The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

タグ: 中華料理

無印良品「紅焼牛肉麺」

今日は夕食に中国の無印良品で買った「紅焼牛肉麺」(“红烧牛肉面”)を作ってみました。

最近の無印良品は食品系の商品も充実していますよね。中国の無印良品にも日本では売っていないオリジナルの商品が売っていて、特に中国ならではの麺料理がたくさん用意されています。この「紅焼牛肉麺」も気になっていたので購入してみました。400グラムで25元(約550円)、乾麺とレトルトの具材・スープが入っていました。

麺はそうめんくらいの太さで、レトルトの具材には牛肉のブロックやにんじん、だいこんが入っていました。緑が足りないかなと思ったので、チンゲンサイとパクチーを自分で追加。

思ったより肉が多くて食べ応えがありました。八角の香りは人によって好き嫌いが分かれるところかもしれませんが、私は好きですねえ。口にした途端に台湾で初めて「紅焼牛肉麺」を食べたときのことを思い出しました。台湾の料理って何にでも八角を使っていて、コンビニなんかに入店しても八角の香りがするんですよね。

本当に簡単に作れて、カップラーメンよりは本格的な味が楽しめます。日本に売っていないようなので、お土産なんかに買って帰ってもいいかもしれないと思いました。

温州料理

今日は中国人の同僚に誘われて職場の日本人と中国人の混合メンバーで昼食を食べに行きました。

向かったのは浙江省、温州の料理。温州といえば東シナ海でとれる海鮮が有名です。実は以前にも同じ店に来たことがあり、とてもおいしかったので喜んでお供しました。

中国の海鮮料理は店内に水槽がたくさんあって、好きな素材を選んで店員さんと調理法を相談というパターンが多いです。少人数だとそんなに頼めないので、海鮮料理は大勢で来るに限ります。

こちらは“梭子蟹”、ワタリガニですね。

日本人は海鮮をよく食べるほうだと思いますが、こうして水槽に入っているものを見ても正直何なのか分からないものが多いです。中には不気味な見た目のものも多くて自分で注文するには勇気が要ります。中国人の同僚は「いつも日本で食べているものを食べたら」と言ってくれるのですが、いや、こういうのは中国人に任せるに限ります。

ここの店は何がおいしいって薄味が日本人の口に合うのです。薄いっていうのは味がしないというわけではなくあっさりしていて、いわゆる中華料理のギトギトした感じがない。料理の技法は中華系なんですけど、味つけは全然違うカテゴリーという感じがします。日本人にはおすすめです。

後輩と羊肉串

久しく会っていない大学時代の後輩から連絡があり、北京に来たので一緒に食事でもしませんかと誘ってもらいました。卒業して以来なので実に10年ぶりです。うれしいなあ。私自身はどちらかというと後輩っぽいポジションのほうが得意だったので(笑)年上の先輩には可愛がってもらったほうですが、こうして10年が経っているのに声を掛けてくれる後輩がいるというのは、なんかこう、ありがたいなあとしみじみ思います。固い言い方ですけど、大学時代の財産ですね。

中国に来てから食べた羊肉の串焼き(“羊肉串”)がずいぶんおいしかったと気に入っているようだったので、串焼きの食べられる店をチョイス。地下鉄5号線の北新橋駅で待ち合わせすることにしました。彼のほうが早く着いたようなので私から「どこにいる?」と聞くと「噴水の見える場所にいます」とのこと。噴水……?北新橋駅に噴水なんて無かったはずだけど。

いざ地上に出ると……あら、確かに噴水が見える(笑)。

いえ、噴水ではなく道路上のマンホールから勢いよく水が噴出しているのでした。水道管が破裂したのかしらん。公安も出動していましたが道路の規制は特に行われておらず、道行く車がまるでカーウォッシャーの要領で水を浴びてゆきます。思いがけない目印のおかげで後輩とはすぐ会うことができました(^^)。10年ぶりくらいの再会だというのに、最初のひと言は「北京っていつもこんな感じなんですか」。いや、私も見たのは初めてだけど(^^;)。

向かったのは北京のグルメストリート、簋街にある“很久以前羊肉串*1という店。中国国内に何店舗も展開するチェーン店なんですけど、味はしっかりしています。以前に妻と来たときは席に案内されるまで2時間近く待ちましたが、今日は平日ということもあってすぐでした。

