The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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真夏日、猛暑日……40度以上は?

今日の北京も暑かったです。現地のニュースを見ると“北京迎今年第四个超40℃高温日”(北京で今年4回目の40度超え高温日)なんて報道しています。私が十数年前に留学していた頃はさすがにここまで暑くありませんでした。一体どうしちゃったと言うんでしょう……

これ、午後7時半過ぎに撮影した写真です。相変わらず明るいですよね。そして暑い!!

ただ乾燥しているのでカラッとした暑さなのはありがたいです。日本だと湿度が高いので「蒸し暑い」んですよね。そうそう、先日行ったマカオは40度もありませんでしたが、ジメジメしていたのでよっぽど暑かったのを覚えています。

こんなに40度が普通になると地球の気候がおかしくなっていることを否応にも感じさせられます。日本では30度以上を「真夏日」、35度以上を「猛暑日」と呼びますが、40度以上の日を何と呼ぶのかも考えないといけない時期に来ているのかもしれません。

小龍蝦

今日のお昼は麺屋でいつもと少し違うメニューを注文してみました。

「小龍蝦拌麺」(“小龙虾拌面”)です。「小龍蝦」という漢字から「何かしらのエビの麺」というところまでは予想が付くかもしれません。実はこれ、ザリガニ麺。中国語で「小龍蝦」(“小龙虾”)ってザリガニをことを指すんです。で、お皿の右手にかかっている天かすがふやけた(笑)ように見えるのは「蒜蓉」はガーリックパウダーと言うか、にんにくをみじん切りにしたものです。

中国ではよくザリガニが食されます。それこそ“烧烤”と言う、中国式バーベキューの店に行くと皿に山盛りになって出てきます。泥臭さを防ぐためか、ずいぶんスパイシーに味付けされていることが多いですね。この麺のザリガニは薄味ですけど。

ガチ中華の人気も相まって今は日本でもザリガニを食べられる店が増えてきているようです。ただ、ザリガニって大きさの割に食べられる身が少ないんですよね。この麺のザリガニにしたって小エビが一回り大きくなったくらいです。だったら普通のエビでいいかなあって思っちゃいます(^^;)。

中国語で「ノルウェイの森」

昨日、北京の書店で村上春樹氏の「ノルウェイの森」の中国語版を買いました。

「ノルウェイの森」といえば言わずと知れた村上氏の代表作です。私も大学1年生の冬に購入して読みました。購入した場所が神戸の三宮にある書店だったことも覚えています(こういう無駄なことばかり記憶に残っているんですよね)。

村上作品は中国でも「大」が付くほどの人気で、特に「ノルウェイの森」(“挪威的森林”)はベストセラーです。中国(大陸)では林少華氏が翻訳したものが知られています。林氏の訳した村上作品はまるで中国の通俗小説を読んでいる気分にさせると言います。林氏は中国の古典文学に通じていて、その知識がなせる技なのかもしれません。

中国語で訳された文体を味わうことで、一度日本語で読んだことのある「ノルウェイの森」を2度楽しめる……というわけです。冒頭の部分、どのように書かれているか少しご紹介しましょう。

 三十七岁的我那时坐在波音747客机的座位上。庞大的机体穿过厚重的雨云,俯身向汉堡机场降落。十一月的冷雨将大地涂得一片阴沉,使得身披雨衣的地勤工、扁平扁平的候机楼上的旗,以及BMW广告板等一切的一切,看上去竞同佛兰德派抑郁画幅的背景一般。罢了罢了,又是德国,我想。
 飞机刚一着陆,禁烟显示牌倏然消失,天花板扬声器中低声流出背景音乐,那是一个管弦乐队自鸣得意地演奏的甲壳虫乐队的《挪威的森林》。那旋律一如往日地使我难以自已,不,比往日还要强烈地摇撼我的身心。
 为了不使脑袋胀裂,我弯下腰,双手捂脸,一动不动。

