The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2022年11月 (1ページ目 (6ページ中))

江沢民元国家主席死去

夕方になって、江沢民元国家主席が死去したとのニュース。

江沢民元主席は同じく今年亡くなったイギリスのエリザベス女王と同い年、享年96。鄧小平の改革開放を引き継ぎ、1997年には香港返還、2001年にはWTO=世界貿易機関加盟を果たすなど、その業績も多い。中国中央テレビは特別番組を放送して、その死を伝えていた。

ちなみに江沢民元主席は私が留学していた11年前にも一度死んでいる。というのが、世界中で「江沢民死去」の情報が流れたのだ。当時の産経新聞は号外まで出して伝える大誤報ぶり。その後も何度か亡くなったという情報が流れることがあったが、今回は本当に亡くなったのだ。

私が中国語を学び始めたのが2002年だったので、ちょうど共産党総書記や国家主席の座が江沢民から胡錦涛に引き継がれる頃だった。当時の中国は経済成長がぐんぐん進んでいた頃で、そうした時期を思い出して懐かしむ人もいるだろう。ましてや「ゼロコロナ」政策で経済が大打撃を受けている最中。抗議活動に参加した人たちはどんなことを思うのだろう。

 

マンションに陽性者が確認されました

今日の北京は驚くほど寒い。それも突然だ。天気予報を見てみると、最高気温でもマイナス5度で、最低気温に至ってはマイナス9度だ。もちろん留学時代に北京の冬は経験しているけれど、それでも「不意を突かれた」感じ。職場の中国人スタッフに「今日はびっくりするほど寒いですね」と話したら「これが正常です」と返されてしまった。

昨日、マンションから通知が届いて以降、今日の日中に新たなメッセージが届いた。

当マンションにて新型コロナウイルス感染者が確認されました。感染の蔓延を抑え込むため、全ての皆様に健康観察を実施していただきます。発熱、咳、倦怠感、味覚や嗅覚の異常、鼻づまり、鼻水、結膜炎、体の痛み、下痢といった症状が出た方は、すぐにフロントまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。

なんと、うちのマンションの住民が陽性だったのだ。これで私が今日帰宅したら、当分出られなくなるのだろうか。そもそも「健康観察」って何だ。マンションのフロントに電話をした。

すると「いつも通り過ごし、いつも通りPCR検査を受けていただければ結構です」と言う。「自由に出られるのですか、明日の出勤は問題ないんですか」と聞くと「はい、構いません」とのこと。思わずあっけにとられてしまった。よそでは1人感染者が出るだけで、広いエリアをまるまる封鎖する場所もあるというのに。週末の抗議活動を受けて、少し緩和されたのだろうか。

帰宅すると「小藍」が今日も出迎えてくれた。

この「小藍」、当局の防疫部門から派遣された人なのかと思っていたが、よく見てみるとうちのマンションのスタッフさんだ。昨日の方には少々ぶっきらぼうな態度をしてしまったかもしれない。ごめんなさい。私が「今日はとても寒いですね、どうもご苦労様です」と話しかけると「とんでもないです、お帰りなさいませ」と笑顔で答えてくれた。

感染者が出ても、どこまで封鎖するのかは場所によって基準が違うのだろう。私のところは緩く、逆に厳しいところはとても厳しいんだろうなあ。中央の「ゼロコロナ」政策の意向を受け、末端が勝手にいろいろ厳しくして規制に規制が重なる……まさに“层层加码*1だ。

明日も仕事には影響ないということでホッとはしたものの、そうでない人もいることを思うと何とも言えぬ複雑な気持ちになる。

References
*1ある政策や規則を実行する際に、規制が幾重にも重なって厳しくなること。

自宅に現れた「小藍」

職場にいたところ、住んでいるマンションからメッセージが届いた。

当マンション居住者のPCR検査の結果に「異常」が確認され、現在確認作業を行っております。これに伴い○階の連絡通路は封鎖措置となりました。慌てることなく、ご自宅にて最新情報をお待ちいただきますようお願い申し上げます。

PCR検査結果の「異常」とは何か。

現在、中国ではPCR検査を「十混一」という方法で行っている。毎日膨大な人がPCR検査を受けていて費用面がばかにならないため、10人の検体を1つにまとめて検査しているのだ。

10人みんなが陰性なら問題ない。しかし陽性となれば問題は別……というのが10人のうち誰が陽性か分からないからだ。この場合、10人の検査結果に「異常」が表示されることになっている。「異常」と表示された10人は追加検査を受けることになる。

このマンションの通知を見るに、住民に「異常」が表示された人がいるということだ。その人が陰性だったら問題ないが、まずいのは陽性だったとき。おそらく私のマンションも封鎖になってしまうだろう。そもそも今の段階で帰宅しても大丈夫なのだろうか。もしや“只进不出”(入ることはできるが、出ることはできない)なんてことにはならないか。