ノービザの時代ならいざ知らず、自分でビザを取得し、天津から山東省を経由して北京まで1人でやって来るなんて、いやあ、さすがです。だって後輩は中国語を専門に勉強していたわけではないんだもの。北京での宿は什剎海の胡同にあるホテルなんだそうで、これまた北京の楽しみ方がよく分かっているなあ。最後はお互い酔っ払ってハグをしてお別れ。今回の旅行で中国をずいぶん気に入ってくれたようで、北京在住の身としてはとても嬉しいです。日本と中国の間にはいろいろありますが、こうして等身大の姿を見に来ることは(日本人であれ中国人であれ)大切だなあと思います。

References
*1店名を日本語にすると「ずっと昔の羊肉串」。

四川料理店で会合

今日は同じマンションに住む日本人同士で不定期に開催している会合。忘年会という体でマンション近くの四川料理店に行ったのですが、こんなおいしい店があったとは知りませんでした。

辛いことは辛いんですけど、上品な辛さ。あと四川省成都に旅行に行った際に見かけた名物の「兔子頭」、読んで字の如く「ウサギの頭」もいただきました。調理はされているものの形は本当にそのまま。出っ歯まで見えていて一瞬ためらいましたが、いざ食べると鶏肉みたいな味でした。昔の人がウサギを1羽2羽と数えることを思い至ったのはもしや味が理由かしらん?ご一緒した方のうち1人は「どうしてもウサギだけは食べられない」とおっしゃるので、私がありがたく2ついただきました。ほかにも麻婆豆腐といった定番料理もいただき、「口福」を存分に味わいました。

毎回書いていますが、私以外は皆さん某大手日系企業の中国支社長みたいな立場の方ばかり。本当は私が恐縮……しないといけないんですが、皆さん本当に優しい方ばかりでどこか慣れてしまっている自分がいます(おいおい)。今日も気がついたら欠食児童のような勢い*1で料理+酒にダイブしていました。すみません、すみません。それでも優しくしてくださる皆様に感謝です。

References
*1表現が古いっちゅーの。

鍋がぴったしな季節

今日は近所にある“涮羊肉”(羊肉のしゃぶしゃぶ)の店で夕食をいただきました。

しゃぶしゃぶは妻のリクエスト。今日妻は妊産婦検診だったんですが、血糖検査*1のため昨夜の夕食は早めに済ませ、今朝も何も食べず病院へ。お腹ペコペコだったそうですが、ずっと検査後のしゃぶしゃぶを楽しみに頑張る、と話していたのです(^^;)。

東直門にある“东直门涮肉・新派京涮”という店で、鍋は写真のように1人1つ出してくれます。あと、こちらの店、色んな味のクラフトビールが飲めるんですよね。ビール好きの私としてはこれもポイントが高いです。と言うのが、青島や燕京といった中国のビールはアルコール度数が3%しかないので、まるで水を飲んでいるように薄くって(^^;)。クラフトビールは日本のビールと同程度か、それよりも少し高いアルコール度数なのでおいしくいただけます。

肉は羊肉と牛肉を注文しました。ほかに野菜の盛り合わせなどを注文し、シンプルに。

中国で火鍋というと「重慶火鍋」のような辛いものを想像しがちですが、私はあっさりした“涮羊肉”(羊肉のしゃぶしゃぶ)のほうが好みです。すっかり寒くなっただけに鍋がぴったしな季節になりましたね。朝から空腹だった妻も満足してくれたようで、夫婦共々幸せな気分で帰宅しました。

References
*1血液の中に含まれるブドウ糖の濃度を調べ、妊娠糖尿病の早期発見を行う検査。

北平三兄弟

今日の夕食は北京名物、“涮羊肉”(羊肉しゃぶしゃぶ)をいただきました。

訪れたのは家の近所にあるグルメストリート「簋街」。通り沿いにたくさんの飲食店が並ぶ場所で、中には24時間営業なんて店もあって夜遅くまで賑わっています。今日向かったのは「北平三兄弟」という店です。「北平」というのは中華民国の時代に使われた北京の古い名称です。

この店、前を通ると毎晩すごい人数の客が待っているんですよね。インターネットの口コミを見ても高評価なので、いつか行きたいと思っていました。調べると、インターネット上で順番待ちの整理券を入手できるとのこと。店に着く頃に自分の番になるよう、事前に発券して向かいました。その甲斐あって現場で待ったのは数分程度、すぐに案内してもらえました。

