The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2023年2月 (1ページ目 (3ページ中))

えらく違う

夜に仕事関係で日本人のお偉い方と食事。

ここ最近、基本的に仕事で付き合いがあるのは中国の人ばかりだったので、日本の人と会うと雰囲気がえらく違う。場所もちょっぴり雰囲気の良い和食料理店だったので、それがまた一層堅苦しくさせる。こういうやんごとなき方々もお酒が入ってくると打ち解けてくるものだが、今日の方は全くお酒を飲まない方で終始お堅い感じ。

テーブルにはおいしそうな料理がたくさん並んでいたけど、ガツガツ……という雰囲気でもなく、ああ、もったいなかったなあ。いや、仕事なんだけどね。言葉遣いも気にし出すと日本語って本当に難しい。中国人とやり取りしているほうがよっぽど楽だなあと感じた*1

References
*1もちろん中国語にも敬語表現はあるし、中国人が対人関係に敬意を払わないわけではないけれど。

北京で朝食を

今日は朝早い出勤。午前5時に起床し、6時前には家を出た。

朝イチで仕事があったからで、午前7時半頃には少し落ち着いたところ、先輩が「朝食の出前を取るけど、一緒に頼む?」と聞いて来てくれたので、私も便乗していただくことにした。

私はあまり朝食を食べない。もともとは「朝食を食べるくらいなら、もうしばらく寝ていたい」という何とも怠惰な理由だったが、そんな生活を続けていると、いざ朝食を食べた日にはお腹いっぱいになって昼になってもお腹が減らないのだ。会社勤めをしていると同僚とランチに出ることもあるし、削るなら朝食……?なんて思っちゃう。

けど、朝は朝にしか食べられないものがあるんだよねえ。特にアジアは中国に限らず、実に魅力的な選択肢がある。早朝から個人経営の小さな店や、あるいはチェーン展開の店まで、さまざまな朝食を提供している。出勤途中、会社近くの道ばたでトラックの荷台を調理台にして作っている“煎餅馃子*1なんておいしそうなにおいが漂っていて食欲をそそる。一方、日本は外で朝食を食べる文化がない。喫茶店のモーニングや松屋の朝食セットくらい?ましてや屋台なんて皆無。まあ警察や保健所の規制も厳しいんだろうけど、外国から来た旅行客や留学生は物足りないかもしれないなあ。

閑話休題。

今朝は中国の朝食の定番“小笼包*2と“豆腐脑*3をいただいた。“小笼包”は10個ほど入ったセットを先輩と半分に分けた。これと“豆腐脑”を1人1つ頼んで、計13元(約260円)。

いやあ、おいしい。北京をはじめ、中国北方の“豆腐脑”は豆腐の中にキクラゲ、シイタケ、ねぎなどの具が入っていて塩気がある。一方、中国の南に行くと黒蜜などをかける、甘い“豆腐脑”になる。甘い食事がそこまで好きでない私としては、北方の“豆腐脑”のが好き。

References
*1中国式クレープとも言うべき料理。
*2ショーロンポー。
*3おぼろ豆腐みたいなのに醤油味のあんがかかった食べ物。

中国の海底撈に行った

中国から日本に送りたいものがあり、郵便局に向かう。

大して混んでいたわけではないものの、私の前に並んでいた人たちがあれやこれや小包を送る人たちで、その割に作業をする郵便局員は2人しかいなかったのでえらく時間がかかった。

私のひとつ前に並んでいた人はビニール袋に大量に入れた服を持ってきていて、これを送りたいという。その場で局員が一着一着、服を畳んで段ボール箱に詰めていく。私からすると「そんなこと事前に家でしてきなさいよ。郵便局員は衣服を畳むのが仕事じゃないんだから」と思ってしまうが、中国では「それ」も局員の仕事なのだろう。あとから来る人たちも悉く「物品」のみを持ってきて、それを局員に段ボール箱に詰めさせるのだ。

