ワインを2本空け、最後には焼酎までいただいてしまった。日本代表も勝利を収めたし、とても気持ちの良い夜だった。まだ水曜日だけど、日本は祝日だったんだしこのくらい許してください。

正真正銘のトリリンガル

仕事を終えて帰ろうとしていると、職場の中国人スタッフの女性が「ぼぼよるさんは韓国語が話せるんですか」と聞いて来た。

このスタッフは朝鮮族の方。朝鮮族は中国に55いる少数民族の1つで、韓国や北朝鮮と同じ文化のルーツを持つ人たちだ。チマチョゴリを着て、ハングル文字を書き、アンニョンハセヨと話す。けれど中国国内に住み、中国国籍を持っているため、あくまで「中国人」。

私はいつもこの方の言語の使い分けに本当に感心していた。電話で朝鮮語を話していたかと思ったら、突然同僚と中国語で会話をし始め、私たちには日本語で話しかけるのだ。その切り替えようが本当に見事で、言語オタクとしてはいつも惚れ惚れしながら見とれていた。朝鮮語と中国語はどちらも母語だから話せて当然かもしれないが、日本語だって申し分ないレベル。正真正銘のトリリンガルなのだ。

私がたまに朝鮮語を口にするのを聞いて、話せるのかどうか気になっていたらしい。いやあ、比べて私の朝鮮語はとてもとても。趣味程度ですから……って、大学の第二外国語では朝鮮語を選んだはずなんだけど(^^;)。

帰宅しようとしていたのに朝鮮語談義に花が咲き、時間も忘れて話し込んだ。「ぼぼよるさんが延辺*1に行ったらきっと楽しいと思いますよ」と言ってくれた。そうそう、延辺、ずっと昔から行ってみたかったんだよなあ。中国っぽい町並みにハングル文字があふれ、訪れた人は中国にいながら韓国に来たような感覚を味わえるという。

中国に赴任したら絶対に行きたいと思っている場所が山ほどあるのに、今のところ北京から一歩も出ることさえ叶っていない。ここ数日は北京もじわじわと感染者が増えてきて不穏な噂も流れているところ。ああ、いつまで続くんだろう。

References
*1中国東北部・吉林省にある延辺朝鮮族自治州。朝鮮族が多く住んでいるので、街なかには中国語とともに朝鮮語があふれている。

コスパがよい料理

ここ最近、昼に何を食べようか迷ったらもっぱらこの店に行っている。

会社から歩いて10分くらいのところにある蘭州牛肉麺の店。

何度かブログでも紹介しているが、とにかくおいしい。最初は店名の通り蘭州牛肉麺を目当てに入店したが今は何でも食べる。先日は“土豆牛肉盖饭”(牛肉とじゃがいもの丼)を食べたが、分厚い牛肉がたくさん入って20元(約400円)という安さ。たまらない。

今日食べたのは“新疆拌面”、ウイグル料理の「ラグメン」だ。野菜・肉がたっぷり載っていて、もちもちした麺の食感がたまらない。ソースはトマトベースで、どこかミートソーススパゲッティを思い出させる味。

そういえば11年前の留学では口に合う中国料理が少なくて苦労したことが多い気がするけど、今回は全く食事に困っていない。むしろ楽しんでいるくらいだ。自分の舌が変わったとは思わないので、おそらく自分の口に合う中国料理が「選べる」ようになったのかなあ。だって苦手な料理は、今でもやっぱり苦手だもの(笑)。

一方、私の同僚は普段から日本料理を食べている人が多いようだ。この前、誘われて日本料理店に行ったら焼き鯖定食が59元(約1200円)だった。日本的な感覚で言えばちょっぴり贅沢なランチといった値段か。とてもおいしかったけど、この「ラグメン」が3分の1の値段で食べられるなら私はこちらを取るかなあ。

ようやく隔離が明ける

今日はようやく隔離が明ける日だ。

午前6時過ぎに起床して支度。その後、午前7時40分頃だったか、施設スタッフが隔離終了証明書(”解除医学观察通知书“)と直近のPCR検査の陰性証明書を持って部屋を訪れた。私が「もう出て行っていいんですか」と聞くと「いいですよ」のひと言。

