今日は北京市内にある水族館「富国海底世界」に行ってきました。

朝陽区にある多目的スタジアム「北京工人体育館」の敷地内には人工池があり、その地下に作られています。検索すると地図アプリ上では“新西兰富国海底世界”(ニュージーランド富国海底世界)などと表示されるので「なぜニュージーランド?」と思っていたのですが、どうやらニュージーランドとの合弁で作られたそうです。

工人体育館の近くに来ることはちょくちょくありましたが、こんな水族館があるなんて知りませんでした。海に囲まれた日本に育った私にとって、海の生き物を見る水族館は基本的に海沿いにある印象があります。沖縄美ら海水族館、神戸の須磨水族館、大阪の海洋館。ああ、それを言ったら高松にはなぜか山上にある新屋島水族館がありましたね(^^;)。けど、それだって瀬戸内海沿いです。

けど、北京と言えば完全に内陸。海水だって手に入らないだろうし、どうしているんでしょう。運搬してくるのかしら。それとも人工の海水?とても気になります。

水族館の入口にはなぜかハトのエサやり体験コーナー。中年の男性が暇そうに座っていました。

ここから入館します……入口に描かれた絵やタコの巨大なオブジェから漂う「地方の水族館」感。1人150元(約3000円)、どんなクオリティーが味わえるのか楽しみです。

いざ入館。1階は売店やアシカショーの会場があり、メインの展示は地下1階にありました。

売店にクラゲが売っていました。けど……これ、ミズクラゲでしょ?私が岡山にいた頃はこんなの、なんぼでも海に浮いていました。料金は33元(約660円)。私なんかは買うにも値しないと思っちゃいますが(笑)内陸の人には珍しいのでしょうか。

追記)ミズクラゲをペットで買う方は日本にもいらっしゃるようです。

ぼーっと展示を見ていると、バシャバシャという水しぶきが聞こえて来ました。何だろうと見てみると、女の子が水槽の中に手を入れてかき回しています。な、なに?私が女の子に「まさか魚を触っているの?」と聞くと「うん、ここで触れるよ」との返答。

快快来!伸手进来与小鱼互动吧!
早くおいで!手を伸ばして小さな魚たちとふれあおう!

ふ、ふれあおうって……日本だと無さそうな展示です。そもそも魚って水槽を叩くのさえ「ストレスになるから」という理由でダメなんですよね。触るのはいいんでしょうか。ヒトデやザリガニなど、磯の生き物とふれあえるようなコーナーは見たことありますけど。なお、その後の展示を見ていると「水槽のガラスを叩かないで」という表記自体はこの水族館にも至る所にありました。

これはパロットファイヤー?

こちらは「トランスルーセントグラスキャットフィッシュ」。東南アジア原産で、実はナマズの仲間なんだそうです。確かに顔にヒゲが生えていて、体の透明が印象的でした。

こちらは「ツノダシ」。中国語では“镰鱼”と言うそうで、これを日本漢字で書くと「鎌魚」。ツノの部分を鎌に見立てているわけですね。魚の中国語名が分かって面白いです。

ミズクラゲのコーナーがありました。水槽の中で水流を作っているようで、回りながらフワフワ浮いていました。

こちらは「魚ミルクやり体験」なるコーナー。体験している子がいたのでどんなものかと眺めていると、男の子が哺乳瓶が付いた棒を持ち、それを水槽の中に突っ込みました。すると魚がものすごい勢いで哺乳瓶に群がるのです。

な、なんですか、これは……ちなみに一体何の魚かと思いきや、何てことはありません、普通のコイです。哺乳瓶には粉状のエサが入っていて、それが水に溶けるとあたかもミルクをやっているように見えるんですね。中国では観光地などに集客の目玉として用意されるようです。

水族館の目玉、全長120メートルある水中トンネルです。足元には動く歩道があって、歩かなくても巨大水槽を下からのんびり楽しむことができます。規模としてはアジア最大級なのだそうです。

この巨大水槽には450万リットルの水が入っていて、浄水した水道水とイスラエルから輸入した120トンの塩で海水を再現しているのだそうです。マグロ、ウミガメ、あとサメなどもいました。

動く歩道に乗って巨大水槽を楽しんでいると、目の前をスイスイと泳ぐ人が横切りました。どうやら、こちらの水族館では巨大水槽を魚と一緒に泳げるプランも販売しているようです。調べてみたところ、1対1のインストラクター付きで980元(約19700円)とのこと。そこそこの値段はしますが、私がいたときだけでもカップルや親子連れが泳いでいるのを見たので購入者はいるようです。でも、水槽にはサメもいましたよ?大丈夫なんでしょうか。

大体の所要時間は1時間半といったところでしょうか。同じ首都にある水族館と比較しても、東京にあるサンシャイン水族館やすみだ水族館に比べるとずいぶん小さいです。入館時に「日本のどこか地方にありそうな水族館」という印象を持ちましたが、見終わってもやはりそんな感想です。サメはいましたがクジラやイルカはおらず、巨大水族館と比べたら小さな魚がメインでした。そうですねえ……私は展示を見ながら岡山県は玉野市渋川にある「玉野海洋博物館」や、和歌山県の南紀白浜にある「京都大学白浜水族館」を思い出しました。

まあ、これで1人150元(約3000円)だとコスパは悪いかな、というのが正直な印象です。ここが中国なのと、内陸の北京であることを加味したらしようがないかもしれませんが。北京動物園のほうにも「海洋館」という水族館があって、こちらのほうが広いとのこと。また機会を見つけて行ってみたいと思います。

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