学生時代にはマンツーマンで中国語研究にご協力させていただいた、中山時子先生が監修された『新訂標準中国語作文』がこのたび、東方書店から出版されました。
久しぶりにこんなワクワクする教材に出会いました。
こういう教材に立ち返って「標準」を再確認することは大切だと思います。僕はもう10年以上中国語と付き合っていますが、周りを見てみると、確かに中国語学習者は増えました。しかしその一方で、偉そうな言い方かもしれませんが、学習者側の視点から見ても乱れた中国語を使用している人が多すぎる気がします。
この教材、面白いのが中文和訳の模範解答に3人の中国人の訳文を付していることです。北京人が2人と上海人が2人。それぞれ訳文が違って比較するのが面白いです。
- 彼は君に嘘をつくばかりか、私に対してもほんとうのことをひとことも言わない。
- 他不但对你说假话,而且对我也一句真话都不说。
- 他哪里只是对你吹牛,对我也是从不说真话。
- 他不光对你撒谎,对我也从来没有一句真话。
それぞれの訳文で「嘘」という単語を一つ取っても“说假话”、“吹牛”、“撒谎”とそれぞれ違うものが使われています。
言語は話者によって表現も千差万別、これが答えというものはありません。選択肢は多ければ多いほどいい。そのバラエティーに富んだ訳文に思わずワクワクする名著だと思います。
もともと半世紀以上前に刊行された教材ですが、やはり良いものはいつになっても良いんですね(^^)。これで中国語、もう一度取り組んでみたいと思います。