The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

投稿者: ぼぼよる (53ページ目 (265ページ中))

すげーと思ってもらえることしかやらない

中国の無人の月面探査機「嫦娥6号」が月の裏側で採取した岩石などのサンプルを収めたカプセルがおととい地球に帰ってきました。本当にカプセルに岩石が入っているか確認できれば、世界で始めてだということです。

“月の裏からサンプル” 中国の無人月面探査機カプセルが帰還 | NHK
【NHK】中国政府は、無人の月面探査機「嫦娥(じょうが)6号」が月の裏側で採取した岩石などのサンプルを収めたとするカプセルが、25…

え、月の岩石だったらアポロが50年以上も前に地球に持って帰って来たんじゃないの?なんで世界初なの?と思われるかもしれません。今回は何が世界初なのかというと「月の裏側」の岩石を採取してきたという点です。月の裏側は地球からの電波が届かず、直接通信するのが難しいのだそう。これまで月の裏側の岩石が採取されたことはありませんでした。

中国の宇宙技術がすごいスピードで進歩しているのを見るにつけ、かつて中国が開発した人型二足歩行ロボット「先行者」を思い出します。

2000年に中国が独自の技術で開発したロボットです。そのユニークな見た目に加え、当時日本ではすでにアシモが開発されていたことも相まって、相当なネタとして扱われました。つまり「馬鹿にしていた」ということです。けれどこれから20年が経ち、日本が中国を笑っている間に彼らは月の裏側に探査機を送るようにまでなってしまいました。まさに「先行」されたわけです。

もちろん、これを単に「アリとキリギリス」のお話のようには捉えることはできません。中国共産党一党独裁の下で資本主義を推し進める強みがここにあります。ましてや14億人の人口を抱える中国、優秀な人材も日本の14倍いると考えたほうがいいでしょう。

一方でずっと解せないことがあります。月に探査機を送る技術を持っていながら中国には「驚くほど雑」なことが多すぎる。この写真は私が今日目にした排水溝工事の様子ですが、レンガの並べ方といい、コンクリートの塗り方といい、あまりにも雑。

中国の街なかを歩いていると歩道のブロックが剥がれてぼろぼろ……なんてところが多いです。私が住んでいる家だってそう。立て付けが悪くて扉が閉まらない。エアコンは何度修理してもダメ。床のタイルが割れて剥がれる。そういうことが多すぎるのです。

何でかなあ……と考えたのですが、今のところ私の出した答えは「中国は『すげー』と思ってもらえることしか頑張りたくない」、そういうことなのかなと思っています。

1日を終える

今日は大きめの仕事をひとつ終えました。結構前から準備していたもので、今日も多くの人を巻き込んで何とか終えられたので感慨もひとしお……というより、ホッとしました。

ありがたいことに方々からお褒めの言葉もいただいたので、今日は水曜日だけどサッサと帰ってビール飲んじゃお*1と思ったのですが、あらら、夜勤なのでした。仕事を終えると午後10時過ぎ、少し遅めの時間ですが、うーん、やっぱ飲んじゃう。

そういえば最近ツイッター、もといXでこんなポストを見かけました。けらえいこさんの漫画「あたしンち」の公式アカウントの投稿です。

この作品の中でお父さんが言っている「お酒を飲んだら終わりですよ」っていうの、いやあ、分かるなあ。逆にお酒を飲まないと「1日が終わらない」んですよね。あと「家でパジャマで『終了』したい」っていうのもすごく分かる。私は帰宅したら食事よりも何よりも、まず風呂に入りたい人間。パジャマに着替え、あとは寝るだけっていう状態で終えたいんですよね、1日を。

今日の私みたいに、ひと仕事を終えた日には1人でも店に寄って飲んで帰る……なんて人もいるんでしょうが、私は「どうせ1人なら家で飲んじゃう」っていうタイプ。だからせっかく地方に出張したときも、1人じゃ店に入りづらくて結局ビジネスホテルのベッドの上で飲んじゃうんですよね。でも、そのままパジャマで「1日を終えられる」のが好きなんです。

と言うことで、缶ビールと近所のコンビニで焼き鳥2本を買って帰り、家で(自分としては)頑張った1日を終えました。プハーー!終了ーー♡

References
*1最近、平日はあまり飲まないようにしているんです。

歪んだ中国の「愛国」

昨日、中国東部の江蘇省蘇州で日本人の親子2人と中国人1人が刃物を持った男に襲われる事件がありました。日本人学校のスクールバスが下校中の子どもたちを乗せてバス停に到着した際に襲われたようです。迎えに来ていた日本人の母親と一緒にいた子ども、そしてバスに乗っていた案内係の中国人女性が刺されました。

NHK NEWS WEB(蘇州での事件を伝える記事)

日本人の親子は命に別状はないものの、中国人の女性は重体だそうです。報道によると、この女性は容疑者の男がバスに乗り込もうとしたところを止めようとしたという情報もあるとか。

