The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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迷子紐

出勤途中、地下鉄のホームドアでこんなものを見つけました。

危险:为了您和家人的安全,在上下车过程中,请勿使用防走失绳。
危険:ご自身とご家族の安全のため、乗降車の際は「迷子紐」のご使用をお控えください。

私は「迷子紐」と訳しましたが、ほかに「子ども用リード」「チャイルドハーネス」という呼び方もあるようです。紐(ハーネス)を子どもの体や荷物にくくりつけて親が常に握っておくもので、子どもが急に路上に飛び出して事故に遭ったり、迷子になったりするのを防ぐために使われます。

日本では「犬の散歩のようだ」とか「奴隷制度を思い出させる」などという意見もあり、まだまだ普及しているとは言えないようです。一方、欧米の方はよく使っていますよね。ここ中国でもたまに見かけることがあります。私も当初は迷子紐に良いイメージを抱きませんでした。まるで子どもの自由を奪っているように見え、わざわざ紐で繋がなくてもいいじゃないかと思っていたのです。

しかし子どもができた今、考えがずいぶん変わりました。最近になって娘を外でちょこちょこ歩かせるようになりましたが、本当にどこに歩いて行くか見当が付かないのです。私たちが手を引っ張っていたって、アッチに行くのかと思ったらクルッと方向転換してコッチに行きます。自動車が行き交う道路でこんな感じに歩かれちゃ、もう、こちらは心臓がいくつあっても足りません。あとは目を離した隙にいなくなってしまわないかという不安もあります。中国では今も誘拐がニュースになることがあり、親が後ろを向いている間に複数の男たちが子どもを抱えて走り去ってゆく……なんて防犯カメラの映像を目にすることがあります。

もちろん手を繋いでいればいいわけですけど、どうしても両手の塞がるときが出てきます。そんなときに子どもと迷子紐で繋がっていれば、もちろん過信はできませんけど、安心感がずいぶん違うと思うのです。それでも周りからアレコレ言われることはあるでしょう。けれど子どもを守ってあげられるのは親しかいないわけですから、自分たちにとって何が一番かということを優先させたいものです。今は紐がなくて警告音で知らせてくれる「デジタル迷子紐」みたいなものも発売されているよし。いろいろ研究してみよっと。

豚骨ラーメン

今日は昼食に博多ラーメンをいただきました。

北京は芳草地にある「博多一幸舎」というラーメンのチェーン店です。本店は福岡県福岡市にあり、中国国内でも10店舗余り展開しているそうです。北京には2店舗あり、そのうち1店舗がいつも通っている美容院の近くにあるので、髪を切ったついでに食べに行きました。

ここに来るといつも豚骨ラーメンとミニチャーハンのセットを注文します。

とてもおいしいです。スープに浮かんだ泡が特徴で、日本では「泡系ラーメン」と呼ばれているそう。豚骨スープが吹き出すときに脂が出て、これをかき混ぜて空気を含ませたら泡になるんだそうです。麺も少し硬めなのが噛みごたえあっていいですね。あとチャーハンも好きです。本当に普通のチャーハンなんですが、街の中華料理屋さんにありそうな味。チャーハンの本場は中国ですけど、中国でこんなチャーハンに出会ったことはありません。こういう味のチャーハンはもはや日本食なんでしょうね。ただスープがこんなに塩辛かったかしら。思わず途中で水を足してしまいました。

中国の人もよく日本のラーメンは塩辛すぎると言います。こちらの店では注文でスープを選ぶ際「薄め」と「普通」から選ぶんですけど、中国語ではそれぞれ“标准”(普通)と“咸味”(塩辛い)と訳されていました。私は日本語だと「普通」のスープを注文したのですが、つまり中国語では“咸味”(塩辛い)を注文していたことになります。隣でラーメンを食べていた女性も店員に「なんでこんなに塩辛いの」と尋ねていました。

ちなみに中国で豚骨ラーメンというと「味千ラーメン」*1が有名です。ただ、これが本当においしくない。スープは水っぽくてコクがありません。麺もまるでコンニャクのようです。だのに中国では大人気の一大チェーンで、どの店も昼時は大混雑しています。豚骨ラーメンって「こってり」が命なのに、こんな豚骨ラーメンをおいしいおいしいと言って食べているのが何だか不憫でなりませんでした(余計なお世話ですね)。ただ今日のスープを飲んで、もしかすると中国の人たちには味千ラーメンくらいの薄味がいいのかもしれないと思っちゃいました。

