最近、東京から来る仕事のオーダーが無茶なことが多い。私の仕事を知らない(見えていない)人があれこれオーダーしてくるなら分かる。なのに、無茶なオーダーをする人に限って、同じ駐在員を経験している人たちばかりなのだ。
今日も東京のとある上司に、それはそれは振り回された。
ここだけの話、この上司、北京オフィスで頗る評判が悪い。周りの同僚が愚痴を言うのをよく聞いていたが、今日は私がその上司とやりとりすることになってしまったのだ。
ああでもないこうでもないといろんな無茶ぶりをしてきて、こちらは相当無理して応えていたのに、突然「……これ、何がしたいの」と言い出しちゃう。こちとら喉元まで「おまえに聞きたいわー!!」と出かかるも、こういう人はいくら言っても通用しない。むしろ彼の中ではあくまで「私がしたこと」なのだ。
この上司も私と同じポストにいたはずなのになあ。増して、ここは中国。諸外国と比べて特に制限が多い国なのだ。できることとできないことの差が大きすぎる。しかし、こういうときは「沈黙は金なり」。よほど自分に影響しない限りは、反論しないのが吉なのだ。イライラしている人に何を言っても波が大きくなるばかり。はいはいはい、と受け流しておけば、自然と機嫌は直っている。
私が電話でそんな対応をしているのを見て、周りの同僚も察してくれたのだろう。電話を切ると「またあの人?」と言われた。ご本人はまさか北京でそう言われているとは夢にも思っていないだろう。
なーんて、自分を高度十万八千メートルの上空に棚上げしつつ愚痴ってみる。このことから私が得られる教訓は、月並みな言い方だが、人にお願い事をするときには相手の立場をおもんぱかって頼める人間になろうと……そういうことです、はい。