The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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参鶏湯

今日は仕事の関係で韓国の方と食事をしました。

場所は先方が予約してくれた韓国料理の店。ずいぶん若者っぽい雰囲気の店でしたが、味は“正宗”(本格的)とのこと。店名に「参鶏湯」(サムゲタン)とあったので参鶏湯専門店かと思ったら、ほかにもいろんな料理がありました。

で、一通りの料理をいただいたあと、最後に参鶏湯と冷麺を注文。みんなで分け合って食べました。

参鶏湯の「参」って高麗人参のことなんですね。他にもナツメやニンニクが入っていて、これぞ薬膳という感じです。薄味なので食欲のないときにも良いんじゃないかと思いました。ご一緒した韓国の方によると、物足りなければ鶏肉を塩に付けながら食べるのもアリなんだそうです。

参鶏湯って体がポカポカするので何となく冬の食べ物かと思っていたんですが、実は盛夏の“三伏*1に夏バテの疲労回復として食べるほうがポピュラーであるよし。すると、これからがむしろ本番でしょうか。是非また食べに来たいと思います。

References
*11年で最も暑いとされる時期のこと。

豚骨ラーメン

今日は昼食に博多ラーメンをいただきました。

北京は芳草地にある「博多一幸舎」というラーメンのチェーン店です。本店は福岡県福岡市にあり、中国国内でも10店舗余り展開しているそうです。北京には2店舗あり、そのうち1店舗がいつも通っている美容院の近くにあるので、髪を切ったついでに食べに行きました。

ここに来るといつも豚骨ラーメンとミニチャーハンのセットを注文します。

とてもおいしいです。スープに浮かんだ泡が特徴で、日本では「泡系ラーメン」と呼ばれているそう。豚骨スープが吹き出すときに脂が出て、これをかき混ぜて空気を含ませたら泡になるんだそうです。麺も少し硬めなのが噛みごたえあっていいですね。あとチャーハンも好きです。本当に普通のチャーハンなんですが、街の中華料理屋さんにありそうな味。チャーハンの本場は中国ですけど、中国でこんなチャーハンに出会ったことはありません。こういう味のチャーハンはもはや日本食なんでしょうね。ただスープがこんなに塩辛かったかしら。思わず途中で水を足してしまいました。

中国の人もよく日本のラーメンは塩辛すぎると言います。こちらの店では注文でスープを選ぶ際「薄め」と「普通」から選ぶんですけど、中国語ではそれぞれ“标准”(普通)と“咸味”(塩辛い)と訳されていました。私は日本語だと「普通」のスープを注文したのですが、つまり中国語では“咸味”(塩辛い)を注文していたことになります。隣でラーメンを食べていた女性も店員に「なんでこんなに塩辛いの」と尋ねていました。

ちなみに中国で豚骨ラーメンというと「味千ラーメン」*1が有名です。ただ、これが本当においしくない。スープは水っぽくてコクがありません。麺もまるでコンニャクのようです。だのに中国では大人気の一大チェーンで、どの店も昼時は大混雑しています。豚骨ラーメンって「こってり」が命なのに、こんな豚骨ラーメンをおいしいおいしいと言って食べているのが何だか不憫でなりませんでした(余計なお世話ですね)。ただ今日のスープを飲んで、もしかすると中国の人たちには味千ラーメンくらいの薄味がいいのかもしれないと思っちゃいました。

昼食後、娘とショッピングモールの中を散歩しました。まだ歩行が少しおぼつかないので、手を繋いであげると私の人差し指を固く握ってくれました。しばらくすると娘のほうから引っ張るくらいの勢いでテクテク歩きます。まるで私が娘に先導されているようです。今は私たちが娘を連れていますが、いつか私たちのほうが引っ張られる側になり、娘のほうが私たちの前を歩いて新たな時代を切り開いていくのかな……なんて、センチメンタルな気持ちになってしまいました。

References
*1日本ではあまり知られていませんが、中国では知らない人はいないというくらいのラーメンチェーン。発祥は熊本県らしいですが、その実、中国の企業が商標代理権を得て展開している、事実上は中国のラーメンチェーンです。

初めての貴州料理

今日は土曜日でしたが休日当番ということで出勤しました。

先輩も休日出勤で職場に来ていたので、昼食は一緒に近所のレストランに行きました。私は初めて行く店で、聞くと貴州料理とのこと。貴州料理なんて食べたこともなければ、想像も付きません。そもそも貴州にも行ったことがないのです、私。

