The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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北京の春

ふと職場から外に出ると土の香りがしました。春だなあ……と感じたのですが、いや、そうではなく、近所の花壇の整備が行われていたのでした。

北京では春になると街のあちこちで草花が見られるようになります。突然咲いたように見えますが、そういうことではなく人工的に植えられているんだと思います。北京の冬は最高気温でも氷点下になることが多いので、自生が難しい植物も多いんでしょうね。だから春になるとこうして花壇の整備が一斉に始まり、様々な草花が植えられます。

そんなこともあって北京では冬の間は殺風景だった花壇に突然色とりどりの花が咲き乱れるようになります。多分、まもなくそこらで芝生の張り替えや草花の貼り替えが始まるかな。北京に赴任して3回目の春、またこの季節になったんだなあと感じました。

中国の東北料理

仕事で付き合いのある中国東北部出身の友人が食事に誘ってくれ、東北料理の店に行きました。彼曰く「東北人の私が食べてもおいしいと感じる店です」とのこと。わあ、楽しみ。「金掌勺東北菜」という店で、北京を始め、天津にも店舗があるチェーンのようです。

酸菜が食べたいという私のリクエストに応えて注文してくれた料理「東北殺猪菜」、写真右側の料理です。「殺猪菜」=豚を殺した料理とは何とも物騒な名前ですが、中国の東北地方では故郷の味として親しまれているそうです。中国語で「猪」はイノシシではなくブタのことを指します。

鍋には豚肉と酸菜、それに豚の血を固めた「血腸」が入っていて、これらをニンニクを溶かした醤油につけていただきます。うーん、酸菜の「すっぱい」感じと、つけダレの「濃い」ニンニク風味がたまりません。酸菜のおかげか、豚肉も全く脂っこく感じません。かつての農村で豚肉はごちそうだったんでしょうね。お祝い事のときには一家で育てた豚をつぶして特別な料理を作った。そんな東北の風俗が「殺猪菜」という料理名から感じられます。

写真左側の料理は「鍋包肉」、日本語でいえば豚肉の天ぷら甘酢餡かけといったところでしょうか。豚肉の薄切り肉を揚げたもので、衣がサクサクでした。おいしかったですが、ちょっと私には甘すぎたかな。これをポン酢やおろし醤油で食べたらおいしいだろうな、なんて不謹慎なことを考えてしまいました。

こちらは「烤冷麺」という東北地方のB級グルメ。料理名は日本語に直訳すると「焼いた冷麺」、焼いているけど冷たい麺とはややこしい名前です。そもそも麺なの?と思っちゃいますが、これは麺なんだそう。けれど食べたら確かに麺っぽいです。ツルツルとすすることはできないけれど、モチモチしています。ウインナーやタマゴといった具が入っていて、ピリ辛なソースで味付けされていました。屋台にありそうな味付けです。

ちなみにこちらの店では料理注文の際、テーブルに砂時計が置かれます。砂が落ちきらないうちに料理を提供するのがルールなんだそうで、落ちきった後に運ばれてきた料理は無料になるんだそうです。早く提供してくれる分にはありがたいですが、こういうのがまた“内卷”*1を加速させるんじゃないかと心配してしまうのは私だけかしらん。少しくらい遅くても構わないので、おいしくて安全安心な料理を提供してくれるのが一番です。あ、こちらのお店、もちろん味はよかったですよ。

References
*1中国の現代社会を表したインターネットスラング。競争が競争を招き、みんながどんどん疲弊していく状況を表す言葉。

儿科医院的面面观

タイトルの中国語は「小児科病院で見かけるあれこれの人間模様」みたいな意味です。

私の職場の近所には中国有数の小児科病院があり、中国各地から診察に訪れた親子連れの姿を多く見かけます。都会風のファッショナブルな服装に身を包んだ親子、おそらく農村から出て来たのであろう素朴な格好の親子、本当にあれこれの人間模様が観察できます。

今日は3、4歳くらいの男の子が“开裆裤”をはいているのを見かけました。珍しいなあ、今でもはいている子がいるんですね。“开裆裤”というのは股の部分が割れていて、お尻が丸見えになっている中国の幼児用ズボンです。どんな見た目か気になる方は、Google画像検索で“开裆裤”と調べてみてください。後ろから見ると子どものかわいいお尻が見えるような構造で、ズボンを脱ぐことなくしゃがめば素早く用を足せる仕組みになっています。その昔、中国ではオムツだと洗う手間や使い捨てで金がかかるため“开裆裤”が一般的でした。

今ではほぼ見かけなくなりました。だって農村部ならまだしも、都市部のそこらで大小便をするわけにはいきません。それに常に肌が露出している“开裆裤”は感染症の原因にもなり得ます。ここ最近は全く見かけない絶滅危惧種になっていたわけですが、まだ残っていたんですね。

