The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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日本には行けないけれど

仕事で西単ジョイシティ(“西单大悦城”)に行ってきた。

土曜日なだけあって、驚くほどの人だ。中国ではこうしたショッピングモールに入店するにはスマートフォンアプリで72時間以内のPCR検査陰性証明を提示しないといけないが、入り口はそれだけのために50メートルほどの列ができていた。

この西単ジョイシティは私が留学していた頃にもあった。大学前のバス停から乗り換えなしで来られたので頻繁に訪れたが、当時と比べたら店は結構変わったような気がする。若者向けの店が多いのかな?客も若者が多い印象。一緒に行った中国人スタッフは人の多さにうんざりしているようだった。

ふとモール内を歩いていると見慣れた文字が……「六本木駅」?東京メトロとJRのマークも付いている(ちなみに六本木駅にJRは通っていない)。

こちらは「肉問屋元気一番焼肉」という、日本の焼き肉が食べられるレストランらしい。

大きな路面電車を模した客席、これは都電荒川線?行き先は「北千住」となっているけど、北千住に路面電車はない気が。店内はのぞけなかったが、この改札口から入ってくようだ。ロト6や宝くじといった日本を彷彿とさせる看板がたくさんある。

世界の山ちゃん(笑)。そして六本木駅の駅名標、都営大江戸線だ。隣の看板には「六本木交差点方面」とか「乃木坂駅方面」など、馴染みのある地名が。よくできていて、「ここはどこだったっけ?」と一瞬不思議な気分になった。

日本に中国の町並みを模したレストランはないけど(あれば私はぜひ行ってみたい笑)中国にはこうして日本の町並みを模したレストランができる。それだけみんな日本に行きたいんだろうなあ。それがコロナ禍で今までのように簡単に行けなくなってしまった。いや、行くのは簡単だ。だって日本は水際対策を大幅に緩和しているんだもの。問題は中国に帰国したときの隔離だ。

日本と中国は隣同士で日帰りだってできそうなくらいの距離にあるのに、隔離のせいで地球の裏側・ブラジルより遠い国になってしまった。こうやって日本の雰囲気を少しでも味わおうとしている人たちを見ると何だか切ない思いになってしまった。早く彼らが日本に行ける日が戻りますように。

エクスクルーシブ・チャイナ

今日、仕事で政府機関の建物に行ったところ、入り口でワクチン接種履歴の提示を求められてしまった。ああ、おととい心配していたことが、こうもさっそく起きてしまうとは(^^;)。

一緒にいた中国人スタッフが「彼は日本国内のワクチン接種証明書なら持っている。中国のワクチンでないといけないとは書いていなかったはずだ」と掛け合ってくれるも、担当者は「うーん」という顔をする。しばらくしておそらく上司だろう、もう少し年齢の高い男性がやって来た。私のワクチン接種証明書を手にして、これまた「うーん」という顔をする。

私の後ろから香港出身だという女性が「私も入れてください」と訴えている。彼女も香港の接種証明書を提示していて、どうやら私と状況は同じのようだ。

すると担当者は「うーん、分かりました、今日はとりあえずお入りください」と言って、ようやく入れてくれた。「とりあえず」ってどういうことなんだか。

最後にワクチンを接種したのは今年4月、もう半年になる。今回は「とりあえず」入れたけど、前回の接種から時間が経てば経つほど接種証明書の持つ効力はなくなっていくだろう。じゃあ私も4回目が接種できればいいのだが、中国でモデルナ製ワクチンは認可されていないため、それはできない。

八方塞がりだ。中国製ワクチンを打とうとしたら「あなたはモデルナ製を3回打っているからだめ」。じゃあモデルナ製の4回目を打たせてくださいと言えば「中国では認可していないから打てません」。けれど「ワクチンの接種履歴を提示しないと入れません」。

