The time is gone, the song is over, thought I'd something more to say.

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厳戒態勢の北京

中国では明日から5年に1回の「中国共産党大会」が始まる。

日本だと国のことを決める最高機関といえば、まずは「国会」を思い浮かべるだろう。もちろん中国にも国会に相当するものはある*1。けれど党が国を作った中国では「国」よりも「党」のほうが上。だから中国では「中国共産党大会」が最も重要な会議なのだ。

地下鉄2号線の前門駅、改札を出ようとしたら警察官がひとりひとり身分証を確認していた。よくよく考えれば、前門駅は天安門広場に通じる駅だ。党大会が開かれる人民大会堂も天安門広場に位置するため、警備が厳しくなっているのだろう。

一方、私は中国国内で身分証代わりになるパスポートを持っていない。というのが、公安局に預けているのだ。公安局からは“回执”というパスポートの受取証明書をもらっていて、預けている間はこれがパスポート代わりになると聞いている。これで許してくれるだろうか。

私も列に並んで“回执”を見せて「今、パスポートは公安局に預けていて」と説明しようとしたら一瞥して“走了走了”(行って行って)とのこと(^^;)。ええんかい、これで(笑)。

References
*1中国では「全国人民代表大会」と言う。

温かい食事

今日も仕事がバタバタと忙しく、昼食は会社近所のセブンイレブンで済ませることに。

前にも書いたが、私の留学時代に比べて北京はセブンイレブンが増えた。それも商品のラインナップが充実した気がする。弁当、サンドイッチ、おにぎり、そして店内で淹れてくれるコーヒーや温かいおでん*1に種類豊富なデニッシュ。

もちろん日本のコンビニの充実ぶりとくらべたら「まだまだ」だけど、そこは比べてはなるまい。日本のコンビニが特別すぎるのだ。そういう意味では、北京でこれだけ充実してきたのは御の字。

中国のセブンイレブンで独特なのは、店内のデリカが豊富な点だ。種類がたくさんあって、温かい料理を目の前で弁当箱によそってくれる。

中国人には「食事はアツアツでなければならない」という原則がある。今でこそサラダや日本の刺身は受け入れられているが、数十年前の中国では「生野菜を食べたり、火を通さない生の魚を食べたりだなんて、動物じゃないんだから」と、受け付けない人が多かった。そのため日本だとスーパーやコンビニに並ぶ弁当のごはんがちょっとくらい冷めていても何とも終わらないが、中国人からすれば「作って時間のたった料理」というネガティブな印象が付きかねない。

このセブンイレブンの店内デリカは、お客さんにアツアツの料理を、それも目の前でよそってくれる*2という点で中国に根ざしたサービスなのだ。

昼どきにはコンビニだというのに、そこそこの行列が出来ていた。口頭で注目すれば店員がよそってくれる。ちなみに入れ物も何種類かあって、私は白米の上に惣菜を載せてもらった。

注文したのは“西红柿炒鸡蛋”(トマトと卵の炒め物)と“宫保鸡丁”(鶏肉とピーナッツのピリ辛炒め)。本当は“土豆炖牛肉”(ジャガイモと牛肉の煮込み)が欲しかったが無くなってしまっていた。

味はまずまずだし、白米もほかほかでおいしかった。肝心な値段を忘れてしまったが、お手頃価格だったように思う。すぐ近所のコンビニで温かい料理がこうして食べられるなら、この点については日本のコンビニより進んでいるのかもしれない。

References
*1中国でも日本の「おでん」は知られていて“熬点”(発音が『アオディエン』)とか“关东煮”(日本の漢字で「関東煮」)と呼ばれている。北京のセブンイレブンでもレジ横で提供されているが、味はやはりちょっと「中華風」。
*2中国人は「自分で見て確認したもの」しか信用しないところがあって、そういう意味でも「目の前で自分のためによそってくれる」というのは大切なポイントかもしれない。

朝星夜星

今日は午前6時出勤。昨日から新居なので会社までかかる時間が読めず、早めに家を出発。

午前5時台の北京はまだ暗い。新居から会社までは地下鉄で向かったのだが、ガラガラだった……って、そりゃあ午前5時台じゃそうか。会社にも思いのほかずいぶん早めに着いてしまった。

同じ時間に出勤した先輩が朝食の出前を頼むというので、私も一緒にお願いした。

注文したのは「永和大王」という、中国ならどこでも見かける中華料理のファストフードチェーン。私は豆乳、油条、蛋餅のセットを注文。これぞ中国の朝食!おいしかったが、油条も蛋餅も油を使った料理なので、食べ終わる頃には胃もたれしてしまった。やっぱり私も日本人なんだなあ(^^;)。

日中は頗る忙しく、今日も日付が変わってからの帰宅になってしまった。

日が昇らないうちから出勤し、真っ暗になってから退勤する。こういうのを「朝星夜星」と言うのだと、確か母親から教わった気がする……のだが、これは全国的に使われている表現なのだろうか。おそらく「朝、星が出ている時間から働きに出て、夜、星が出るまで働く」という意味なのだろう。

新居に入居

今日から新居に住むことができることになり、隔離明けからお世話になっていたホテルをチェックアウト。家探しの際に一緒に回ってくれた不動産屋さんが車を出してくれ、重くて大きなスーツケースが2つある身としては助かった。