で、結果的にドンピシャ。ちょっと辛めの料理が多いんですが、酸味があるのです。酸っぱい味が好きな私にはドストライクの味でした。東南アジア料理が好きな人ならきっと気に入ると思います。この酸味は貴州料理の大きな特徴で、現地では“三天不吃酸,走路打蹿蹿”(3日酸っぱいものを食べないと、歩く足がおぼつかなくなる)という民謡が歌われるほどなんだそうです。

こちらは“丝娃娃”(スーワーワ)という料理。写真のように様々な野菜が小鉢に入って運ばれてきて、これを小さな春巻きの皮で包みます。で、酸っぱ辛いスープに浸していただきます。このスープはレモングラスの香りが強く、まさにトムヤムクンみたいな感じ。自分で包むのもまるで手巻き寿司のようで楽しいです。

ほかにも豚肉の載った魯肉飯みたいな丼料理“猪肘饭”や、トムヤムクン風のスープに麺の入った“酸辣面”などを注文し、シェアしていただきました。

店内も小洒落たカフェみたいな雰囲気で、中華料理のレストランっぽくありません。

お店の名前は“席上喳喳”、日本語にすると「席の上でピーチクパーチク」という変わった名前です。調べてみると北京の前門にもう1店舗あり、こちらが本店のようです。そちらの店舗入口には大きな木があり、その木に停まる鳥たちが元気よく鳴く様子から名付けられた店名なんだそう。いいですね、今度は前門の本店のほうにも行ってみたいと思います。

中国の東北料理

仕事で付き合いのある中国東北部出身の友人が食事に誘ってくれ、東北料理の店に行きました。彼曰く「東北人の私が食べてもおいしいと感じる店です」とのこと。わあ、楽しみ。「金掌勺東北菜」という店で、北京を始め、天津にも店舗があるチェーンのようです。

酸菜が食べたいという私のリクエストに応えて注文してくれた料理「東北殺猪菜」、写真右側の料理です。「殺猪菜」=豚を殺した料理とは何とも物騒な名前ですが、中国の東北地方では故郷の味として親しまれているそうです。中国語で「猪」はイノシシではなくブタのことを指します。

鍋には豚肉と酸菜、それに豚の血を固めた「血腸」が入っていて、これらをニンニクを溶かした醤油につけていただきます。うーん、酸菜の「すっぱい」感じと、つけダレの「濃い」ニンニク風味がたまりません。酸菜のおかげか、豚肉も全く脂っこく感じません。かつての農村で豚肉はごちそうだったんでしょうね。お祝い事のときには一家で育てた豚をつぶして特別な料理を作った。そんな東北の風俗が「殺猪菜」という料理名から感じられます。

写真左側の料理は「鍋包肉」、日本語でいえば豚肉の天ぷら甘酢餡かけといったところでしょうか。豚肉の薄切り肉を揚げたもので、衣がサクサクでした。おいしかったですが、ちょっと私には甘すぎたかな。これをポン酢やおろし醤油で食べたらおいしいだろうな、なんて不謹慎なことを考えてしまいました。

こちらは「烤冷麺」という東北地方のB級グルメ。料理名は日本語に直訳すると「焼いた冷麺」、焼いているけど冷たい麺とはややこしい名前です。そもそも麺なの?と思っちゃいますが、これは麺なんだそう。けれど食べたら確かに麺っぽいです。ツルツルとすすることはできないけれど、モチモチしています。ウインナーやタマゴといった具が入っていて、ピリ辛なソースで味付けされていました。屋台にありそうな味付けです。

ちなみにこちらの店では料理注文の際、テーブルに砂時計が置かれます。砂が落ちきらないうちに料理を提供するのがルールなんだそうで、落ちきった後に運ばれてきた料理は無料になるんだそうです。早く提供してくれる分にはありがたいですが、こういうのがまた“内卷”*1を加速させるんじゃないかと心配してしまうのは私だけかしらん。少しくらい遅くても構わないので、おいしくて安全安心な料理を提供してくれるのが一番です。あ、こちらのお店、もちろん味はよかったですよ。