郵便局員は決して要領が悪いわけではない。むしろテキパキしていて、作業に無駄がないといった感じだが、客がこんな感じなので私たちの順番まで結構待たされた。

いざ順番が来てからはあっという間だ。局員の女性は手際よく私たちが日本に出したいエアメール1通1通の重さを量り、差出人の欄などきちんと記入されているか確かめ、1通7元(約140円)だと教えてくれた。私はそれをスマートフォンの電子決済で支払いして終わり。なんと、このエアメールはたった140円で中国から日本へ旅できるんだなあ。

夜は西単にある「海底撈火鍋」に行った。日本で池袋の「海底撈」に行ったことがあるが、中国で来たのは初めてだ。いざ行くと待ち時間が1時間以上。ただ人気店なこともあって週末の「海底撈」で待ち時間が1、2時間なんてざらだと聞くし、とりあえず入ってみることにとした。

「海底撈」はそのアトラクション性というか、ホスピタリティの高さが有名で、待ち時間も退屈しないようにお菓子が用意してあったり、店員さんが「酸梅湯」*1を持ってきてくれたりとサービスが良い。しかし、確かに待ち時間は1時間余りかかり、正直待ちくたびれてしまった。

鍋は2つのスープが楽しめる“鸳鸯火锅”にした。ちなみに右側のスープは辛そうな「麻辣スープ」に見えるけど、実はトマトスープ。最初は物珍しいし食べていておいしかったけど、そのうち飽きてしまった。やはり中国の火鍋は「麻辣スープ」と「白湯スープ」だなあと反省。具材は羊肉をはじめ、娃娃菜やら、冬瓜やら、凍豆腐やら、豆苗やら、それに野菜やキノコ類をど〜んとアラカルトで頼む。タレはセルフサービスで取り放題なので、“芝麻酱*2の上に香菜、ねぎ、そしてにんにくのみじん切りとごま油をたっぷりかけていただいた。

いざ鍋をつついていると、そこらの卓から歌が聞こえてくる。どうやら誕生日の客がいると、店員が歌を歌ってお祝いしてくれるらしい。最初は微笑ましく見ていたが、これが後に店内のあらゆる場所で同時多発的に起きる。ほ、本当にみんな誕生日なの?大音量で歌が流れ、手拍子しながら「ウォー」なんて喜ぶ声も。2組目くらいまでは良かったけど、ちょっとそれ以降はやかましいと思うようになってしまった(おっと、失礼)。

味も悪くないし、いろんな食材があって楽しかったけど、ちょーっと私には騒がしかったかな。大学生くらいはこのノリがちょうどいいのかもしれないけど、私はもう少し静かに食事をいただきたい。初めてだったので良い経験にはなったけど、まあ、とりあえずしばらくは良いかな(笑)。

References
*1梅をはじめとする漢方で作られた、甘酸っぱい味がする薬剤ドリンク。
*2ゴマダレ。

スウェーデン料理

午後から北京は四元橋にあるイケアに行った。北京に来て間もない頃に西紅門にある郊外のイケアに行ったが、今回行ったのはそれと別にあるところ。

北京のイケア
ここ数週間かかえていた大きな仕事を終え、今日はお休みをもらった。朝はのんびり起床。普段なら罪悪感を感じる二度寝もひと仕事を終えた後だと正当化できて気持ちが良い。特にここ最近は朝が早かったり夜が遅かったりしたので、睡眠不足が一気に解消した。家が入居した時点から何も変わっていなかったため、いろいろと買いそろえようと午後から北京郊外にあるイケアに行った。向かったのは大興区西紅門にある“北京荟聚”というショッピングモール。ずいぶん大きなモールだったが、人は少なめかな。とは言え中心部から結構離れた郊外に...