昼食後、娘とショッピングモールの中を散歩しました。まだ歩行が少しおぼつかないので、手を繋いであげると私の人差し指を固く握ってくれました。しばらくすると娘のほうから引っ張るくらいの勢いでテクテク歩きます。まるで私が娘に先導されているようです。今は私たちが娘を連れていますが、いつか私たちのほうが引っ張られる側になり、娘のほうが私たちの前を歩いて新たな時代を切り開いていくのかな……なんて、センチメンタルな気持ちになってしまいました。

References
*1日本ではあまり知られていませんが、中国では知らない人はいないというくらいのラーメンチェーン。発祥は熊本県らしいですが、その実、中国の企業が商標代理権を得て展開している、事実上は中国のラーメンチェーンです。

やがて哀しき動物たち哉

今日は娘を連れて動物と触れ合えるプレイグラウンドに行きました。

ショッピングモールの中にある施設で、割引サービスを使って「大二小一」*1が124元(約2500円)でした。店員さんから6回入場できる回数券のほうがお得だと力説されましたが、物は試しに来た程度ですし、やっと1歳になったばかりの娘を連れて今後5回も来るかな?という思うところもあって丁重にお断りしました。

この施設は衣料品店や雑貨店と並んで入居していて、面積も他店舗と同じくらいでした。アルパカをはじめ、ヤギ、ネコ、ウサギ、それにハムスターといった動物がいて、一部の動物とは触れ合えるようになっていました。日曜日ということもあって店内にはたくさんの親子連れがいました。

なかにはミーアキャットやプレーリードッグといった珍しい動物も。

娘がどんな反応をするか気にしていたのですが、全く物怖じしていませんでした(^^;)。

動物に興味があるのかな。先月一時帰国した際に私の実家に数日滞在したんですが、飼っている2匹の犬とずいぶん仲良く過ごしていました。あと弟宅におじゃました際にも飼っている猫に強い関心を示していましたし。小さいうちに動物に親しむ機会をたくさん作ってあげたいですね。

ハムスター、小さい!!手のひらに載せると心臓がバクバク動いているのが分かりました。生きているんですねえ。何匹ものハムスターが隅っこでお団子状態になっていました。おしくらまんじゅう、温かいのかな。

とても楽しく滞在した一方、私が少し気になったのは中国の子どもたちの動物に対する「ふれあい方」でした。施設には上の写真のような水辺のエリアがあって、長靴を履いて中に入ることができます。中には金魚が放流されているんですけど、子どもたちはバシャバシャ駆け回るんですよね。すると金魚がどうなるか……想像してもらえると思います。ちょっとのぞき込んだだけでも無惨な姿の金魚が何匹も見えました。

ほかにも乱暴に動物を扱ったり「野菜や果物を与えないでください」と書いてあるのにエサをやろうとしたり、そんな子どもが目立ちました。親は注意するどころか座り込んでスマートフォンをいじっているような感じだったので、そもそも気付いていないのかもしれません。そして残念ながら店員さんたちも動物の扱われ方に関心を寄せているようには見えませんでした。

日本だってかつては同じだったと思います。思い出されるのは志賀直哉の短編小説「城の崎にて」です。作中に大人や子どもが鼠を溺れさせて楽しむ場面がありました。主人公の「自分」は鼠の最期を見る気にはなれず「淋しい嫌な気持ちになった」ということですが、当時多くの人が動物をどう扱っていたかがよく分かります。衣食足りて礼節を知ると言いますが、自分たちの生活が豊かになってこそ動物愛護の意識が生まれるわけです。

インド独立の父とされるマハトマ・ガンジーは「国の偉大さや道徳的発展の程度は、その国の動物の扱い方で判断できる」と言ったそうです。動物は弱く、言葉も話せない存在。動物を愛し大切に扱えるような国なら、人間についても弱者や声なき人たちを尊重し、守ることができるはずだ。そういう意味ではないでしょうか。