中国がモデルナ製ワクチンを認可してくれれば早いけれど、それはないだろう。そんなことをすると、みんなモデルナ製に殺到して中国製を打とうという人がいなくなるからだ。中国はそういう場合、外部を徹底的に排除する。LINEを排除してWeChatを使わせる。Twitterを排除してWeiboを使わせる。YouTubeを排除してbilibili動画を使わせる。まあ、ネットサービスについてはもっといろんな理由・背景があるけど、とにかく中国は排他的だ。私が11年前に留学していた頃と比べても、その排他性は強まっている気がする。

ガラパゴス化という言葉はかつて日本の技術やサービスを指して使われたが、今は中国に対して使うのがぴったりだと思う。

久しぶりの海鮮に舌鼓

北京に赴任してから毎日仕事が忙しい。今が忙しいのか、それとも海外駐在とはこんなものなのか、着任したばかりでよく分からない。

東京にいた頃は平日でも帰宅してから習い事に行く元気があったし、料理を作って晩酌もしていた。いろいろしていると午前1時を過ぎてしまい(元気だけど)慌てて寝るようなこともあった。

一方、今は毎日15時間労働がデフォルトで、さすがに疲労困憊。おそらく赴任したてで、自分でも気負っているところがあるのだろう。年の近い先輩は、私の様子を見て「少し手を抜いていいんじゃないか」と言ってくれた。でもまあ、仕事があるだけありがたい。赴任早々、あいつは北京で何をしているんだって言われたくないもんね。

今日は仕事の関係先と日本料理店でランチをご一緒した。

先方のオススメで海鮮丼を注文。マグロ、ハマチ、エビ、イクラ、すごく具だくさんだった。海のない北京は刺身がとにかく高い。こっちに来てから刺身を一度も食べていなかったので、それはそれはおいしかった。日本で食べてもそれなりのお値段がしそうだったので、きっと驚くような値段だったに違いない。ごちそうになってしまった。

そういえば今日、日本は祝日だったんだなあ。こちらは朝から通常通り働き、ちょっぴり悔しい思いだったけれど、おいしいものが食べられたので良しとする。

ワクチンは打てませんよ

今日は中国製のワクチンを接種しに病院へ行ってきた。

予約をしていたのに、到着してから結構待たされた。

30分ほど経ってから診察室に呼ばれる。早口で元気の良い女性の医師だ。はじめに接種を希望するワクチンの種類を聞かれたので、職場の中国人スタッフからすすめられた「シノファーム」(“北京生物”)をお願いする。

何回目の接種かと聞かれたので今日が初めてだと答えるも、念のため言っておいたほうが良いかなと思い、日本でモデルナ製ワクチンを3回接種したことを伝える。すると医師は驚いた顔をして「それじゃあ打てません」と言う。

理由を要約すると、ここまでモデルナ製を打ってきたのだから、今回も同じ種類のワクチンを打つべき。けれど中国でモデルナ製は認可されていない。すると中国製しか選択肢はない。しかしすでに3回モデルナ製を打っていながら、さらに中国製を打つと、種類の違うワクチンが混じり合うことになってしまい、健康に影響が出ないとは言い切れない……と、まあ、こういうことらしい。

言っていることは至極当然だ。

しかし私の知っている日本人で、モデルナ製やファイザー製を接種していながら中国製も接種しているという人は結構いる。それはどうしてなのだろう。

すると医師は「接種歴を隠して中国製を接種したんでしょう」と言う。うーむ、なるほど。そんなことができて大丈夫なのだろうか。ただ、よく考えれば逆も然りだ。日本でワクチンを接種するときも黙っていれば中国製を接種しているかどうかなんて分かりやしない。

別に接種しなくて済むなら私だってわざわざ接種しない。ただ仕事柄、ワクチン接種歴を確認されることがあるのだ。モデルナ製は中国で認可されていないとして接種歴にカウントしてくれないケースがあるらしく、だったら中国製を接種しておこうと思ったわけ。

頭を抱えていると、医師から真剣な顔で「仕事上、ワクチンの接種証明が必要なのかもしれないけど、あなたの命はひとつしかないんですからね」と言われてしまった。うーん、もうちょっと様子を見てみるかなあ。

