今日は昼過ぎから五環路沿いの「オリンピック森林公園」(“奥林匹克森林公园”)に行きました。オリンピック記念公園の北側にあり、森林という名前の通り、自然豊かな公園です。
日本ではコロナ禍が明けてオーバーツーリズムが問題になっていますが、中国はどこに行ってもオーバーツーリズムです。ここも森林公園という名前が付いているくらいなので、緑にあふれた広大な敷地に人ひとりいない……なんて景色を思い浮かべていたのですが、入園客がまるで行進のごとく列をなして歩いています。
それでも首都なのに大きな公園が多いのは北京の良いところですね。朝晩は寒くなり始めましたが日中ならまだ暖かく、歩いていると気持ちが良いです。
木々が色づいていて、とてもきれいです。
ピンク色、紫色の草が一面に広がるエリアに到着しました……ここが今回の目的地。
この草は“粉黛乱子草”と言い、日本語では「ミューレンベルギアピラリス」。もともと北米から輸入されたもので、中国では人気の園芸品種なのだそうです。今がまさに盛りで、ピンクの野原が一面に広がっていてとてもきれいです。中国で人気を集めているのも頷けました。
こちらはコキア?でしょうか。ふんわり、丸っこい形がまるでモンスターのように見えてかわいいです。かつての愛知万博のキャラクター「キッコロ」を思い出しました。
きれいな景色を楽しむ一方、気になったのは入園客の鑑賞マナーです。公園の草花と遊歩道の間には柵があって明確に隔てられているんですけど、それでも中に入る人がいるんですよね……「映える」写真が撮りたくて。写真中央に写っている女性なんて堂々と入って、セルフィーを使って写真撮影をしていました。
この写真も私はコキアを撮ったつもりなんですけど、意図せず大勢の人が写ってしまいました。おおよそ全員が柵の中に入って写真を撮っている人たちです。遊歩道近くには警備員もいて、中に入る人を見つけると注意はしているのですがあまりに多すぎて注意も追いついていません。
その結果、草花はこんな無残にも踏み荒らされていしまいます。入っちゃう人が多いので「みんな入っているし私も入っちゃおう」と考えてしまう人も多いのかもしれません。
すれ違う客の中には「あまりにひどい」と口にしている人もいたので、みんながみんな同じ考えではないと思います。けれど、これはあまりにひどい。公園には大勢の親子連れもいましたが、中には子どもの手を引いて柵を越える親の姿も。その子どもがどういう感覚を持つ大人に育つか……推して知るべし。
追記)
その後、入園客のマナーの悪さは中国メディアでも取り上げられたようです。
https://weibo.com/1880087643/Nq60bwQU4
北京のラジオ局“北京新闻广播”が中国のSNS、ウェイボーに投稿したものです。草花が踏み荒らされたのは誰のせいか、どう防げばいいのかと問題提起をしています。動画の中では公園関係者が「警備員はいるけれど観光客が注意を聞かない」と話しています。警備員には午前中だけで(注意を叫びすぎて)声をからしてしまった人もいるそうです。その上で「私たちの考慮が足りなかったのも原因の1つではないか」と振り返っています。
これに対し、コメント欄には“本质就是游客素质低下,别说景区考虑不周”(本質は観光客のマナーレベルの低下であって、公園側の考慮が足りなかったなど言うべきではない)という意見も。こういう人たちが増えれば人々のマナーも上がるかもしれませんね。