そもそも子どもを日本で生むか、中国で生むか。

単刀直入に書くと、私たちは中国で生むことにしました(理由は後述します)。そこで北京市内の他病院についてもいろいろ調べましたが、どの情報も「ユナイテッドファミリー」が申し分ないと書いています。高級感があってきれい、日本人通訳もいる、設備もハイテクそう。私たちも受診してみて「ああ、ここなら大丈夫かな」という安心感がありました。

ただ……とにかく高い!インターネット上の情報を調べても「ユナイテッドファミリー」で出産したという日本人の方は会社が費用を負担してくれたという声がほとんど。私の会社は出産費用は負担してくれないのです。悩みに悩みましたが、初めてのお産だし、あとから「あっちの良い病院にしておけばよかった」とか「あのときお金をケチッたがために」と後悔したくなかったので、「ユナイテッドファミリー」で出産することを決心しました。

(その1)(その2)

私たちが現時点で契約・支払いしたのは下記のパッケージです。

早期妊娠パッケージ(“早孕检查套餐”)

妊娠6~10週が対象の検査で、体重・血圧・問診、あとはエコー検査がありました。私たちが前に受けたのがこちらです。受診1回で880元(約1万8000円)でした。

妊娠検診パッケージ(“产前检查套餐”)

これは妊娠12週~出産前の検査。全部で13回受けられ、12週~28週は4週間に1回、28週~36週は2週間に1回、36週以降は1週間に1回というペースです。

私たちは出産も「ユナイテッドファミリー」でする契約をしたので、このパッケージを5%割引をしてくれ、価格は2万2610元(約46万3000円)でした。ちなみに別病院で出産する場合(「妊娠検診パッケージ」のみの契約)は2万3800元とのこと。日本だと「妊婦健診」にあたる部分で、自治体が補助してくれるなどするそうですが、う~ん中国では実費。しようがないですね。

自然分娩・出産パッケージ(“自然分娩定制套餐”)

出産は別に契約しなければなりません。私たちは先ほどの「妊娠検診パッケージ」と一緒に出産もお願いすることにしたので、10%の割引があって5万9400元(約121万8000円)。高い!!さらに私たちは追加で無痛分娩もお願いしたので、1万元(約20万円)プラスになりました。「自然分娩」とは別に「帝王切開」のパッケージもあり、こちらだと8万8000元(約177万円)になります。とりあえず「自然分娩」で、ということで私たちはそちらを契約しました。

*         *         *

上記を全て足すと……

  • 880元(早期妊娠パッケージ)
  • 2万2610元(妊娠検診パッケージ)
  • 5万9400元(自然分娩・出産パッケージ)
  • 1万元(無痛分娩)

合計9万2890元(約186万7000円)。ひゃあ~~~!!!高い!!!さらに医師から追加検査を指示されれば、その分の追加料金がかかります。

ここまでなら……何とか踏ん張れます。

私たち夫婦を不安にさせたのは、生まれてきた赤ちゃんが仮に早産でNICU(新生児集中治療室)に入院しなければならなくなった場合でした。と言うのも、NICUの入院費は1日で1万5000元(約30万円)近くかかるのです。過去に「ユナイテッドファミリー」で出産をした日本人の中にはNICUに2か月ほど入院し、2000万円近くかかった人もいるとのこと!?最終的に会社が払ってくれたそうですが、個人で支払えという話になった場合、私にそんな財力はとてもありません。

これを解決してくれたのが、海外赴任に当たって会社から加入させられている民間の保険です。会社と保険会社の両方に問い合わせたところ、私に子どもが生まれれば、その瞬間から保険に加入することになり、NICUへの入院は「医療行為」と認められるため保険会社が負担してくれると教えてもらいました。良かったあ……いや、本当にありがたいです。

費用をどう捉えるか

日本で生むか、中国で生むか。妻と話し合いましたし、決めるに当たっては周りの人にも相談しました。奥さんの実家に頼れる日本で生んだほうがいいとか、中国で生んだほうが家族の絆が深まるとか、人によって本当に様々なアドバイスをいただきました。

ここだけの話、私の本心は最初から決まっていました。中国で生んでほしいと思っていました。それで妻にはしんどい思いをさせるかもしれないし、私にもそれを支える覚悟が必要です。けれど私たちにとって初めての子ども。苦労を乗り越え、生む喜び、育てる喜びを一緒に近くで分かち合いたいという思いが強くありました。だってかけがえのない瞬間です。

正直、病院についてはあまり心配しませんでした。「ユナイテッドファミリー」は立派な病院です。費用の問題さえ克服できれば、大きな問題ではないと思っていました。むしろ心配だったのは妊婦生活を送る上での周りの環境です。妻にとっては初めての中国生活で、ただでさえ慣れないのに異国での出産はストレスなはず。知り合いもいないし、不安になるかもしれません。それよりは日本に帰国し、親しんだ環境で出産に臨んだほうが良いかもしれないと思ったのです。そんなこともあり、日本と中国のどちらで生むかは妻の意見を最優先にすることにしました。

その結果、中国で生むことを決めました。

一番は、妻が私と一緒に生みたいと考えてくれたことが大きいです。それ以外だと妊婦健診・出産にあたっての費用も支払えそうだということ。住んでいる家がサービスアパートメントのため、お掃除さんが掃除やベッドメイク、タオルの交換をしてくれること。中国ではデリバリーが普及しているため、日々の買い物(野菜や肉など)も格安で配達してくれること。中国ならではのメリットがあることに気付けたのも、こちらで生もうと決心した理由です。

200万円近い妊婦検診・出産費用はよくよく考えれば結構な額です。いやあ、安くはない。けど母子ともに安全安心な環境で出産できるなら必要経費かな、と感じます。第一、家族揃って中国で出産というライフイベントを経験できるんです、特別じゃないですか。生まれた子は0歳にしてパスポートを持つことになるんですか?一生使える「ネタ」を子どもに提供できます。

……とまあ、そうでも考えないと懐寒く感じちゃうじゃないの(^^;)。そういうわけで、こちらのブログでは夫婦の中国出産記をつづっていきたいと思います。出産予定日は来年2月、どうなるやら……で正直想像もつきませんが!皆様どうぞよろしくお願いいたします。

(その1)(その2)

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