中国がそんな国になれたかどうか、日本人である私がとやかく言う資格はないでしょう。しかし国の指導者が「中国は世界第2の経済大国に成長した」と胸を張る一方、窓もない蛍光灯に照らされたショッピングモールで動物たちが子どもに追いかけられる姿を見ていると「おもしろうて、やがて哀しき動物たち哉」というか、何とも言えない気分になるのでした。

References
*1大人2人と子ども1人。

娘の1歳の誕生日

今日、2月22日は娘の1歳の誕生日でした。

この1年を振り返ると、万感胸に迫る思いがあります。海外で初めての子どもを海外で生む、それ自体が私と妻にとってなかなかのライフイベントでした。出産の瞬間、私も産婦人科医の中国語を日本語に同時通訳しながら立ち会ったのは良い思い出です。

出産直後、妻にガンが見つかって手術を受けることになりました。生まれたばかりの娘は日本から手伝いに来てくれていた母に託し、私は妻の手術に立ち会い。まさか娘を生んだ病院で、わずか1週間後に妻が手術を受けることになるとは夢にも思いませんでした。手術は成功。しかし中国の医師からガン転移の可能性があるため速やかに再検査をしたほうが良いと助言されました。

その結果、私たちは生後わずか1か月の娘を抱いて日本に緊急一時帰国しました。再検査の結果、ガンは転移していないことが分かりました。ただし念には念を入れるため日本でも再度手術を受けることになり、妻は数週間入院、娘は私の実家が預かり、私は仕事があるため一旦中国に戻って日本との間を行き来することになりました。つまり家族3人がバラバラになってしまったのです。

妻は2度の手術に耐え、奇跡的にも全身からガンが全くない状態になりました。医師からも北京に戻って良いというお墨付きをもらい、今は家族3人みんな北京で暮らすことができています。今も1年に数回は日本に帰国して再検査を受ける必要はあるものの、通常の暮らしに戻ってくることができました。一時は単身で北京勤務を終える覚悟をしていたくらいですから、本当に奇跡的といっても良いかと思います。

この1年を経て「普通に暮らせる」ことがいかに尊いことか、心にしみて実感しました。それだけに娘の1歳の誕生日を無事に、そして家族みんなで迎えられたことに本当に感謝しています。

よく葬式は亡くなった本人のためのものではなく、残された人たちの心の安定のためにあると言います。そうすると、誕生日も同じですね。私は幼い頃、誕生日は自分のためにあると思っていました。しかし実際には本人ではなく親が感謝するためにあるんじゃないかと思います。父親になった今、ますますその思いを強くしています。

娘が生まれて1年間、たくさんの人が私たち家族のために力を尽くしてくれました。そのどれが欠けても、私たちはやってこられなかったと思います。本当にありがとうございました。そして娘も頑張ってくれました。健康に1歳を迎えてくれてありがとう。これからもよろしくね。

ひな人形

先日ひな人形を出して飾りました。先日、岡山は倉敷の美観地区で購入したひな人形です。

三段飾りということになるでしょうか。コンパクトですが三人官女もいます。

私は男兄弟ばかりの家庭に育ったので、ひな人形にあまり親しまずに育ちました。母が玄関先に小さなひな人形を飾っていたかなあ。本当にそのくらいで、その意味や由来を詳しく知らないまま今に至ります。そもそもひな人形の「ひな」って何?娘も生まれたことですし、少し調べてみました。

ウィキペディアの請け売りですが、平安時代に子どもたちが小さな人形を使って遊ぶ「ひいな祭り」というものがあったそうです。この「ひいな」はサンスクリット語で小さいという意味がある「ヒナ」が語源ではないかということ。男女一対のおひな様は天皇皇后両陛下の結婚式を表していて、女の子が将来良縁に恵まれるよう願う意味合いがあるのだそうです。なるほど、子どもが生まれて初めて意識する伝統もありますね。

ちなみに中国語では「ひな祭り」を何と説明するんでしょう。ひな祭りを漢字「雛祭り」にして中国語でそのまま“雏祭”と読む言い方もあるでしょうけど、それでは中国の方々は分からないでしょうね。ここは“女儿节”(女児節)=女の子の日なんて言うのがいいでしょうか。

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