いざ帰宅すると、いつもは人がいない場所に「小藍」*1がいた。いよいよ「入ったら出られませんよ」なんて脅されるのかと思ったが、何も言われず。

エレベーターに乗ると、水をぶちまけたかのように濡れていた。おそらく消毒液をまいたのだろう。私が留守の間に部屋の中まで入られて何かまかれていたらと心配したが、それはなかった。

明日は無事に出勤できるのだろうか。ご自宅にて最新情報をお待ちいただきますよう……ったって、いつまで待てば良いのだろう。何も言われていないから、今はまだ出られるんだろうけど。

いよいよ自分の目の前まで迫ってきている感じがする。

References
*1中国では青い防護服を着た人たちのことを「小藍」(シャオラン)という愛称で呼んでいる。ちなみに白い防護服を着た人たちは「大白」(ターパイ)。

「ゼロコロナ」政策の限界

昼間、ツイッターを見ていると上海で行われているらしい抗議活動の映像がぽつぽつ流れてきた。中国政府の「ゼロコロナ」政策*1に異を唱える人たちの集まりのようだ。

ここ数日、中国では新型コロナウイルスの感染者が過去最多を更新し続けている。陽性者が1人でも確認されると、その人が住んでいるマンションは1棟まるまる封鎖されるなど厳しい措置がとられている。特に上海は今年春に厳しい外出制限を経験していることもあって、市民は当時の記憶がフラッシュバックするのだろう。

しかし、抗議活動の様子がどうやらおかしい。どんどんエスカレートし、人々は「ゼロコロナ」政策だけでなく、政府にまで批判の矛先を向け始めているのだ。中国では厳しい言論統制が敷かれていて、これだけ大勢の人が街なかで政府を批判するなんて聞いたことがない。

そして、抗議活動は果たして北京でも起きた。

場所は日本大使館や日本人学校があることから日本人も多く住む「亮馬橋」だ。上海のように政府批判こそ起きなかったものの、深夜にもかかわらず数百人という人が集まって政府の「ゼロコロナ」政策に異を唱えた。政府のお膝元である北京でこうした抗議活動が起きるのは極めて異例だ。

それだけ人々の生活が限界に達しつつあるのだろう。

これまでの中国で「民主化」は最大の関心事になりえなかった。だって「民主化」しなくても、中国は発展できたんだもの。むしろ民主的に政府を選んでいるアメリカや日本のほうが経済は停滞し、それを見て「共産党のほうが良いのかも」と思う中国人がいたとしても無理はない。

確かに共産党の一党支配のもとで、窮屈に感じる場面はあるかもしれない。しかし、この国で声を上げれば多くを失う。牢屋で冷たいごはんを食べるくらいなら、少しくらい不自由でも自分の家で温かいごはんを食べたい、多くはそちらを選ぶだろう。みんなまず自分の暮らしが一番大切なのだ。

しかし新型コロナウイルスが全てを変えてしまった。

仕事を失い、金を失い、なかには大切な誰かを失った人もいる。当初は本当にウイルスが原因だったかもしれない。しかし今は「ゼロコロナ」政策による弊害のほうが圧倒的に大きいのだ。自分暮らしが保障されなくなった今、批判の矛先が政府に向かうのは想像に難くない。

今回の出来事を目の当たりにして、中国の人々の底力を見たような思いがした。私も同じ環境下に暮らしているから彼らの気持ちはよく分かる。しかしいざとなれば逃げ帰る国がある私とは立場がまるで違う。彼らは決死の覚悟なのだ。とても「分かる」なんて言ってはいけないような気がした。

中国政府が「ゼロコロナ」政策をやめることはないだろう。これだけ「看板政策」として掲げてきた以上、突然やめたら示しが付かないからだ。その一方で、政策が続けられる限り、人々の不満や憤りはマグマのようにたまっていくだろう。

References
*1厳しい行動制限を伴い、徹底的に感染を抑え込む中国政府の新型コロナウイルス対策。

越光米

先日購入した米が残りわずかになってきたので、同じものを再度購入し配送してもらおうとしたところ当時利用した店舗が臨時休業していた。感染防止対策で今はどこも店を閉めているもんなあ。仕方ないので営業している別店舗で探してみることに。

見つけたのが「越光米」という商品名の米。前回とは違う商品だ。名前だけ見れば「コシヒカリ」だが、本当にそうなのだろうか。まあ、違ったとしても米は米だし……と、購入してみた。

届いたのがこちら。遼寧省の丹東*1で生産されたらしい。大きな字で「越光米」と書いてあるが、不安なのは「日本」という文字がどこにも書かれていないことだ。前に購入した米は「中国産の、日本のコシヒカリ品種」とはっきり書かれていた。

味は果たしてどうだろう。また追って報告いたします、はい。

 

References
*1中国東北部に位置し、北朝鮮との国境沿いの街として知られている。
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