中国は今日から国慶節*1の大型連休。

朝から現地の不動産屋さんと物件を見て回って家探し。中国は日本以上にオンとオフがはっきりしているので連休の初日にお願いして申し訳ないなあと思っていたが、職場の人たち曰く「今年の国慶節もどうせ北京から出られないし、休日出勤は手当がもらえるから、向こうからしたら願ったり叶ったりだよ」とのこと。実際のところは分からないが、不動産屋さんの対応はとても丁寧だった。

なるべく会社の近くに住むように言われているので、見て回ったのは本当に北京市の中心部。不動産バブルに沸く中国だけあって、どこも家賃がびっくりするほど高い。仕事で来ているので会社が補助してくれるものの、これを自分で払えと言われればとても無理だろうなあ。

案内してくれた不動産屋さんは日本語も堪能な女性お二人。初めて会った感じのしない気持ちの良い方々で、一緒に回っていてとても楽しかった。移動中もアレコレおしゃべりしていたら盛り上がり、物件を見終わった後に食事にまで誘っていただいた*2。気付いたら2時間も経っていて、家探ししてんだか友達作ってんだか(笑)。

本当は今日のうちに即決してしまおうと思ったのだけれど、いざ決める段になると悩んでしまう。妻とも相談したいし、もう1、2日かけて考えることにした。

夕方になって朝陽区にあるショッピングモール「ジョイシティ」(”朝阳大悦城“)に出かけた。ここにはイオンが日系スーパーとして入っていて、11年前の留学時代にも何度かお世話になった。

北京地下鉄2号線・建国門駅

まずは地下鉄2号線に乗車。市井の人たちに囲まれ、ああ、ようやく北京に来たんだなあという実感が湧いてきた。何かと変化の大きい北京だが、この地下鉄の雰囲気だけは留学していた頃と変わらないので懐かしい気分だ(^^)。

「ジョイシティ」自体は中国によくある感じのショッピングモール。少し遅めの時間帯に行ったが、結構な人で賑わっていた。イオンだけでなく様々な専門店で構成されているため、他店舗を目的に訪れた人も多そう。

食品売り場を見るとトップバリュ商品がたくさん並んでいた。うどんといった日本食から火鍋の”底料*3のような現地に特化した商品まで、種類がとても豊富。プライベートブランドだけあって価格は安めの設定だけど、味はどうなんだろう。

こちらはおそらく量り売りしてくれる食材。一番手前は”辣白菜“と書いてあったのでキムチだろうけど、その奥は何だろう。現地の食材っぽいものがたくさん並んでいた。

これは全て上海ガニ。中でも”六月黄“と呼ばれるものだ。

上海ガニは成長過程で何度も脱皮するが、このうち最後の脱皮を旧暦6月に行う。この直後の上海ガニは甲羅が青みがかった黄色になるため”六月黄“と呼ばれていて、柔らかい身とカニ味噌がぎっしりと詰まっていて味と香りがとても良いらしい。

これは中国語ができない人でも分かるかな。右の看板は毎月10日、20日、30日はポイントカードの利用で5%オフになる”会员答谢日“(お客様感謝デー)だと書いてある。

みりんやポン酢といった日本の調味料も並んでいた。

そういえば留学時代、日本料理店でアルバイトをする日本人から「みりんは中国語で何と言うの」と聞かれて答えられなかった記憶がある。日本独特の調味料だから中国では使われないしねえ。辞書を引くと”甜料酒“(甘い料理酒)と書いてあるが、パッとしない。この商品には日本の漢字そのまま”味醂“と書いてあった*4

ここのイオンは日本っぽいサービスと雰囲気を出しつつ、現地のニーズも汲んだ「いいとこ取り」で成功している印象がある。日本から直輸入した食材を扱う専門スーパーはほかにもあるが、現地の人たちからすれば欲しいものばかりがあるわけじゃないからねえ。

住宅を案内してくれた不動産屋さんは、今の中国は日々の買い物にもネットスーパーを利用するので、かつて幅をきかせていた”物美“(ウーマート)や”家乐福“(カルフール)といった大規模スーパーはその多くがやっていけなくなっていると話していた。そんな中でイオンが健闘しているのは、もしかすると日本的なサービスが付加価値として現地の人に受け入れられているからなのかな。

ショッピングモールには無印良品もあった。

出国前にアレコレと無印良品で買い物していたは何だったのかと思ってしまうほど、日本と同等の品揃えだった。私が留学していた頃もすでに無印良品は中国進出を果たしていたが、北京にあったのは若干数店舗。ここまで店舗拡大させたのはそれだけ受け入れられている証左だろう。

私は無印良品の化粧水などにお世話になっているので、すぐ購入できるのはありがたい。

イオンと同じく、無印良品にも現地向けの商品がたくさん並んでいた。

特に麺のシリーズは種類が豊富で、”红烧牛肉面“(煮込み牛肉麺)や”番茄牛肉面“(トマト牛肉麺)など色々。中でも気になったのは”兰州风味牛肉面“(蘭州風味牛肉麺)。わざわざ「風味」と付くのが気になるけど*5、日本でも蘭州牛肉麺の店が続々増えているし、販売したら売れるんじゃないかなあ。今度、家に入居したらぜひ購入して作ってみよう。

今や中国はネット通販で何でも買ってしまうとは言うけど、やはりこうやって実際に商品を見るのは楽しい。欲しいものありきで買い物をするのではなく、見ていたら欲しくなってくるから楽しいのだ。いくらインターネットが発達しても、実店舗でのショッピングは今後も無くなることはないんじゃないかなあ。

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References
*1建国記念日にあたる祝日。
*2私もほら、「おじおばさん」ですから(^^;)。
*3日本風に言えば「鍋を作る際に使うスープの素」。
*4味醂の「醂」という漢字は中国語で使ったことがなかったので何と発音するのか見当も付かなかった。辞書を引いてみたところ[lǎn]と発音するらしい。
*5理由は分からないけれど、蘭州牛肉麺はもともとイスラム教徒向けの”清真“(ハラール)として発達したから、これは”清真“(ハラール)ではありませんよという意味でわざわざ「風味」と付け足したのかな。