The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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どうぞご参考ください

今日は朝から雨が降っていました。

私の住むマンションから地下鉄の最寄り駅までは繋がっているため、濡れずに行くことができます。ただ職場近くの駅に着いたら、そこからは屋根のない場所を歩いて向かわなければなりません。一体、いつぶりでしょう……北京で傘を差したのは。

さて、ちなみに今日の昼休み、職場で中国人の同僚と日本語で会話をしていると、その方が「どうぞご参考ください」と言いました。私は「ご参考『にして』ください、ですよ」と伝えると「なぜダメなのですか」と聞かれました。そう聞かれると……なぜダメなんでしょう。

日本語では漢字の名詞に「する」をつけて動詞化することができます。

  • 指摘+する=指摘する
  • 返事+する=返事する
  • 遠慮+する=遠慮する

しかし何故か「参考」という言葉について、日本語は動詞として使いません。

  • 参考+する=(誤)参考する

この場合「参考する」ではなく「参考にする」のように、必ず「に」を入れて名詞として使います。不思議ですね、ちなみに「参照」の場合は「参照する」と言えて「参照にする」は不自然です。あくまで「参考」に限った場合のようです。

では「ご~ください」の話に戻ります。なぜ「ご参考ください」と言えないのか……これは「参考する」と言えないのが原因と言えそうです。というのが「ご~ください」と言えるのは「名詞+する」の動詞化が成り立つものに限るからです。

  • ご指摘ください
  • ご返事ください
  • ご遠慮ください

だから同じ理由で「参照」という言葉の場合、「参照+する」が成り立つので「ご参照ください」と言えるわけです。「参考」は名詞として使えませんから「ご参考にしてください」とか「ご参考になさってください」と言う必要があるわけですね。

しかし、なぜ「参考」は動詞化して使えないのでしょう。日本語と文法が近い韓国語の場合はどうか、調べてみました。

  • 참고(チャムゴ=参考)+하다(ハダ=する)

韓国語は「参考+する」で「参考する」というように言えるようです。なぜ日本語はダメなのか……うーん、私は日本語ネイティブなのに、意外と日本語のことが分かっていないのかもしれません。

北京の病院(の外)で怒られた話

今日、北京にある少し大きめの病院に行ってきました。

入口近くの公道から病院の建物を1枚だけ写真に撮ったところ、後ろから「写真を撮るな」と言われました。おそらく病院の関係者でしょう、私は「はいはい」とだけ返事しておきましたが、この感覚、何だか久しぶりだなと感じました。

病院は公共施設です。日本の場合、公道から建物を撮るだけなら問題にならないと思います。敷地内で許可無く撮影をしたり、誰かが写り込んだりしたら注意されるでしょうけど。しかし中国は公道であろうが敷地内であろうが、怒られちゃいます。

確かに中国、特に北京で辺り構わず写真撮影するのは御法度だし、危険です。中国には政府施設や軍事施設といった、明確に写真撮影が禁止されている場所があり、勝手に写真撮影をすると最悪身柄を拘束される場合もあります。

けれど、それは「敏感な場所」に限った話。ショッピングモールといった何でもない場所は別です。中国の人たちだって、みーんな思い思い写真を撮影しています。おそらくTikTokなんかに投稿するためなんでしょうけど、満足がいくまで何度も自撮りをしていて「そこまで自分が好きなのか」と言いたくなる場面に出くわすことも。

今日の私は単に病院の建物を撮っただけで怒られてしまったわけですが……何だか、むかーし読んだ本のことを思い出しました。

http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN4-7684-6881-0.htm

お茶の水女子大学の元教授で、NHK「中国語会話」で講師役も務めた相原茂氏の「北京のスターバックスで怒られた話」、中国語にまつわるたくさんの面白いエピソードを集めたエッセー集です。この本が出版された2004年当時、私は中学生でした。ちょうど中国語を学び始めて間もない頃で、夢中で読んだことを覚えています。持っていた相原氏のエッセー集はこれだけではありません。