北京のヘアサロン

日本で最後に髪を切ってから1か月半ほどが経ち、そろそろ切らねばと思い立って美容室に行った。

ただでさえ引っ越し先で初めての美容室を見つけるのは難しいのに、ましてや海外だ。思い出すと学生時代の北京留学も、しばらく行きつけの美容室を決められずに髪伸ばし放題だった。

私の髪の毛は太くて、しかも量が多い。いわゆる剛毛ってやつ。加えて上向きに生えているので、伸びてくると「ぼわっ」とした感じになるのだ。それが嫌で、ハードジェルといった整髪料で「ぼわっ」とならないように抑えつけている。すると「短くすればいいじゃないの」と言われるのだが、これまた髪の毛が元気良いので、角刈りと言うのか、スポーツ刈りと言うのか、とにかくあんな感じになってしまう。人民服を着れば、北朝鮮のニュースに出てきそうな男性の出来上がりだ。スタイリストさんの技術次第で結構な差が出るため、引っ越し後に行きつけの美容室を見つけるまで本当によく悩むのだ。

とは言え、そろそろ切らないと仕事にも支障が出る。

日本人がいるというサロンに電話をして予約しようとすると「今日は予約が全て埋まっていて、中国人スタイリストのみになります」と言う。うーむ、出鼻をくじかれた。けれど次の週末まで待ってはいられない。日本人スタイリストの店にいるなら日本人の髪も切り慣れているだろうと思い、中国人スタイリストの方にお願いすることにした。

いざ店舗に行くと、店員は思った以上に中国人が多い。というより日本人スタイリストが1人いるだけで、おそらく他は中国人だったんじゃないかな。それもみんな日本語が話せないようだ。リーダーみたいな女性が1人いて、日本語の通訳を担っていた。

いざ椅子に座ると、女性が中国人スタイリストの耳元で何かぼそぼそと話している。おそらく「この方は中国語が話せるから要望は直接聞いて」といったことを話していたのだろう。スタイリストさんが正面を向いて、中国語で「どうしますか」と聞いてきた。

人によっては有名人の写真を見せて「こんなふうに切ってください」と言う人もいるのだろうが、私の髪の質じゃ逆立ちしても実現できないのは百も承知なので、そういうことはしない。「大体1か月分くらい切ってほしい、私は比較的髪の伸びる速度は速いほう、刈り上げてもいいけど刈り上げすぎないで、髪の量が多いので多めにすいてほしい」みたいなことを伝えると、スタイリストさんは承知しましたと頷いてくれた。

途中で「もっとすいてほしい」という意味で「長さはこのくらいでいいので、量をもっと少なくして下さい」と伝えたら“更薄一点?”(もっと薄くしますか?)と聞いてきてくれた。中国語で髪をすいて量を少なくすることを「薄くする」と言うようだ。なるほど~。けど「髪の毛を薄くしてください」って、ちょっぴり嫌な響きだ(笑)。

あまり短くはしなかったが、要望通り多めにすいてくれたので頭が結構軽くなった。とりあえずは成功といったところか。これで230元(約4700円)、まあこんなもんだろう。

髪を切り終わってからショッピングモール「ジョイシティ」(“朝阳大悦城”)にあるイオンに行ったら、食品売り場がすっからかんだ。まだ時間は18時前だったので閉店時間には早い。そして“出清”と書いたチラシが至る所に掲げられている。セールと書いてはいるものの、“出清”は在庫処分といった意味だ。どういうことなのだろう。

冷蔵庫もこの通りだ。商品の入れ替え?いや、それにしては規模が大きすぎる。不思議に思い、公式サイトを見てみた。

果たして閉店の案内があった。明日が最終営業日らしい。

ここのイオンは11年前に私が留学していた頃にもお世話になった店。今回の北京赴任で再訪し「まだやっているんだ」と嬉しく思ったのも束の間だ。けれど再訪できただけ良かったのかなあ。

おそらくここのイオンも中国のネット通販の潮流に苦しんだのだろう。こうして日本の誇るスーパーがまた1つ少なくなった。北京にイオンはもう2店舗あるものの、留学時代にもお世話になった店が無くなるのはやはり寂しいなあ。

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