中国での日本人母子刺傷 重体の中国人女性、バス守ろうとしたか | 毎日新聞
 中国東部・江蘇省蘇州市で24日午後、日本人学校のスクールバスが刃物を持った男性に襲われ、日本人の母子ら3人が負傷する事件が発生した。日本人の母子は病院に搬送されたが命に別条はなかった。近くにいた中国人女性が意識不明の重体。容疑者の中国人とみられる男性は拘束されたという。

蘇州は日本人の多い街で、私と同じ時期に北京に留学していた友人も駐在しています。今回の事件が「日本人を狙ったものかどうか」は明らかになっていません。ただ蘇州のような街で日本人、それも幼い子どもが被害に遭うような事件が起きたことに衝撃を受けました。そして日本人学校のスクールバスを守ろうとした中国人女性に至っては今も重体だとは……胸が張り裂けそうな思いです。

私の職場にいる中国人の同僚はみんな今回の事件に憤慨しているし、おそらく圧倒的多数の中国の人が同じように思っていると思います。けれど「極端な人間」とはどの国にもいます。ましてや日本の10倍以上の人口を有する中国、残念ながら「極端な人間」も日本の10倍以上多いのです。

日本と中国の関係は複雑です。特に戦争という不幸な歴史によるところが大きく、中国の人たちには「日本は戦争の加害者、中国は被害者」という意識があります。すると一部の人に「あれだけ日本はひどいことをしたんだからやり返してやらなければならない」という“歪んだ愛国主義”を持つ人が出てくるわけです。そういう人たちの中では「日本に対してどんな悪いことをしても日本はそれ以上にひどいことをしてきたんだから許される、むしろそれこそ中国を愛する行為だ」、そういうロジックになってしまいます。

坊主憎けりゃ袈裟まで憎いというか、とにかく日本のものはダメ。そういう考えの人が、中国には「いるにはいる」のです。もっと中国の政府なりメディアなりが是々非々で役割を果たせればいいんですが、あまり期待できそうにありません。むしろ2020年代になった今も中国のテレビでは抗日戦争のドラマを放送していて、まるで「積極的に日本を嫌いになりましょう」と言っているようです。

今回、蘇州で日本人親子などが刺される事件が起きた翌日、中国外務省の報道官は遺憾の意を表しました。一方で、次のような発言もありました。

我想说的是,据警方初步判断,这是一起偶发事件。中国是世界上公认最安全的国家之一。

私が言いたいのは警察の初期判断では、これは偶発的な事件だということだ。中国は世界が認める最も安全な国の1つだ。

どう思います?もし日本で外国人が刺される事件が起き、日本政府が「日本は世界が認める最も安全な国の1つだ」なんて言ったら、私は恥だと思うし、まず被害を受けた外国人に対して申し訳ないです。まあ、中国政府がこういう「空気を読めていない」発言をしちゃうのは、往々にして国内向けに発信しているからというのが理由なんですけど。

でも逆に考えてみてください。こんな環境に住んでいながら、中国には日本の漫画やアニメが好きだと言ってくれる人がたくさんいて、日本食が好きだと言ってくれる人がたくさんいて、日本旅行に行きたいと言ってくれる人がたくさんいる。なにより今回の蘇州の事件を受けて「日本に申し訳ない」と思っている中国の人たちがほとんどなのです。もちろん日本のことがきらいだっていう中国人はいますけど、日本のことが好きだっていう中国の人たちはよっぽど日本のことを好いてくれているんじゃないか、そんなふうに思っちゃいます。

北京の青空

今日の北京は空気が澄んでいて、とても気持ち良かったです。

湿度が低くカラッとしている上、気温もそこまで高くありません。週末は空気があまり良くなかったので、こうして青空が見えるだけで何だか清々しい気持ちになります。

中国、特に北京は大気汚染で空気が汚れることがままあります。顕著なのは石炭を多用する冬ですけど、夏でも黄砂の影響で空が真っ白になることがあります。でも近年は大分マシになったかなあ。私が十数年前に留学していた頃はもっとひどかったです。日本に観光に来た中国人が空気清浄機を買って帰えるなんて話、当時はよくニュースでやっていました。

大気汚染で曇った北京(2010年10月撮影)

空気の悪いときは写真みたいに数百メートル先さえ見えづらくなります。あと異臭もするんですよね。中国人の友人から「あれは石炭のにおいだ」なんて言われましたが、どう嗅いでも石炭とは思えない化学物質のようなにおいを感じたこともありました。この頃を思い出すと、北京の空気が相当改善したのは間違いないと思います。

お昼は職場近くにある「江南菜」の食堂に行きました。バイキングのようにたくさんの料理が並べられ、お皿1枚に食べたいものをよそうシステムです。最後にレジで皿を秤の上に置けば、重さに応じて会計してくれます。

「江南菜」は江南地方の料理という意味。江南地方というのは長江の下流一帯を指し、上海、蘇州、杭州あたりですね。あのあたりは料理の味付けがあっさりしていて、日本人にも食べやすいものが多いように思います。

