映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を見て来ました。言わずと知れた任天堂の人気ゲーム「スーパーマリオ」を題材にした作品です。日本では公開されてちょうど1週間というところですが、一方の中国では公開されて1か月が経とうとしています。大体、中国のほうが映画の審査なんかに時間がかかって公開されるのが遅いんですけど、今回はどういった事情があるんでしょうね。

配管工として働く兄弟のマリオとルイージはある日、魔法の力を持った土管に吸い込まれて異世界に迷い込み、離ればなれになってしまいます。マリオはキノコ王国にたどりつき、一方のルイージは大魔王クッパによって囚われの身に。マリオはクッパが世界征服を企んでいることを知り、キノコ王国のピーチ姫とともに世界を守り、弟・ルイージを助けるべくクッパに立ち向かっていきます。

私はスーファミ世代なので、ファミコンの1作目から……というわけにはいきませんが、それなりに「スーパーマリオ」のゲームに親しんできました。挿入曲はどれもゲームで聞いたことがあるし、キャラクターの設定も原作に忠実。まさに「ゲームのキャラクターたちが動き、喋っている」という映画で、ゲームをプレイしたことのある人たちにとってはワクワクする内容だったと思います。

ただ、正直それを超えるものではありませんでした。ストーリーもひねりがないので、ゲームをプレイしたことのない人たちにとっては退屈だったんじゃないでしょうか。言っちゃあなんですが、ゲームを楽しんだことのある人たちに向けて全力で映画を作ったらこうなったという感じです。私はどちらかというと「プレイしたことがある」側の人間かと思いますが、それでも途中ちょっと眠たくなってしまいました。

一般の大衆がこの映画を大絶賛している一方、映画評論家たちは軒並み低評価をしているそうですが、うーん、私は分かる気がします。まあ、ゲームを原作とする映画にストーリー性を求めること自体が野暮なのかもしれません。かわいいキャラクターとゲームの世界観が映画の中で再現されているのを楽しみなさい、ということなんでしょうね。

個人的に気になったのはBonnie Tyler「Holding Out for a Hero」や、A-ha「Take On Me」など、挿入歌に80年代の洋楽懐メロが多く使われていたことです。少々アレンジされていたように思うのでオリジナル音源ではないようですが、同じ時代に「スーパーマリオ」を楽しんだ世代の人たちに懐かしんでもらおうということなんでしょうか。ただ、これについても「80’s」好きな私からすれば、あまりにミーハーすぎる選曲だと思ってしまいました。すみません。

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