昔ながらの石炭(コークス)で鍋を炊きます。席に着いた時点でグツグツ煮えたぎっていて、煙突からたまに灰がふわふわと出てきます。まさに本物の“涮羊肉”です。

ゴマダレが届くと「福」と「寿」の縁起の良い文字が作ってくれました。他にも「財」や「喜」といった漢字もあるそうです。

羊肉を持って来ると、このように皿を斜めに立てかけます。肉がずり落ちるのではないかと思ったのですが、落ちないんですね。“立盘不倒”と言って、こうして肉の血抜きをしっかりしていることを証明しているんです。肉の中に水分が含まれているとずり落ちますから。

あと羊肉の串焼きも注文したのですが、とっても肉が大きくて食べ応えがありました。北京に来てから、こんなに立派な羊肉の串焼きを食べたのは初めてじゃないかしらん。

こんな薬味を持ってきてくれ、自分のいる分だけ取ることができます。私は定番ですが、パクチー、ねぎ、黒酢を大量に取って、ゴマダレに入れました。

こういう鍋はついつい食材を注文しすぎてしまいます。今日も調子に乗って食べきれないほど注文してしまいました。でも、それが鍋の醍醐味。1人じゃ外で鍋は食べられませんから……と思ったら、店内には1人で鍋をつつく客がちらほらいました。おそらくここはどちらかというと家族連れや友人同士など大勢でワイワイ食べる店かなあと思うのですが、スマートフォンの動画を見ながら1人で黙々食事をしているのです。

かつて中国では1人で外食するというのは珍しいというか、そういった習慣がありませんでした。だって中華料理の定番と言えばターンテーブルですけど、あれを1人ではいただけません。それがハンバーガーショップや牛丼店といったファストフードチェーンが流入した結果、1人で食事をする文化が生まれ、今やこうした店でも「おひとり様」で食事をする人が出て来たんですね。文化や習慣は変わっていくんだなあというのを目の当たりにした気分でした。

牛肉チャーハン

昼に先輩と職場近くの食堂にランチをしに行く。

ここは青海牛肉麺といった麺料理をはじめ、“羊肉串*1や“大盘鸡*2などイスラム系の料理を出している店で、昼時にはものすごく賑わう。

入店するとちょうど席を立つ客がいたので、運良くすぐに座れた。私も何度か来たことがある店だが、先輩から「牛肉チャーハンがおいしい」と言われたので、そちらをいただくことに。

先輩には内緒だけど、ちょっと味は微妙だった。味付けにムラがあるのと、牛肉チャーハンという割には牛肉が雀の涙だ。ここの“羊肉串”は驚くほど肉が大きくて太っ腹だなあといつも思っていたのだが、それに比べるとずいぶん「けち」だ。

ここの牛肉麺はおいしいので今後も利用したいと思うけど、牛肉チャーハンはもう頼まないかなあ。

References
*1ラム肉の串焼き。
*2鶏肉とジャガイモの煮込み。ウイグル料理の代表選手。

有朋自遠方来不亦楽乎

有朋自遠方来不亦楽乎(朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや)。
──友人が遠くから訪ねて来てくれるとは、何と嬉しいことではないか。

『論語』「学而第一」より

論語の有名すぎる一文だ。よく「日本人はおもてなしを大切にする」と言うが、これについて言えば中国人も負けていない。むしろ気合いの入れようは日本以上かもしれない。友人の来訪を心から喜び、こちらが驚くほど歓待してくれる。そんな中国人の気持ちを、この論語の一文がまさに表現していると思う。

中国人の友人が私の北京赴任祝いと称して火鍋をつつく会を催してくれた。

彼らと知り合ったのは、まだ新型コロナウイルスのかけらも見られなかった2019年。私と同じ業界で働く中国の同業者たちだ。一緒にあるプログラムに参加したのをきっかけに仲良くなり、期間中は毎晩のように酒を飲み明かした。今回、私が北京に赴任したことも連絡していたのだが、中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大したこともあり、ずっと会えずにいた。それが今日、ついに会えることになったというわけだ。