四元橋のイケアは地下鉄やバスといった公共交通機関で行くには頗る不便な場所だ。まあ、日本でもイケアといえば自家用車で行かなければ不便な場所が多いか。家から15分ほどの距離だったので、タクシーで行くことにした。

週末だけあって激しい混みようだった。まずは昼食でも……とレストランに行ったら、これも席の取り合い。時間は午後2時を回っていたが、昼食を食べようという人でまだまだ賑わっていた。

私がいただいたのはイケアでおなじみ、ミートボール。妻はサーモンをいただき、2人揃ってスウェーデン料理の代表選手をいただいた。あまり詳しくなかったんだけど、スウェーデンのミートボールはマッシュポテトとコケモモ(リンゴンベリー)のジャムが付いてくるのが定番らしい。あまり甘い食事が好きではない私としてはコケモモのジャムに「うーん」と感じたが、ミートボール自体はおいしかった。マッシュポテトもおいしかったし、ビールがあったら進むだろうなという感じ。

肝心な買い物のほうは、あまりにも人が多くて物欲も失せるほどだったというか、回るだけで疲れてしまった。あれこれ買おうとは思っていたものの、何か思っていたのと少し違ったということもあり「わざわざ買わなくていいんじゃない?」なんて結論に至り、結局買ったのは小物数点。

本当に「そんな中国語は使わない」のか

ツイッターを見ていると「教科書のウソ」と称して「こんな中国語は見たことがない」と紹介するツイートが流れてきた。

このツイートが言っているのは「“便宜一点儿”(安くしてください)なんて中国語、日常では使わない」ということなんだろうけど、こういう中国語ネイティブでもない日本人が「そんな中国語を使う人を見たことがない」とか、ましてや「教科書のウソ」とまで断じてしまう拙速な主張を目にする度にため息が出る。

自分もノンネイティブであることを棚上げして言わせてもらえば“便宜一点儿”(安くしてください)という表現は今でも日常的に使うし、耳にする。例えば、中国版メルカリの“闲鱼”を見てみると“可以再便宜一点吗?”(もうちょっと安くなりませんか)というやり取りをそこら中で目にする。

「都心部でほぼ見かけたことがない」というのは、あくまで都市部で「値切る」場面が少なくなっているだけだろう。例えばスーパーで「安くしてください」なんて、今や中国でも普通は言わない。でも、それは「安くしてください」という中国語を使わなくなっているかどうかとは別問題だ。それに、ツイートで代わりに紹介されている“有优惠吗?”という表現も、本来は「(キャンペーンなど)優遇はありますか?」という意味。売る側がその場で決めた値下げも含まれるかもしれないが「安くしてください」というニュアンスとは少々異なる。

ちなみに今回に限らず、ネイティブの中国人にも「そんな中国語は使いません」「そんなふうには言わない」と勇ましく主張する人はよくいる。中国は国土が広いので、ひと言に「中国語」と言っても地域で差が大きく、質問して返ってくる答えは千差万別なのだ。複数のネイティブに中国語に関する質問をすると、出身地によって「Aが正しい」「いや、違う、Bのほうが正しい」みたいなことになり、そのうちネイティブ同士で言い合い始めて、私の方が置いてけぼりになることもままある。しかしそれはどちらが正しいとかいう問題ではなく、往々にして地域による差に過ぎないのだ*1

私たちの何十倍も「中国語」に接しているネイティブでさえこんな感じで、それほど言語とは多様で複雑。それをノンネイティブがいとも簡単に否定してしまうことが、いかに拙速かは想像がつく。

まあ気持ちは分かるけどね、言うなら「そういう中国語を使う人もいるかもしれないけど、私は使わない」くらいかな。言語にはとにかく謙虚さが大切だと思う。

References
*1私は中国語に関する質問をするときは、基本的に北方の出身者に聞くようにしている(もちろん南方の中国語を否定しているわけではなく、自分の軸を北方に置いておきたいという意味で)。

日本語と韓国語の共通性

お昼に仕事で付き合いのある韓国の方と食事をご一緒する。この方が韓国に帰国されることが決まり、後任の方を紹介してくれたのだ。例によって我々がやり取りする言語は中国語。日本語でなければ韓国語でもない。思えば、中国語が母語でない者同士が中国語で会話するとは興味深い体験だ。

