The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

月: 2025年5月 (3ページ目 (4ページ中))

鳥の巣の思い出

今日は仕事で北京のオリンピック公園の近くに行く用事があり、久しぶりに「鳥の巣」を見かけました。鳥の巣(“鸟巢”)というのは北京国家体育場のことで、2008年と2022年の北京オリンピックのメインスタジアムとなった場所です。鳥の巣という愛称はその独特の形状に由来します。

この鳥の巣を見ていると、2008年の北京オリンピックを思い出します。もう17年前なんですね。あの年、私は大学1年生のフレッシュマンでした。開会式は2008年8月8日の午後8時、中国で「八」という数字は縁起が良いと考えられていることに由来します*1

当時、私は岡山の実家に帰省していて、張芸謀(チャン・イーモウ)監督が演出した開会式をテレビで見たのを覚えています。巨人の足跡を象った花火の演出がCGだったとか、“歌唱祖国”を歌った女の子が口パクだったとか、それなりに話題には事欠きませんでした。けれど当時の中国はまさに高度経済成長期で、ありたけの国力を投じて作り上げた開会式は立派なものでした。高揚感と相まって、多くの中国の人が「中国は良くなっていく」という思いを持ったと思います。

北京オリンピックの開催にあたり、当時《北京欢迎你》という歌が作られました。日本語にすると「北京にようこそ」といった感じでしょうか。開催まで100日というときに発表された、中国大陸をはじめ台湾や香港の名だたるスターが代わる代わる登場して歌う曲です。

この曲を聴いていると、2008年当時の雰囲気を思い出します。この動画のコメント欄を見ると、次のような投稿を見かけました。

08年时候情绪很不一样,唱出来我家大门常打开的自信和昂扬,国庆时候大街小巷插满国旗,印象很深刻那时候大家都把国旗插在车把上,街道上车水马龙,国旗也迎风飘舞。世事难料,现在能发展成全民反间谍的模样,不过过去15年,却好像两个不同的世界。

2008年の頃は今とまるで気分が違った。“我家大门常打开”(我が家の門はいつでも開いている)という歌詞のように、自信と高揚感に満ちていた。国慶節には街中の通りに国旗が掲げられ、自転車のハンドルにも旗を差している人がいたのをよく覚えている。車も人もひしめき、国旗が風にはためていていた。だのに世の中はどうなるか分からないものだ、今や国全体が「反スパイ」に過敏な空気に包まれるとは。たった15年なのに、まるで別の世界になってしまったようだ。

このコメントには500を超える「いいね」が付いていました。きっと多くの中国の人が同じような思いを抱いているんだと思います。車の中から一瞬「鳥の巣」が見えただけですが、私も当時中国に対して抱いていた様々な感情を思い出してしまいました。

References
*1日本でも言われるように「八」という漢字は末広がりです。そして中国語で「八」の発音は[](バー)で、これが「儲かる」「富む」という意味を持つ「発」(發)という漢字の発音[]と似ているという理由もあります。

第2の故郷

労働節の連休で香川県に旅行に行ったという中国人の同僚がお土産を買ってきてくれました。私が就職して最初の勤務地が香川県だったのを知っていて、私だけにわざわざ買ってきてくれたのです。紙袋に入ったお土産をサッと渡してきて「早くしまって!」と(笑)。わあ、うれしい(^^)。

袋を開けると醤油と骨付鶏の素が入っていました。醤油は「やまひら醤油」という小豆島の醤油蔵が作ったものです。骨付鶏は名前の通り、骨が付いた鶏のもも肉で、香川県丸亀市の名物。どちらも香川で慣れ親しんだものです。懐かしいなあ。

私はありがたいことに「人生第2の故郷」と呼べる場所がたくさんあります。本来の故郷は岡山ですが、中学3年間を過ごした東京、大学時代に留学して今も暮らしている中国北京。そして就職したての頃に5年勤めた香川。醤油蔵がたくさんある小豆島は何度も通いました。私の担当する自治体だったんです。そして骨付鶏、丸亀の一鶴(いっかく)で食べた味は忘れられません。あのときにご一緒した方はみんな元気かなあ。

