きょうは邦画、ほっこり系コメディーを選んでみた。早くに両親を亡くして、ひっそりと暮らしている40歳の姉と33歳の弟を描いたストーリー。

【ネタバレがあります】

小野寺の弟・小野寺の姉(2014年/日本)

片桐はいり演じる姉と、向井理演じる弟の物語。

両親を亡くして以来、2人はおそらく両親が残してくれたであろう古い一軒家にひっそりと住んでいる。姉弟そろって恋愛に不器用で、浮いた話はひとつもなくただ毎日を穏やかに過ごしていたが、そんな2人に突然起きた恋の予感を描いたストーリーだ。

片桐はいりさんが出演している時点で何となく映画の雰囲気を察していた。いわゆる「何も起きない系」じゃないかと(笑)。「何も起きない系」と言うのは、例えば荻上直子さんが監督を務めているシリーズで『かもめ食堂』とか『めがね』とか、そういうの。物語としてすごい盛り上がりを見せるわけではないけど、ほっこりした日常を描いていて「ああ、こういうのって大切だよね」と思わせてくれる作品。

今回の映画も、そうしたさりげない日常の描写がすてきだった。

まず2人の住んでいる家の雰囲気がいい。食卓の上にある花柄の麦茶ポットや、台所の入り口に掛かるジャラジャラしたすだれ。映画は2014年公開で、おそらく舞台設定も同時期なんだろうけれど、どこか昭和を感じさせる古き良き空気。

あとは料理や食事のシーン。きれいな色をした炊きたてのごはん、かわいい鍋で作られたみそ汁……あとは簡単なおかずが少々あるだけなのだが、とてもおいしそう。けれど忙しいときには無理をせずに2人とも袋ラーメンを食べているところとか、かえって親近感が湧く。

映画の結末は人によって評価が分かれるかもしれない。私にも弟が2人いて、自分で言うのも何だが結構仲がいい。そんな私からすれば「ソレはソレでありじゃない?それも幸せだよ」と思う結末だった。

★★★☆☆

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