興味深かったのが、韓国の方が“休职”という言葉を使ったことだ。読んで字の如く「休職」と言いたいのだろう。しかし辞書を引くと分かるが、中国語に“休职”(休職)という言葉はない。いや「ない」ことはないかもしれない。耳で聞けば「職を休むのだな」ということは中国人にも分かるだろう。しかし意味としては、悪いことをして「休まされる」といったニュアンスに感じる人が多いんじゃないかな。日本語でいうところの「停職」といった感じ。

そういう意味では、日本語の「休職」は別に悪いことをした場合に限らないし、むしろ権利として職を休むことを指す。

きゅうしょく【休職】
公務員や会社員がその身分・資格を保ったまま一定期間職務を休むこと。

明鏡国語辞典(大修館書店)

ちなみに韓国語では「休職」のことを“휴직”(ヒュージッ)と言う。漢字で書くと「休職」だ。意味は日本語と全く同じで、おそらく今日ご一緒した韓国の方は韓国語の「休職」をそのまま中国語で発音して“休职”と言ったのだろう。日本語と韓国語の「休職」は、正しくは中国語で“停薪留职”と言う。意味としては「給料を停止し職を留める」。ちょーっと、まどろっこしい。

漢字語を見ると、日本語と韓国語には共通した語彙が多い一方、中国語は独特なものが多い。

例えば「作動」という漢字語。韓国語でも“작동”(作動)と言い、日本語で「作動する」と言う場面はほぼそれで置き換えられる。

  • 機械が作動する=기계가 작동하다/キゲ(械)ガ チャックドン(作動)ハダ
  • 防犯カメラ作動中=방범카메라 작동중/バンボム(防犯)カメラ チャックドンジュン(作動中
  • 誤作動오작동/オーチャックドン(誤作動

中国語には「作動」という言葉がない。直接漢字で“作动”と言っても通じず、それぞれのパターンで言い換える必要がある。

  • 機械が作動する=机器启动了(機器が起動した)
  • 防犯カメラ作動中=您已进入监控范围(あなたは監視エリアにいます)
  • 誤作動=失误(ミス)、错误操作(操作ミス)、误动作(誤動作)

つまり日本人と韓国人が中国語で会話しようとするとお互いの言語にはそれぞれ共通の語彙が存在するのに、中国語では訳し分ける必要があるのだ。この点、日本人と韓国人が中国語で会話しているのに、中国人だけ「ん?どういう意味?」となったら面白いだろうなあ。

シャンシャン中国へ

今日、上野動物園で生まれ育ったジャイアントパンダの「シャンシャン」が中国に返還された。朝から日本での報道ぶりはすごいし、何なら中国での関心も高い。シャンシャンが大勢のファンが見送れながら上野動物園を出発する様子が伝えられると、中国版ツイッター「ウェイボー」では“日本人有多舍不得中国大熊猫香香”(日本人がどれほど中国ジャイアントパンダ、シャンシャンとの別れを惜しんでいるか)というハッシュタグが出回ったほど。

「ウェイボー」には「日本の皆さん、これまでシャンシャンを愛してくれてありがとう」と感謝する言葉や「シャンシャンは中国語を理解できるのかな」なんて投稿も。中国政府が相手国との「友好」のシンボルとしてパンダを貸し出すやり方は「パンダ外交」なんて言われているけど、日本と中国の友好促進に繋がっているのはあながち間違いでもなさそう。

ちなみに「シャンシャン」で思い出すのは、中国外務省記者会見での騒動。まあ、騒動というほどのものではない、ほほえましいハプニングだけど。

2017年12月の中国外務省の記者会見での出来事。日本人記者が当時上野動物園で「シャンシャン」が一般公開されたことについて質問したところ、華春瑩報道官が厳しい表情で回答。

我们希望日方与中方能够相向而行,按照中日之间的四点原则共识和四个联合的文件,来妥善处理好有关的问题。

我々は日本側が中国と向かい合い、両国間の4点の共通認識と4つの共同文書に則って関連する問題を適切に処理することを望みます。

あまりに的外れ(?)な回答に会場は一瞬シーンと凍り付く。すると別の中国人記者が「ジャイアントパンダのシャンシャンのことですけど」と聞くと、華報道官は「あ、そのシャンシャンのこと?私はてっきり……」と我慢できずに笑顔がこぼれていた。