これを私なりに日本語に直訳すると……

 37歳の私はそのとき、ボーイング747の座席に座っていた。巨大な機体は厚く重い雨雲を突き抜け降下し、ハンブルク空港に着陸しようとした。11月の冷たい雨は大地をどんよりと染め、レインコートを着た地上スタッフたち、平たい空港ターミナルの上に掲げられた旗、そしてBMWの広告板など、一切合切をまるでフランドル派の憂鬱な絵画の背景のように見せた。やれやれ、またドイツだ、と僕は思った。
 飛行機が着陸し、禁煙を知らせるランプが消えると天井のスピーカーから小さくBGMが流れてきた。それはオーケストラが得意げに奏でるビートルズの『ノルウェイの森』だった。その旋律はいつものように私を苦しめた。いや、いつもより強烈に僕の心を揺り動かした。
 頭が張り裂けないように私は身をかがめ、両手で顔を覆い、じっと動かなかった。

さて、村上氏の日本語原文はどんなだったか。紹介します。

 僕は三十七歳で、そのときボーイング747のシートに座っていた。その巨大な飛行機はぶ厚い雨雲をくぐり抜けて降下し、ハンブルグ空港に着陸しようとしているところだった。十一月の冷ややかな雨が大地を暗く染め、雨合羽を着た整備工たちや、のっぺりとした空港ビルの上に立った旗や、BMWの広告板やそんな何もかもをフランドル派の陰うつな絵の背景のように見せていた。やれやれ、またドイツか、と僕は思った。
 飛行機が着地を完了すると禁煙のサインが消え、天井のスピーカーから小さな音でBGMが流れはじめた。それはどこかのオーケストラが甘く演奏するビートルズの『ノルウェイの森』だった。そしてそのメロディーはいつものように僕を混乱させた。いや、いつもとは比べものにならないくらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。
 僕は頭がはりさけてしまわないように身をかがめて両手で顔を覆い、そのままじっとしていた。

この冒頭部分だけだと日本語も中国語もそんなに変わらないですね。村上作品に登場する主人公の1人称は「僕」が多いですが、中国語では“”としか書きようがないので「私」なのか「僕」なのか、あるいは「オレ」なのか訳出は難しいです。まあ「オレ」なら場合によっては“咱家”と訳せるかもしれませんが。

ちなみに台湾では違う中国語訳の「ノルウェイの森」が出版されています。私も学生の頃に台湾旅行した際、台湾版を購入しました。一番有名なのは頼明珠氏が訳したもので、こちらは林少華氏の訳に比べ、より日本語の「村上的文体」を再現できているのだそうです。

村上春樹に私が出会ってから、台湾が出会った頃まで
賴先生とは数年前に東方国際学者会議で初めてお会いしたのですが、オールド・フレンドとの再会のような親近感を覚えました。その後も連絡をしつづけており、たまに電話で村上文学の話や翻訳の話などをすると時の経つのを忘れて、つい数時間も会話がつづくほど、不思議な縁を感じております。

こちらは早稲田大学に「村上春樹ライブラリー」が開館するにあたり頼氏が寄せたエッセイ。頼氏が「村上的文体」をどう訳そうとしたのかが分かってとても興味深かったです。例えば「風の歌を聴け」の冒頭にあるひと言。

完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

頼氏は「完璧な絶望」という言葉の独特さを指摘しています。確かに、日本語の「完璧」は通常良いことにしか使わないので「完璧な絶望」は多少不自然に聞こえます。けれど、それが村上氏のこだわりなのでしょう。そこで次のように中国語に訳したと言います。

所謂完美的文章並不存在。就像完美的絕望不存在一樣噢。

頼氏は「完美」という言葉を使って日本語の「完璧」を表現したわけです。中国語の「完美」も「完璧である、非の打ち所がない」という、良い場合にしか使われない言葉。つまり「完美的絕望」を読んだ台湾人の読者は、日本人が「完璧な絶望」を読んだときと同じような「感覚」を味わうことができるわけです。

そして「完璧な絶望が存在しないようにね」の語尾の「ね」についても、頼氏は「」という漢字を語尾に付けました。これは中国語で「~だよ」といった語気を加える効果があります。頼氏は次のように話しています。

日本語の会話の語尾は相手の気持ちを尊重し、つねにお互いに緊密に呼応する。そんな日本語の心遣いを読者に感じさせたいと思って、場合によって語尾の「ね」を、訳すことにして「」として残した。