ホテルのロビーにいると私の名前を呼ぶ日本人男性が近寄ってくるので、誰かと思ったらホテルの副総支配人だった。私が宿泊していたホテルは日系なので、しかるべき部門には日本人がいるのだろう。ご宿泊ありがとうございましたと頭を下げられてしまい、こちらが恐縮してしまった。私みたいなペーペーにも丁寧に対応してくれるんだから、さすがだ。

副総支配人に見送られるVIP待遇で新居へ向かい、荷物だけ置いたらすぐに出勤。地下鉄で行こうかと思ったら、これまた不動産屋の方が会社近くまで車で送ってくれた。ありがたいなあ。

今日のバタバタ忙しい一日で、新居に戻ったのは日付が変わる頃だった。部屋にはまだ何もないし、ガランとしていて逆に落ち着かない。これならホテルくらいのこじんまりした空間のほうが落ち着けるというものだ。せっかく入居したのでいろいろと日用品を買い揃えたいところだが、今週・来週は忙しいのでもうちょっと先になるかな。

中国コーヒー戦国時代

私が北京に留学していたのはたかだか11年前だが、それでも当時と比べるとたくさんの変化を感じる。どれも私の主観だから、他人からすれば「どうでもいい変化」かもしれないけれど(^^;)。

そのうちのひとつ、多くの人がコーヒーを飲むようになったと感じる。

11年前の北京はコーヒーを好んで飲む人がまだ少なかった。日本の純喫茶のようにコーヒーだけを出す店は無かったし、喫茶店というと文字通り「茶」を楽しむ場所だった。スターバックスやコスタコーヒーといった海外のカフェチェーンは当時からあったが、中国人たちは専らカフェモカやココアといった甘い飲み物が目当てで、コーヒーを飲む人は少なかったように思う。

そうしたなか例外的に珈琲の名を冠する店があった。その名も「上島珈琲」(”上岛咖啡“)、北京だけでなく中国各地で見かけたことを覚えている。

北京の上島珈琲(2011年1月撮影)

日本で上島珈琲と言えば、神戸に本社を置くUCCが経営する「上島珈琲店」だ。

上島珈琲店
美味しいカフェをお探しなら、上島珈琲店へご来店ください。美味しさにこだわりぬいたネルドリップコーヒーで、厳選された季節のデザートやお食事メニューをゆっくりお楽しみいただけます。近くのカフェをお探しなら、ぜひ上島珈琲店へ!

一方、中国の上島珈琲は全くの別物。どうやら台湾発祥のようで、中国国内で約1000店舗と派手に展開し、現地で知らない人はいないほどメジャーになっている。日本の上島珈琲店も中国に進出はしているものの、皮肉にもこちらのほうが圧倒的な認知を得ている。

北京の上島珈琲(2011年1月撮影)

ニセモノかどうかはさておき「珈琲」という文字が店名に入っているのだ。それなりのコーヒーを出してくれるんじゃないかと期待して、留学時代に一度入店してみた。

私の入った店舗は暗く怪しい雰囲気が漂っていて(笑)それぞれのボックス席がすだれで仕切られ目隠しのようになっていた*1。メニューを見ると喫茶店というよりは、ファミレスのようなラインナップ。メニューのどこにコーヒーが書いてあるのか探してしまうほどだった。

肝心なコーヒーだが、まるでお湯のように薄い味で全くおいしくなかった。おそらくブラックで飲む人が少なく、どうせ砂糖とミルクを入れるので、コーヒーそのものはあまり重要ではなかったのだろう。当時は中国でこういう薄いコーヒーによく出くわした。これならインスタントコーヒーのほうがまだましだ、と泣く泣く帰ったのを覚えている。

なぜそんなことを思い出したかというと、今日、会社近所にあるセブンイレブンでコーヒーを買ったからだ。写真はMサイズ(”中杯“)で、10元(約200円)。たっぷり入っていて、味もまあまあ。少なくとも上島珈琲(『上島珈琲店』ではなく)と比べれば雲泥の差だ。

そもそもセブンイレブンだって私の留学時代にはほとんどなかった。それが今や北京の至る所にできて、そこでコーヒーが買える。ちょっと大げさかもしれないけど、留学当時にコーヒー難民だった私からすれば隔世の感を禁じ得ない。それだけ今、中国でコーヒーが飲まれるようになっているのだ。

中国国産のカフェチェーンも多数生まれている。

その代表例が「ラッキンコーヒー」(”瑞幸咖啡“)。わずか4年前に北京に1号店を出したばかりだというのに、すでに7000店舗近くを展開し、数だけならスターバックスを凌いでいる。実際、北京の街を歩いていてもあちらこちらで見かける。行ってみると、店舗の内装はおしゃれだしコーヒーの味もまずまず。何も知らずに店を訪れた人はまさかラッキンコーヒーが中国国産のカフェチェーンとは思わないんじゃないかなあ。

今や、中国のコーヒー市場は「戦国時代」だ。中国人たちのコーヒーを飲む舌はどんどん肥えてきていて、この国で生き残っていくのは簡単ではないだろう。鎬を削る企業の皆さんは大変だろうけど、コーヒー好きとしてはありがたい限り。これからの中国駐在生活、いろんなコーヒーを飲み比べるのが楽しみだ。

References
*1中国人の友人がいつか「一部の上島珈琲は男女でいやらしいことができる」と言っていた。当時はどういう意味かよく分からなかったが、調べてみると一部店舗はカーテンなどで仕切れる空間があって、いわゆる同伴喫茶みたいに使う人がいるらしい……って、私が行ったところがそうだったんじゃないの(^^;)。
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