The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2023年3月 (2ページ目 (6ページ中))

母校訪問

かつて留学していた大学を訪問した。

北京師範大学、地元では“北师大”(北師大)と呼ばれ、もともとは教員養成の大学。今は総合大学となり、文系から理系まで幅広い分野を扱っている。私がここに留学した理由は、単に当時通っていた日本の大学の交流協定校だったから。あとは「中国語を学ぶならやはり北京かな」という程度だったけど、今となっては初めての海外生活を過ごした場所なだけに特別な場所。

かつては外部の人間もキャンパス内に自由に出入りでき、夜には広場でおじさんおばさんが社交ダンスに興じる姿を見かけるなど、地域の人たちの憩いの場だった。それがコロナ禍をきっかけに学生をはじめ大学関係者しか入れなくなったようだ。在校生など関係者を頼って許可を取らなければ中に入れず、中国に赴任してから半年経つも一度も訪問していなかった。その後、会社の中国人スタッフを通じて在校生と知り合うことができ、訪問が叶うことになったというわけ。

北京師範大学の東門。案内してくれる学生とはここで待ち合わせ。

ちなみに私の留学生活もこの門から始まった。中国に到着した日、30キロ近い重さのスーツケースを抱えながらタクシーの運転手さんに“请到北师大东门去!”(北京師範大学の東門までお願いします)と告げ、最初に到着したのがここ。当時と何も変わらない佇まいだけど、変わったのは緑のテントが張られ、セキュリティーゲートを通らねばならなくなった点。前は開放されていたんだけれど。

実は大学自体は数年前に北京に出張した際に訪ねているので、そこまで懐かしい感じはしない。だから余計にセキュリティーゲートに違和感を感じる。これもコロナ禍で出入りを管理するようになってから設置されたらしい。

東門に並ぶ、この建物が留学生の宿舎。私が生活していたのもここ。家賃は高かったけど、その分、環境は大学内で一番だったんじゃないかな。毎日の掃除とベッドメイキング付き。部屋にもいくつか種類があり、私は共用スペースに個室2つが付く部屋で生活していた。ルームメイトは希望がなければ勝手に割り振られ、私の場合はカナダ人の学生だった。元気にしているかなあ。

宿舎もキャンパスの「内側」からでないと入れなくなっていた。

宿舎の1階にあった売店はまだ残っていた。外からのぞいただけだけど、たくさんのカップラーメンが並んでいた。留学生の宿舎なので、外国からの輸入品もよく並んでいた。

大学の中を歩いていると、当時交流のあった人たちを思い出す。この食堂はあの人とよく来たなあとか、このバーであの人とよく飲んだなあとか。月日が経ち、今やこの大学で学ぶ現役学生も私より一回り下になってしまったわけだ(^^;)。

北京師範大学のシンボルとも言える「主楼」。私が留学していた「文学院」*1のオフィスはこの中にあったので、よく訪れた場所だ。その手続きはあっち、この手続きはこっちと、「主楼」の中を何度もたらい回しになったのも今では良い思い出(^^)。

案内してくれた学生は「うちの大学で唯一の『現代的な建物』です」と笑いながら話していた。わはは、確かに北京師範大学は少々建築年数が経っている建物が多い。けど図書館や体育館だって立派じゃないの。

昼食はキャンパス内にある“西北餐厅”。私が留学していた頃からあったけど、リニューアルされて内装はずいぶん変わっていた。提供される料理はすべてハラールで、ウイグル料理や回族の料理を楽しむことができる。こういうレストランがきちんと用意されているところ、さすが多民族国家だなあ。日本はまだまだ遅れている。

大盘鸡*2をはじめ、ラム肉の串焼きや骨付きのラムステーキなど、いろいろいただいた。私のほうがよっぽど先輩なのに、案内してくれた学生に料金を支払わせてしまった。なんたる失態!その子のスマートフォンアプリで料理の注文をしたので、料金の支払いもそのままスマホ決済で済ませてしまったのだ。長幼の序を重んじる中国、学生に払わせちゃいけないよなあと反省。

お返しというわけではないけど、その後、キャンパス内にできたおしゃれなカフェでコーヒーをごちそうした。ふと私が留学していた頃の話になり「10年前の北京はどんな感じでしたか」と聞かれる。な、な、何ですか~その、おじいさんに歴史を尋ねるような聞き方は(^^;)。でも、そうかあ……私が留学していた当時はまだ10歳くらいだったんだもんなあ。

ちょっと心がくじけかけたけど、妻と並んで写真を撮ってもらったところ「お二人とも大学生のカップルみたいですよ」と言ってくれたので、それで相殺するとする。はいはい、分かっていますよ、お世辞なことくらい。

References
*1日本でいう「文学部」。
*2鶏肉とジャガイモの煮込み。

すずめの戸締まり

今日は映画を見に行った。新海誠監督の『すずめの戸締まり』。日本では去年11月に公開されていたらしいけど、中国では昨日公開されたばかり。現地メディアの報道によると、初日の興行収入は9537万元(約18億円)、日本アニメの初日の記録としては歴代1位になったらしい。

扉の向こうには、すべての時間があった―『君の名は。』『天気の子』の新海誠監督 集大成にして最高傑作『すずめの戸締まり』11月11日(金)大ヒット上映中.

