The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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鳥の巣の思い出

今日は仕事で北京のオリンピック公園の近くに行く用事があり、久しぶりに「鳥の巣」を見かけました。鳥の巣(“鸟巢”)というのは北京国家体育場のことで、2008年と2022年の北京オリンピックのメインスタジアムとなった場所です。鳥の巣という愛称はその独特の形状に由来します。

この鳥の巣を見ていると、2008年の北京オリンピックを思い出します。もう17年前なんですね。あの年、私は大学1年生のフレッシュマンでした。開会式は2008年8月8日の午後8時、中国で「八」という数字は縁起が良いと考えられていることに由来します*1

当時、私は岡山の実家に帰省していて、張芸謀(チャン・イーモウ)監督が演出した開会式をテレビで見たのを覚えています。巨人の足跡を象った花火の演出がCGだったとか、“歌唱祖国”を歌った女の子が口パクだったとか、それなりに話題には事欠きませんでした。けれど当時の中国はまさに高度経済成長期で、ありたけの国力を投じて作り上げた開会式は立派なものでした。高揚感と相まって、多くの中国の人が「中国は良くなっていく」という思いを持ったと思います。

北京オリンピックの開催にあたり、当時《北京欢迎你》という歌が作られました。日本語にすると「北京にようこそ」といった感じでしょうか。開催まで100日というときに発表された、中国大陸をはじめ台湾や香港の名だたるスターが代わる代わる登場して歌う曲です。

この曲を聴いていると、2008年当時の雰囲気を思い出します。この動画のコメント欄を見ると、次のような投稿を見かけました。

08年时候情绪很不一样,唱出来我家大门常打开的自信和昂扬,国庆时候大街小巷插满国旗,印象很深刻那时候大家都把国旗插在车把上,街道上车水马龙,国旗也迎风飘舞。世事难料,现在能发展成全民反间谍的模样,不过过去15年,却好像两个不同的世界。

2008年の頃は今とまるで気分が違った。“我家大门常打开”(我が家の門はいつでも開いている)という歌詞のように、自信と高揚感に満ちていた。国慶節には街中の通りに国旗が掲げられ、自転車のハンドルにも旗を差している人がいたのをよく覚えている。車も人もひしめき、国旗が風にはためていていた。だのに世の中はどうなるか分からないものだ、今や国全体が「反スパイ」に過敏な空気に包まれるとは。たった15年なのに、まるで別の世界になってしまったようだ。

このコメントには500を超える「いいね」が付いていました。きっと多くの中国の人が同じような思いを抱いているんだと思います。車の中から一瞬「鳥の巣」が見えただけですが、私も当時中国に対して抱いていた様々な感情を思い出してしまいました。

References
*1日本でも言われるように「八」という漢字は末広がりです。そして中国語で「八」の発音は[](バー)で、これが「儲かる」「富む」という意味を持つ「発」(發)という漢字の発音[]と似ているという理由もあります。

身在福中不知福

一昨日から体調が悪く、今朝になっていよいよ体温が39度まで上がったので会社を休んで病院に行きました。私はけっこう「ずぼら」な性格で、身体はどちらかといえば頑健なほうですが、一度体調を崩すとみるみる悪くなります。

医師の問診を受け、2本の綿棒を鼻の奥に突っ込まれます(多分、インフルエンザと新型コロナウイルスの検査をしたんだと思います)。あとは採血。私の腕は血管が見つけにくいようで、毎回採血に苦労します。日本だと針を刺したものの血が出てこず、深く刺したり浅く刺したり、挙げ句の果てには針を抜いて刺し直す……なんてこともありました。けれど中国で経験した採血は今のところ一発成功ばかり。今日採血してくれた看護師さんも一瞬「分かりづらいな」と呟いたものの、採血は一発で成功。思わず「さすがですね」と言っちゃいました。やはり中国のほうが人口が多い分、採血をしている回数も多くて上手いのかしら。

数十分後に検査結果が出たのですが、何と肺炎でした。問診の際にも医師に「肺のあたりから“啰音”がする」と言われていたのです。そのときは“啰音”って何だ?と分からなかったのですが、日本語だと「ラ音」と言って肺から聞こえる異音のことを指すのだそう。採血以外にレントゲン写真も撮影しましたが、肺が炎症を起こしているのが確認できたとのこと。

急遽、抗生物質を点滴することになりました。個室のベッドに横たわり、毛布をかけてくれました。点滴が終わるまで約1時間半、部屋を暗くしてもらったのでゆっくり休むことができました。

こうして病にかかると健康のありがたみを感じます。“身在福中不知福”(幸せなときは、その幸せに気付かない)、幸いなことに明日から土・日の週末なので養生したいと思います。

人のいない駅

今日は連休最終日。私は当番なので出勤しましたが、地下鉄の駅は案の定ガラガラです。

平日なら駅を出る客で大行列ができている通路もこのとおり。この駅はオフィス街に位置しているので、土日祝日は人がいなくなります。

さようなら大好きな蘭州牛肉麺

このブログに何度も書いている、行きつけの蘭州牛肉麺の店が突然閉店してから約1か月が経ちました。そろそろ営業再開しているのではないかと思い、見に行ってみました。

店は閉店したままでした。店内は荒れてしまい、床のタイルなんて割れてへこんでいます。1か月前に見に来たときもこんな状況でした。

この店、以前にも2回突然閉店したことがあります。1回目は新型コロナウイルスが感染拡大していた時期で、このときは北京市内のあらゆる店が営業停止していました。2回目は店が改装工事したときです。このときは予告もなく突然閉店したので「もう食べられないのか」と大変残念に思ったことを覚えています。結局、1か月後に新装開店したんですけど。

フェアウェルは突然に
職場の近くに行きつけの蘭州牛肉麺の店があります。このブログでもよく紹介していますし、この前の投稿でも最近は蘭州牛肉麺よりも牛肉涼拌麺にハマッていると書いたところでした。今日なんて昼前から「牛肉涼拌麺」が食べたくてしようがなくなり、ワクワクしながら店に向かいました。労働節の連休も挟んでいたので久しぶりです(とは言っても1週間程度ですが)。店の前まで来ると、何だか様子がおかしい。とても静かなのです。もしや、労働節のお休みが続いているのかしらん?中をのぞくと……こ、これはどうしたというのでしょう。これ...