タイトルにもある「北京のスターバックスで怒られた話」というのは、相原氏が北京のスタバで写真撮影をしようとしたら店員に怒られたという、自身のエピソードです。

残念ながら本を日本に置いてきてしまったので記憶に頼るしかないのですが、写真撮影を咎める理由について「自分の権利を主張する中国の文化によるもの」と説明していたように覚えています。中国人は「自分エリアなかは力を行使し、顕示しようとする」傾向が強い。つまり、行為そのものが禁止されているからというより「私がダメと言っているからダメなのだ」と自分の権力を行使したがる人が多いからだと指摘しているわけですね。

でも、何となく分かります。例えば中国の地下鉄やバスの車内で見かける「乗務管理員」というスタッフ。車内の治安・秩序を守ることを目的にいるわけですが、よく高圧的な人を見かけます。新型コロナウイルスの感染がまだ深刻だった頃は、あごマスクの人物を見つけると「マスクをきちんとつけろ!」と大声で叫ぶんですね。最近はあまり言わなくなりましたけど。

あとは「保安」。肩や胸に「保安」と書かれたワッペンを付けていて、警察官みたいな制服を着ています。ふと「警察官なのかな?」と思っちゃうのですが、いえ、違います。中国の「保安」は単に警備員みたいな立場の人で、警察官のように法律を執行することはできません。なのに「力を行使したがる」からなのか、高圧的に「パスポートを見せろ」「記録用に写真に撮る」とか、そういうことを言いがちです。私も一度そういう経験があり、その際は「何の権利があって私のパスポートの写真を撮るのか」と反論しましたけど。だって、何に悪用されるか分かったもんじゃありません。

まあ、日本にもたまーにいますけどね。自分に与えられた役割をもって「自分が偉くなった」と勘違いしちゃう人。でも今日、私に「写真を撮るな」と言った人は怖かったです。中国のほうが少し深刻かも知れません。

コスタコーヒー

今日は日曜日ですが休日出勤。とても静かな1日でした。日本も中国も日曜日ですもんね。夕方頃まで働き、いつもなら退勤後は地下鉄に乗ってすぐ帰っちゃいますけど、今日は職場から1駅の距離にあるショッピングモールまで散歩しました。

夕方になっても暑いですね。ふと見つけたコスタコーヒーに入ってお茶をしました。

コスタコーヒーはイギリス発祥のカフェチェーンで、中国ではスターバックス(ほどの店舗数はないものの)と同じような感じで出店しています。そういえば中国では私が留学していた十数年前からありましたが、日本では見かけませんね。調べてみると、銀座にポップアップストア*1ができたそうですが、それだけのようです。

「コスタ コーヒー」日本上陸へ、1号店は夏頃都内に
【読売新聞】 双日とロイヤルホールディングス(HD)は16日、英国などで知名度の高いコーヒー店「コスタ コーヒー」の店舗を日本国内で展開すると発表した。 まずは関東を中心に出店を始める。1号店は、東京都内に夏頃出店予定だという。将来

こちらの読売新聞の記事によると、今年の夏にも日本1号店ができるとのこと。もう7月ですが、どこかに完成したんでしょうか。イギリスやアイルランドではとても有名なカフェチェーンなので、中国にありながら日本に今までなかったのは不思議だなあと感じます。

References
*1数日~数週間程度の、比較的短い期間限定で開設される店舗のことを言うそうです。

近くて遠い国

今、日本人が中国に入国するには非常にハードルが高いです。一番の理由がビザ。

ビザとは「私の国に入国しても良いよ」という許可みたいなもの。怪しい人物ではないか、持っているパスポートは有効か、入国させても問題ないか……いろいろ調べた上で問題ないと判断されれば、ビザが発給されます。だから「入国許可証」みたいなものなんですね。

全ての国でビザが必要なわけではありません。交流が盛んで、入国にビザを必要としない協定を締結している国であれば、パスポートだけで入国できます。幸いにも日本国籍は国際的に良いイメージを持たれているため、日本人がビザ無し(=ノービザ)で入国できる国は70近くに上ります。

実は中国もかつては短期滞在(15日以内)であれば日本人の入国に「ノービザ」を認めていました。しかし新型コロナウイルスが感染拡大した2020年3月、中国はこの措置を停止。当時、中国は「新型コロナは海外から持ち込まれた」と主張していましたから(日本を含む)海外から人が入ってくるのを止める必要があったわけですね。コロナ禍が明け、国際的な人の往来が復活しだした今になっても中国は日本人に対する「ノービザ」を復活させていません。今日本人が中国に入国しようとした場合、それが観光目的であってもビザを取得しないといけないのです。

