The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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縦書きと横書き

日本語には縦書き文化が残っています。書道作品のほとんどは縦書きで書かれますし、小説や漫画、それに新聞といった大衆が親しむ分野でもよく用いられています。

縦書きは中国からもたらされた文化です。ですが中国では今、縦書きが用いられることは少なくなっています。特に先ほど挙げた小説、漫画、新聞はいずれも横書きに取って代わられました。日本人は今も縦書きを多用するので縦書きと横書きが混在していても違和感を持ちませんが、中国人の中には「読みづらい」と思ってしまう人も多いようです。

こちらの看板。“前方辅路机动车禁止驶入请绕行”(前方の側道は自動車通行禁止です、迂回してください)と書いてあります。縦に細長い看板なので、私なんかは「縦書きにすればいいのに」と思ってしまいますが、3回改行してでも横書きなんですね。

これは中国の有名な茶飲料チェーン店の入口を撮影した写真です。緑の看板、日本人ならきっと「雪茶奈的」と読んでしまうのではないでしょうか。正しくは「奈雪的茶」です。横書きを2行で表現したわけですね。日本だとこういう4文字を表現する際は、縦書きで右から書くんじゃないかなあ。こういうときに中国で縦書き文化が薄れてきていることを実感します。

そのうち中国の若い人たちの間で縦書きさえも左から右に書くような人が出てくるんじゃないか、そんなことを考えてしまいます。

「低慢小」航空機

ふと乗ったエレベーターに次のような貼り紙がしてありました。

北京市公安局からの通知です。

北京市公安局关于加强2025年全国“两会”期间北京地区“低慢小”航空器管理工作的通告
北京市公安局による2025年全国「両会」期間中の北京地区における「低慢小」航空機管理強化に関する通知

両会というのは中国で毎年1回開かれる重要な2つの会議、全国人民代表大会と全国政治協商会議のことです。全国人民代表大会のことは「全人代」と略して呼ばれることも多いです。

その次に出てくる「低慢小」航空機とは何でしょうか。低は「低い」、慢は「ゆっくり」、小は「小さい」。つまり「低空をゆっくり飛ぶ小さい」航空機。おそらくドローンが主な対象になるんだと思います。ドローンのような航空機はレーダーで探知しにくいため、両会のような国の重要な会議が開かれるときには飛行が禁止されます。

日本語では「低慢小」航空機って何と言うんでしょうね。中国はドローン産業が盛んなだけあって、新しい言葉や表現がどんどん生まれているように感じます。

関東煮

亡くなった岡山出身の祖母は「おでん」のことを「関東煮」(かんとに)とか、「関東炊」(かんとだき)と呼んでいました。岡山をはじめ西日本では煮ることを「炊く」と言うことがある*1ので、関東炊は関東煮の派生かと思います。調べてみると、岡山だけでなく西日本の各地でおでんのことを関東煮、関東炊と呼ぶようです。

なぜ「おでん」のことを「関東煮」と呼ぶようになったのか。その昔「おでん」はもともと煮たり焼いたりした具材にみそを塗る「みそ田楽」のことを指していたようです。今のような醤油で煮込むおでんになったのは関東近郊で醤油造りが盛んになった江戸末期からなんだそう。みそ田楽に比べて作るのが簡単なおでんは屋台料理として広まり、その後、関西にも伝わります。このときにみそ田楽と区別するために「関東煮」と名付けられたのではないかという説があるということです。

关东煮”(関東煮)という文字がある北京市内のコンビニ(便利店)

中国でもおでんは親しまれています。現地のコンビニに行くと日本と同じスタイルでおでんが売られていて、結構みなさん購入しています。で、中国語でおでんを何と言うかというと……その名も“关东煮”。日本の漢字で書くと「関東煮」です。

一方、日系コンビニのセブンイレブンでは別の表現を使っています。中国語で“好炖”です。漢字の意味は「しっかりコトコト煮る」で、まさにおでんです。そして発音も「ハオドゥン」で少し日本語の「おでん」に似ています。

ちなみに私が中国語を学び始めた頃はおでんのことを“熬点”と学びました。“”は「長時間煮る」。つまり“熬点”で「点心(点=ちょこちょこした食材)を煮たもの」という意味になります。発音も「アオディエン」で「おでん」の響きに似ているので、名訳だなあと思ったことを覚えています。調べてみると、中国ではローソンが“熬点”という表現を使っているようです。

つまり「おでん」の中国語には“关东煮”、“好炖”、そして“熬点”の3種類があるわけです。中国人の同僚に聞くと、最もよく使われるのは“关东煮”とのこと。そんなこともあり、私がおでんを注文するときにはいつも“关东煮”と呼ぶようにしています。そして“关东煮”という言葉を使うたびに、祖母が「関東煮」と呼んでいたことを思い出します。

