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The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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魚を肴に酒をいただく

先月にも訪れた鮮魚店「魚清」を再訪。

前回訪れたときに、隣のテーブルに座った日本人のおっさん(おっと、失礼)2人が昼間っから新鮮な刺身を肴に酒盛りを楽しんでいた。これが、もお~羨ましくて羨ましくて。次回、再訪したときには是非とも「私もやりたい」と思っていたのだ。

調べてみると「魚清」の閉店時間は午後8時半らしい。酒飲みにはちょっと早い閉店*1。これを見越して午後6時半過ぎに行ってみたものの、これがてんで計算違い。店内は満席で、待つ客さえいた。しかしここまで来て刺身を食わずに帰れない。レジのお姉さんにケータイ番号を伝えておけば順番になると呼んでくれるそうで、待つことにした。閉店時間だけがどんどん迫ってくる……うーん、斯くなる上はお酒をやめて海鮮丼とかご飯物だけ楽しんでササッと退店するか……

20分から30分で案内できると聞いていたものの、時間はすでに30分近く経過。我慢できず「あと何組ですか」と聞くと確認してくれ「あ、次です」とのこと。蕎麦屋の出前か!!という言葉が喉元まで出かけたけど、まあ、ありつけるなら良い。閉店時間まで残り1時間というときだった。

店員はみんな手際が良かった。テーブルに着くと前の客の食べた後をチャッチャッと片付けてくれ、料理も注文すれば次々と運ばれてくる。ただ酒を注文しようとしたところ、店員さんに「物販エリアで売っているお酒を自分で取ってきてください」と言われる。ええ?どういうこと?

よく見るとイートインエリアには「自由にお取りください」と冷えたジョッキが並んでいた。なるほど、売り場の冷蔵庫から缶ビールを自分で取ってきて、これを使って飲めというわけか。ちなみに刺身についても同じシステム。物販エリアの刺身売り場に行き、食べたいものを選んで取ってくる必要がある。売っているのはさくの状態だけど、店員さんに渡せば大根のツマと共にきれいに盛り付けてテーブルまで持ってきてくれた。

私が選んだのはマグロ、ブリ、サーモン。端切れのような刺身しか売っていなかったけど、きれいに盛ってくれたのでさくの状態よりだいぶよく見えた。

このシステムはつまり「魚清」はあくまで鮮魚店であり、居酒屋やレストランではないと。「イートインエリア」はあくまで店で買ったものをその場でいただける場所であって、基本的にはセルフサービスというわけですな。とはいえ寿司を始め、鍋物や揚げ物といった「調理モノ」は注文すれば店員さんが持ってきてくれる。だから缶ビールなんかはいいけど、日本酒や焼酎は大きな瓶でしか売っていないから1杯だけ……みたいな飲み方ができない。隣のテーブルで飲んでいた中国人のおっちゃんは一升瓶の日本酒を購入していたけど、飲みきれなかったのだろう。持って帰っていた。

私は缶ビールを数本、妻は今日はノンアル。ちなみに閉店時間だと思っていた午後8時半はラストオーダーの時間だった。それもお酒は冷蔵庫から取り出せばいいだけなので、午後10時までは良しとのこと。ただ料理はお腹いっぱいで食べきれなかったので、包んで持って帰った。お酒についてはボトルキープもできるようで、そういった飲み方もアリかもしれない。

References
*1「魚清」の午後8時半というのは確かに早いけど、中国は飲食店の閉店時間が日本に比べて早めな傾向。日本じゃ午前様まで営業している居酒屋はそこら中にあるもんねえ。

当時と同じにおい

私が留学していた2010年に比べて北京の空気は相当改善したと思う。

当時はメディアで盛んにPM2.5の害について報道され、実際私も北京に住んでいて大気が悪いのが目に見えて分かった。100メートル先が見えないほどスモッグが深刻で、大学近くを散歩していたら化学物質のような、いかにも体に悪そうな「におい」が漂っていたのも覚えている。

近年では大気汚染に関する報道はめっきり減った。実際、中国の大気汚染は数値の上では大幅に改善している。おそらく原因は工場や自動車の排ガスだったのだろうけど、街なかを見るとトラックやらバスやら、どれも電気自動車。その普及率は日本以上ではないかと思うほどで、これが大気の改善に貢献しているのは間違いないと思う。これも中国政府の(ある種、強硬的な)対策の成果だろうなあ。むしろ気候変動対策では世界をリードする姿勢すら見せているし。

いや、今日書きたかったのはそういうことではなく。それでも北京ではたまーに空気の悪いことがあって、今日なんかはまさに「そんな日」だった。

そして、こういう日は「におい」もまた悪い。空気中になんとも言えないにおいが漂っている。けど、留学当時によくかいだにおいだ。うーん、くさいんだけど、懐かしい。

においというのは不思議。記憶の引き出しの奥~にしまわれ、十数年思い出したこともなかったことがありありと蘇ってくる。北京留学の記憶がありありと思い出されて、タイムスリップしたような気分になった。

気温も高くなってきて、外を歩いていても春を感じられて気持ちが良い。

仕事帰りに買い物をしようと朝陽門にあるショッピングモール「ユータウン」(“悠唐购物中心”)まで歩く。モールは華金だけあって、多くの人で賑わっていた。無印良品でいつも使っている化粧水などを購入。日本で当たり前に買っていたものが中国でも簡単に手に入るとは、ありがたい時代。「当時と同じにおい」をかいでいると、変化をより強く実感する。

