The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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懐かしいおもちゃ

散歩がてら、北京は朝陽門に行きました。

やってきたのは「MINISO LAND」。MINISOは中国各地で店舗を展開する雑貨店チェーンで、このMINISO LANDというのは旗艦店という位置づけなんだそうです。

朝陽門の若者一番地The BoxにできたMINISO LANDの北京一号店です。

ちなみにMINISOの正式名称は中国語で“名创优品”(名創優品)。中国発のブランドですが、創業当初は「日本発」を謳っていて「無印良品とユニクロとダイソーを足して3で割った中国ブランド」と揶揄されました。その実「名創優品」という名前は無印良品の「品」、ダイソー(大創)の「創」、ユニクロの「優」(中国名は“优衣库”=優衣庫)、それぞれの日系チェーンから1文字ずつ取っているとされます。

上海・南京東路にて(2017年4月撮影)

メイソウ、もといMINISOが創業された2010年代は中国でユニクロや無印良品の人気が高まりつつある頃でした。MINISOはいわばその勢いにあやかり、日本ブランドであることを装ってチェーン展開した企業です。中国でも「日本のパクリ」「恥ずかしい」と言われるようになり、その後、脱日本路線を進めることになりました。

通常のMINISOは雑貨品を扱いますが、こちらのMINISO LANDはキャラクターグッズに絞っているのが特徴なんだそうです。ディズニーやサンリオ、ハリーポッターなど、世界で有名な40以上のキャラクターを取り上げていて、広さは1000平方メートルを超えます。パクリから始まったMINISOがこうして知的財産権の固まりとも言えるキャラクターグッズの専門店をつくるようになるとは、何だか隔世の感を禁じ得ません。

モールの2階分を使った店舗の構造、贅沢な空間の使い方はさすが旗艦店です。

たまごっちが並んでいました。中国語では“拓麻歌子”、発音すると「トゥオマーグァーツ」ですから、たまごっちの音訳なんでしょうね。

私と妻が「懐かしいね」と商品を眺めていると、若い中国人の女性が駆けてきて真剣に品定めしていました。へええ、人気があるのかな。スマートフォンが当たり前の世代の人にとって、たまごっちなんてずいぶんレトロなゲームかと思いますが。けど、そういうレトロさが逆に人気を集めているのかもしれませんね。それに卵形のカラフルな本体もかわいいので、アクセサリーとしていいかもしれません。そういえば、おやじっちって今もいるのかな。

たまごっちがここまで人気になるなら、同じ時期に流行ったレトロおもちゃ*1も受け入れられるんじゃないかしら。ベイブレードとかハイパーヨーヨー、あとビーダマンとか?わあ、自分で言っておきながら懐かしい。男の子のおもちゃしか思いつきませんが、きっと女の子のおもちゃにもそういうのがあるでしょうね。日本の玩具メーカーにとってはチャンスかもしれません。

References
*1平成に流行ったおもちゃを「レトロ」と言うのも何だか複雑な気持ちですが。

突然届いた注意喚起

日本ではまもなくゴールデンウィークですが、中国でも連休が控えています。5月1日のメーデーに合わせた5連休で、中国では「労働節」と呼ばれています。きっと日本に遊びに行く中国人もたくさんいるでしょうね、各地で中国人観光客の姿が増えると思います。

ちなみに昨日、中国のニュースアプリから次のようなプッシュ通知が送られてきました。東京の中国大使館が日本に来る中国人観光客に対して注意喚起をしたというのです。

曰く、日本では最近治安が悪化して、事件が増加しているので注意せよとのこと。具体的には次のようなことを挙げています。

  • 福岡県北九州市、長野県長野市、岐阜県岐阜市などで無差別殺人事件が起き、多くの罪のない市民が死傷した。この2週間では、愛知県一宮市、東京都新宿区、埼玉県さいたま市などで若い女性を標的とした殺人事件が相次いでいる。また、窃盗、強盗、つきまとい、振り込め詐欺などの事件もたびたび起きており、中国人が被害に遭うケースも少なくない。
  • 栃木県栃木市、岩手県盛岡市、埼玉県さいたま市、広島県庄原市、岐阜県関市、福岡県福津市など日本各地で集団的な食品衛生問題が発生している。

