中国の無人の月面探査機「嫦娥6号」が月の裏側で採取した岩石などのサンプルを収めたカプセルがおととい地球に帰ってきました。本当にカプセルに岩石が入っているか確認できれば、世界で始めてだということです。
え、月の岩石だったらアポロが50年以上も前に地球に持って帰って来たんじゃないの?なんで世界初なの?と思われるかもしれません。今回は何が世界初なのかというと「月の裏側」の岩石を採取してきたという点です。月の裏側は地球からの電波が届かず、直接通信するのが難しいのだそう。これまで月の裏側の岩石が採取されたことはありませんでした。
中国の宇宙技術がすごいスピードで進歩しているのを見るにつけ、かつて中国が開発した人型二足歩行ロボット「先行者」を思い出します。
2000年に中国が独自の技術で開発したロボットです。そのユニークな見た目に加え、当時日本ではすでにアシモが開発されていたことも相まって、相当なネタとして扱われました。つまり「馬鹿にしていた」ということです。けれどこれから20年が経ち、日本が中国を笑っている間に彼らは月の裏側に探査機を送るようにまでなってしまいました。まさに「先行」されたわけです。
もちろん、これを単に「アリとキリギリス」のお話のようには捉えることはできません。中国共産党一党独裁の下で資本主義を推し進める強みがここにあります。ましてや14億人の人口を抱える中国、優秀な人材も日本の14倍いると考えたほうがいいでしょう。
一方でずっと解せないことがあります。月に探査機を送る技術を持っていながら中国には「驚くほど雑」なことが多すぎる。この写真は私が今日目にした排水溝工事の様子ですが、レンガの並べ方といい、コンクリートの塗り方といい、あまりにも雑。
中国の街なかを歩いていると歩道のブロックが剥がれてぼろぼろ……なんてところが多いです。私が住んでいる家だってそう。立て付けが悪くて扉が閉まらない。エアコンは何度修理してもダメ。床のタイルが割れて剥がれる。そういうことが多すぎるのです。
何でかなあ……と考えたのですが、今のところ私の出した答えは「中国は『すげー』と思ってもらえることしか頑張りたくない」、そういうことなのかなと思っています。