牛肉チャーハン

昼に先輩と職場近くの食堂にランチをしに行く。

ここは青海牛肉麺といった麺料理をはじめ、“羊肉串*1や“大盘鸡*2などイスラム系の料理を出している店で、昼時にはものすごく賑わう。

入店するとちょうど席を立つ客がいたので、運良くすぐに座れた。私も何度か来たことがある店だが、先輩から「牛肉チャーハンがおいしい」と言われたので、そちらをいただくことに。

先輩には内緒だけど、ちょっと味は微妙だった。味付けにムラがあるのと、牛肉チャーハンという割には牛肉が雀の涙だ。ここの“羊肉串”は驚くほど肉が大きくて太っ腹だなあといつも思っていたのだが、それに比べるとずいぶん「けち」だ。

ここの牛肉麺はおいしいので今後も利用したいと思うけど、牛肉チャーハンはもう頼まないかなあ。

References
*1ラム肉の串焼き。
*2鶏肉とジャガイモの煮込み。ウイグル料理の代表選手。

偷着乐

今日、中国人の同僚から“偷着乐”は日本語で何と言えばいいかと聞かれた。中国外務省で以前報道官を務めていた趙立堅氏がいつかの会見でこの言葉を使っていた。

中方在应对新冠肺炎疫情方面是无可指责的。(中略)中国人民已经取得了抗击新冠肺炎疫情的战略性胜利。在座各位能在抗击疫情期间生活在中国,就偷着乐吧!

中国の新型コロナウイルスの感染対策に非難の余地はない。(中略)中国の国民は新型コロナとの闘いにおいて戦略的勝利を収めた。出席されている(外国メディアの)皆さんは、このコロナ禍に中国に住むことができて“偷着乐”しているでしょう。

偷着乐”は直訳すると「こっそり喜ぶ」「ほくそ笑む」という意味だ。この会見で言いたいのは「中国の新型コロナ感染対策は世界に誇る立派なものだ。全世界がウイルスと闘っている中、あんたたちは中国に住めて『内心、喜んでいる』でしょう」ということ。

この会見の数か月後、上海では未曾有の厳しい外出制限が行われ、多くの人が苦しい経験をしたのは周知の通り。それだけに「んなわけねーだろ」とツッコミが来そうな会見だが、実際、この会見はいろいろと波紋を呼んだ。これだけが原因ではないだろうが、その後、趙氏は報道官の業務を離れて他部署に異動した。元気にされているのかな。

日本へ出発するビンドゥンドゥン

日本の職場の同僚からビンドゥンドゥン(“冰墩墩”)のぬいぐるみを買ってもらえないかと頼まれた。ビンドゥンドゥンとはジャイアントパンダをモチーフにした去年の北京オリンピックのマスコットキャラクター。確か開催期間中には、ビンドゥンドゥンの関連商品を買い求めてグッズショップに大行列ができたと話題になったのを覚えている。

聞くと、今年の干支に合わせて「ウサギのビンドゥンドゥン」が販売されているらしい。日本のAmazonで買おうとすると1万円を超えるらしく、中国で買ってもらえないかと言うのだ。こちらの通販で検索すると200元ほど、日本円でおよそ4000円。確かに日本の販売値の半額以下だ。送料も払うと言うので、こちらで買って送ってあげることに。

正直な話、私はビンドゥンドゥンをあまりかわいいとは思えないのだが、見ているとかわいくも思えてくるような気がする。このジワジワくる感じが人々を魅了してやまない理由なのかなあ。

箱は、通販で購入した際に入っていたものをそのまま流用することに。少し薄いかな?と心配していたところ、郵便局の係員さんが「これでもか」というほどテープをぐるぐるに巻いてくれた。

中身はぬいぐるみとキーホルダーだけなので、そこまで重くはない。日本に最も速く届けられるEMSを選ぶと226元(約4400円)。ううむ、やはり高い。これじゃ送料とぬいぐるみで値段が変わらないじゃないか。ほかにもう少し安い航空便と船便があったけれど、同僚はEMSが一番安全で確実だと言うので結局EMSに。まあ、これでも日本国内での販売値より安いしね。

送り状を書いて係員さんに渡すと「箱にも住所を書いて」と言う。黒のサインペンで書き加えて再度渡すと「電話番号も書いて」。ええ、そこまで書くの?送り状にも書いているんだけどなあ……と思いながら、受取人のケータイ番号を書き加える。

しかしこれだけ物流が発達した現代、海外との郵便や小包のやり取りは日常茶飯事になったけど、それでもこうやって日本に向けてはるばる運ばれていくんだなあと思うとワクワクする。中国人の友人と文通をしていた頃を思い出す。

私が子どもの頃にはすでにメールが当たり前に使われる時代になっていた。けれど中国語を学び始めた中学生の頃には、中国の友人と短いあいだ文通をしたことがある。切手を複数枚買って貼り、封筒のおもてに“PAR AVION“とか“VIA AIR MAIL”とか書いて。返事が来る頃には、出したことも忘れちゃっているんだよね。いまでもこういうことにどこかときめくのは、当時のあの感覚が身体に残っているからなのかもしれない。

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