いざ「出ていい」と言われると不思議な気持ちだ。あれだけ開けるなと言われていた扉は今や全開。向かいの部屋からは私と同年代くらいの男性が出て行こうとしていた。目が合うと「あなたですね、電話で通訳をしていたのは」と中国語で話しかけてくれた。そうか、向かいの部屋にまで私の声は聞こえていたのね(^^;)。すると夜な夜な風呂上がりに気持ちよくなって歌っていた声も聞かれていたのだろう、ちょっぴり恥ずかしい。

施設を出て、迎えに来てくれた中国人のドライバーさんと合流。数年前に北京出張に来た際にも一緒に働いたことのある方だ。「教えられた住所に来たけど、とても人が泊まる施設に見えなかったので、ここでいいのかと不安になったよ」と笑いながら話していた。

中国に入国してから防護服を着た人たちにしか囲まれてこなかったので、車から見える景色がとても新鮮だった。ゼロコロナ政策のもと中国ではみんなほぼノーマスクなのかと思ったら、結構な人が着用している。ドライバーさんに話を聞くと、公共の場所ではマスクを着用するよう指示があるので、外出時は基本的に着用しているらしい。とは言え、あごマスクや鼻だしマスクが散見されるのは日本と同じだけれど。

北京のオフィスに向かうと、上司や先輩たちが迎えてくれた。みんな東京で一緒に働いたことのある人たちばかりなので初出勤という感じがせず、まるで「帰ってきた」ようだ。最近の日本はどうだったとか隔離期間はこんな感じだったなどと、しばし談笑する。

さて、そうのんびりとはしていられない。中国は明日から国慶節の大型連休に入るため、今日のうちにいろいろと作業を済ませておかなければならないのだ。

まずは最重要とも言える携帯電話の契約。

中国では公共・民間を問わず、さまざまなサービスを受けるのに携帯電話が欠かせない。特に金銭のやり取りは日本以上にキャッシュレスが進んでいて、場所によってはスマホアプリでの決済しか受け付けてくれないところもあるくらいだ*1。もちろんスーパーやコンビニなら現金で支払えるが、店によっては小銭のストックがなくておつりが出せないなんてことも。

兎にも角にも携帯電話は仕事だけでなく生活面でも必需品ということもあり、まず一番に契約した。

続けて中国銀行へ銀行口座を開設しに行った。

とにかくいろんなことを書類に書かされた。なかには生まれた住所を書く欄まであり、口座の開設になぜ出身地の情報が必要なんだろうと思いながら”Okayama”と書いたところ、その後データ入力された書類にはちゃんと”冈山“(『岡山』の簡体字表記)と印字されていたので、この行員は”Okayama”=岡山だと分かっているんだなあと妙に感心してしまった*2

ちなみに、この写真を撮った直後に係の人から「撮影禁止です」と怒られてしまった。

午後も色々と手続きを行い、予定していたタスクは何とか全て終了。

夜は職場が歓迎会を開いてくれた。隔離期間を除けば実質中国で初めていただく食事だけれど、訪れたのは日本式の居酒屋(^^;)。でも冷たーい生ビールが飲みたかったのと、隔離中は弁当で中華料理をさんざんいただいていたので、正直とてもありがたかった。

焼き鳥や刺身の盛り合わせなど定番メニューは揃っているし、ビールはアサヒスーパードライで、まるで日本にいる気分だった。日本を離れてそんなに経つわけではないけれど、隔離が明けた安堵感と相まって何だかホッとした。

ちなみにこの居酒屋、トイレに入ると便器の上に大きな文字で”禁止大便”と書かれていて思わず面食らってしまった。いや、小便器に書かれているなら分かるが、あくまで座るタイプの便器なのだ。上司・先輩も気になったようで「あれはどういう意味なのか」という話になった。とりあえず「配管が細くて大便をすると詰まってしまうということではないか」という結論に落ち着いたが、いやいや、それにしたってトイレは小か大しかないのにねえ(笑)。

中国駐在生活、これからどんなことが待っているのかとても楽しみだ(^^;)。

References
*1まさに私は隔離施設で宿泊費用をAlipayかWeChat Payで払えと言われてしまった。
*2中国人の間で岡山の知名度はそんなに高くないのと、もし知っていたとしても一般の中国人は岡山を中国語発音の[Gāngshān](ガンシャン)で認識していることが多いので”Okayama”と見聞きしてもそれが岡山のことだとピンと来ないことが多い。