店は龍潭公園の敷地内にある「鴉児李記」(“鸦儿李记”)という火鍋屋。彼らが予約してくれた。

大人気の店だそうで、私が家を出発するくらいに「出遅れるとずいぶん待つ羽目になるから先に入っておく!」と連絡。な、なんと、まだこちらは家を出てもいないというのに。いやあ、本当にありがたい。いざ着くと、氷点下だというのに店の外で私を待ってくれていた。そして文字通り抱き合って再会を喜び合った。コロナ禍で全く会えていなかったから、3年半ぶりだ。

この店は「北京人で知らない人はいない」というほど有名らしい。いただいたのは鍋が半分で仕切られ、それぞれ違う味のスープが楽しめる“鸳鸯锅”(おしどり鍋)。鍋には煙突が付いていて、雰囲気を含めて独特の味わいがある。“清真”(ハラール)なので豚肉こそないが、薄ーくスライスされた羊肉は芸術的とも言えるほど美しく、全く臭みがない。いつも買う安物とは全然違うのだ。何百年も羊を食べてきた民族のすごみを感じる。

毛肚”(センマイ)*1はちょっと湯がくだけで食べられ、コリコリした歯ごたえがたまらない。ほかにも凍豆腐やら、タケノコやら、野菜やキノコ類をどーんと頼んでくれていて、どれも食べ応えがあった。“芝麻酱”(ごまだれ)も濃厚で、たっぷり香菜(パクチー)をかけていただいた。

友人のうち1人がウイスキーを持ってきていて*2、炭酸水を注文しハイボールのように割って飲んだ。私の飲みっぷりを見て、友人たちは「いやあ、相変わらずすごい!」と驚いていた(笑)。一般的に中国では中国人のほうが日本人より酒を飲むと思っている人が多い。なかでも中国の北方は「白酒」といったアルコール度数の強い酒を飲むから、特にその傾向が強いかもしれない。それだけに日本人である私の飲みっぷりは意外なのだろう、友人は「飲めるから中国赴任できたんだよ」と笑ってくれた。あながち間違いではないかもしれない(^^;)。

とにかくゲラゲラ笑って、本当に楽しかった。

正直、私は中国という国にいろいろ思うことはある。複雑な感情を抱くことも多い。そして彼らの働く業界もどちらかというと「そっちより」。けれど目の前にいる彼らはこんな良い奴らなのだ。私自身、この気持ちをどう表現したら良いのか分からない。

私の同僚や友人にはアメリカやヨーロッパに留学経験があるという人が多い。彼らが純粋にアメリカやヨーロッパを「大好き」と言っているのを見るとたまに羨ましく思う。私も同じように中国を「大好き」と言えれば楽だが、そんな単純な国ではないのだ、ここは。この国のいろんな部分を見るにつけ、好きだと思う感情と同じくらい嫌だと思う感情を抱くこともある。

「中国なんて大嫌い……けど、大好き」。そう思えるのは、彼らとの付き合いがあるからかもしれない。みんな尊敬に値する人たちで、私にいろんなことを学ばせてくれる。そして日本人である私のことをここまで大切にしてくれるのだ。彼らがいてくれるから、私は「中国が大好き」と言える。だから私も彼らを大切にしよう……そう思わせてくれる中国の人たち一人一人に感謝です。

References
*1牛の第3胃袋のこと。
*2持ち込みが許されているのかどうなのかは知らない(笑)。ちなみに“清真”(ハラール)の店ではあるが、店内では酒類も注文できるようだった。

オマケが入っていた

日曜だけど仕事。夕方になっていろいろ仕事が発生し、帰宅できたのは22時頃。夕食を作る元気もなかったので“外卖”(出前)を取ることにした。

頼もうとしたのは“木须肉”(きくらげと豚肉の卵炒め)と“土豆丝”(ジャガイモの細切り炒め)。どちらも好きで、私がよく注文する定番の中国料理。いつも利用している店舗で注文しようとしたら、別の店舗でも同じメニューを扱っていて、しかもそちらのほうが安い*1ということが分かる。同じ料理ならと思い、今日は安いほうで注文してみた。

いざ届くと、容器が3つ入っている。あれ?私が注文したのは2品なはずだけど。取りだしてみると、もう1品入っていたのは“干豆腐丝”(千切り豆腐の和え物)だった。間違えて注文しちゃったかな?と思い、レシートを見てみると、注文しているのは確かに2品だ。容器をよくよく見てみると「無料サービスでお贈りします、ぜひ星5つの高評価をお願いします」と書いてあった。ははーん、そういうことか。