以前なら日本人は飛行機のチケットさえ取れれば、当日だって思いつきで中国に旅行に行くことができました。しかし今は何週間もかけてビザを取得しなければなりました。このことでビジネス面では特に「中国出張が簡単にできなくなった」など影響は大きいようです。日本の経済界からは「ノービザ」の復活を求める声が出ています。

一方、それに対して中国政府が持ち出しているのは「相互主義の原則」。ちなみにこちらは朝日新聞の記事です。

コロナ禍前に中国政府が認めていた日本人向けの15日以内の査証(ビザ)免除の再開について、中国外務省の呉璽領事局長は「相互主義の原則に基づいて交渉を進めたい」と述べた。同様に短期訪日の中国人のビザ免除を、日本側に求める意向を示したものだ。

朝日新聞デジタル(2023年6月23日)

日本人の中国入国に「ノービザ」を復活させてほしいなら、中国人の日本入国も「ノービザ」にしなさいと言っているわけです。日本はコロナ禍の前から中国に対し「ノービザ」を認めていません。

でも、残念ながら14億人いる中国人に一律「ノービザ」を導入するのは難しいと思います。冒頭に書いたように「ビザ」というのは「その人物が入国しても問題ないか」を保証するもの。日本国内で検挙された外国人を国籍別に見ると、ベトナムと中国人が圧倒的多数です。こうした状況でビザを免除すれば、日本国内からの反発の声が相次ぐでしょう。逆に言えば、日本は中国に対してビザを求める理由があるのです。

さらに「相互主義」という意味では、日本は中国の富裕層に対して「マルチビザ」を多数発給しています。「マルチビザ」というのは一度ビザを取得すれば一定の期間内、何度も入国することのできるものです。「ノービザ」が難しい現状において、中国の人たちのニーズを精一杯ひろっているとも言えます。しかし中国はどうでしょう。短期間のビジネス出張に来たいという日本人はたくさんいるのに、そうしたニーズに応えられていません。

中国は日本からの投資を呼び込もうと、今年に入って多数の訪日団を送り込んでいます。日本に投資を呼びかける一方で、日本のビジネスマンを簡単には入国させない。やっていることがチグハグとしか言えません。

私が目下残念なのは、せっかくこうして中国に住んでいるのに家族や友人を簡単に招けないことです。以前なら春秋航空みたいな格安航空券が取れれば簡単に来られたのに、今やビザが必要になり「近くて遠い国」になってしまいました。先ほど紹介した朝日新聞の記事のように日本のビジネス界からは「ノービザ」の復活を求める声は根強いこともあり、早く以前のようになってくれないかな……という思いはありますが……観光という面でのニーズはあまり大きくないんですよね。というのが今、中国に旅行に行きたいという日本人はどんどん減っているんです。こういう事情も「ノービザ」復活の見通しに暗い影を落としています。

まもなく「三伏天」

今日は二十四節気の「小暑」。夏が本格化し、日に日に暑くなっていく頃です。

ただ、ここ最近の北京は「夏が本格化する」というより、遙か先を行っているような気温の日が続いています。40度を超えた日も今年すでに4回。職場の中国人の同僚たちも「今年は異常」と話すくらいです。一体どうしちゃったというのでしょう。

今日は仕事で「798芸術区」に来ました。今年5月にも来ましたが、今回来たのはその際には行かなかったエリアです。廃工場が間近に見られて迫力がありました。

それにしても暑かったです……

ちなみに中国で1年のうち最も気温が高く蒸し暑い時期のことを「三伏天」(さんぷくてん)と言います。初伏・中伏・末伏の3段階に分かれ、合わせて40日余りあります。ふと思い出して、一緒にいた中国人の同僚に「もう『三伏天』に入っていますよね」と聞くと「いえ、まだです。今年の『三伏天』は7月11日からです」と言うじゃありませんか。

ええ、まだ「三伏天」に入っていないのに、この気温とは……先が思いやられます。

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