北京隔離生活10日目

中国北京での隔離生活10日目。

明日の午前8時にはここを出る(つもり)なので、今日が実質隔離の最終日だ。

朝から隣の部屋の男性が親族と思わしき人と電話をしている声がいつにも増して大きい。おそらくWeChatでビデオ通話をしているのだろう、相手の声まで聞こえてくる始末だ。何を言っているかまでは聞き取れないが、明日の何時に迎えに来てくれみたいな話をしているのだろうか。

今日の昼食、スペアリブとじゃがいもの煮込み。

午後2時半頃にPCR検査のスタッフがやってきた*1。スタッフは2人いて、それぞれ順番に私の口の中に綿棒を入れてきた。おそらく検体は2つ採取するということなのだろう。

終わって扉を閉めようとしたら「扉は開けておいて」と言う。何だろうと思ったらずかずかと部屋に入ってきて、壁の照明スイッチやデスクの上にある私のマウスなど、私が触れたであろうあらゆる箇所を綿棒でスリスリと擦って検体を採取し始めた。あらかじめ説明してくれればいいものを、あれだけ私を外の世界と遮断しておきながら、突然スタッフが部屋の中に入ってきたので驚いてしまった。

今日の夕食、隔離施設で食べる最後の弁当だ。特別かと期待したけれど普通だった(^^;)。

午後7時前になって、部屋の内線電話が鳴る。

出ると突然「あなたの健康状態に異常がなければ明日の朝に医者があなたの部屋に向かう。するとあなたは午前9時に部屋を出ることが出来る。午後0時にはあなたの部屋に消毒が入る」と舌足らずな日本語の自動音声が流れた。

一瞬あっけにとられ(笑)言われたことを頭で反芻していると、女性が中国語で「聞き取れた?」と聞いてきた。ああ、この声の主は隔離の初日に私がいろいろと日本人との仲介役になって助けてあげた女性だ。今回のメッセージを日本人に伝えるにあたり、おそらくオンラインの機械翻訳で中国語を日本語に訳し、スマートフォンなどで読み上げさせたものを受話器越しに聞かせたのだろう。言葉の通じない日本人にどう伝えれば良いか、彼女なりに考えたんだなあ。

医者さえ来れば隔離施設を出られるそうので、晴れて明日には自由の身になれそうだ。

ちなみに現在、北京市内で自由に行動しようとした場合「北京健康宝」というアプリをスマートフォンに入れておく必要がある。ビッグデータに残る本人の移動記録に基づき、赤・黄・緑の表示が出るようになっている。赤なら集中隔離の対象者、黄なら自宅隔離の対象者、緑なら異常なしといった具合で、緑にならないと自由な行動は許されない。

私の「北京健康宝」は今日の午後6時頃まで黄色で”居家观察“(在宅観察)と表示されていたが、午後8時過ぎには緑色の”未见异常“(異常なし)に切り替わっていた。本来なら今日が隔離満了日なので朝から何度も確認しては「なぜ緑にならないんだろう」と気になっていたので安心した。

今や北京ではオフィスビル、レストラン、観光地に入るにもこの「北京健康宝」の提示が必要な場所が多く、みんな毎朝出かける前に「緑、よーし」と確かめるのが新たな習慣になっているらしい。これが例えば前日に訪れた場所で感染者が出たような場合、突然「北京健康宝」にポップアップ*2が表示され、ただちに隔離をしてPCR検査などを受けなさいということになるそう。

まだ慣れないけれど、この「北京健康宝」とは長いつきあいになりそうだ。

References
*1このPCR検査だって当初は午後4時だって聞いていたんだけど(笑)。
*2中国語では”弹窗“と言う。

北京隔離生活3日目

中国北京での隔離生活3日目。

今日の朝食。昼食も夕食もおいしくいただいているが、正直朝食は私の好みではない。中国には”油条*1や”煎餅馃子*2とか、おいしい朝食の定番メニューがもっとあるじゃないねえ。せっかくの中国なんだから、そっちのほうを出してくれればいいのになあ。