その上で、日本に行く中国人に対し、人気の無いところや治安の悪いところに行かない、生水は飲まないなど食品衛生には気をつける……などといったことが注意喚起されています。けれど、何でしょうね、このモヤモヤした感じは。去年、半年も経たない間に日本人の幼い子どもが切りつけられた国に住む私としては複雑な思いです。

自国民が海外に行くにあたり注意喚起するのは在外公館としては当然の役割です。どうこう言う権利はないでしょう。日本で凶悪な事件が起きていないというつもりもありません。けれど……懸命な皆さんなら悟っていただけると思います。中国では日本でいかに凶悪な事件が起きているか注意喚起される一方、日本人の男の子が切りつけられた事件が起きたことは一切報道されていないのです。

まあ、多くは語るまい。どの口が言うだなんて後ろ指はさされたくはないものです。もって他山の石にしようと思います。

回転ドアと電気自動車

日本から中国に来た人がよく「中国には回転ドアがたくさんありますね」と言います。回転ドアというのは商業施設の入口なんかにある、人が出入りする際に自動でクルクル回転する扉のことです。

中国に回転ドアがたくさんあると言うより「日本で回転ドアを見かけなくなった」と言うのがより正確かと思います。

その理由は私と同世代、あるいはそれ以上の世代の方であればご存じの方も多いと思います。2004年、東京の六本木ヒルズで幼い子どもが回転ドアに挟まれて亡くなるという事故が起きました。閉まりかけたドアに駆け込んだ際に上半身が挟まれ、ただちに救出されたものの、まもなく亡くなりました。よく知る場所で起きた事故だったこともあり、私もよくニュースを覚えています。この事故をきっかけに、全国各地の回転ドアは急速に姿を消していきました。

これを思い出す度に、とても「日本らしい」と感じます。日本では特定の製品に関してひとたび事故が起きれば、原因が究明されるまで運用や供給がストップされます。中国は正反対。事故が起きても運用や供給が止まることはないどころか、時には事故そのものが隠蔽されてしまいます。

中国では最近、スマートフォンメーカー「シャオミ」の自動車が起こした事故が大変注目されています。そもそも多くの日本人は「スマホメーカーが自動車を作っているの?」という点に驚いちゃうと思いますが、中国ではシャオミだけでなくファーウェイも車を作っていますし、ドローンメーカーのDJIも作っていて、街中ではよく見かけます。

今回の事故はシャオミのSU7という電気自動車が起こしました。3人の女子大学生が運転支援機能を使って時速116キロで走行していたところ、システムが前方で工事箇所を検知しました。車は自動で減速を始め、その1秒後に運転手が自ら制御する形でブレーキを踏み始めたものの、間に合わずに衝突したということです。

昨今、自動車の自動運転・運転支援がもてはやされていますが、私はまだまだ不十分な技術だと思っています。そもそも新興のスマホメーカーが作った自動車です。それなりの検証を経て販売されているのだと思いますが、安全技術の蓄積は日本やドイツといった自動車大国のそれにはかなわないでしょう。現にヨーロッパは自動運転に関する法律が大変厳格です。データや仕様のコンプライアンス、実証テストのルール、事故が起きた際の責任の所在、どれも厳しく定められています。テスラの完全自動運転機能がヨーロッパで広く普及していないのがその一例です。

もちろん中国の規制少ない環境が技術開発に一役買っているのは重々理解しています。実際、中国の自動運転・運転支援の実用化は世界トップクラスです。その一方、事故が起きた後も毎日のようにシャオミのSU7を見かけます。亡くなった3人の遺族はどう思うでしょう。街中で同型車種を見かける度、日本の回転ドアをめぐる対応との違いを思い出さざるを得ないのです。

豚骨ラーメン

今日は昼食に博多ラーメンをいただきました。

北京は芳草地にある「博多一幸舎」というラーメンのチェーン店です。本店は福岡県福岡市にあり、中国国内でも10店舗余り展開しているそうです。北京には2店舗あり、そのうち1店舗がいつも通っている美容院の近くにあるので、髪を切ったついでに食べに行きました。