なるほど~。ここまで読むと気になるのが中国版の林少華氏はどう訳したか、です。林氏の訳した「風の歌を聴け」の冒頭部分は次のような表現でした。

不存在十全十美的文章,如同不存在彻头彻尾的绝望。

こちらは「完璧な文章」と「完璧な絶望」で「絶望」を訳し分けています。前者は“十全十美”(完全無欠の、完璧な)で、後者は“彻头彻尾”(徹頭徹尾、とことん、徹底的に)です。どちらも四字熟語を使うところが中国語っぽいですし、林氏らしいですね。

頼氏と違って同じ語を使っていないし「~しないようにね」の語尾も訳出はされていませんが、林氏のこの訳(=中国の通俗小説を彷彿とさせる訳)こそが、中国で村上作品のファンを生んだのかもしれません。残念ながら頼氏が訳した台湾版の「ノルウェイの森」は日本に置いてきてしまいましたが、林氏の中国語版が手に入ったということで、日本語オリジナルとはまた違う「ノルウェイの森」の世界観を楽しみたいと思います。

魚清、再び

今日は夕食をいただきに、北京で海鮮が食べられる「魚清」に行ってきました。

午後7時前に着きましたが、すでに満席。どのくらい待つかなあ~と思った直後に目の前のテーブルで食事をしていた客が席を立ったため、ちょうど座ることができました。しかし私より後に来た人はみんな順番待ち。滑り込みセーフってところですね。

北京住まいの私と妻にとって、海鮮がいただける大切な機会です。とか言って、写真の中で目立っているのは鶏の唐揚げとかカニクリームコロッケとか、海鮮以外ばかりですが(^^;)。

北京で名古屋の台湾まぜそば

夕方に三里屯をぷらぷらしていると、日本のラーメンが食べられる店を見つけました。ラーメンというより「油そば」をメインに扱っている店のようです。

油そばって私は大学進学で上京するまで知りませんでした。初めて作ったのは国立市にある一橋大学近くのラーメン店だとか、あるいは武蔵野市にある亜細亜大学近くのラーメン店だとか説は複数あるらしいですが、共通しているのは東京西部(多摩地区)が発祥なのだそうです。

私も大学生の頃に友人に連れられ食べに行きましたが、正直、味は大したことないなと思ったのを覚えています(笑)。

妻は「油そば」を選びましたが、私は「台湾まぜそば」なるものを選びました。愛知県名古屋市が発祥だそうで、ネギ・タマネギ・挽肉が麺の上に載っています。

よーくまぜたつもりですが、それでも麺を食べ終わるとネギや挽肉といった具がたくさん余ってしまいました。名古屋ではここに白ごはんを投入する「追い飯」なるものをすることもあるそうで、なるほど、確かにそうしたほうが具も余さず食べられるだろうなと思いました。

しかし「台湾まぜそば」と言いますが、台湾で見たことはありません。名古屋で唐辛子とニンニクを絡め炒めた挽肉のことを「台湾ミンチ」と呼ぶことから付けられた名前なんだそうですが、北京で名古屋が発祥の台湾まぜそばを食すとは何とも説明に困る複雑さです(^^;)。

文明的に乗車しましょう

今朝通勤していると車内に子どもが多いことに気付きました。職場で中国人の同僚にそんな話をすると「夏休みなんでしょう」と言います。

へええ、まだ6月なのに夏休みなんですね。わきで会話を聴いていた別の中国人の同僚は「ええ、もう夏休み?そんな早いことある?」と言っていたので、地域や学校によるのかもしれませんが。

夜になって帰宅する際にも、駅のホームに小学校高学年くらいの子が両親と一緒にいるのを見かけました。で、私を含めて他の客は列を作って電車が来るのを待っているんですけど、この子ども、その列を無視して立っているんです。電車がホームに入ってくると……嫌な予感が的中しました。列を無視し、電車から降りてくる客をかき分けながら乗り込んでいきます。私や別の客が乗り込んだときには両親の分も席を確保し「満足げな顔」で座っていました。こりゃ両親に叱られるぞ……と思ったのですが、親は乗り込んでくるなり席を確保した子どもに「よくやった」みたいな感じのことを言っているんですね。うーん、さすがにモヤモヤしてしまいました。