今日は朝からPCR検査もあった。同じフロアの端からだんだんと検査を行い、最後に角部屋の私のところまで来る。「PCR検査を行いますよー」と叫ぶ大きな声がどんどん近づいてくるので、ああ、そろそろ自分の部屋に来るなというのが分かる。

このとき廊下から聞こえてくるガヤガヤ感が私にとって唯一「ああ、隔離されているのは私だけではないんだ」と感じられる瞬間だ。この隔離施設が郊外にあるという事情もあるだろうけど一日中、本当に静かなのだ。もしや隔離されているのは私だけ?みんな実はどこか外に出て行っているのではないか?うーむ、スタッフに賄賂を渡せばそのくらいありえるか(笑)なんて思ってしまうほど。

昼食はスペアリブとポテトを煮込んだ料理。あとは中華料理おなじみの”西红柿炒鸡蛋*3なども入っていた。朝食のクオリティーに比べると昼食と夕食は段違いに良いのだ。とてもおいしかった。

夕食は肉だんご(里芋がコロコロ入っているように見えるが、これ、肉だんご)と大根の煮物。チンゲンサイを炒めたものや、ミックスベジタブルをエビと炒めたもの。部屋から一歩も出ていないので3食だけは毎度きっちり出てくるので、おなかがすぐにいっぱいになってしまう(^^;)。

References
*1中国式の長い揚げパン。揚げてあるけど、そんなに脂っこくない。これを”豆浆“(豆乳)と一緒に食べるのが定番。
*2中国式クレープとも言うべき料理。生地の上に卵液を広げて葱を振りかけ、好きなソースを塗って最後に”油条“と野菜をのせて巻いたら完成。
*3トマトと卵の炒め物。

北京隔離生活1日目

中国北京での隔離生活1日目。

たった1時間の時差しかないものの、体はまだ日本時間なのか少し早めに目が覚めた。

朝食はお粥、肉まん、マントウ、ゆで卵、漬物。漬物は日本で売っているきゅうりのキューちゃんみたいな味だった。

中国のお粥は日本のそれに比べて水分量が多い。塩味くらい付いているのかと思ったらそのままだった。これだけ食べるのも寂しかったので、日本から持ってきた永谷園のお茶漬けのりを入れたらちょうどいい感じに味がついて良かった。

午前10時頃になって、係員が部屋代の回収に来た。扉を開けると防護服に身を包んだ男性と女性が立っていて、AlipayかWeChat Payで支払うように言われる。

これらは日本のPaypayやLINE Payと同じようなQRコードで支払いが出来るサービスで、使っていない人はいないほど中国では普及している。逆に言うと何でもAlipayかWeChat Payなので、これがないと困ってしまう……というより実際に困ってしまったんだけど、日本から到着したばかりの私がAlipayもWeChat Payも持っているはずがない。

クレジットカードや銀聯カード*1で支払いができないかと聞いても「友人や同僚に頼むとか、なんとかして下さい」と、けんもほろろに突き放されてしまった。

とりあえず北京にある私の会社のオフィスに助けを求める。すると会社のほうから交渉してくれ、指定された口座に会社が料金を振り込むという形で話が付いた。

しかし、あまりに官僚的だなあ。海外から到着したばかりの外国人がAlipayやWeChat Payを使える前提なのは普通に考えておかしいんじゃないかと。私は会社が助け船を出してくれたから良かったけど、そういう後ろ盾がない人はどうしたんだろう。

午後0時半頃になって昼食が運ばれてきた。

これは”红烧牛肉“かな、牛肉、大根、にんじんを煮込んだ料理がメインだった。これも結構おいしい。食事が合わないんじゃないかと日本からいろいろ持ってきていたけど、この調子なら使わずに隔離生活を終えられそうだ。

午後になって突然施設のスタッフから電話がかかってきた。

曰く、私と同じように隔離中の日本人のうち数名が中国語も英語も通じないため困っているという。特に隔離終了後の滞在先を確認したいらしく、これが把握できないと当局から隔離終了の許可が下りないとのこと。そこで私に手伝ってもらえないかということらしい。