ここに来るといつも豚骨ラーメンとミニチャーハンのセットを注文します。

とてもおいしいです。スープに浮かんだ泡が特徴で、日本では「泡系ラーメン」と呼ばれているそう。豚骨スープが吹き出すときに脂が出て、これをかき混ぜて空気を含ませたら泡になるんだそうです。麺も少し硬めなのが噛みごたえあっていいですね。あとチャーハンも好きです。本当に普通のチャーハンなんですが、街の中華料理屋さんにありそうな味。チャーハンの本場は中国ですけど、中国でこんなチャーハンに出会ったことはありません。こういう味のチャーハンはもはや日本食なんでしょうね。ただスープがこんなに塩辛かったかしら。思わず途中で水を足してしまいました。

中国の人もよく日本のラーメンは塩辛すぎると言います。こちらの店では注文でスープを選ぶ際「薄め」と「普通」から選ぶんですけど、中国語ではそれぞれ“标准”(普通)と“咸味”(塩辛い)と訳されていました。私は日本語だと「普通」のスープを注文したのですが、つまり中国語では“咸味”(塩辛い)を注文していたことになります。隣でラーメンを食べていた女性も店員に「なんでこんなに塩辛いの」と尋ねていました。

ちなみに中国で豚骨ラーメンというと「味千ラーメン」*1が有名です。ただ、これが本当においしくない。スープは水っぽくてコクがありません。麺もまるでコンニャクのようです。だのに中国では大人気の一大チェーンで、どの店も昼時は大混雑しています。豚骨ラーメンって「こってり」が命なのに、こんな豚骨ラーメンをおいしいおいしいと言って食べているのが何だか不憫でなりませんでした(余計なお世話ですね)。ただ今日のスープを飲んで、もしかすると中国の人たちには味千ラーメンくらいの薄味がいいのかもしれないと思っちゃいました。

昼食後、娘とショッピングモールの中を散歩しました。まだ歩行が少しおぼつかないので、手を繋いであげると私の人差し指を固く握ってくれました。しばらくすると娘のほうから引っ張るくらいの勢いでテクテク歩きます。まるで私が娘に先導されているようです。今は私たちが娘を連れていますが、いつか私たちのほうが引っ張られる側になり、娘のほうが私たちの前を歩いて新たな時代を切り開いていくのかな……なんて、センチメンタルな気持ちになってしまいました。

References
*1日本ではあまり知られていませんが、中国では知らない人はいないというくらいのラーメンチェーン。発祥は熊本県らしいですが、その実、中国の企業が商標代理権を得て展開している、事実上は中国のラーメンチェーンです。

初めての貴州料理

今日は土曜日でしたが休日当番ということで出勤しました。

先輩も休日出勤で職場に来ていたので、昼食は一緒に近所のレストランに行きました。私は初めて行く店で、聞くと貴州料理とのこと。貴州料理なんて食べたこともなければ、想像も付きません。そもそも貴州にも行ったことがないのです、私。

で、結果的にドンピシャ。ちょっと辛めの料理が多いんですが、酸味があるのです。酸っぱい味が好きな私にはドストライクの味でした。東南アジア料理が好きな人ならきっと気に入ると思います。この酸味は貴州料理の大きな特徴で、現地では“三天不吃酸,走路打蹿蹿”(3日酸っぱいものを食べないと、歩く足がおぼつかなくなる)という民謡が歌われるほどなんだそうです。

こちらは“丝娃娃”(スーワーワ)という料理。写真のように様々な野菜が小鉢に入って運ばれてきて、これを小さな春巻きの皮で包みます。で、酸っぱ辛いスープに浸していただきます。このスープはレモングラスの香りが強く、まさにトムヤムクンみたいな感じ。自分で包むのもまるで手巻き寿司のようで楽しいです。

ほかにも豚肉の載った魯肉飯みたいな丼料理“猪肘饭”や、トムヤムクン風のスープに麺の入った“酸辣面”などを注文し、シェアしていただきました。

店内も小洒落たカフェみたいな雰囲気で、中華料理のレストランっぽくありません。

お店の名前は“席上喳喳”、日本語にすると「席の上でピーチクパーチク」という変わった名前です。調べてみると北京の前門にもう1店舗あり、こちらが本店のようです。そちらの店舗入口には大きな木があり、その木に停まる鳥たちが元気よく鳴く様子から名付けられた店名なんだそう。いいですね、今度は前門の本店のほうにも行ってみたいと思います。

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