今日は仕事関係で、とある某政府機関に出向きました。
やはり……とは思いましたが、福島第一原子力発電所の処理水の話も。とは言え、向こうも「とりあえず話題には上げておかなければ」という体ですから、やんわりした感じでした。「日本は『核汚染水』……まあ、皆さんは『処理水』と呼んでいますが」という注釈の入れよう。
でも確かにそうですよね。今回の出来事は日本と中国にとって新たな火種となっていますが、それで互いがケンカする必要はないのです。いろいろ問題はあります。例えば日本が国内の漁業関係者を始め、周りをどれだけ納得させる努力をしてきたか。中国は日本のことを非科学的と非難する割に中国自身が感情的な主張に陥っていないか。そりゃあ当局間では互いに言わなきゃならないことがあるのでケンカになるかもしれませんが、一般市民がケンカしなくていいのです。こういう問題が起きると民間の交流イベントが中止になることがあるでしょう?ああいうの、私は愚の骨頂だと思います。
私が「日本の一般市民も海洋放出が今後安全に行われるか、監視していく*1必要がありますね」と答えると、先方も「その通りです」とおっしゃっていました。
今日、北京にある日本大使館から日本人向けに次のような注意喚起が届きました。
(1)外出する際には、不必要に日本語を大きな声で話さないなど、慎重な言動を心がける。
(2)大使館を訪問する必要がある場合は、大使館周囲の様子に細心の注意を払う。
日本語を話しているだけで危なくなる可能性があるなんて、本当に悲しいことです。けど日本だって人のことを言えません。ヘイトスピーチという行為が現に存在するではありませんか。
思い起こすと、私が学生時代に北京に留学していた十数年前も尖閣諸島近くで海上保安庁巡視船と中国の漁船が衝突して、日中関係がどん底と言われるまでに悪化した時期でした。当時も大使館からこんな注意喚起が届いたなあ。歴史は繰り返されると言いますが、こうした「悪い歴史」も巡り巡って繰り返されるのかと寂しい気持ちになりました。
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*1 | 私は中国語で“监督”(監督する)という言葉を使いました。 |
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