私は「だから中国人は」なんて分母の大きい話をするつもりはありません。それに中国でも最近は“先下后上”(降車する人が先、乗車する人は後)のルールが守られるようになってきています。けれど……こういう人が依然いるんですよね。いや、地下鉄なんて走っていない地方から出てきた人ならまだ分かります。けれど、こちらの親子は身なりを見るに北京在住で、それなりの生活を送っていそうな雰囲気。子どもはしようがないとしても、日本の親ならまずは子どもを叱るんじゃないでしょうか。降りる人を待たずに列を抜かして乗車するのは「恥ずかしいこと」なのだと。

中国で公共交通機関を利用していると、よくアナウンスで“有序乘车”とか“文明乘车”と流れます。それぞれ「秩序を持って乗車しましょう」「文明的に(=マナーを守って)乗車しましょう」という意味ですが、日本でこんなアナウンスが流れることはありませんよね。まあ、国の人口が違えば、面積も違います。事情が異なりますし*1、手放しに「すごいぞ日本」なんて言うつもりもありませんが……やはり公共の場で「秩序を保つ」という意識は遙かに日本のほうが上だと思います。

References
*1こういう話を中国の人にすると、よく“国情不一样”(国情=国の状況、お国柄が違いますから)と言います。

沈まぬ太陽

最近、遅い時間になってもずいぶん明るいです。ちょうど1週間前が夏至だったので、昼の時間が長いんだなあというのは分かりますが……いや、それにしても明るすぎる気がするのです。

これ、ちょうど午後7時半くらいの空です。明るいですよねえ。

午後8時を回っても空はじんわり明るいです。日本に行た頃もそうだったかなあ?と不思議に思ったのですが、緯度の関係でしょうか。北京は岩手県と同じくらいの緯度に位置するそうです。高緯度であれば高緯度であるほど夏は昼の時間が長くなると聞きます。

私は岡山生まれ岡山育ち、岡山を出て住んだのも東京くらいですから、あまり高い緯度の地域を知らないんですよね。実は日本でも岩手県くらいに行ったら、遅い時間になっても日がまだ出ていたりするものなんでしょうか。

天津の黄湯拉麺

天津出張2日目。今日は朝5時起き、ホテル6時出発で、日が暮れるまで仕事の1日でした。それも今夜のうちに北京に帰る予定だという強行軍。私も疲れましたが、同行した中国人スタッフたちもクタクタのようで申し訳なかったです。

仕事を終えたのが午後7時過ぎで、天津を出発したのが午後7時半頃。みんな夕食を食べていません。日本人なら「コンビニで軽く買って車内で食べようか」となりますが、そこは中国人。食事はきちんと取りたい人たちなんですよねえ。帰り道、道すがらにあった地元のラーメン店に入っていただくことにしました。

地域の食堂っていう感じの店です。地元の方と思わしき方がちょこちょこ食事をしていました。ちなみに中国で「ラーメン」というのは日本の「ラーメン」と全く違うもの。日本のラーメンを食べたいときには“日式拉面”(日本式ラーメン)と掲げられた店に行かなければ無駄足になります。

ちなみにこちらが出しているラーメンは「黄湯拉麺」(“黄汤拉面”)というものだそうです。直訳すると黄色いラーメン、聞いたことがありません。一緒にいた中国人たちも「知らない、聞いたことがない」と話していました。

で、来たのがこちら。確かに黄色です。ほのかにカレー粉?のような味を感じます。調べてみると天津で食べられるラーメンなんだそう。何百年と歴史があるというよりは、ここ数十年のものなのかな。麺や具材は蘭州牛肉麺と似ていますが、スープが独特。あっさりしていておいしかったです。

その後、北京に車を走らせていたところ、途中にある検問所みたいなところで止められました。

見た目はインターチェンジ?料金所?みたいなところで、「公安」と書いたゼッケンを着た男性が車に乗る全員に身分証の提示を求めてきました。中国人たちは政府が発行している身分証を見せて機械でスキャンするだけでしたが、私はパスポートを見せたところ、降りてきなさいとの指示。建物に連れて行かれ、パスポートをスキャンされ、電話番号と住所を教えるよう言われました。

