今日いつも昼食を食べている蘭州牛肉麺の店に行くと、店主が壁を向いて座り込んでいました。
一瞬どうしたんだろうと思いましたが、すぐに分かりました。イスラム教徒のお祈りですね。この蘭州牛肉麺の店は「清真」と言って、イスラム教徒が経営しているんです。見た目は漢族と変わらないので、おそらく回族の人たちじゃないかと思います。
中国は多民族国家で、日本以上にイスラム教徒を見かける機会があります。回族以外にもウイグル族、カザフ族、トンシャン族……などなど全部で10の少数民族がイスラム教を信仰していて、街なかには「ごく普通」にイスラム教徒向けの飲食店やスーパーが立ち並びます。非イスラム教徒も普通に利用するので、日本以上にイスラム教が身近です。日本だとハラール*1対応の飲食店ってまだまだ少ないですもんね。
まあ一方、この国で宗教がどれだけ保護されているかという課題はあります。特にチベット族やウイグル族の方々が直面している宗教迫害については憤りを感じざるを得ません。この蘭州牛肉麺の店で働く回族の皆さんも一見イスラム教徒の伝統をしっかり守りながら過ごしているようで、実は裏で大変な思いもしているのだろうかと、お祈りをする店主の背中を眺めて考えてしまいました。
*1 | イスラム教(ムスリム)の戒律によって食べることが許された食べ物。 |
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