それほど、私はここの蘭州牛肉麺が好きなんです。ほかにも“牛肉凉拌面”(牛肉冷やしまぜそば)という冷やし中華みたいなのも好きだし、あと丼物やチャーハンもおいしい。路地裏の目立たない店ですが、料理の味はそこらのチェーンを断然上回っています。

この店は昼時になるといつも混んでいました。だから予告なしに閉店したときも「おそらく閉店することはない」「きっと改装工事だろう」と思うことができたのです。けれど今日訪ねると、その可能性はなくなったことが分かりました。

ガラス戸に“出租”(貸し出します)と貼り紙がされています。日本風に言うと「テナント募集中」でしょうか。次の入居テナントを探し始めたということは、もうあの蘭州牛肉麺の店が戻ってくることはないということです。あんなに人気だった店がなぜ突然閉店したんでしょう。

店は年配の夫婦と、その息子夫婦が切り盛りしていました。息子夫婦は相次いで息子さんと娘さんも生まれたようで、息子さんが店内で元気よく走り回る姿をよく見かけました。どうしちゃったのかなあ。お父さんはいつもイスラム教徒の帽子をかぶっていたので、多分「回族」だったんだと思います。すると出身は甘粛省や青海省のほうで、そちらに帰っちゃったのかしら。それとも移転したのかな?いずれにしても知る術はありません。

この店に初めて来たのは2019年、東京から出張で北京に来たときです。2022年に北京に赴任してから再度訪ねると店がまだ残っていて感動したものです。

街なかPCR検査デビュー
今日の昼食は滞在しているホテル近くにある蘭州牛肉麺の店に行った。数年前の北京出張の際にも来たことのある店で、3年半ぶりの再訪。入店すると店主夫婦とみられる2人が奥で食事をしていた。テーブルに着くと若いお兄ちゃんが注文を取りに来てくれたので蘭州牛肉麺をオーダー。ここの蘭州牛肉麺はおいしかったんだよなあ。しっかりした味が付いていて。注文を取ったお兄ちゃんが作ってくれるようだ。厨房に入っていくと中からパンッパンッと生地を伸ばしている音が聞こえ、5分ほどで持ってきてくれた。記憶が正しければ、前に来たとき...

北京生活も3年目になりますが、ここには本当によく来ました。何を食べようか迷ったらここに来ていたくらいです。ここで食べたいろんな味は忘れられないだろうなあ。これはショックでしばらく立ち直れないかもしれません。

タッチ決済で地下鉄乗車

今日は日曜日ですが中国は平日扱い。労働節の大型連休のための振替出勤日です。地下鉄の駅は(当たり前ですけど)いつもと同じ混み具合。家を出るまでは「日曜日なのに仕事かあ」という気分ですが、電車に乗るとまるで平日だったかのように錯覚してきます。

地下鉄の改札口にこんなバナースタンドが立っていました。乗車券を買わなくとも、クレジットカードのタッチ決済で地下鉄に乗れるという案内です。去年9月に導入されたシステムで、当時私もVISAカードで試したのを覚えています。何度やってもエラーになってダメでしたけど。

このバナースタンドが英語で書かれているところを見るに一番の対象は海外からの旅行客でしょうね。これまでの北京地下鉄は自動券売機で乗車券を購入するのさえ不便でした。一部の駅の自動券売機は外国人が使えない仕様*1になっていて、必ず有人の窓口に行く必要があったからです。窓口に行ったって駅員は中国語しか話そうとしないので*2言語ができない旅行客にとって地下鉄に乗るのは大変ハードルが高かったのです。

とは言え、中国の街中にはまだまだクレジットカードが使えない場面が多すぎます。地下鉄がタッチ決済で乗れるようになっても、バスやタクシーでは結局使えないままです。今回の取り組みが中国国内でもクレジットカードの利用がしやすくなる動きのひとつであるよう、切に願うばかりです。

追記)

試しにスマートフォンに紐付けたクレジットカードのタッチ決済機能(Googleウォレット)で試してみると、改札を通ることが出来ました。それもあっという間!こりゃあ便利です。これまでAlipayのQRコードを使って乗降車していましたが、今度からはこちらに乗り換えてみようかな。

References
*1一部の駅の自動券売機では乗車券を購入しようとすると「身分証番号」の入力を求められます。身分証というのは中国人が持っているマイナンバーカードみたいなもので、私たち外国人には発効されていません。つまり事実上、中国人しか乗車券が購入できない仕様になっています。
*2なぜ中国の人は相手が中国語が話せないと分かっても頑なに中国語を話そうとするんでしょうね。日本に一時帰国した際に羽田空港で英語を使って一生懸命案内をしているボランティアの方を見る度に本当に立派だなあと頭が下がります。
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