いろんな料理を食べようと種類多くよそったらまとまりのない見た目になってしまいました。白米とスープは自由に食べられます。ちなみに白米以外だとマントウなんかもありました。これだけ食べて31元(約700円)。ちょっと取り過ぎた感があるので、本当ならもう少し安いかもしれません。円安や海外の物価高の影響で日本人が海外で食事をしようとすると高くて大変だと言いますが、中国は食事に関しては安いので助かります。

丁寧な暮らし

最近、ハマっているアニメがあります。

と言うと、鬼滅の刃?呪術廻戦?なんて話題の最新作を見ているように思われそうですが、いえいえ、今から30年以上も前の作品「美味しんぼ」です。

原作は雁屋哲さん、作画は花咲アキラさんの言わずとしれた日本の料理漫画の草分け的存在です。主人公は新聞社に勤める山岡士郎と栗田ゆう子。2人は会社の創立100周年事業「究極のメニュー」の記事の執筆担当に選ばれ、そのメニュー作りに取り組みながら食を通じて出会うさまざまな人の悩みを解決していきます。

アニメならではの非現実的な展開はちょこちょこあるものの、食をめぐる描写はリアリティに溢れています。特に山岡士郎が蘊蓄垂れる食材や食文化に関する知識はとても勉強になっておもしろいです。また美食家たちが私の行ったこともないような料亭や高級レストランでどんな食事を楽しんでいるのか知ることができるのも、まるで別世界を垣間見ている気分になります。

私はNetflixで見ているのですが、何とYouTubeでも無料で配信しているよし。それも人気のエピソードは常時公開なんだそうです。太っ腹ですねえ、便利な時代になりました。

もうひとつ、ドラマでも最近ハマっているものがあります。

よしながふみさんの漫画作品を西島秀俊さんと内野聖陽さんの共演でテレビドラマ化した「きのう何食べた?」。もともと深夜にひっそりと放送されていたそうですが、今では劇場版も作られるほどの人気ドラマになりました。漫画のほうは今も1か月に1回のペースで連載が続いているそうです。

ドラマで描かれるのは弁護士の筧史朗(シロさん)と美容師の矢吹賢二(ケンジ)が一緒に暮らす何気ない日常。なかでも作品の大部分を占めているのが日々の食卓です。シロさんがキッチンに立って手際よく料理を作り、ケンジと2人で向かい合って幸せそうに食事を頬張るシーンを見ると、当たり前になっている「食事」を楽しむことがいかに大切なことなのか感じさせられます。

あと私自身30代半ばに差しかかる中で、登場人物2人に親しみを覚えている……というのもあるかもしれません。シロさんとケンジは共に40代。この頃って仕事やプライベートでいろんな変化が起きるんですよね。それに時に悩みつつも、生活を楽しんでいる姿が何とも素敵です。知り合いの日常をのぞいて「うんうん、そうだよね」と相づちを打つ感じ。

「きのう何食べた?」に出てくるレシピは「美味しんぼ」みたいな大層なものではなく、どれもシンプルな家庭料理。なのにとってもおいしそうなので、思わずマネしたくなっちゃいます。例えば「ツナとトマトのぶっかけそうめん」。田中美佐子さん演じる佳代子さんのメニューで、おいしそうだったので作っちゃいました。薬味をたっぷりかけるのがポイントなんですが、残念ながらミョウガが北京では手に入らず。その代わりにシソとネギをたっぷりかけていただきました。

ここ数年、自分のハマったアニメやドラマを思い出すと、大体「料理」と関係しているんですよね。小林聡美さん主演の映画やドラマも大好きなんですが「かもめ食堂」や「パンとスープとネコ日和」なんて何度見たか分かりません。これらも料理がたくさん出てくる作品でした。とは言え私は決してグルメじゃないし、料理が得意なわけでもありません。なのになぜ料理に関係する作品を好きになるんだろう……と考えたのですが、もしかすると「丁寧な暮らし」に憧れているから、かなあ。

食事って生活の豊かさに直結していると思います。せわしない日々を送る中で充実した食生活を送るのって結構面倒です。腹を満たすだけならお総菜でもカップラーメンでも十分事足るので、ついついそうなりがち。けれど、ちょっと手間ひまかけて「丁寧な暮らし」をすると心に余裕が生まれてくるんですよね。スーパーに行けば商品棚に並ぶ野菜から季節を感じられます。何を作ろうか考え、食材を買って帰って料理を作る。できあがった料理を誰かと一緒に語らいながらいただく……これが日常の豊かさなのかもしれません。職業柄、私も忙しい日々を過ごしています。油断していると食事はどんどん簡素になり、家の中がハムスターの巣みたいになっていく(笑)。だから料理に関するアニメやドラマを見ると「丁寧な暮らし」の大切さを思い出させてくれるような気がするんですよね。

んなことを言っていたら、何だか無印良品の宣伝文句みたいになってしまいました……って、だから私、無印良品が好きなのかな(笑)。だって昨日、無印良品に行ったばかりじゃないのよ(^^;)。何だか我ながら繋がったような気がします。

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