調べてみると、今でも“开裆裤”をはかせる親がいる理由のひとつに「オムツの交換がしやすいから」というものがあるそうです。なるほど、オムツをした上で“开裆裤”をはかせるわけですね。確かにオムツの交換ってズボンを脱がせ、肌着を脱がせ……みたいな手順が必要なので、それを省けるなら相当楽になると思います。私にも1歳の娘がいるのでよーく分かります。

けれど今日の男の子はかわいいお尻が見えていたので、オムツ交換がしやすいように……というわけではなさそうです。今やメリットよりデメリットが上回りそうな“开裆裤”をわざわざはかせるのはなぜでしょう。見る感じ、男の子の両親は私より5歳ほど年上に見えました。もしかしたら自分たちが小さい頃によくはいた懐かしい“开裆裤”を子どもにもはかせたかった、そんなところかしら(^^;)。

でも、私も何となく理解できます。この冬、娘に半纏を着させたくて、日本に一時帰国をした際に衣料品チェーンの「しまむら」を回ったのですが、手に入らなかったんですよね。私も妻も小さい頃から半纏を着て育ち、私にいたっては今でも愛用しています。愛着のある半纏を娘にも着せたらかわいいだろうなあ……と何となく思ったんですけど。もう半纏の季節は過ぎてしまったので、娘の半纏探しは次の冬シーズンにお預けということになりそうです。

楊絮飛散中

北京の街中ではギョッとするほどの「楊絮」(ようじょ)が飛散しています。

写真では分かりづらいかもしれません。ポツポツ白い綿のようなものが写っていますが、これが「楊絮」です。この時期、北京の街中をフワフワ飛んでいます。しかし今年の数は尋常ではないような気がします。一昨年、去年よりだいぶ多い。私は整髪料を使っていることもあり、髪に絡んできます。職場に戻って鏡を見ると、頭にたくさんの綿がくっついているのです。

職場で中国人の同僚に「今年の楊絮、何だか多くない?」と尋ねると「確かに多い気がする」とのこと。ここ数年は綿毛を抑制する薬剤などが開発され、改善されたそうです。それでも多いのは気候が原因かしら。中国人の同僚は「トランプ米大統領の関税の影響で薬剤が買えなくて今年は打てていないんじゃないの」とケラケラ笑っていましたが。

香港に行く前はここまで舞っていなかったので、ここ数日で一気に増えたんだと思います。今は楊絮で、それからヤナギの種「柳絮」が飛び始めます。1か月くらいは続くんじゃないかな。花粉症の人にはつらい時期が始まります。

玉淵潭公園

今日は北京の桜の名所と知られる「玉淵潭公園」に行きました。

ここ玉淵潭公園が桜の名所になったきっかけは1972年の日中国交正常化なんだそうです。当時中国からジャイアントパンダのカンカン・ランランが日本に贈られましたが、日本からは1000本の桜の苗木が中国に贈られたとのこと。このうち180本が玉淵潭公園に植えられたのだそうです。

当時日本から送られたのはオオヤマザクラだそうですが、その後は園内にソメイヨシノが意識的に植えられるようになり、今では6割がソメイヨシノなんだそうです。まさに今が満開で、見事な咲きっぷりでした。私たちが見た白っぽい花びらの桜はソメイヨシノなんだと思いますが、こんなに早く満開になるものでしょうか。だって北京と同じ緯度に位置する日本の都市といえば青森がありますが、青森の桜満開ってもっと遅いですよね。

北京はもともと桜には向いていない土地なんだそうです。桜は湿潤な気候、やや酸性の土壌を好むのに対し、北京は雨が少なく、降るとしても7~8月に集中していて、土壌もアルカリ性です。そのため、わざわざ弱酸性の土壌を運び入れて土の入れ替えを行ったほか、春の水やりと秋の施肥を欠かさないなど日本の桜を北京に根付かせるには並々ならぬ努力があったのだそうです。

中国でも桜というと「日本の花」という印象が強いです。昨今の日中関係は冷え込んでいますが、それでも公園はものすごい人で混んでいました。日本で花見というとレジャーシートを敷いて乾杯……という形式が多いですが、中国の方はとにかく写真、写真、写真。大女優顔負けのポーズで撮影に勤しむおばさま方が多数いらっしゃいました。あとはコスプレイヤーの姿も。おそらく日本のアニメキャラクターなんでしょうが、やはり桜があると「日本っぽいロケーション」になるんでしょうか。

やはり桜を見ると春が来たという実感が湧いてきます。娘にとっては生まれて2回目の春。異国の地にいても桜を見て日本を感じてもらえたかな。

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