References
*1例えば「大根を煮る」が「大根を炊く」になります。岡山弁は発音に特徴があるので(音便)「大根を炊いておいて」なら「でーこんてーてーてー」になります。

中国のガソリンスタンド

中国は日本と同等か、それ以上の自動車大国です。少し世代が上の人は中国と聞くと大量の人民服を着た人が自転車に乗っている様子を想像するかもしれませんが、それも過去の話。北京や上海といった都市部であれば一家に自動車1台という家庭は決して珍しくありません。

「それは都市部の話であって農村部はまだまだなんでしょ」と思われるかもしれません。それはその通りです。けれど面積の広い中国では「都市部の人口」だけで日本の総人口の10倍近いのです。絶対数だけ見れば日本を遙かに超す多さの自動車が走っています。

自動車大国であることを証明するように北京市内の至る所にガソリンスタンドがあります。私の職場の近くにもガソリンスタンドがあるんですが、いつも車が引っ切りなしに訪れています。

給油だけではありません。このガソリンスタンドには全自動洗車機があるんですが、こちらも朝から晩まで行列ができています。いつも大体4、5台かなあ。北京は土埃がすごいので、車がすぐに砂だらけになります。洗車が欠かせないんでしょうね。洗車機に並ぶ車の列を見ているだけでも中国の自動車大国ぶりが伺えます。

中国のガソリンスタンドには数字が書いてあります。こちらの場合92、98、そして95。どうやらガソリンの種類のようです。日本のガソリンスタンドだとレギュラー、ハイオク、そして軽油の3種類が一般的ですが、そのことを言っているのかな。そもそもガソリンの種類ってどう違うの(^^;)。

調べてみると、レギュラーとハイオクの違いは「オクタン価」の違いだそうです。オクタン価とはガソリンの燃えにくさを示す数値で、オクタン価が高いほど「ガソリンが燃えにくい」んだとか。ガソリンは異常燃焼するとエンジンに問題が起きる「ノッキング現象」が起きやすく、ガソリンが燃えにくい=オクタン価が高いほどノッキング現象が起きにくい……そういうわけのようです。なるほど「ハイオク」はオクタン価が高い(ハイ/high=高い)からそう呼ばれるわけですね。

日本で流通しているレギュラーのオクタン価は91程度、ハイオクだと98以上だそうです。中国のガソリンスタンドに書いてある数字もオクタン価のことを示していて、つまり92と95は日本のレギュラーガソリンに相当し、98はハイオクガソリンに相当するというわけです。

と言うことは、中国で「レギュラー満タン」と言うなら「92号ガソリン満タン」と言わないといけないわけですね。うーん、数字だと紛らわしいから覚えておかないと忘れてしまいそうです。

 

 

 

真ん中の弟、一番下の弟

私は3兄弟の長男で、下に2人弟がいます。

2人の弟について人に説明する際、日本語では「真ん中の弟」「一番下の弟」と呼んでいます。これって中国語では何と言うんでしょう。日本語の表現を直訳すると“中间的弟弟”(真ん中の弟)、“最小的弟弟”(一番下の弟)になるでしょうが、うーん、こんな表現は聞いたことがない。現に中国人に使ったら「そんな表現はしない」と言われました。じゃあ何て言うの?

それが困っちゃいました。聞く人によって答えが全然違うのです。ある中国人の同僚は“二”、“三”と言います。なるほど、上から2番目だから“二”、3番目は“三”ですね。

別の同僚は“大”、“二”と言っていました。次男が“大”(大きい弟)、三男が“二”(2番目の弟)ですね。けど、この言い方だと最初の同僚が教えてくれた呼び方と齟齬が出ます。だってある人は“二”で「次男」を指し、ある人は「三男」を指すわけですから。

さらに別の同僚は“二”、“小”と言います。これは“二”(次男)、“小”(小さい弟=末っ子)という意味ですね。“小”については“老”と呼ぶこともあるそう。すると……ここまでで分かったことは、中国語で“二”というと「次男」と「三男」、両方の可能性があるということです。

ちなみに例外としては“大”(大きい弟)、“小”(小さい弟)という表現がありました。なるほど、これなら迷うことはありません。弟が2人の三兄弟ならこのように説明できそうです。

で結局、一番確かなのは“老二”、“老三”という表現だという結論に至りました。これはそれぞれ「次男」、「三男」という意味です。親が自分の子どもを説明するときに使う表現ですが、自分の兄弟を説明するときにも使えます。確かに日本語でも兄弟の説明をするときにも「次男、三男」と言うことがあります。ちなみに「長男」は“老大”と言います。

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