そのサービス精神、あっぱれ。ただ味はいつも注文している店舗のほうがおいしかった。ありがたいけど、次はいつもの店舗を頼んじゃうだろうなあ。

References
*1安いと行っても約250円程度だけど。

中国のフードデリバリー

中国で日本以上に普及しているサービスと言えばいろいろあるが、ひとつがフードデリバリーだ。

日本ではコロナ禍を契機にウーバーイーツや出前館といったサービスが広く知られるようになったが、中国では10年近く前から普及し始め、今や日本以上に身近になっている。街なかを見渡しても、至るところで配達員が忙しそうに配達業務をこなしている。今や多くの人にとって「生活の一部」になっているのだ。

私も今日、北京に赴任してから初めてフードデリバリーを利用してみた。

驚く人もいるかもしれない。だって今や「フードデリバリを利用しない日はない」という人もいるくらいなのだ。まあ、便利なことは分かっているんだけど、指でポチッただけのものを人に持ってこさせることに何だか申し訳なさを感じてしまうというか、出前は「特別なとき」に頼むもので贅沢だと思っちゃうというか、私の性格によるところが大きいかな(^^;)。

ただ、ここ最近帰るのが遅くて毎日がコンビニ飯なのだ。今日も時計を見ると午後10時過ぎで、またコンビニかあと思うとさすがに寂しくなってしまった。そこで、こういうときこそのフードデリバリーサービスでは?と思い立ち、試してみることにした。

会社に残っているのは私一人だけだったので、少々のにおいは大丈夫だろう(笑)と、よく食べる“杨国富麻辣烫”(楊国福マーラータン)を頼んでみることにした。アプリで具材とスープを選び、受け取る場所を指定したらスマホ決済で注文完了。あっという間だ。

アプリの表記はウーバーイーツとほとんど同じ。地図上にバイクに乗った配達員のマークが表示され、GPS情報をもとに今どこを走っているかがリアルタイムに分かる。

私の場合、22時51分から23時06分の間に届くことになっていて“23:06未送达,可获赔¥2”(23時06分になっても届かない場合、2元=40円を賠償いたします)と書いてある。この賠償は誰が払うのだろう。アプリ会社?飲食店?それとも配達員だろうか?

23時前に配達員から「着きましたよー」と電話。私のオフィスは外部の人が入ってこられないセキュリティーになっているため、入り口のゲートを受け渡し場所に指定していたのだ。いざ向かうと、真っ暗なゲートの向こう側に黄色いジャンパーを着た男性が立っていた。料金は注文時にスマホ決済しているので、柵越しに受け取るとそれで取引完了。やり取りは「どうもー」「はいー」だけ、あっという間だ。受け取った料理は立派な袋に入っていて、触った感じはまだ温かい。

容器はスープがこぼれないよう、ラップフィルムでぐるぐる巻きにしてあった。

いざ口にすると……できたてと思わせるほど熱々。当然だけど“麻辣烫”(マーラータン)だ。配達だけで20分はかかったはずなのに、すごいなあ。ちゃーんと私が注文した具材が入っていて、味も店で食べるのと変わらない。

これで40元(約800円)。日本の「楊国福マーラータン」で食べていたときは毎食1500円近くかかっていたので、それと比べたら半額近く安いことになる。うーん、日本のウーバーイーツで注文すれば、1人分でも1000円は超えるだろう。注文内容によってはもっと安くなるだろうし、そりゃあみんな使うよなあと思ってしまった。この低価格はどこにしわ寄せがいっているんだろう。配達員は地方から出てきた人が多いというが、彼らの低賃金だろうか。店舗側もフードデリバリーサービスのアプリに登録するには結構な手数料を支払わなければならないらしいが。

あと、過剰な包装は少々気になってしまった。

割り箸こそ木製だったが、大きな容器、そのふた、スプーン、すべてプラスチック製だ。店舗で食べれば全て発生しなかったはずで、世界最多の人口を有する中国でみんながみんなフードデリバリーを使えば、そのプラスチックごみの量は半端じゃないだろうなあ。

おいしいものを食べながらこんなことを考えてしまう自分も自分だ。ただ、中国に来てから「大量消費」という言葉を思い出すことが多いなあと思う。日本では「もったいない」という言葉が盛んに叫ばれるようになって久しいが、こうした点でも中国はかつての日本を見ている気にさせる。

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