ふと職場の中国人スタッフから「いやで候」という日本語は「嫌だ」という意味ですか、と質問を受ける。「いやで候」って何?と聞くと、和歌に出てくる表現だと言う。

肴舞/扇子の風もいやで候/今を盛りの/花見酒には

いやあ、分からん。こういう古文について聞かれると私もすぐに回答するだけの知識を持ち合わせていないので恥ずかしい。「ごめんなさい、すぐにはちょっと……」と謝った上で、インターネットでこの和歌を検索してみた。どうやら『古今夷曲集』に集録されているものらしい。

「肴舞」というのは酒席の余興の舞。つまり花を散らしてしまう扇子の風は邪魔だ、と言っているわけだ。何となく中国語に訳して伝えたが、かなりの意訳で無理があったかもしれない。

聞くと、その中国人スタッフの知り合いの日本語学習者から質問されたらしい。日本人でも難しいだろうに、すごいなあ。すると、その学習者の方から後ほど中国語の訳が送られてきた。

夜夜醉酒喧,肴舞扇风樱拂面,奈何赏花宴。

こんな「中国語」をいきなり言われたって、中国のみなさんも「はぁ?」という反応になっちゃうかもしれないけど(^^;)。それでも、やはり日本語の古文は漢詩で表現したほうが雰囲気が出る。

ただあんまり詳しくないし、私みたいに知識のない人間がこんな指摘をするのもおこがましいんだけど、これは漢詩の呈をなしているのだろうか。漢詩って絶句・律詩みたいに4句か8句なんじゃないの?そこは詳しい人の解説を聞きたい。

関連記事