The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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参鶏湯

今日は仕事の関係で韓国の方と食事をしました。

場所は先方が予約してくれた韓国料理の店。ずいぶん若者っぽい雰囲気の店でしたが、味は“正宗”(本格的)とのこと。店名に「参鶏湯」(サムゲタン)とあったので参鶏湯専門店かと思ったら、ほかにもいろんな料理がありました。

で、一通りの料理をいただいたあと、最後に参鶏湯と冷麺を注文。みんなで分け合って食べました。

参鶏湯の「参」って高麗人参のことなんですね。他にもナツメやニンニクが入っていて、これぞ薬膳という感じです。薄味なので食欲のないときにも良いんじゃないかと思いました。ご一緒した韓国の方によると、物足りなければ鶏肉を塩に付けながら食べるのもアリなんだそうです。

参鶏湯って体がポカポカするので何となく冬の食べ物かと思っていたんですが、実は盛夏の“三伏*1に夏バテの疲労回復として食べるほうがポピュラーであるよし。すると、これからがむしろ本番でしょうか。是非また食べに来たいと思います。

References
*11年で最も暑いとされる時期のこと。

昨日は穀雨

最近雨が続いています。先週の金曜日に降って、今日も雨。

北京は雨が少ない地域です。最後に傘を差したのがいつだったか思い出せないくらい。調べると、北京の年間降水量は約600mmで、東京の約1500mmや大阪の約1700mmに比べると半分以下です。大陸性高気圧、北京の場合は「シベリア高気圧」に覆われているので雨が少ないそうです。

昨日は二十四節気の1つ「穀雨」でした。穀物の成長を助ける雨という意味です。この頃には田畑の用意が整い、これに合わせて雨が降るんだそうです。こうして本当に雨が降るんだから、昔の人は賢いなあとつくづく感じさせられます。

ちなみに中国で穀雨は“谷雨”と書きます。え、穀物の雨なのに、なんで谷になっちゃうの?と思われるかもしれません。今の中国では「簡体字」といって簡略化した漢字が使われています。「穀」という漢字は複雑で難しいので、同じ発音の「谷」に統一されてしまったのです。だから中国では穀物のことを“谷物”と書きます。こうした漢字は他にもあって、例えば麺は“”、後は“”、髪は“”(発)に統一されました。

けど、味気ないですよね。穀雨という漢字だからこそ「春の雨が穀物を潤す」という場面が思い浮かぶのに“谷雨”ではイメージが全然違ってしまうと思います。漢字を簡略化してしまった弊害です。台湾や香港では未だに伝統的な漢字*1が使われているので、日本と同様に“穀雨”と書きます。

ちなみに学生時代に台湾へ旅行に行った際、面白いエピソードを聞きました。とある麺屋が“帥哥下麵很好吃”(イケメンの茹でた麺は超うまい)という店名を付けたそうです。ただし、これが中国だと“”が“”になるなので“帅哥下面很好吃”という表記になります。“下麵”(麺を茹でる)が“下面”になると、これには「下半身」という意味もあり――“帅哥下面很好吃”で「イケメンの下半身は超うまい」という意味になっちゃうのです。これだと麺屋が別業態の店と誤解されちゃう?……いやいや、そんなことはないでしょうけど、これも漢字を簡略化してしまった弊害かと思います。

References
*1簡略化された漢字「簡体字」に体し、伝統的な漢字は「繁体字」と呼ばれます。

懐かしいおもちゃ

散歩がてら、北京は朝陽門に行きました。

やってきたのは「MINISO LAND」。MINISOは中国各地で店舗を展開する雑貨店チェーンで、このMINISO LANDというのは旗艦店という位置づけなんだそうです。

朝陽門の若者一番地The BoxにできたMINISO LANDの北京一号店です。

ちなみにMINISOの正式名称は中国語で“名创优品”(名創優品)。中国発のブランドですが、創業当初は「日本発」を謳っていて「無印良品とユニクロとダイソーを足して3で割った中国ブランド」と揶揄されました。その実「名創優品」という名前は無印良品の「品」、ダイソー(大創)の「創」、ユニクロの「優」(中国名は“优衣库”=優衣庫)、それぞれの日系チェーンから1文字ずつ取っているとされます。

上海・南京東路にて(2017年4月撮影)

メイソウ、もといMINISOが創業された2010年代は中国でユニクロや無印良品の人気が高まりつつある頃でした。MINISOはいわばその勢いにあやかり、日本ブランドであることを装ってチェーン展開した企業です。中国でも「日本のパクリ」「恥ずかしい」と言われるようになり、その後、脱日本路線を進めることになりました。

通常のMINISOは雑貨品を扱いますが、こちらのMINISO LANDはキャラクターグッズに絞っているのが特徴なんだそうです。ディズニーやサンリオ、ハリーポッターなど、世界で有名な40以上のキャラクターを取り上げていて、広さは1000平方メートルを超えます。パクリから始まったMINISOがこうして知的財産権の固まりとも言えるキャラクターグッズの専門店をつくるようになるとは、何だか隔世の感を禁じ得ません。

モールの2階分を使った店舗の構造、贅沢な空間の使い方はさすが旗艦店です。

たまごっちが並んでいました。中国語では“拓麻歌子”、発音すると「トゥオマーグァーツ」ですから、たまごっちの音訳なんでしょうね。

私と妻が「懐かしいね」と商品を眺めていると、若い中国人の女性が駆けてきて真剣に品定めしていました。へええ、人気があるのかな。スマートフォンが当たり前の世代の人にとって、たまごっちなんてずいぶんレトロなゲームかと思いますが。けど、そういうレトロさが逆に人気を集めているのかもしれませんね。それに卵形のカラフルな本体もかわいいので、アクセサリーとしていいかもしれません。そういえば、おやじっちって今もいるのかな。