教えましたけど、私の電話番号や住所なんて、公安の皆さんならとっくに知っているんじゃないですか(笑)なんて思っちゃいましたけど。車で北京に入ったことがなかったので知りませんでしたが、こんな厳しいんですね。何ならトランクを開けて荷物の検査までされました。

会社に到着したらもう午後11時前でした。クタクタ~。

働く日曜日

今日は日曜日ですが、中国では平日扱いです。悪しき「振替出勤日」というやつです。

日本なら「いっそのこそ日曜日も休みに」ってなるところでしょうが、そうならないんですよねえ……中国は。ま、私の周りの中国人たちはみんな“抱怨*1していますけど。

けれど出勤すると今日は月曜日だったような気がしてきます。だって周りの人みんなが平日と変わらぬ生活をしているんです。いつも通りの通勤ラッシュ、駅は仕事に向かう人や通学する人でごった返しています。しかし日本とやり取りをした瞬間に「あ、今日は日曜日だったんだ」と気付きます。

日本は休みだし、夕方には仕事を切り上げました。気分転換に職場から地下鉄で1駅のところにあるショッピングモールまで散歩。昼間は暑いですが、夕方になると涼しいですね。ショッピングモールもいつもの日曜ならもう少し賑わっているでしょうが、今日は平日扱いだからか人は少なめです。

スターバックスでアイスコーヒーを飲んでまったり。

以前はスタバに来たらフラペチーノみたいな甘いものばかり飲んでいたのに、この年になって甘いものが全くダメになってしまいました。専らブラックのコーヒーか、飲んでラテくらいです。果汁100%のジュースなんか、ドロドロ甘く感じて飲めません。

でも毎回聞かれるんですよね、「お飲み物と一緒に甘い食事はいかがですか」と。うーむ、私に売りつけるのにその文句ではそそられませんなあ(^^;)。ホットドッグやサンドイッチみたいなものなら喜んで食べるんですけどね。つくづく日本のドトールコーヒーが懐かしいです*2

References
*1愚痴を言うこと。
*2ドトールコーヒー、上海にはあるみたいです。北京にも来ないかなあ。

あのときの美容師のお兄ちゃん

今日は午前中に髪を切りに行ってきました。いつも行っている日系の美容院です。

特にスタイリストさんを指定することなく予約したのですが、今日切ってくれたのは前回と同じ方でした。私より3歳年下、30歳の若いお兄ちゃんです。

美容師のお兄ちゃん
私は去年9月に北京に赴任してから、ずっと同じ美容室に通っています。日本人スタイリストがいるからという理由で通い出したのですが、その実、一度も日本人スタイリストに切ってもらったことがありません。当初は予約に空きがないからという理由でしたが、そのうち中国人スタイリストのほうが安いし、それでいいやと思うようになりました。今日も中国人のお兄ちゃんに切ってもらいました。初めて見る方で、私の靴を見て「素敵な靴ですね」と話しかけてくれました。この美容室の中国人スタイリストは寡黙な方が多いので珍しいタイプだな...

もちろん私は覚えていましたが、彼も私のことを覚えていてくれました。

前回もそうだったんですが、ちょこちょこ話しかけてくれるんです。その会話の量も「ちょうど良い」くらい。しつこすぎず、ちょうど良いんです。それもサラッと格好いいことを言うんですよね、例えば今日は席に着くと「また会えましたね」と。自然に「また会えましたね」なんて言える人、そうそういませんよ。それに彼が言うと気取った感じがしないんです。

髪を切りながらも、逐一「長さはこのくらいでいいですか」とか「ここは切らなくていいですか」などと聞いてくれます。それに聞くだけでなく「前髪はこのくらいにしておいたほうがいいですよ」などとアドバイスもくれます。

切り終わって気付いたのですが、私の髪型、お兄ちゃんとそっくりになりました。するとお兄ちゃん、「僕たち、同じ髪型になりましたね」なんて言うんです。なんか、こう、嬉しくなっちゃう感じ、分かります?後輩が「先輩先輩」って慕ってきてくれる、そんな感じ(笑)。

向こうが客商売なことは分かっています。それでも気持ちいいし、嬉しくなりますね。私も人にそんな風に思ってもらえる仕事ができるように頑張ろっと。

 

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