続きを読む

帰ってきた“烧烤”

職場からの帰宅途中、地下鉄の駅に入ろうとしたら良いにおいが漂ってくる。

駅の前に“烧烤”の出店が出ていたのだ。“烧烤”は日本式に言うと、あぶり焼きとかバーベキュー。肉や野菜の串焼きを始め、魚やイカといった魚介バーベキューまで、実にさまざまな食材がある。夏の季節には中国各地至る所にこの“烧烤”が出現する。ああ、もうそんな季節かあと思う風景だ。

私はこの“烧烤”が大好き。ビールに合うから、というのが一番の理由なんだけど(笑)留学していた頃は出店で大量買いし、持って帰ってビールと一緒に食べていた。この“烧烤”の出店、このたび中国に赴任してから初めて見た。今まで見なかったのは新型コロナウイルスの感染状況が悪かったという理由もあるだろうけど、そういう意味でも以前の北京に戻ってきている感もあってうれしい。

今を盛りの花見酒

ふと職場の中国人スタッフから「いやで候」という日本語は「嫌だ」という意味ですか、と質問を受ける。「いやで候」って何?と聞くと、和歌に出てくる表現だと言う。

肴舞/扇子の風もいやで候/今を盛りの/花見酒には

いやあ、分からん。こういう古文について聞かれると私もすぐに回答するだけの知識を持ち合わせていないので恥ずかしい。「ごめんなさい、すぐにはちょっと……」と謝った上で、インターネットでこの和歌を検索してみた。どうやら『古今夷曲集』に集録されているものらしい。

「肴舞」というのは酒席の余興の舞。つまり花を散らしてしまう扇子の風は邪魔だ、と言っているわけだ。何となく中国語に訳して伝えたが、かなりの意訳で無理があったかもしれない。

聞くと、その中国人スタッフの知り合いの日本語学習者から質問されたらしい。日本人でも難しいだろうに、すごいなあ。すると、その学習者の方から後ほど中国語の訳が送られてきた。

夜夜醉酒喧,肴舞扇风樱拂面,奈何赏花宴。

こんな「中国語」をいきなり言われたって、中国のみなさんも「はぁ?」という反応になっちゃうかもしれないけど(^^;)。それでも、やはり日本語の古文は漢詩で表現したほうが雰囲気が出る。

ただあんまり詳しくないし、私みたいに知識のない人間がこんな指摘をするのもおこがましいんだけど、これは漢詩の呈をなしているのだろうか。漢詩って絶句・律詩みたいに4句か8句なんじゃないの?そこは詳しい人の解説を聞きたい。

厅局风

この前、中国人の友人と話したときに「同じ年齢でも日本人のほうが中国人より幼く見える」という話題になった。これについては私もかねがね感じていたことで、前にブログに書いたこともある。

そう言えば、日曜日に行ったマッサージ屋で夫婦揃ってマッサージ師から「あんたたち、まだ若いでしょ」と言われた。私が「何歳に見える?」と聞くと実年齢より10歳くらい若い年齢を言うので(お世辞かどうかは別として)妻とニヤニヤしてしまった。私は昔から年齢よりも若く見られることが多い。就職してからもスーパーで酒を買おうとして年齢確認されることがあった。若かった頃は「ずいぶん下に見られているんだな」と良い気分がしなかったが、今となっては悪い気がしない((……と思う時点で、ああ、自分は年を取ったんだなと感じるけ...

すると、友人が「“厅局风”って言葉、聞いたことありますか」と教えてくれた。

厅局”というと中国で国家公務員の局長級を指す言葉だ。これに“”(風)が付いて「局長風」?どういう意味?聞いてみると、どこかの役人さんみたいな格好を言った言葉のようだ。具体的にどういう格好なのか。

今年爆火的“厅局风”,又让很多男性打开了时尚的大门,让不少人发现,原来除了休闲穿搭和正式感造型以外,像这种端庄得体有大气的风格,才是专属男性的选项,分分钟提升你的魅力! “厅局风”的服装单品一般都会非常合…

このホームページを見てみると“厅局风”のスタイルについて詳しく説明されていた。

わはは、なるほどね。確かに中国で「役人風のおっさん」たちはよくこんな格好をしている。黒ジャンパーに身を包み、ピッチリとフィットしているからぽっこりお腹がだいぶ目立つ。んで、下は大体ぶかぶかの黒のスラックス。胸には共産党の党章(“党徽”)が付いていることもある。そういうば、この国の指導者は地方視察の際に大体そういう格好をしている。

一些热衷于“厅局风”的人可能是出于玩笑,但对许多中国年轻人来说,这种风格代表着稳定的职业道路和体面的生活方式。此类风格的流行也反映出中国政治的保守转向。

こちらはニューヨークタイムズ中国語版の記事。そうそう、いちばん初めの写真、こんな感じ。ちなみにこの記事のタイトルは“‘厅局风’穿搭为何吸引中国年轻一代男性”(“厅局风”スタイルはなぜ中国の若者世代を引きつけるのか)。ほ、本当?別のサイトには「このスタイルで義実家に行けば、良い印象を与えること間違いなし」みたいな説明も。

一昔前に日本に旅行に来ている中国人の「おじさま」たちはみんなこんな格好をしていた。東京ディズニーランドに来ている人でさえ、こんな“厅局风”をしていたので、不自然というか怪しいというか、変に目立ったのを覚えている。若者世代にそれが流行るというのは、日本でいうレトロブームみたいな感じなのだろうか?

私はどっちかという年齢より若く見られがちなほうだけど、私も“厅局风”スタイルをすれば少しは年上に見られるかしらん。

« Older posts Newer posts »

© 2024 BOBOYORU.NET

Theme by Anders Noren上へ ↑