原因は華報道官がシャンシャンを当時の外務省の杉山外務次官と勘違いしたため。中国語発音では「杉山」を[Shānshān](シャンシャン)と発音する。実際の中国語では、シャンシャン(香香)を[Xiāngxiang](シアンシアン)と発音し「杉山」とは少々異なるので、中国人が質問していれば聞き間違えなかったかもしれない。

救急病院

妻が37.7度の発熱。日本にいた頃から新型コロナウイルスに感染したことがないので、ついに……と覚悟し、棚の奥から抗原検査キットを取りだし検査してみた。しかし、結果は陰性。いやいや、抗原検査はPCR検査に比べて精度が劣るなんて話も聞いたことがあるので、私も万一を考え、在宅勤務をさせてもらうことにした。

夕方になって熱を測ると39.5度に。再度抗原検査をするも陰性。これはもしや……と思い、病院に行くことにした。

向かったのは海外保険が使える、主に外国人などが利用する病院。常時英語の通訳がいるほか、時間によっては日本語でも対応してくれるようで、私たちが到着したのは午後7時だったけれど日本語通訳がいた。ただ失礼ながらあまり日本語がお上手ではないというか、訳してもらっているとまどろっこしくて、結局私が直接やりとりすることに。

診察は物腰が柔らかで、かつテキパキとしていて、問診も非常にスマート。血圧を測りながら「症状は?アレルギーは?飲んだ薬は?」と質問が矢継ぎ早に質問が飛んできて、医師にバトンタッチすると、のど、耳、鼻の検査、聴診の次は触診、血液検査のために採血をして……と無駄がない。

しばらく病室で待っていると、医師が診断書を持って戻って来た。結果……果たしてインフルエンザA型だった。聞くと、北京で今流行っているらしい。タミフル、解熱剤(イブプロフェン)、トローチを処方してくれることになった。

私が「あの……私は出勤できるんでしょうか」と恐る恐る聞くと「あなたにもタミフルを処方するから予防として飲みなさい」と言う。妻は1日2回服用するところ、私は1日1回らしい。予防でタミフルを服用するなんて聞いたことがなかったけれど、日本で予防投与は保険対象外(自費)だかららしい。私もいただけるなら、ということで処方してもらうことにした。

しかし、油断して自分の保険証書を持ってきていなかった。

受付で「保険証書がないと処方は無理ですよね」と聞くと「処方はできますよ。自費になりますが」と言う。いくらか尋ねると「1000元くらいですかね」。せ、1000元!(約20000円)。保険証書さえあれば自己負担なしでもらえるのに、2万円はちょっと……翌日改めて来てもいいですか、なんてやりとりをしていると、隣から女性の看護師が「あとから写しを送ってもらえばいいじゃない、どうせ私たちの手元で保管するのも写しなんだから」と受付のスタッフに言ってくれ、晴れて私も後から証書をスキャンしたデータを送るという約束付きで処方してもらえることになった。

何から何までスムーズで(おまけに融通も利くし)感動してしまった。それに比べて中国の一般市民は大変だ。だって一般の病院ではこうはいかない。診察の予約を取ることに始まり、何の検査をするにも行列に並んで、もとよりグッタリしている人が更にグッタリしてしまう。

こう言っちゃなんだけど「特権階級」(もちろん私たちも含めて)のための医療もあるんだなあ。医師も看護師も皆さん親切にしてくれたので本当に感謝しているんだけど、この巨大な格差にはちょっと言葉を失ってしまう。

