今日から2泊3日でマカオ出張。数年前に1度だけ訪れたことがあります。中国の一部ではありますが、1999年までポルトガルの植民地だったため、現在も中国本土とは異なるシステムを運用する「一国二制度」が導入されています。つまり中国でありながら外国とも言える存在のため、北京から行くにあたって出国手続きをしなければなりません。

そういうことで北京首都国際空港も国内線ではなく国際線のゲートに。去年9月以来の出国スタンプをパスポートに押してもらいました。

個人的におもしろいのが言葉です。マカオでは「広東語」*1が使われていて、北京など中国本土で使われている中国語(北京語)とは異なります。また、同じものを表すにもマカオと中国本土では違う表現をすることがあるのです。

例えばタクシー、北京では“出租车”(「出租車」)と書きますが、こちらでは「計程車」と書きます。台湾や香港でも使われる表現ですね。「出租」は貸し出す、レンタルするという意味ですから、北京では「一時的に貸し出す車」でタクシー*2。一方「計程」はメーターという意味で、マカオや香港では「メーターを回す車」でタクシーという意味になります。

ちなみにホテルはどこもびっくりするほど高かったです。やっと見つけた「そこそこ」のホテルは、日本で言えばビジネスホテルくらいのレベルじゃなかったかと思います。それでもマカオ半島と呼ばれる北側のエリアの中心部に位置するからか、結構な値段でした。ただそのおかげで一歩外に出ると、ギラギラするネオンがあったりマカオおなじみのカジノがあったり、賑やかな場所でした。

ホテルに到着したのは午後10時前でしたが、せっかくなので夜のマカオを散策しました。

遠くに見えるのが、ホテルとカジノで有名な「グランド・リスボア」(「新葡京酒店」)です。

そう言えば「リスボア」ってポルトガルの首都・リスボンのことですよね。なんで「リスボア」って言うんだろうと長く疑問に思っていました。で、調べてみたのですが「リスボン」は英語発音なんですね。ポルトガル語では「リスボア」と言うそうです。

真下まで来ました。高さが261メートルあるのでマカオのどこからでも見えますが、やはり真下の迫力はすごいです。カジノ客っぽい人がたくさんいました。そのほとんどは中国本土から来たと思わしき観光客の方々です(^^;)。

私は旅行に行ったら観光地ではない、普通の町並みを見るのも大好きです。いえ、むしろそちらにこそ旅行の醍醐味があると思います。今日もテクテク歩いていると、どこかヨーロッパの路地裏を切り取ったような風景に出会いました。さすがポルトガルの植民地だっただけあります。

写真から伝わらないでしょうが……とにかく暑い!北京もここ数日は暑いですが、こちらは湿度が異常に高いので「蒸し暑い」です。十数分歩いただけで汗が吹き出し、シャツがびっちょびちょです。

うーむ、こうした風景は東南アジアっぽいですね。バイクがずらっと並んでいる感じは台湾っぽいかも。中国でも南のほうに行けばこうした町並みも見られるかもしれませんが、このV字に分かれた道路など、まず北京では目にしない光景です*3

マカオは広東語に加えてポルトガル語も公用語の扱いを受けています。様々な看板にポルトガル語が併記されていて、英語と違う雰囲気がより外国にいる気分にさせます。写真は通りの名前を書いた表記です。

あちーあちーと歩きながらやって来たのは、日本でもおなじみのディスカウントストア「ドン・キホーテ」。2021年にオープンしたそうで、こちらでは「DON DON DONKI」という店名です。ワンフロアタイプの店舗でした。

香港に「ドン・キホーテ」が何店舗かあるのは知っていました。よく香港在住の日本人の方が「日本の商品が何でも手に入る」とツイッターにアップしているのを知っていたので、羨ましいなあと思っていましたのです。だって北京ではなかなか手に入りません。マカオにも「ドン・キホーテ」があることを知り、出張にかこつけてぜひ行きたいと思っていました。

おおー、このゴチャゴチャした感じ、まさに「ドン・キホーテ」です。

日本にいたころは、実はそんなに「ドン・キホーテ」にお世話になったことがありませんでした。食品は「ドン・キホーテ」以外でも買えるし、例えば家電などは格安かもしれませんが私はきちんとした専門店で買いたいタイプだったからです。けれど中国に半年以上住んでいると、このゴチャゴチャした感じも懐かしく感じます。

面積は大体1700平方メートルなんだそうです。日本だと地方にある「ドン・キホーテ」にワンフロアタイプが多いように思いますが、それらと比べたらちょっと小さいような印象です。

妻に「あったら買ってきて」と頼まれていた「足リラシート」。よく聴く安住さんのラジオ*4CMをやっているのは知っていましたが、商品そのものは初めて見ました(笑)。値段はマカオの通貨で99パタカ、日本円にすると約1700円です。日本国内では1500円くらいになるでしょうか、そう考えると妥当な金額です。

洗剤といった日用品もたくさん売っていました。

マカオの「ドン・キホーテ」で印象的だったのは食品関係の商品が多かったことです。私の印象では「ドン・キホーテ」って日用品、雑貨、家電のほうが多いような。

マカオで店舗をオープンさせるにあたっては「リアルジャパン」というコンセプトを大切にし、日本の店舗を再現することにこだわったそうです。加えてオープン当時の2021年はまさに世界で新型コロナウイルスが猛威を振るっていた時期ですから(今もですけど)日本に行きたくても行けないという方々をターゲットにし、日本旅行で特に人気の高い日本食に力を入れたよし。

お総菜もたくさん売っていました。こちらは寿司……北京ではサーモンやホッキ貝ばかりですが、こちらはマグロやハマチなど日本と変わらない寿司ネタが揃っていました。お刺身も売っていて、時間が遅かったこともあって2割引。さすがに半額とまではいきませんでしたが、ホテルでの晩酌用に買っちゃいました(^^)。

ちなみに「ドン・キホーテ」は耳に残る店内BGMが有名ですが、さすがマカオの店舗だけあって広東語バージョンが流れていました。加えて日本語、英語も。

中国語(北京語)に比べて広東語だとリズミカルに聞こえますね。

食品関係の商品を大量買いし、いざ会計すると日本円で3万円近くかかっていました。けれど北京では手に入りにくいものばかりだし、いいのです。現地通貨も大して持っていませんでしたが、VISAのクレジットカードがそのまま使えたので助かりました。いざ買い物袋に入れて店を出ると、以前は日本でよく見た「爆買い中国人」の姿そのものです。ちょっぴり恥ずかしい。

こちらマカオの「ドン・キホーテ」、珠海にほど近い場所にあり、中国本土や香港からの観光客も来やすい場所に作ったんだそうです。日本の「ドン・キホーテ」を思い出すと中国の方々もよく買い物をしているので需要はあるのかもしれません。だったらいよいよ、なぜ中国本土には作らないんでしょうね。何か規制があるんでしょうか……まあ、日本の商品しか置かない日本ブランドの店って、いざ日中関係が悪くなったときのリスクが高いのも分かりますが(^^;)。

店を出る頃は午前0時近かったです。帰りはさすがにタクシーに乗ってホテルに戻りました。

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References
*1ジャッキー・チェンの映画なんかで使われている言語ですね。
*2もともとはレンタカーという意味でした。
*3かつて様々な王朝の都として栄えてきた北京の街は故宮を中心に碁盤の目上の作りになっています。
*4TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」。