中国では今日から“高考”が始まりました。“高考”というのは“普通高等学校招生全国统一考试”の略で、全国統一大学入試のことです。これに先立ち、月曜日にこんなSMSが届きました。
中国ではよく地元政府からの通知や通信会社からの案内がSMSで届きます。今回届いたSMSはチャイナ・ユニコム(“中国联通”)という、私が契約している通信会社から。大学入試が行われるに当たって通信障害が発生する可能性がありますと書いてあります。
2023年全国高考将于6月7日至10日进行,为给考生营造一个公平公正的应考环境,考试期间各考点有可能开启大功率屏蔽仪,届时如您位于或途径考点周边,可能会对通话及上网质量造成影响,如:拨打电话频繁失败、无法接通、通话声音出现断续、手机上网慢或频繁掉线等现象。待考试结束后即可恢复正常。感谢您的理解和支持!中国联通祝所有学子考试顺利!
2023年の全国統一大学入試が6月7日から10日にかけて行われます。受験生にとって公平・公正な受験環境を作るため、期間中に各試験会場で大規模な通信の抑制を実施する可能性があり、試験会場近くでは通話やネット通信の品質に影響が出る場合があります。例えば電話の発信に何度も失敗する、繋がらない、通話の音声に途切れが生じる、携帯電話のネット通信が遅くなったり途切れたりするといった現象です。試験終了次第、正常に戻ります。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。中国聯通は学生の皆さんが順調に試験を乗り切れるようお祈りいたします!
中国の通信環境は日本ほど良くないため、私からすれば「電話の発信に何度も失敗する?繋がらない?いつもじゃない」なんて思っちゃいますが、今回は人為的に「通信の抑制」を行うようです。ジャミングってやつですね、わざと「圏外」を作り出す方法です。
SMSでは「公平・公正な受験環境を作るため」と書いていますから、つまりカンニングを防止するためなんだと思います。いくらカンニング防止とはいえ、試験会場の周辺を巻き込んで対策を施すとは……日本だと「巻き添え」をくらう人から批判の声も上がりそうです。だって通信障害が発生すると業務に支障が出る……というお仕事の方もいるでしょう。
有無を言わせず、というのが中国らしいですね。まあ、中国では大学入試の際に試験会場周辺で交通規制を行ったり、一般の人も公共交通機関の利用を控えたりといった動きもあるくらいですから、一般市民の理解は得られるのかもしれません。
学歴社会の中国では大学入試が一生を左右すると言っても過言ではありません。まずは受験生の皆さんの健闘を祈りたいと思います。