何で私が……と思ってしまったが、昨日からの施設の対応を見ていると、おそらく言葉のできない日本人たちは困り果てているだろうなあ。だって完全隔離だけあって電話しか手段がないんだもの。同じ国から来た者同士だし私で手伝えることがあれば……と思い、聞いた部屋番号に内線電話をかけて確認してあげた。すると日本人のほうも相当困っていたようで、とても感謝された。

施設スタッフにまとめて伝えると、これまたいたく感謝された。まあ、こういうシステムになっているのは彼らのせいじゃないかねえ。むしろ、彼らだって日本語スタッフを配置するとか、どうにかしてほしいと思っているだろう。私に協力を依頼してきた女性スタッフは「せっかく隔離が明けるという時に解放できないなんてことになってほしくないので、私たちも必死なんです」と話していた。

彼らは彼らでいろいろ頑張ってくれているわけで。私が「日本人を代表してお礼申し上げます」と話すと、彼女は「だったら私は中国人を代表してあなたにお礼を言わなくちゃいけないですね」なんて返してくれたので、顔も分からない同士なのにケラケラ笑い合った。

しばらくすると扉をノックする音が聞こえた。

何だろうと扉を開けると、防護服を着た男性が「これは先ほどいろいろとお手伝いしてくださったお礼です」と言ってカップラーメンや菓子の入った差し入れの袋をくれた。わざわざ持ってきてくれるんだなあ。お酒だったらもっとうれしかったけど……なーんて思っちゃったけど、いえいえ、それでもいただけるだけありがたい(^^)。

隔離1日目の夕食は肉だんごや青梗菜を炒めたものなど。これまでの中で白ごはんが一番日本のそれに近かった。水分が多くてほかほか。

ちなみに入居時に「夕食は午後7時頃に持ってきます」と説明を受けたんだけど、実際に来たのは午後5時半頃。昨日の夕食もそうだった。これ、持って来られたのに気付かないで午後7時まで部屋の外に置きっぱなしだと温かい弁当が冷めちゃうよねえ。

中国人は日本人以上に温かい弁当にこだわるはずなんだけどなあ。スタッフが午後6時で帰っちゃうのかな。まあ、かく言う私は午後5時半じゃ全然お腹が空いていなかったので結局午後7時頃に食べたんだけど(^^;)。

References
*1中国生まれのクレジットカードで、AlipayやWeChat Payが普及する以前はよく使われた。もともとはクレジットカードというより、支払いの時点で直接口座から引き落とされるデビットカードとして重宝された。日本でも中国へ行く人向けに発行されている。

中国、こんにちは

今日はいよいよ日本出国日。

午前9時のフライトだったので6時過ぎには空港に到着するよう向かったものの、チェックインカウンターは驚くほどの行列。中国の方が多いのかと思いきや、日本人も結構いて意外だった。今はまだビザがないと基本的に入国できないし、入国したって隔離が待っているという厳しさなのにねえ。みんなお仕事かしらん。

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中国駐在準備①スマホの通信環境

中国はお隣の国といえど、日本と違う点がたくさんある。中でも大きく違うのがネット環境。日本人が日本国内で当たり前に閲覧しているウェブサイトは基本的に中国ではほとんど「見られない」。そして、それに伴うサービスも「利用できない」。

まずGoogle系はすべて見られない。Gmail、Googleマップ、YouTube、これらはすべてアウト。Twitter、Facebook、InstagramといったSNSも全滅だし、LINEやWhatsAPPも使えない。う~ん困っちゃった。

中国のこうしたやり方に思うことはいろいろあるが、ここでは申すまい。とにかく現代社会において、ふだん日本で当たり前に使っているネットサービスが使えないのは相当不便なのだ。特に今や生活のインフラとも言えるLINEが使えないのは死活問題。だって日本の人たちとの連絡手段が絶たれるも同然なのだもの。

海外ローミングをする

日本の携帯各社には「海外ローミング」という機能がある。海外に行ったら、現地の携帯電話会社の通信網を利用できる仕組み。この「海外ローミング」を利用すれば、中国ではネット規制を受けないことが知られている。

以前は「海外ローミング」は1日3000円近くかかるなど、高価で現実的な方法ではなかった。しかし最近はこれが安価になってきている。特に私が使っているドコモの格安料金プラン「ahamo」なら20GBまで「海外ローミング」が無料なのだ。