たまごっちがここまで人気になるなら、同じ時期に流行ったレトロおもちゃ*1も受け入れられるんじゃないかしら。ベイブレードとかハイパーヨーヨー、あとビーダマンとか?わあ、自分で言っておきながら懐かしい。男の子のおもちゃしか思いつきませんが、きっと女の子のおもちゃにもそういうのがあるでしょうね。日本の玩具メーカーにとってはチャンスかもしれません。

References
*1平成に流行ったおもちゃを「レトロ」と言うのも何だか複雑な気持ちですが。

突然届いた注意喚起

日本ではまもなくゴールデンウィークですが、中国でも連休が控えています。5月1日のメーデーに合わせた5連休で、中国では「労働節」と呼ばれています。きっと日本に遊びに行く中国人もたくさんいるでしょうね、各地で中国人観光客の姿が増えると思います。

ちなみに昨日、中国のニュースアプリから次のようなプッシュ通知が送られてきました。東京の中国大使館が日本に来る中国人観光客に対して注意喚起をしたというのです。

曰く、日本では最近治安が悪化して、事件が増加しているので注意せよとのこと。具体的には次のようなことを挙げています。

  • 福岡県北九州市、長野県長野市、岐阜県岐阜市などで無差別殺人事件が起き、多くの罪のない市民が死傷した。この2週間では、愛知県一宮市、東京都新宿区、埼玉県さいたま市などで若い女性を標的とした殺人事件が相次いでいる。また、窃盗、強盗、つきまとい、振り込め詐欺などの事件もたびたび起きており、中国人が被害に遭うケースも少なくない。
  • 栃木県栃木市、岩手県盛岡市、埼玉県さいたま市、広島県庄原市、岐阜県関市、福岡県福津市など日本各地で集団的な食品衛生問題が発生している。

その上で、日本に行く中国人に対し、人気の無いところや治安の悪いところに行かない、生水は飲まないなど食品衛生には気をつける……などといったことが注意喚起されています。けれど、何でしょうね、このモヤモヤした感じは。去年、半年も経たない間に日本人の幼い子どもが切りつけられた国に住む私としては複雑な思いです。

自国民が海外に行くにあたり注意喚起するのは在外公館としては当然の役割です。どうこう言う権利はないでしょう。日本で凶悪な事件が起きていないというつもりもありません。けれど……懸命な皆さんなら悟っていただけると思います。中国では日本でいかに凶悪な事件が起きているか注意喚起される一方、日本人の男の子が切りつけられた事件が起きたことは一切報道されていないのです。

まあ、多くは語るまい。どの口が言うだなんて後ろ指はさされたくはないものです。もって他山の石にしようと思います。

回転ドアと電気自動車

日本から中国に来た人がよく「中国には回転ドアがたくさんありますね」と言います。回転ドアというのは商業施設の入口なんかにある、人が出入りする際に自動でクルクル回転する扉のことです。

中国に回転ドアがたくさんあると言うより「日本で回転ドアを見かけなくなった」と言うのがより正確かと思います。

その理由は私と同世代、あるいはそれ以上の世代の方であればご存じの方も多いと思います。2004年、東京の六本木ヒルズで幼い子どもが回転ドアに挟まれて亡くなるという事故が起きました。閉まりかけたドアに駆け込んだ際に上半身が挟まれ、ただちに救出されたものの、まもなく亡くなりました。よく知る場所で起きた事故だったこともあり、私もよくニュースを覚えています。この事故をきっかけに、全国各地の回転ドアは急速に姿を消していきました。

これを思い出す度に、とても「日本らしい」と感じます。日本では特定の製品に関してひとたび事故が起きれば、原因が究明されるまで運用や供給がストップされます。中国は正反対。事故が起きても運用や供給が止まることはないどころか、時には事故そのものが隠蔽されてしまいます。

中国では最近、スマートフォンメーカー「シャオミ」の自動車が起こした事故が大変注目されています。そもそも多くの日本人は「スマホメーカーが自動車を作っているの?」という点に驚いちゃうと思いますが、中国ではシャオミだけでなくファーウェイも車を作っていますし、ドローンメーカーのDJIも作っていて、街中ではよく見かけます。

今回の事故はシャオミのSU7という電気自動車が起こしました。3人の女子大学生が運転支援機能を使って時速116キロで走行していたところ、システムが前方で工事箇所を検知しました。車は自動で減速を始め、その1秒後に運転手が自ら制御する形でブレーキを踏み始めたものの、間に合わずに衝突したということです。

昨今、自動車の自動運転・運転支援がもてはやされていますが、私はまだまだ不十分な技術だと思っています。そもそも新興のスマホメーカーが作った自動車です。それなりの検証を経て販売されているのだと思いますが、安全技術の蓄積は日本やドイツといった自動車大国のそれにはかなわないでしょう。現にヨーロッパは自動運転に関する法律が大変厳格です。データや仕様のコンプライアンス、実証テストのルール、事故が起きた際の責任の所在、どれも厳しく定められています。テスラの完全自動運転機能がヨーロッパで広く普及していないのがその一例です。

もちろん中国の規制少ない環境が技術開発に一役買っているのは重々理解しています。実際、中国の自動運転・運転支援の実用化は世界トップクラスです。その一方、事故が起きた後も毎日のようにシャオミのSU7を見かけます。亡くなった3人の遺族はどう思うでしょう。街中で同型車種を見かける度、日本の回転ドアをめぐる対応との違いを思い出さざるを得ないのです。

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