しかし、これだけの医療サービスを「自費」で受けたら大変な額になっていただろう。やはり海外では保険が欠かせない。

焼き肉バイキングで食べ放題

……って、食べ放題じゃないんだけど、焼き肉というとこの曲*1を思い出す。

焼き肉なんてもう2年ほど行っていない。嫌いなわけではないけど1人でわざわざ食べに行かないし、家で食べると部屋に臭いがついちゃう。けどなーんか今夜は焼き肉の気分。

近所の「牛角」に行った。日本式の焼き肉とあって、入店すると「イラッシャイマセ~」と日本語の威勢良い挨拶をしてくれる。日本で「牛角」に行ったのは大学時代じゃないかなあ。確か食べ飲み放題を頼んで「お得じゃ~ん、また来よう」と思ったけれど、それっきり。

キムチの盛り合わせ、塩タン、カルビ、ホルモン、豚バラ……日本でも定番のメニューを注文。ちょーっと肉が薄いかなあ。あと冷凍を解凍したのだろうか、ちょっと硬い?けど生ビールが進む、進む。5杯くらい頼んでしまった。でも満足、満足。

 

References
*1ヨーデル食べ放題/桂雀三郎withまんぷくブラザーズ。

武漢2日目

武漢出張2日目。

朝から市中心部の中山公園に行くと、おばちゃんたちが扇子を片手に“广场舞*1を楽しんでいた。北京だと朝はまだ寒い。比べて武漢は大分暖かく、たくさんの人が外に出て来ている。なんだか、頭の中に「啓蟄」という言葉が浮かんだ。実際の「啓蟄」はもう少し先だけど。

この男性は棒の先に亀を釣って、じーっと座っていた。最初は売り物?食用?と思ったけど、いや、想像するにペットかな。亀を散歩させているのでは、というのが私の見立てなんだけど、いかがでしょうか。

このあと昼にかけて仕事が忙しく、食事をする時間もなかった。しかし、今思うと中国人スタッフたちに悪いことをしたなあ。この国の人にとって食事は何よりも大切なのだ。どんなに重要な会議でも、昼食の時間になれば必ず中断して食事をする。「立ち食いそば」みたいな店舗で仕事の合間にササッと食事を済ませる日本人とは対照的。ささいな文化(……というより考え方?)の違いだが、日中間で起きる問題のいくつかはこういう認識の違いが理由なことも多いんじゃないかと思う*2

私と仕事をしている中国人スタッフは日本との付き合いが長い人たちばかりなので、理解があるからまだいい。私が「私はもう少し仕事があるので、どうぞ先に食事に行っちゃってください」と言っても、彼らは「いや、待機していますよ」とこたえる。結局、食事が出来るメドが立ったのは午後3時過ぎ。私なら「もう夕食も近いし、食べなくていいや」となるところだが、ここは中国式に食事しに行くことにした。

時間も時間だったので、店がどこも空いていない。ランチタイムを終え、夕食までの休憩時間に入っているのだ。やっと見つけた店は地元の湖北料理をいただけるレストラン。

ただ、これが当たりだった。どれもおいしい。写真手前の“泡椒鱼片”は川魚を使った料理だが、全然生臭くない。あっさりしていて、けど味がしっかり付いている。写真右の“疯子黄牛肉”は汗が噴き出すほどのピリ辛だったが、肉厚な牛肉でごはんが進む。これまで湖北料理と言われてもピンと来ず、恥ずかしながら「内陸のちょっぴり辛めの料理」くらいの印象だったが、認識を新たにした。

北京への戻りは午後6時台の飛行機。中国東方航空だったが、途中墜落するんじゃないかと思うくらいの揺れに遭遇した。特に東方航空は去年墜落事故を起こしている*3だけに、縁起の悪いことがふと頭をよぎる。何とか無事に北京に到着した頃にはヘトヘト。はああ、疲れた。

References
*1主に中高年の女性が公園や広場で音楽に合わせて踊っているダンス。
*2例えば中国から来たゲストに冷えた弁当を出しちゃうとか。中国の人にとって「料理が温かい」のは必須で、どんなに立派な弁当でも冷えていると「自分が冷遇されているのではないか」と思ってしまう中国人もいるだろう。
*3去年3月に雲南省昆明から広東省広州に向かっていた中国東方航空の航空機が墜落し、乗客乗員132人全員が死亡した事故。
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