中国でも日本と同じネット環境が維持できて、それも20GBも通信可能!!であれば、全く問題がないじゃないの!!ということで「ahamo」を中国でも引き続き利用しようとしていたところ、ひとつ壁にぶち当たった。こんな表記が「ahamo」の公式サイトに載っていたのだ。

海外で最初にデータ通信を利用した日(日本時間)を起算日として15日経過後の日本時間0時以降に、海外では通信速度が送受信最大128kbpsとなります。本速度制限は、利用可能データ量を追加購入しても日本に帰国しデータ通信を行うまで解除されませんのでご注意ください。

つまり15日以上、海外で使用していると通信速度が遅くなってしまう、そしてそれを解除するには日本に一度帰国しなさいよ、というわけだ。うーむ、撃沈。我慢できる通信速度ならまだしも、128kbpsはちょっと……私のように海外に長期滞在する場合は通信速度という問題がありそうだ。

楽天モバイルを契約する

そこで次の候補に挙がったのが楽天モバイル。実は楽天モバイルも「海外ローミング」の機能を無料で利用することができる。

楽天モバイルの「海外ローミング」サービスは次のとおり。

  • 「海外ローミング」は2GBまで無料。それ以降は通信速度が最大128kbpsに制限される。
  •  データ容量を追加したい場合は、500円/1GBでデータチャージ可能。

何と言っても「ahamo」にあった日数制限が無いのはありがたい。2GBは少ないかと思ったが、1GB分を500円でチャージできるなら容量の課題はクリアできそう。

まず「楽天モバイル」の基本料金にあたるのが980円。「海外ローミング」は2GBまで無料なので、中国では980円で2GBまで通信できるわけだ。1GBを追加購入するごとにプラス500円。するとトータル5GBを中国で消費しようとしたら980円(2GB分)+500円×3(3GB分)で、2480円となる。これでスマートフォンが日本と同じ環境になり、LINEのメッセージも常時受信できるなら決して高くはないだろう。

さらに「Rakuten Link」というアプリを使えば日本との国際電話や、SMSのやりとりも無料になる。今は基本的に家族や友人どうしもLINEでの通話が多いが、LINEでつながっていない人に電話をかけるときには重宝しそうだ。一方、日本の人たちは私のケータイ番号に電話をかければ、私は中国でも「Rakuten Link」アプリ経由でそれを受けられる。うーん、便利。

とりあえず中国でのスマートフォンの通信環境は楽天モバイルを契約しておけば解決しそうだ。ということで中国赴任に向けて、長年使ったドコモ(ahamo)を解約し、楽天モバイルを契約することにした。

ここからは余談……けど、我慢ならない!

まだ出国していないので、中国で楽天モバイルがどのように使えるかは未検証だ。ただ、日本国内で楽天モバイルを使っていると……本当にストレスがたまる。いや、何なら、もう我慢ならない。

とにかくしょっちゅう通信が途切れるのだ。上のスクリーンショットのように突然「緊急通報のみ」と表示されて通信できなくなってしまい、かと思ったら復活。しかしまた途切れ……これを繰り返す。

ある日、スーパーでPaypayを使って支払いをしようとしたら「オフラインです」と出てきて決済できなくなってしまったこともあった。あのときは現金を持っていたから助かったけど、そうでなければ困っていただろう。通話だともっと悲惨で、途中でプツンと切れてしまう(この前もケーブルテレビの解約でコールセンターのお姉さんと話していたら途中で切れて焦ってしまった)。

前に使っていたのが通信環境で評判のいいドコモだったこと、楽天モバイルは携帯各社の中でも新参者であること……これらを踏まえたとしても、だ。通話途中で切れるなんて……発展途上国じゃないんだから。

楽天モバイルは自社回線の届かないエリアではパートナー回線(au)に切り替えて接続するようになっている。東京のような都会でも地下街や建物の奥深くだと楽天モバイルの電波が届かない場所があるため自動でauの電波に切り替わるんだけど、この切り替えがうまくいかないときに途切れているのではないかと思う。

中国赴任のために楽天モバイルは契約したものの、そうでなければさっさとドコモ(ahamo)に戻していたところだ。楽天モバイルユーザーにはこれで困っている人もいるのではないか。今後、日本国内での通信環境が改善されていくことも願いたい。

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