お土産をくれた中国人の同僚は瀬戸内国際芸術祭2025に行ったんだそうです。この芸術祭は瀬戸内海の島々を舞台に3年に1度開かれていて、現代アートの祭典と呼ばれています。私が香川に住んでいた頃からやっていましたが、現代アートはさっぱり分からない人間なので「何が良いのやら」と思っていました(失礼、けれど正直今も思っています)。当時も世界各地から観光客が訪れていましたが、こうして身近なところでも中国からも行く人がいるのを見るにつけ、そんなに魅力があるんだなあと改めて感じさせられます。

病院で再検査

肺炎にかかってしまった件で医師から再検査(“复查”)を求められていたため、再び病院に行ってきました。昨日まではまだしんどかったのですが、処方してもらった抗生物質が功を奏したのか今日は大分楽。せっかくの日曜日ということもあり、家族みんなで出かけて外で昼食をとり、その足で病院に向かいました。ただ1歳の娘を院内まで連れてくるのは気が引けたので、近くのカフェで妻と時間を潰してもらいました。

肺の音を聴診してもらったところ、呼吸する際に異音が若干残っているそうですが、初診の日に比べたら良くなっているとのこと。血液検査の結果、白血球の数も大幅に減っているとのことでした*1。ちなみに今日の看護師さんも採血の際には一発で私の血管を探し当てていました。すごいなあ。

次の水曜日に再検査のため来院するよう言われ、今日は終了。天気が良かったので、自宅まで散歩がてら帰りました。徒歩で20分くらいの距離です。こんな程度でも健康のありがたみを感じます。

References
*1肺炎にかかると血液検査で白血球の数が上昇することが一般的なんだそうです。

身在福中不知福

一昨日から体調が悪く、今朝になっていよいよ体温が39度まで上がったので会社を休んで病院に行きました。私はけっこう「ずぼら」な性格で、身体はどちらかといえば頑健なほうですが、一度体調を崩すとみるみる悪くなります。

医師の問診を受け、2本の綿棒を鼻の奥に突っ込まれます(多分、インフルエンザと新型コロナウイルスの検査をしたんだと思います)。あとは採血。私の腕は血管が見つけにくいようで、毎回採血に苦労します。日本だと針を刺したものの血が出てこず、深く刺したり浅く刺したり、挙げ句の果てには針を抜いて刺し直す……なんてこともありました。けれど中国で経験した採血は今のところ一発成功ばかり。今日採血してくれた看護師さんも一瞬「分かりづらいな」と呟いたものの、採血は一発で成功。思わず「さすがですね」と言っちゃいました。やはり中国のほうが人口が多い分、採血をしている回数も多くて上手いのかしら。

数十分後に検査結果が出たのですが、何と肺炎でした。問診の際にも医師に「肺のあたりから“啰音”がする」と言われていたのです。そのときは“啰音”って何だ?と分からなかったのですが、日本語だと「ラ音」と言って肺から聞こえる異音のことを指すのだそう。採血以外にレントゲン写真も撮影しましたが、肺が炎症を起こしているのが確認できたとのこと。

急遽、抗生物質を点滴することになりました。個室のベッドに横たわり、毛布をかけてくれました。点滴が終わるまで約1時間半、部屋を暗くしてもらったのでゆっくり休むことができました。

こうして病にかかると健康のありがたみを感じます。“身在福中不知福”(幸せなときは、その幸せに気付かない)、幸いなことに明日から土・日の週末なので養生したいと思います。

便に溺れる?

今日ふとこんな看板を見かけました。

禁止随地便溺”なので「ところ構わず“便溺”しないこと」という意味でしょうが、“便溺”って何でしょう。“便”は大便や小便を指しているのかと思いますが、“”は何だろう。日本語だと「溺れる」(おぼれる)に使う漢字ですよね。じゃあ「便に溺れる」?なんじゃそりゃ。

調べてみると“”は[](ニー)と発音したら溺れるという意味で、[niào](ニアオ)と発音したら小便を指すようです。だからここは“禁止随地便溺”で「ところ構わず大便・小便するのを禁じる」という意味ですね。北京市の条例で違反者は200元(約4000円)の罰金なんだそうです。

«過去の 投稿 新しい 投稿 »

© 2025 BOBOYORU.NET

Theme by Anders Noren上へ ↑