References
*1中国の現代社会を表したインターネットスラング。競争が競争を招き、みんながどんどん疲弊していく状況を表す言葉。

香港旅行3日目

香港旅行3日目、昼過ぎには北京に戻る飛行機に乗るので香港で過ごせるのは実質半日です。

宿泊した尖沙咀(チムサーチョイ)のホテルから歩いて数分のところにブルース・リーのブロンズ像があるようなので、チェックアウトをしてから向かってみました。

ビクトリアハーバー沿いにあることは知っていたのですが来たのは初めてです。人間の身長より少し大きいくらいの像が立っていて、何人かの人が写真撮影をしていたので、場所はすぐ分かりました。私の父がそうですけど、香港というとブルース・リーを連想する人は多いですね。私なんかは世代的に香港というとジャッキー・チェンの印象が強いですが。

ホテルをチェックアウトした後でスーツケースをゴロゴロ転がしながら来たので、大汗をかきました。まだ4月ですが、香港はすでに初夏の陽気です。北京と違って湿気があるので、体感温度は高めかもしれません。

その後、朝食をいただきに油麻地(ヤウマーテイ)に向かいました。目指すのはネイザンロード沿いにある“紅茶冰室”という茶餐庁*1です。行列ができるほど有名だというので、Googleマップを頼りに向かってみました。すると……あれ?確かに地図には“紅茶冰室”とあるのに、目の前にある店は“彌敦冰室”と書いてあります。行列ができているようにも見えないし、もしや店が変わっちゃったのかしら。しばしガックリして途方に暮れるも、まあ、こちらの店もモーニングセットがあるようだったので入店することにしました。

ガラス戸の入口にはメニューが大量に貼られていて、中に入るまで店内の様子が分かりませんでした。けれど結構な客が入っていたので、少なくともハズレの店ではなさそうです。メニューを見ると、とにかくものすごい品数。地元の広東料理だけでなく、サンドイッチやトーストといった洋風の料理も用意されていました。なるほど、これが「茶餐庁」なわけですね。

やはり地元っぽいものを食べようと、私は麺とトースト・スクランブルエッグのセットを注文しました。和洋折衷ならぬ“華”洋折衷といったところでしょうか。イギリスに統治されていた香港らしい組み合わせです。

私の注文した麺は“榨菜肉絲麵”、ザーサイと細切りにした肉が上にのったものです。麺は3香港ドル(約50円)追加して出前一丁に変更しました。出前一丁といえば日本発祥の即席麺ですが、香港では本当によく食べられています。スープは濃すぎず、けれど味がしっかりしみていておいしかったです。そして何と言ってもトーストがサクサク。こんなにおいしいトーストは久しぶりに食べました。少なくとも北京では食べたことがありません。

妻が注文したのはこちら“雪菜肉絲麵”、高菜と肉の細切りがのった麺です。妻は麺を出前一丁にしなかったので米粉*2です。

当初目指していた店とは違う茶餐庁に入りましたが、結果的に正解でした。おいしいのに値段はリーズナブル。店員さんも気持ちがいい人ばかりで、娘のことを何度も“乖孩子”(いい子)と言ってくれました(^^)。お店に入る前は「期待しない方がいい」などと値踏みしてしまって、ごめんなさい。

こちらの店、“彌敦冰室”と言う店名の通り、ネイザンロード(“彌敦道”)に面しています。相変わらずネイザンロードは人通りが多くて賑やかでしたが、看板が皆無になったのはやはり寂しいですね。あれこそ香港の象徴だったのに。貴重な観光資源だったと思うんですけどねえ。老朽化が原因なら、新たに作ることはできないんでしょうか。

もちろん、私のような外部の人間が古き良き香港を懐かしみ、変化を拒もうとするのはお門違いでしょう。香港に住む現地の人たちにこそ、香港の将来を決める権利があります。けれど香港に魅せられ、香港を訪れる外国人には私と同じような気持ちを持っている人が結構いるのではないかと思うのです。変わるべきところは変わっていくべきだと思いますが、これからも是非「香港らしさ」を留めてくれればと願ってやみません。

References
*1茶餐庁というのは香港を始め、マカオや中国南部の広東省で見られる喫茶と軽食を兼ねた飲食店です。学生が朝食や夜食をとったり、ビジネスマンが昼食をとったり、あるいは近所の人たちがお茶をしたり。もっとも「香港らしい食文化」と言われています。
*2米から作った麺のこと。
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